インペリウム『皇国物語』

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episode2 『ユーロピア共栄圏』

27話 天姿国色の戦姫

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 ラインズの部屋を訪ねてきたのは少年だった。部屋を間違えたのかと一瞬確認を取ろうとするが彼のコートの胸の紋章を見てグレトンの人間だと悟る。

「はじめましてラインズアーク・オズ・ドラストニア皇子……噛みそうな名前だよね。ラインズ皇子でいいかな?」

 そう軽口を叩く少年だが彼は以前に市場でロゼットと出会っている、あのシェイド少年であった。数時間遅れてグレトン公国首都に到着しラインズが来ていることを知り直接会いに来たそうだった。

「まさかこんな子供が公爵とは…うちのお嬢様と大して変わらないだろうに」

「ん……そのお嬢様って銀髪のロゼットのこと?」

 意外そうな顔をして驚くラインズ。まさか二人に交流があったとは知らずことの経緯を聞くに市場で買い物させた際に二人は知り合ったとシェイドは語る。その際にグレトンからの労働者斡旋の求人の張り紙が大量にあったこと、鋼鉄の劣悪品がドラストニアに流通している問題も話し合う。

「労働者に関しては情報通りだが、劣悪品が横行しているなんて初耳だぞ」

「だろうね、俺も現地で見るまでは半信半疑だったから。腐っても先代の弟であった大公でもそこまで落ちぶれてはいないと信じたかったけどさ」

 シェイド曰くマンティス大公はグレトン公国先代君主の弟で先代が亡くなったことで公爵だったマンティス大公が大公の爵位へと変わり君主になった。そうした経緯ではあるが元々野心の強かったマンティス大公は現在の地位に就き軍備強化を図り、軍事力を背景にしてフローゼル王国を取り込もうと目論んでいるという。

「そんな内情を他国の人間の俺に話して大丈夫なのか?」

「勿論見返りは頂くけどね。俺が渡した情報なんて勘の鋭い人間なら気づけるものだと思うし、これ以上の内部の情報はそちらからもらえる見返り次第ってことで」

 無知な子供の戯言か、しかし爵位持ちでここまで話を理解しているとなると無知とも到底思えない。となると計算してのことであれば内紛――

「グレトンとしてはドラストニアの広大な土地が欲しいというのが本音か」

 ラインズの言葉に頷いて同意するシェイド。

「山岳地帯に囲まれているからレイティス共和国とのつながりもないし。大規模な港町もあるわけじゃないしね。あんな山しかない土地になんで国なんて建てようと思ったのか度し難いよ」

 やはり食糧問題か。
 産業によって金政策は充実していようとも国民の生命線である食料を他国頼りにするのはあまりにも危険。だからこその軍備強化と考えるとその先のことを予想するのは容易であった。

「マンティス大公はおそらく内紛でそちらの戦力が削がれてると踏んでるだろうね。だから勝てると思っているのか…。けど今の状況…ドラストニアの現状を見てきたけど開戦となればグレトンは間違いなく負ける」

「軍をほとんど消耗せずに沈静化できたからな期待通りといかなかったわけか」

 皮肉交じりに述べるラインズに対して「どうやったのか教えて欲しいくらいだよ」と返すシェイドにロゼットのおかげだと言う。

(今回の会合でそのあたりの確証は取れているし。あのおっさんよりかは…まぁ情報源としては信用できそうかな。だが保険は一応掛けておくか…)

 互いの利害が一致ということで彼らの『密談』は終わる。シェイドが退室後書状の続きを書き上げ、もしもの時の保険のために紫苑達にもすぐに動けるよう軍をまとめる趣旨を追記する。


 ◇


 草原と山々を越えトンネルを抜けると広大な美しい湖が広がり、湖に沿う形で列車は走り抜ける。ロゼットは驚き感動して思わず窓を開けて身を乗り出すとセルバンデスに注意を受けながらもその身に風を受けながらその目に映る景色を堪能していた。

 王都に入ると湖から流れる水路が都全体を駆け巡り、水の都と呼ばれている。ドラストニア王都とはまた違った風景に興奮気味のロゼットはセルバンデスの説明を受けながら王都の中心部である王宮へと向かう。

「ここフローゼル王国の王都は巨大な湖『アクエリアス』から豊富な水資源を利用して水車や製鉄技術にも富んでおります」

「綺麗な街…ドラストニアとはまた違って見えますね」

 街並みに感心していると関所で共に列車に乗った少女マキナもそれに同調しつつ国の性質についても話す。

「フローゼルの国王は結構温和な人だしね、まぁ……よく言えば穏健派っていうのかな。国としても保守的な政策が多い印象だし」

「穏健ってことは穏やかな人ってことだよね?」

 マキナの言葉に平和なイメージを抱くが、シャーナル皇女は呆れたような表情で横槍を入れる。

「腰が重いだけのめんどくさがりか、ただの臆病者かのどちらかよ」

 これから会うであろうフローゼル国王のことを毒突くシャーナル皇女。ロゼットとセルバンデスは訪問最中にこの毒が出ないことを祈りながら広場へと向かっていると何やら騒ぎに出くわす。

「我こそはと思う者はいないか? 魔物討伐のための義勇兵として参加するものはいないか!?」

「俺と一戦交えることが出来る奴はいないか?」

 集まる野次馬は騒然とし、何やら数名の人間が兵士を募っているようであった。

「なんだろう??」

「この近辺で魔物が活発化してるみたいで討伐のための遠征部隊を募集しているようですね」

 ロゼットの疑問に応えるセルバンデスもこの地域の魔物の活発化は危惧していたようで討伐できなくともせめてこの土地から数を減らすための対策を思案しているようであった。

「国交正常化を前提としているのだから当然よね。ただあの連中はどうも…ね」

「どー考えても胡散臭そうだよねー」

 シャーナル皇女が何やら感づいている様子に同調しているマキナも気づいているようであった。それと同時に彼らがこちらに目をつけシャーナル皇女を指して呼び出す。

「そこの女性!腕に自信がありそうな御仁だ! さぁさぁ、こっち来てきて!」

 手招きするように呼び込むと周囲の野次馬もこちらを見ながら道を開けるようにして人々の間に空間が出来ていく。シャーナル皇女は心底ウンザリといった様子であった。呼び込んだ男が近づいてくるのを警戒するように間に入るセルバンデス。

「あー…ゴブリンはおとなしくしてくれたまえ。討伐しかねないからね」

 男がそう言うと男の仲間たちからは笑いが巻き起こる。冗談でもそう言うことを言う人間に対して不快感を表すロゼットとマキナだがその横ではシャーナル皇女から表情が失せていた。

 男が更に近づきシャーナル皇女の手を取ろうとするが尚もそれを遮るセルバンデス。やむ得ず野次馬には聞こえない程度で男に我々が王族一行であるということを伝えるが―…。

「おぉ…美しい!皆見てくれ、まるで彼女は戦場の女神とも言えないか? 魔物も彼女の美しさに思わず魅入られてしまいそうにも思えるじゃないか」

 このセリフにシャーナル皇女とセルバンデスは何かに感づく。

(この男…)

 そして今度はロゼットの方に矛先を向けまるでエルフのような容姿の彼女を褒め称える。ロゼット自身は褒められると大概はわかりやすいほど喜ぶが今回はむしろ警戒感を露にしている。

「ロゼット、貴女が相手してあげなさい」

 その様子を察したシャーナル皇女からとんでもない提案が出され、一同からは言葉が失われ野次馬は騒然とする。

「シャーナル皇女! 何を!?」とセルバンデスの静止する声が上がるが「自分にあの男の相手をしろと?」でも言わんばかりの目で突き返してくる。マキナも流石に相手させるのはまずくないかと止めに入るがシャーナル皇女は彼女にやらせるよう言い放つ。

「おいおい、俺も随分と舐められたものだな」そう言いながら笑い声が響く。野次馬の中から煽るように声を上げる人間も出始め、広場はさながら闘技場のような雰囲気へと変わる。

 不安そうにシャーナル皇女の顔を見るロゼットに対して安心させるような優しい表情で伝える。

「いつも私とやり合っているときのことをよく思い出して、やりなさい」

 それだけ伝えるとシャーナル皇女はいつもの表情へと戻り一同は広場の中央へと移動する。

 使用される武器は木製の訓練用の剣。普段ロゼットが使用している剣よりも軽く、扱いやすくはあるものの公衆の面前で剣術での戦いなど初めての彼女にとって緊張感が津波の如く押し寄せてくるのがわかる。体は震え、冷や汗が体中を伝う。

「そんなに緊張しなくて大丈夫大丈夫、軽くやろう軽く」

 その言葉を聞いて少しムッとした表情になるロゼット。

「あらあら、大の男がこんなか弱い少女と本気でやって負けたら眼も当てられないものね」

(なんで挑発しちゃうのぉ―!!)

 完全に舐められている様子のロゼットに檄を飛ばしているのか単に男を挑発しているのかわからないような言葉をシャーナル皇女は言い放つ。それに動揺するロゼットと対峙する男。

「大した自信じゃないか、この子が俺に勝てたらなんでもしてやるよ」

「なら貴方が勝ったら今夜付き合ってあげてもいいわよ」

「シャーナル皇女!! 何を考えておられるのですか!?」

 セルバンデスの言葉に被せるように大丈夫とだけ答えるシャーナル皇女。マキナはもはやお祭り騒ぎのこの状況を楽しんでみているようだが持ち物のハンマーらしきものを構えて事態を見守っている。

「ほほぅ! 王族様が夜のお供をしてくれるとは…!! その言葉忘れないでほしいな」

「私は王族、言葉にしたのなら撤回はしない」

 ものすごい重圧がロゼットにのしかかる。手も震え体が強張り、まともに動けるような状態ではなくなっていた。見えない恐怖に体が縛り付けられるような感覚に陥る。周囲が静かになり、その直後合図の声が上げられる。

 男は構えているだけでこちらに仕掛けて来いと言わんばかりに手招きをしてくる。ロゼットは動けず震えているだけだったために構わず男が攻撃を仕掛ける。

 重い一撃が木製の剣から伝わってくる。ロゼットは剣ごと身体を吹き飛ばされ、尻餅をついてしまう。男はその後も容赦なくロゼットに対して剣を振りおろしそれを咄嗟に避ける。

「ロゼット!」

 そう声が上がり彼女の足元に普段訓練で使っている剣が投げ込まれる。

「おいおい、実剣は無しだろう」という男の反論に訓練用の刃の落としてある剣だと説明し、子供相手のハンデと言う。

「子供相手に多少のハンデくらいあってもいいのでは? そんな度量なしの元に誰が義勇兵になんて来るのかしらね?」

民衆にも言い聞かせるようさらに煽り、その美しさがより扇情的に映る。

通常木製の剣のほうが軽いため鋼鉄製のものでは剣速が遅くなるのでむしろロゼットの方が不利になる。ハンデといわれてもそれは逆なのではないかと、セルバンデスが疑問に感じている横でシャーナル皇女は余裕の表情を崩さない。ロゼットは剣を構え直し相手に向かう。

(いつも通り…いつも通りに)

 呪文のように唱えながら男を見る。心の中でいつも何処を見ていたか、と自分に問いかける。
 それに気づいたロゼットの瞳孔が開き目つきが変わる。

 訓練の時のあの一瞬の無の時間が出来た後、男が斬りかかってくる。先ほどよりも早い一撃が横払いで来るがそれを難無く流すように受けるロゼット。そのままの勢いで男は前進していくがすぐに切返しに移る。

 次の一撃も軽く受け流すようにして躱す。男は一度距離を置き後方へ下がるがそれと同時に今度はロゼットが物凄い勢いで男へと攻撃を仕掛けに行く。その動きに一瞬気圧されたため構えるも僅かに遅れる。

 男の一歩手前で僅かに歩幅を広げその勢いで切り込むロゼットの一撃が男の剣に重く打ち込まれる。構えが遅れたせいか弾かれた反動で後ずさりしてしまう男に容赦なく二撃目を叩き込むロゼット。

 だが今度は躱され無防備になった側面から一撃を打ち込まれそうになるが、先ほどの一撃の勢いから身体を捻らせ一撃に転じそのまま相殺する。

 相手の目線を見ていたロゼットは完全に動きを予測して次の動きに転じていた。尚も攻勢の動きを見せるロゼットに対して野次馬は唖然とし、セルバンデスも驚嘆、というよりも驚愕といった様子であった。

「だから言ったでしょう?」

「こ、これがロゼット殿ですか…!?」

 シャーナル皇女は余裕の表情といった様子でセルバンデスと話す。

「数週間で私の動きについていけるようになったのですもの。元々あの子にはそういった可能性、素質があるのでしょうね。実際に打ち合っていた私が身を持って思い知ったわ」

「野に放ったままにするには惜しい…」

目を細めてそう呟きながら彼女の奮闘を見ている姿を神妙な表情で見ているセルバンデス。

「しかしやはり力では男に勝つことは無理でしょう。体力差もありますし…短期決着で挑まなければ無謀では?」

 セルバンデスの指摘も最もで体力面で男に勝つことはまず不可能。ロゼット自身も気づいてはいないが長旅でかなり体力を消耗した状態でのこの一騎打ち。僅かに動きが鈍り始めた隙を突かれ剣を弾かれる。

 男はこれを好機と思い左薙で切りつけてきた。ロゼットは最後の力を振り絞り飛び上がった。

 そのままの勢いで身体を捻りながら全体重をかけて思いっきり相手の剣の腹を叩きつけるように振り下ろすと乾いた音を立てて相手の木製の剣はへし折れた。

 一斉に野次馬からは歓声が上がりロゼットを褒め称える声が湧く。終始驚いたままのセルバンデスに途中から指笛で応援していたマキナは拍手をしながらロゼットを褒めていた。シャーナル皇女は当然といった様子で冷ややかではあったもののその目はどこか喜んでいるようでもあった。

 ロゼットはもうすでに立ち上がることも出来ずにその場で尻餅をついて肩で息をしていた。湧き上がる歓声を横に男の仲間達の制止する声が聞こえてくる。

「おい! 流石にそれはマズイだろ!!」

「お嬢ちゃん、流石に木の剣じゃ分が悪すぎるぜ。本物でやろうや!!」

 そう言うと男は刃の落とされていない実戦用の刀剣で切り込んでくるがロゼットは寸でのところで地面を転がって避ける。歓声が一気に悲鳴に変わり阿鼻叫喚の騒ぎへと発展。

「ロゼット殿!!」とセルバンデスも流石に危険と判断し手持ちのダガーナイフを構え向かい、マキナも用意していたハンマーで応戦に掛かろうと動く。シャーナル皇女はすでにロゼットの側まで距離を詰め、地竜の赤子の澄華もロゼットを庇うようにして男を迎え撃とうとするがその刹那―…

 金色の輝きと共に男の持っていた刀剣が一瞬にして弾き飛ばされる。

 シャーナル皇女とロゼットの前に立っていたのはブロンドの美しい長い髪を纏め、気品に満ち溢れる立ち振る舞いに凛とした表情。そして見たこともないような美しさを誇る女性が立ちはだかり剣を構えていた。

「イヴ・エメラルダ王女…!」

 周囲が騒然とする中でセルバンデスただ一人がそう発した。
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