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沙雪が消えた夜
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しおりを挟むと、一呼吸おくブラウニ-。
「どうすれば、作るものの対極にいれるか。
例えばこの空間。ここは虚無の中だ。
無だから、どこにでも繋がるし、どこにでも存在できる。
だからいま、それを利用してるんだ。一番、力が要らないから」
「存在できないのに?」
「逆流させればいいだけさ、さきちゃん。
有と無は天と地と同じ。使う力の根本は同じだから。
ま、もし俺TUEEEしたいなら、これを使うのが一番だね。
無い物を逆流させてどんな奇跡でも起こせる。でも、無いものにも限りはあるから」
と、猫は二つの渦を作り出してみせる。
「この二つの、ボクの作った渦の中、さきちゃんを入れる。
一番外の渦を光速まで回転させると膨大なエネルギーが発生する。
この時、渦の外側にが壁ができる。
内側にいる存在は、ほぼ0に近い壁になる。
で、二番目の渦に一番目のエネルギー流し込み、逆回転させる。
これで1番目のエネルギーの処理ができる。
では2番目の渦。ここで出来たエネルギーをどうするか。
その力を利用して、さきちゃんを粒子化させて量子レベルで内面から全体的に観測させる。
同時に余ったエネルギーをそうだな、地球でいうコンピューターの様に全体を管理するシステム維持に利用すればいい。 これなら、沙雪TUEEEどころか……」
「どころか?」
「さきちゃんは、ある意味、神になるかもね……」
さきちゃん、これをすれば、君は必ず……」
「必ず?」
「これから行く異世界でどう正しく力を使っても、悪魔と呼ばれる」
「なんで?」
「人は、人じゃなくても。
神でも悪魔でもいい。
自分を越えた存在を頭では理解できても、本能では恐れるから。
それは、ボクも同じだよ」
そう、ブラウニ-は寂しそうに言う。
かつて彼が愛した人間の女性はそうならなかったが。
人は、いやどの生命体も自分よりも強いものを恐れる。
それは、沙雪には経験して欲しくない。
それがブラウニ-の本音だ。
でも、もしかしたら。
自分を初対面で受け止めたこの少女なら。
その奇異の目や畏怖すらも変えれるかもしれない
ブラウニーはそこに賭けてみることにした。
「わかった」
「なにがわかったの???」
ブラウニ-は光の渦を3つ作り出し、沙雪にそれを送り込む。
光の渦たちは彼女の体内に吸い込まれていき、姿を消した。
「完全な沙雪TUEEEは、絶対にどこかで誰かの恐怖を呼び込む。
でも、少しだけ。
人類を少しだけ越えた沙雪TUEEEなら、ボクが許す」
「許すって……」
ニヤリと金色の猫は不敵に笑う。
「ボクは世界を作れる存在だ。
神なんかより、格上だよ」
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