勇者になりたかった俺は異世界で魔王として生きていくことになりました。

嘉撫月

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魔皇城下町

黒い愛

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ルーナが消えて、太陽は魔王となる事を決意し月の雫を身につけ魔皇城のある山の向こうを目指して歩き始めた。

~山の中~

太陽「にしてもこれ、月の雫ってったっけ?着けたはいいものの何も起きないな。特別な力が使えるわけでもないし。一体どういう事だ?」

太陽は分からないまま歩き続ける。

太陽「もう何時間歩いたかな…。流石に疲れたな。ここらで休むか。って言ってもテントとかがあるわけでもないしこの岩に寝そべるしかないな。」

その時奥の方で物音がした。

太陽「何だ!?敵か!?」

軽くパニックになり岩から滑り落ちる。そして誰かが出て来た。

????「…見つけた…。」

太陽「俺を殺すのか!??食べるなよ!食べても美味しくないぞ!ホントにホントだぞ!!何なら食べてみるか??!」

太陽、気が動転して自分が支離滅裂な事を言ってることに気づかない。

????「…やっぱマオ様…面白い方…。」

太陽「マオ??マオって誰だ?俺は太陽って名前だぞ?それにお前は誰なんだ???」

????「え…頭でも打ったの…?大丈夫?痛い痛いの飛んでけーってしたあげようか…?」

太陽「止めろよ恥ずかしい!本当に誰だよ!!」

シューム「…本当に覚えてないの?…私はシュームって名前だよ?忘れるなんて……ひどい。」

シューム、怒りのオーラが滲み出ている。

太陽「あ、あ、す、すまない。どうにも思い出せなくてな。でも、シュームが俺の大切な人だってことは覚えてるよ。(テキトーにこんな事言っとけば大丈夫かな…)」

シューム「………バカ。」

シューム、顔が真っ赤になり俯く。

太陽、一瞬だけ人が変わったような口調で。

太陽「城まで送って貰おうか。(あれ?何で俺今こいつに城まで送れなんて言ったんだ?初対面の相手に…口が勝手に動いたような…)」

シューム「…マオ様は私が居ないとダメな方……私…ずっと側に居るから………」

太陽「(変わった子だなぁ…でもま、城までの道のりが楽になるかも)」

シューム「…付いて来て。」

シューム、マッハ10の速度で消え去った。

太陽「……付いて行けるかーー!!」

太陽、トボトボと前進し始めた。





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