華の剣士

小夜時雨

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城内警備

初任務 参

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「それは…、申し訳ないがまた詳しく話を教えてもらえないだろうか。」

 未遂とはいえあの男は暗殺者だ。ガドンは少しでも多くの情報を得たいのだろう。

「ええ、もちろんです。リョンヤン王子にこのような危険な目に会わせてしまった…。その償いはできる限りします。」
「すみませんが、今日の昼食は自室でとってもらっても構いませんか?まだ彼は逃亡中ですし、自室の方がよっぽど安全です。」
「構いませんよ。しかし、リョンヤン殿下も気をつけてください。」

 王子と異国の使節団の一行はもと来た道を戻り始めた。

「それにしてもお手柄だったな、ハヨン。初仕事だったのにあんなにも動けるなんてな。」

 ガドンが心底感心した眼差しでハヨンをみた。

「もうほとんど無我夢中でした…。」

 ハヨンもそう答えたが、リョンヤン王子の前で矢を弾き返したことは全く記憶になかったので、不思議でならなかった。
 何かがいる、と感じてから自分はどうしていたのだろうと考えるが、いっこうに思い出せない。
 何か大きな力が働いているような気がしてぞっとした。

「それにしても変わった暗器だな。平べったい暗器なんて初めて見た。」

 一緒に警備していた兵士が、暗殺者が弾き返した暗器を拾ってまじまじと観察する。

「知り合いの人が、異国の暗器を譲ってくれたんです。」

 ヨウには感謝してもしきれない。自分が夢見ていた、王族の人を守ることができたのだから。



「ハヨンさん、今日は初日にもかかわらず、お手柄だったそうですね。」

 ハイルに今日の仕事の報告をしに行ったのに、すでに彼はハヨンの仕事の成果を耳に入れていたようだった。

「でも最初なんて無我夢中だったようで、全然記憶に残ってないんですよ。最初の仕事ってそういうものなんですか?」
「うーん、とても緊張していたのかな…。ハヨンさんが緊張しすぎて頭が真っ白になるなんて、想像できないんですがね…。」

 ハイルはでもそんなことどうでもいいんです。と言い切って、ハヨンに

「ハヨンさん、私はあなたの直属の上司でありながら、あまり手合わせや助言ができませんでした。でもあなたのことはちゃんと部下として大切に思っていますし、あなたが手柄を立てたことをとても誇らしく思います。これからも頑張ってくださいね。」

と今までで見せた中の最高の笑顔でそう言い終えると、何だか照れますね、と顔を少し背けた。
 ハヨンは、彼はいつも笑顔で厳しいことでも何でも言うので、照れている姿が意外に思えた。

(何だか、ハイルさんのかわいい一面を知ってしまったなぁ。)

と思いながらもハヨンにはそんなことを言う勇気もなく。

「はい、ありがとうございます。ハイルさんやヘウォン様に少しでも早く追い付けるように頑張りますね。」

とりあえず今後の抱負を述べると、

「私の役目までは奪わないでくださいよ」

と先ほどの照れ隠しか少しおどけた様子でそう返された。
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