22 / 31
Session02-10 エピローグ チョトーの解放に向けて
しおりを挟む
「……なんというか、詰め込み過ぎた一日じゃったのぉ。」
そう、バーバラが呟くと共に、茶の入ったカップを口につける。
アイル達が本拠地としている屋敷の食堂に、上座にアイル、左右にバーバラ、フィーリィ、ピッピ、ルナが続いて座る。そして、マーリエが座り、マーリエが雇用するようになった、ダール、ルー、ターニャ、ケイが座り、一緒に朝食を食べているところであった。
昨日、ゴルドが手配してくれた、メイドに料理人がその腕前を見せるように料理を作り、給仕している。ダールはこういった作法に縁がなかったこともあり、汁物を飲む時に音を立てれば、三人娘にダメ出しを。ナイフで肉を切る時に音を鳴らせばダメ出しを……と、実践の場になっていた。それをマーリエは微笑ましく見守っている。
「……その、ごめんな? あたしの素性について黙ってて……。」
ピッピがしゅんとした顔でそう呟いた。本当に辛かったのであろう。いつもの雰囲気は鳴りを潜め、ただただ、罪悪感に駆られているようであった。そんなピッピにアイルが笑顔で言葉を紡ぐ。
「そんな事はないぞ、ピッピ。あなたが”暗部”に所属していて言えなかったのは、あなたの立場上仕方ない。……あなたが”暗部”に所属していたからこそ、俺達は出会え、そして、マーリエ、ダール、ルー、ターニャ、ケイとも出会えた。それは”今の”あなただったからだ。」
「アイルの言う通りだとボクも思うよ、ピッピ。君がブルズアイさんを連れてきてくれたから、協力できた。それはピッピじゃなかったら出来ないことだよ!」
「ええ、その通りですね。”暗部”の長と繋がりがあるなど、どれほどの縁かと思いますよ。」
「うむうむ!……そう言った点では、ブルズアイ殿にも感謝じゃな。なにせ、こんな腕利きの斥候をメンバーとしてくれたのじゃからな!」
皆が皆、ピッピの素性について肯定する。裏切っていたわけではない。それでも隠し通し続ける必要がある。それを辛く思わないのが”真に”有能な暗部の構成員であろう。だが、一党の仲間と考えるのであれば……ピッピのその気持ちは代え難いものであった。それ故に、悩み、苦しんだことを受け入れるのだ。
「……ありがとうな!みんな!」
ピッピは涙を拭うように目をこすり、そして、いつも浮かべるような快活な笑顔を見せた。それを見た皆は頷いてみせた。
「よし!では、今後の話をしようぞ。まずは会議室へ皆で移動じゃ!」
バーバラは皆にそう言うと、席を立ち、食堂を出ていった。皆も、合間に朝食を食べ終わっており、席を立って続いていく。出ていく姿をメイド達が誇れるほど美しい礼をして見送った。
◆◆◆◇◇◇◆◆◆
徒党『悪鬼羅刹』の本部となっている屋敷は、二階建ての建物で、一階に食堂、調理場、風呂場、応接間、客間、使用人室、倉庫などがあり、二階にいくつかの一党が分散して生活ができるように部屋が用意されている。執務室や、娯楽室。書物庫や、研究室なども存在していた。その中に、徒党の皆が集まって打ち合わせができるように会議室がある。ここは五十人は入れるくらいの広さがあり、真ん中には大きい円卓が用意されていた。そこにバーバラが台に乗っかって、地図を広げた。
「まずは、これを見て欲しい。チョトー地方の地図じゃ。」
そこには、チョトー砦、チョトー村の周辺が描かれていた。その地図には、いくつのも線が色を変えて書き加えられており、更には何かを示す数字も記載されていた。皆がそれを見ている中、ダールがボソリと呟いた。
「こりゃ……行軍の記録ですかい? この数字はその時の兵の数ですかね……?」
「おお!一発で読み解くとは素晴らしい。マーリエ殿、ダールは掘り出し物やも知れませんな!……コホン!……この地図に描かれた線は、辺境伯軍の解放戦の際の行軍経路じゃ。数字はその時の動員兵力じゃ。計五度の解放戦を仕掛けておる。赤、青、緑、紫、黒と順番になっておるから確認して欲しい。」
第一次解放戦……兵力五百、冒険者一党五組
第二次解放戦……兵力千、冒険者一党五組
~
~
第五次解放戦……兵力四千、冒険者一党五組
その数字を確認した上で、描かれている線を眺めると、どれもが予測されている”迷宮”まで辿り着けず、チョトー砦に籠もる兵力と交戦することになり、撤退を余儀なくされているのが見て取れた。冒険者は”迷宮”の攻略を主目的とした攻略部隊であろうが、それを”迷宮”へ送り届けられていないのが解放失敗の遠因となっているのであろう。
「……チョトー砦は輪中の中にある難攻不落の砦じゃ。我も話を聞く限りでは、隣国との合戦時に”迷宮”から”緑肌”共が横腹を突くということでもしなければ、落とすのは難しいじゃろう。周囲は拓けており、目が良い者が見れば、近づく姿を容易に捉えよう。」
バーバラが、当時、チョトー砦が陥落した動きを、用意してあった駒を使って表現する。そして、その後の解放戦の動きも表現してみせる。
「……ゴブリンだけならまだしも、オークやトロールまで出てくれば、徴募した兵士ではまともに相手できないでしょう。そう考えると、チョトー砦の位置が、”迷宮”へ冒険者を護送する道を扼する位置にあるのが悩ましいですね。」
「……それならば、護送はしないでチョトー砦に籠もっている兵力を誘い出すのはどうだろうか。護送してて捕捉されるのであれば、逆にこちらが引きつけて逃さない様にするのはどうだろう?」
「アイル、その作戦にはいくつか問題があるよ。一番大きいのは正面からぶつかった際の辺境伯軍の損害が多くなることだよ。もしも撃退されて撤退となったら、突入を図るボク達が孤立、袋叩きになっちゃうね。」
「んー……あたしはこういったことは詳しくないけどさ。例えば、チョトー砦みたいなのを作って辺境伯様に籠もって貰うってのはどうよ?」
ピッピがこんなんどうよ?っと案を捻り出した。確かに、籠城することができる拠点が近くにあって、そこに大軍がいれば、それだけで敵の目を逸らせるし、攻めてきたとしても拠点の防御力を活かして戦うことができる。損耗もすくなくなるだろう。だが……。
「ピッピさんの案は良いと思います。……しかし問題があります。チョトー砦周辺は見晴らしが良いため、築城の資材を持っていけば、すぐに分かってしまうであろうというところです。築城と防衛に兵力を分けることになると、今までの様に堪え切れずに撤退することになると思います。」
マーリエがピッピの案を肯定しながらも、問題点を口にする。兵を多く徴募すれば、防衛と築城を並行してやれるだろう。しかし、もしもの事があった場合、徴募した、本来は農民や市民にどれだけの被害が出るかが予測できない。そのため、二の足を踏んでいるのだ。
「……よし、色々と意見がでたの。……まだ、これで決まりではない。あくまでも今回は、現在の状況把握じゃ。まずは、我らはチョトー地方の”緑肌”共の間引きをしようと思うておる。間引きをしつつ、周辺や、チョトー砦などの様子を見て、攻略の手段を考えていくのじゃ。まずは我らのランクを”石”の上である”鉄”へ上げることを段階としよう。」
「チョトー周辺まで行くのに片道二日。十日、間引きを行うとして、合計二週間じゃな。無理はしないように注意しながら敵を狩り、野宿などの野外活動の経験を積む感じじゃ。」
そう言うと、バーバラは皆を見回した。皆が頷くことで応える。それを見てニカリと彼女は微笑んで見せた。
一党”鬼の花嫁”は、目標への道程の第一歩を踏み出したのであった。
そう、バーバラが呟くと共に、茶の入ったカップを口につける。
アイル達が本拠地としている屋敷の食堂に、上座にアイル、左右にバーバラ、フィーリィ、ピッピ、ルナが続いて座る。そして、マーリエが座り、マーリエが雇用するようになった、ダール、ルー、ターニャ、ケイが座り、一緒に朝食を食べているところであった。
昨日、ゴルドが手配してくれた、メイドに料理人がその腕前を見せるように料理を作り、給仕している。ダールはこういった作法に縁がなかったこともあり、汁物を飲む時に音を立てれば、三人娘にダメ出しを。ナイフで肉を切る時に音を鳴らせばダメ出しを……と、実践の場になっていた。それをマーリエは微笑ましく見守っている。
「……その、ごめんな? あたしの素性について黙ってて……。」
ピッピがしゅんとした顔でそう呟いた。本当に辛かったのであろう。いつもの雰囲気は鳴りを潜め、ただただ、罪悪感に駆られているようであった。そんなピッピにアイルが笑顔で言葉を紡ぐ。
「そんな事はないぞ、ピッピ。あなたが”暗部”に所属していて言えなかったのは、あなたの立場上仕方ない。……あなたが”暗部”に所属していたからこそ、俺達は出会え、そして、マーリエ、ダール、ルー、ターニャ、ケイとも出会えた。それは”今の”あなただったからだ。」
「アイルの言う通りだとボクも思うよ、ピッピ。君がブルズアイさんを連れてきてくれたから、協力できた。それはピッピじゃなかったら出来ないことだよ!」
「ええ、その通りですね。”暗部”の長と繋がりがあるなど、どれほどの縁かと思いますよ。」
「うむうむ!……そう言った点では、ブルズアイ殿にも感謝じゃな。なにせ、こんな腕利きの斥候をメンバーとしてくれたのじゃからな!」
皆が皆、ピッピの素性について肯定する。裏切っていたわけではない。それでも隠し通し続ける必要がある。それを辛く思わないのが”真に”有能な暗部の構成員であろう。だが、一党の仲間と考えるのであれば……ピッピのその気持ちは代え難いものであった。それ故に、悩み、苦しんだことを受け入れるのだ。
「……ありがとうな!みんな!」
ピッピは涙を拭うように目をこすり、そして、いつも浮かべるような快活な笑顔を見せた。それを見た皆は頷いてみせた。
「よし!では、今後の話をしようぞ。まずは会議室へ皆で移動じゃ!」
バーバラは皆にそう言うと、席を立ち、食堂を出ていった。皆も、合間に朝食を食べ終わっており、席を立って続いていく。出ていく姿をメイド達が誇れるほど美しい礼をして見送った。
◆◆◆◇◇◇◆◆◆
徒党『悪鬼羅刹』の本部となっている屋敷は、二階建ての建物で、一階に食堂、調理場、風呂場、応接間、客間、使用人室、倉庫などがあり、二階にいくつかの一党が分散して生活ができるように部屋が用意されている。執務室や、娯楽室。書物庫や、研究室なども存在していた。その中に、徒党の皆が集まって打ち合わせができるように会議室がある。ここは五十人は入れるくらいの広さがあり、真ん中には大きい円卓が用意されていた。そこにバーバラが台に乗っかって、地図を広げた。
「まずは、これを見て欲しい。チョトー地方の地図じゃ。」
そこには、チョトー砦、チョトー村の周辺が描かれていた。その地図には、いくつのも線が色を変えて書き加えられており、更には何かを示す数字も記載されていた。皆がそれを見ている中、ダールがボソリと呟いた。
「こりゃ……行軍の記録ですかい? この数字はその時の兵の数ですかね……?」
「おお!一発で読み解くとは素晴らしい。マーリエ殿、ダールは掘り出し物やも知れませんな!……コホン!……この地図に描かれた線は、辺境伯軍の解放戦の際の行軍経路じゃ。数字はその時の動員兵力じゃ。計五度の解放戦を仕掛けておる。赤、青、緑、紫、黒と順番になっておるから確認して欲しい。」
第一次解放戦……兵力五百、冒険者一党五組
第二次解放戦……兵力千、冒険者一党五組
~
~
第五次解放戦……兵力四千、冒険者一党五組
その数字を確認した上で、描かれている線を眺めると、どれもが予測されている”迷宮”まで辿り着けず、チョトー砦に籠もる兵力と交戦することになり、撤退を余儀なくされているのが見て取れた。冒険者は”迷宮”の攻略を主目的とした攻略部隊であろうが、それを”迷宮”へ送り届けられていないのが解放失敗の遠因となっているのであろう。
「……チョトー砦は輪中の中にある難攻不落の砦じゃ。我も話を聞く限りでは、隣国との合戦時に”迷宮”から”緑肌”共が横腹を突くということでもしなければ、落とすのは難しいじゃろう。周囲は拓けており、目が良い者が見れば、近づく姿を容易に捉えよう。」
バーバラが、当時、チョトー砦が陥落した動きを、用意してあった駒を使って表現する。そして、その後の解放戦の動きも表現してみせる。
「……ゴブリンだけならまだしも、オークやトロールまで出てくれば、徴募した兵士ではまともに相手できないでしょう。そう考えると、チョトー砦の位置が、”迷宮”へ冒険者を護送する道を扼する位置にあるのが悩ましいですね。」
「……それならば、護送はしないでチョトー砦に籠もっている兵力を誘い出すのはどうだろうか。護送してて捕捉されるのであれば、逆にこちらが引きつけて逃さない様にするのはどうだろう?」
「アイル、その作戦にはいくつか問題があるよ。一番大きいのは正面からぶつかった際の辺境伯軍の損害が多くなることだよ。もしも撃退されて撤退となったら、突入を図るボク達が孤立、袋叩きになっちゃうね。」
「んー……あたしはこういったことは詳しくないけどさ。例えば、チョトー砦みたいなのを作って辺境伯様に籠もって貰うってのはどうよ?」
ピッピがこんなんどうよ?っと案を捻り出した。確かに、籠城することができる拠点が近くにあって、そこに大軍がいれば、それだけで敵の目を逸らせるし、攻めてきたとしても拠点の防御力を活かして戦うことができる。損耗もすくなくなるだろう。だが……。
「ピッピさんの案は良いと思います。……しかし問題があります。チョトー砦周辺は見晴らしが良いため、築城の資材を持っていけば、すぐに分かってしまうであろうというところです。築城と防衛に兵力を分けることになると、今までの様に堪え切れずに撤退することになると思います。」
マーリエがピッピの案を肯定しながらも、問題点を口にする。兵を多く徴募すれば、防衛と築城を並行してやれるだろう。しかし、もしもの事があった場合、徴募した、本来は農民や市民にどれだけの被害が出るかが予測できない。そのため、二の足を踏んでいるのだ。
「……よし、色々と意見がでたの。……まだ、これで決まりではない。あくまでも今回は、現在の状況把握じゃ。まずは、我らはチョトー地方の”緑肌”共の間引きをしようと思うておる。間引きをしつつ、周辺や、チョトー砦などの様子を見て、攻略の手段を考えていくのじゃ。まずは我らのランクを”石”の上である”鉄”へ上げることを段階としよう。」
「チョトー周辺まで行くのに片道二日。十日、間引きを行うとして、合計二週間じゃな。無理はしないように注意しながら敵を狩り、野宿などの野外活動の経験を積む感じじゃ。」
そう言うと、バーバラは皆を見回した。皆が頷くことで応える。それを見てニカリと彼女は微笑んで見せた。
一党”鬼の花嫁”は、目標への道程の第一歩を踏み出したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる