あやかし女将は、今日も大忙し！

４.戦い？

ネズミの福助とやらが屋根裏に行きたいと言い出すので屋根裏に連れて行き料理を出してやった。屋根裏は埃っぽくてほんと、嫌になる。

『あ、結構うめぇな。これ。やっぱ懐石料理は最高だなー。』

「でしょ？うちの料理人はすごいの！」

『ほんとすげぇな。あ、で。早速本題に入るけど今、俺日向の一族に追われてんの。』

「ふーん。」

『もう、戦うしかないなって思ったんだよ。』

「へー。」

『で、ここが激戦地になると思うだよな。』

「あ、そう。」

『あ、そうじゃなくて多分１週間後には日向たちがここに攻め入るんだよ。』

「だから？」

『だから、戦う準備をしといて欲しいんだよ。』

「なんで、私がそんなことしなきゃならないのよ。」

『あのなー。お前、雫さんの娘だろ？』

「だから何？」

『実は俺、源と雫さんの恋のキューピットだぜ？俺がいなきゃお前生まれてなかったかもしれねぇよ？』

「はぁ？そんなの知らないわよ。私はあんたに協力なんてしたくないわよ。」

『いや、ほんとに頼む！俺、ガチで死ぬべ？』
福助が急に土下座をしてきた。

「仕方ないわねぇ。分かったわよ。私は優しいから協力してあげるわ。何すればいいの？」

『えっーと。とにかく、日向たちが来たら戦ってくれ。』

「戦うって何で？」

『色々。って言うかここ、雫さんの旅館だろ？確か、この屋根裏に武器庫あるぜ？』

「な訳ないでしょ。バカも大概にして。」

『まぁ、そうカリカリするなよ。確か、この奥にあるはず…』

福助は小さい足と手を使いながら埃っぽい床を歩いて行った。

『ルカ！こっちだ。こっち。』

そこには、とても汚い古びた大きな木箱があった。

「何これ。」
開けてみると拳銃や槍、刀などがたくさんあった。　

『すげーだろ？昔、源や雫さんと色々戦ったんだよ。あん時はほんと、楽しかったんだよねぇ…』

「あっそう、思い出に浸るのはいいけどこれ銃刀法違反じゃない？」

『ジュウトウホウイハン？なんだよそれ。』

「あー。バカには分からないか。めんご。」

『バカって小娘に言われたくねぇよ。』

「小娘ってジジイに言われたくないわよ！もう、協力してあげないよ？」

『分かった。分かった。ごめんごめん。俺が悪かったよ。』

「それでよろしい。」
こうして、私はなぜか福助と共に狐と戦うことになってしまったのだった。