12 / 43
【揉捻】回転する想い
2
しおりを挟む
◇◇◇◇◇
「三宅さん、これ貸してあげる」
本店で川田さんに渡されたのは1冊の本だった。
「日本茶を勉強するならこれが1番わかりやすいから」
「ありがとうございます!」
受け取ったその本は緑色のテキストのようだ。
「日本茶検定を受けるときに勉強する本なの」
「日本茶検定?」
「漢字検定みたいなもののお茶バージョンかな。お茶にもいろいろな資格や検定があって、日本茶インストラクターと日本茶アドバイザーってのもあるのよ」
「へー」
テキストをパラパラとめくった。お茶の淹れ方から栽培方法、健康効果や成分、流通まで書かれている。
「検定を受ける必要はないけど、ここで働くなら最低限の知識は必要かな。これはわかりやすいから読んでみて」
「はい。ありがとうございます」
勉強なんて何年ぶりだろう。お茶は以前ほど未知の世界ではなくなった。けれど手の中の厚いテキストに怖じ気ずく。
お茶を何回か淹れるうちにタイマーを使わなくても秒数がわかるようになった。茶碗を持っただけで湯の温度もわかる。
お客様に出すのは龍清軒だけれど、希望した方には他の商品も試飲してもらう。かぶせ茶や玉緑茶なども種類によって少しずつ温度や時間を変えるのだと川田さんから教わった。慣れるとお茶を淹れるのも楽しくなった。
『緑茶』と一括りにしていたけれど製造方法によって味がまるで違う。知れば知るほど日本茶に興味が湧いた。
苦戦したのは包装紙で商品を包むことだった。長方形の袋に入れられた100グラム入りのお茶は包むのは簡単だけれど、数種類のお茶を箱に入れて包むのは何度か練習をしなければとてもじゃないけれどお客様に渡せるものではない。
四角いものならまだいいのだけれど、筒状の商品は回しながら折り目をつけなければいけないし、頼りないビニールに入ったお茶菓子などの商品は包装紙がボロボロになる。
老舗お茶屋のギフトが汚い包装では格好がつかない。お茶の知識と包装の技術が必要とされた。
会議室にお茶を持ってきてほしいと内線があったのはもうすぐでお昼というときだった。
各部門のリーダー格が集まる会議なのだから誰か自分でお茶を淹れればいいのに、自分たちで淹れた方がさぞ美味しいだろうにと文句を言いながら川田さんと会議室まで大きなトレーに十数人分のお茶を載せ運んだ。
「失礼します」
会議室に入ると中央のテーブルを囲み役員と関東圏各店舗の店長がイスを埋めていた。
川田さんと協力して役員と店長の前に茶碗を置いていく。
社長である慶一郎さんと奥様の間に座った聡次郎さんの前に茶碗を置いても、彼は私を見ることもなくテーブルの上の書類に目を通している。そんな聡次郎さんを思わず睨みつけてしまった。
今朝突然頬にキスをされた衝撃を忘れたわけじゃない。聡次郎さんの中で私はただの婚約者もどきかもしれないけれど、付き合わされる私の気持ちを少しは汲んでほしい。
慶一郎さんを挟んで反対に座った月島さんの前に茶碗を置くと、小さく「ありがとうございます」と言ってくれた。たったそれだけのことで不機嫌な気持ちが浄化されてしまう。聡次郎さんとは大違いだ。
「新茶のパッケージを去年のグリーンから淡いピンクに変更してもいいのでは? 桜の季節で華やかなものがいいのではないかと」
議論の中で聡次郎さんの口が開いた。
「パッケージに合わせた柄の茶筒をプレゼントするのも面白いと思います」
「無料特典ならそんな大きいものは付けられませんね。でも茶筒をもらって嬉しいものでしょうか?」
1人の男性が聡次郎さんに意見した。それに対して聡次郎さんは男性をまっすぐ見据えた。
「お茶の袋を輪ゴムでとめて取っておく人だって多くいるはずです。案外茶筒もほしい人はいるのでは? 自分では茶筒まで買おうと思う人はいませんから」
普段見ている自分勝手な聡次郎さんとは違う、真面目に仕事をする姿は意外だった。専務らしいこともしているじゃないかと見直した。
会議が終わったタイミングで休憩に入った私は、廊下に置かれた冷蔵庫からお弁当を出してエレベーターに乗った。
恐る恐る入った会議室にはまだ数人の社員が残っていた。会議が終わったというのに書類を広げ、立ち上がる気配がない。
「失礼します」
知らない顔ばかりの中に入っていくのは勇気がいったけれど、私の休憩時間は決まっているのだ。落ち着かず休憩にならないけれどしょうがない。
会議室の奥のテーブルの端で聡次郎さんがまだ打ち合わせをしていることに気がついた。
「お疲れ様です……」
会議室にいる人に挨拶をした。私の顔を見て「お疲れ様です」と返してくれる社員がいるのに、役職が付いているはずの聡次郎さんは私をチラッと見ただけで言葉を発しない。
ムッとしたけれど気にせず離れた席に荷物を置くと、お弁当をレンジに入れ温めた。電気ポットに水を入れてスイッチを入れ、従業員用のお茶の葉を急須に入れた。
「そのお弁当、手作りですか?」
男性の社員さんにそう聞かれ、照れながら「そうです」と返した。
「節約しようと思って」
お給料日まであと少しだけれど、冷蔵庫の残りの食材が持ちそうにないほど食費が厳しい。無駄なものは一切買わずに自炊を心掛ける。飲み物は龍峯のお茶があるのは助かる。
「おいしそう! 俺のも作ってほしいくらい」
「えへへ……」
褒められたから照れて思わず変な声が出た。料理が得意とはいえないけれど、味や見た目にも気を遣い頑張っているつもりだ。いつ買ったのかも忘れてしまった冷蔵庫の底の野菜が役に立つ。
「三宅さんお茶淹れて」
突然聡次郎さんが話しかけてきた。
「はい?」
「お茶、淹れて」
聡次郎さんは笑顔で私にお茶を要求する。穏やかな声ではあるけれど目が笑っていない。それに普段『梨香』と呼ぶのに『三宅さん』と呼んだのにも違和感だ。社員にバレた方が好都合だと言ったくせに。
「はい……」
返事をして立ち上がると、ちょうど電気ポットのお湯が沸いたところだ。
「そうじ……専務、龍清軒でいいですか?」
『聡次郎さん』と呼びそうになり焦った。他の社員がいるのだから油断できない。
「ああ」
素っ気ない返事を聞くと急須にお茶の葉を少し足した。
「皆さんも飲まれますか?」
給湯スペースから顔を出し会議室に残った他の社員にも聞いたけれど、みんな首を横に振った。聡次郎さんの顔色を伺っているようだ。その聡次郎さんは不機嫌丸出しといった表情で私を見ている。
「そうですか……」
顔を引っ込めると今度は私が機嫌を悪くして顔を歪ませた。まるで聡次郎さんが会議室の雰囲気を暗くしてしまったようで腹が立った。一応私は龍峯で働いていこうと思っているのだ。嫌な印象を残してほしくないのに。
2人分のお茶をトレーに載せてテーブルに運ぶと、社員は書類をまとめて会議室から出て行ってしまった。聡次郎さんと2人きりで会議室に残されてしまった。
「もう、社員さん逃げちゃったじゃないですか」
「逃げたわけじゃないだろ。飯食いに行ったんじゃね?」
自分が追い出したかもなんて少しも考えない聡次郎さんに呆れる。
「どうぞ」
聡次郎さんの前にやや乱暴に湯飲みを置いた。
無言でお茶を飲む聡次郎さんを視界から追いやって目の前のお弁当に集中する。
「いただきます」
我ながら美味しいお弁当を作ってしまった。すぐに機嫌が直った私はジャーマンポテトを口に入れた。
「まあまあだな」
私が淹れたお茶を飲んだ聡次郎さんはまたしても微妙な感想を言った。
この間よりは上達したはずなのに。
聡次郎さんの言葉にがっかりしながら、私も自分で淹れたお茶を飲んだ。やっぱり淹れ方が上手くなっている。龍清軒の甘みを少しは引き出している。
「そうかな……上達したと思ったんだけど……」
お茶屋の人からすると私のお茶はまだまだなのだろう。けれど私より不味いお茶を淹れる聡次郎さんには言われたくないのに。
「三宅さん、これ貸してあげる」
本店で川田さんに渡されたのは1冊の本だった。
「日本茶を勉強するならこれが1番わかりやすいから」
「ありがとうございます!」
受け取ったその本は緑色のテキストのようだ。
「日本茶検定を受けるときに勉強する本なの」
「日本茶検定?」
「漢字検定みたいなもののお茶バージョンかな。お茶にもいろいろな資格や検定があって、日本茶インストラクターと日本茶アドバイザーってのもあるのよ」
「へー」
テキストをパラパラとめくった。お茶の淹れ方から栽培方法、健康効果や成分、流通まで書かれている。
「検定を受ける必要はないけど、ここで働くなら最低限の知識は必要かな。これはわかりやすいから読んでみて」
「はい。ありがとうございます」
勉強なんて何年ぶりだろう。お茶は以前ほど未知の世界ではなくなった。けれど手の中の厚いテキストに怖じ気ずく。
お茶を何回か淹れるうちにタイマーを使わなくても秒数がわかるようになった。茶碗を持っただけで湯の温度もわかる。
お客様に出すのは龍清軒だけれど、希望した方には他の商品も試飲してもらう。かぶせ茶や玉緑茶なども種類によって少しずつ温度や時間を変えるのだと川田さんから教わった。慣れるとお茶を淹れるのも楽しくなった。
『緑茶』と一括りにしていたけれど製造方法によって味がまるで違う。知れば知るほど日本茶に興味が湧いた。
苦戦したのは包装紙で商品を包むことだった。長方形の袋に入れられた100グラム入りのお茶は包むのは簡単だけれど、数種類のお茶を箱に入れて包むのは何度か練習をしなければとてもじゃないけれどお客様に渡せるものではない。
四角いものならまだいいのだけれど、筒状の商品は回しながら折り目をつけなければいけないし、頼りないビニールに入ったお茶菓子などの商品は包装紙がボロボロになる。
老舗お茶屋のギフトが汚い包装では格好がつかない。お茶の知識と包装の技術が必要とされた。
会議室にお茶を持ってきてほしいと内線があったのはもうすぐでお昼というときだった。
各部門のリーダー格が集まる会議なのだから誰か自分でお茶を淹れればいいのに、自分たちで淹れた方がさぞ美味しいだろうにと文句を言いながら川田さんと会議室まで大きなトレーに十数人分のお茶を載せ運んだ。
「失礼します」
会議室に入ると中央のテーブルを囲み役員と関東圏各店舗の店長がイスを埋めていた。
川田さんと協力して役員と店長の前に茶碗を置いていく。
社長である慶一郎さんと奥様の間に座った聡次郎さんの前に茶碗を置いても、彼は私を見ることもなくテーブルの上の書類に目を通している。そんな聡次郎さんを思わず睨みつけてしまった。
今朝突然頬にキスをされた衝撃を忘れたわけじゃない。聡次郎さんの中で私はただの婚約者もどきかもしれないけれど、付き合わされる私の気持ちを少しは汲んでほしい。
慶一郎さんを挟んで反対に座った月島さんの前に茶碗を置くと、小さく「ありがとうございます」と言ってくれた。たったそれだけのことで不機嫌な気持ちが浄化されてしまう。聡次郎さんとは大違いだ。
「新茶のパッケージを去年のグリーンから淡いピンクに変更してもいいのでは? 桜の季節で華やかなものがいいのではないかと」
議論の中で聡次郎さんの口が開いた。
「パッケージに合わせた柄の茶筒をプレゼントするのも面白いと思います」
「無料特典ならそんな大きいものは付けられませんね。でも茶筒をもらって嬉しいものでしょうか?」
1人の男性が聡次郎さんに意見した。それに対して聡次郎さんは男性をまっすぐ見据えた。
「お茶の袋を輪ゴムでとめて取っておく人だって多くいるはずです。案外茶筒もほしい人はいるのでは? 自分では茶筒まで買おうと思う人はいませんから」
普段見ている自分勝手な聡次郎さんとは違う、真面目に仕事をする姿は意外だった。専務らしいこともしているじゃないかと見直した。
会議が終わったタイミングで休憩に入った私は、廊下に置かれた冷蔵庫からお弁当を出してエレベーターに乗った。
恐る恐る入った会議室にはまだ数人の社員が残っていた。会議が終わったというのに書類を広げ、立ち上がる気配がない。
「失礼します」
知らない顔ばかりの中に入っていくのは勇気がいったけれど、私の休憩時間は決まっているのだ。落ち着かず休憩にならないけれどしょうがない。
会議室の奥のテーブルの端で聡次郎さんがまだ打ち合わせをしていることに気がついた。
「お疲れ様です……」
会議室にいる人に挨拶をした。私の顔を見て「お疲れ様です」と返してくれる社員がいるのに、役職が付いているはずの聡次郎さんは私をチラッと見ただけで言葉を発しない。
ムッとしたけれど気にせず離れた席に荷物を置くと、お弁当をレンジに入れ温めた。電気ポットに水を入れてスイッチを入れ、従業員用のお茶の葉を急須に入れた。
「そのお弁当、手作りですか?」
男性の社員さんにそう聞かれ、照れながら「そうです」と返した。
「節約しようと思って」
お給料日まであと少しだけれど、冷蔵庫の残りの食材が持ちそうにないほど食費が厳しい。無駄なものは一切買わずに自炊を心掛ける。飲み物は龍峯のお茶があるのは助かる。
「おいしそう! 俺のも作ってほしいくらい」
「えへへ……」
褒められたから照れて思わず変な声が出た。料理が得意とはいえないけれど、味や見た目にも気を遣い頑張っているつもりだ。いつ買ったのかも忘れてしまった冷蔵庫の底の野菜が役に立つ。
「三宅さんお茶淹れて」
突然聡次郎さんが話しかけてきた。
「はい?」
「お茶、淹れて」
聡次郎さんは笑顔で私にお茶を要求する。穏やかな声ではあるけれど目が笑っていない。それに普段『梨香』と呼ぶのに『三宅さん』と呼んだのにも違和感だ。社員にバレた方が好都合だと言ったくせに。
「はい……」
返事をして立ち上がると、ちょうど電気ポットのお湯が沸いたところだ。
「そうじ……専務、龍清軒でいいですか?」
『聡次郎さん』と呼びそうになり焦った。他の社員がいるのだから油断できない。
「ああ」
素っ気ない返事を聞くと急須にお茶の葉を少し足した。
「皆さんも飲まれますか?」
給湯スペースから顔を出し会議室に残った他の社員にも聞いたけれど、みんな首を横に振った。聡次郎さんの顔色を伺っているようだ。その聡次郎さんは不機嫌丸出しといった表情で私を見ている。
「そうですか……」
顔を引っ込めると今度は私が機嫌を悪くして顔を歪ませた。まるで聡次郎さんが会議室の雰囲気を暗くしてしまったようで腹が立った。一応私は龍峯で働いていこうと思っているのだ。嫌な印象を残してほしくないのに。
2人分のお茶をトレーに載せてテーブルに運ぶと、社員は書類をまとめて会議室から出て行ってしまった。聡次郎さんと2人きりで会議室に残されてしまった。
「もう、社員さん逃げちゃったじゃないですか」
「逃げたわけじゃないだろ。飯食いに行ったんじゃね?」
自分が追い出したかもなんて少しも考えない聡次郎さんに呆れる。
「どうぞ」
聡次郎さんの前にやや乱暴に湯飲みを置いた。
無言でお茶を飲む聡次郎さんを視界から追いやって目の前のお弁当に集中する。
「いただきます」
我ながら美味しいお弁当を作ってしまった。すぐに機嫌が直った私はジャーマンポテトを口に入れた。
「まあまあだな」
私が淹れたお茶を飲んだ聡次郎さんはまたしても微妙な感想を言った。
この間よりは上達したはずなのに。
聡次郎さんの言葉にがっかりしながら、私も自分で淹れたお茶を飲んだ。やっぱり淹れ方が上手くなっている。龍清軒の甘みを少しは引き出している。
「そうかな……上達したと思ったんだけど……」
お茶屋の人からすると私のお茶はまだまだなのだろう。けれど私より不味いお茶を淹れる聡次郎さんには言われたくないのに。
0
あなたにおすすめの小説
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
夜の帝王の一途な愛
ラヴ KAZU
恋愛
彼氏ナシ・子供ナシ・仕事ナシ……、ないない尽くしで人生に焦りを感じているアラフォー女性の前に、ある日突然、白馬の王子様が現れた! ピュアな主人公が待ちに待った〝白馬の王子様"の正体は、若くしてホストクラブを経営するカリスマNO.1ホスト。「俺と一緒に暮らさないか」突然のプロポーズと思いきや、契約結婚の申し出だった。
ところが、イケメンホスト麻生凌はたっぷりの愛情を濯ぐ。
翻弄される結城あゆみ。
そんな凌には誰にも言えない秘密があった。
あゆみの運命は……
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された皇后を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長(吉本)
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
雄一郎 ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師(川木えみ)
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる