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道中

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俺達は、タカノが乗ってきた車に乗り込んだ。
タカノが運転席で、俺とキリカ、トウル君が後部座席だ。

なんかもう疲れたよ。あまりにも情報量が多すぎた。

ただ、車に乗った今の状況・・・・・なにかに違和感がある。
具体的には隣のトウル君に違和感がある。

「そういや、これくらいの子って、確かチャイルドシート必要だったんじゃないか? 大丈夫なのか?」

「あ、それね。この追加ベルトを付ければいいんだってさ。私タクシーとか乗る時も面倒だし」

へぇ。色々変わってるんだな。日本にいる時は、まだタカノとの会社も安定してなかったし。3年前はお互いに二人しか居ない生活だったから・・・その辺りを全然考えた事はなかった。

いや、年齢的に戻ったら結婚するか話し合おうとは思ってたんだ。もうお互いにいい年齢なんだしな。

ほんとなんでこんな事になってるんだ・・・・でも、もう限界だ。一旦寝たい。長時間の飛行機移動で寝ても全然寝た気分になれないんだ。

「とりあえず。俺寝るわ。流石に疲れた」

そう言って、シートを倒してアイマスクをした。
俺の特技の一つで寝たい時にすぐ寝れる事がある。
今ならノビ君に勝てるかもしれない。それほど疲れた・・・・。

後の事は後の俺に任せよう・・・・・

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キリカ視点

「タツネ君寝ちゃったね」

「ん・・・ママ・・」

「トウル君はまだ眠いのかなぁ」

私は、トウル君を優しく抱きながらあやしている。
昔から子供は好きだった。うちの家には弟が居たんだ。
でも、弟は交通事故で死んでしまった。。。

それがきっかけで、私は中学の頃に荒れてしまった。タツネ君も同時期に荒れていた。彼のキッカケは、いじめられっ子を助けたら今度は、タツネ君が絡まれる様になって、ついカッとなってやり返してしまった。のがキッカケらしい。

まぁ、世の中全体を見ればよくあるような話しだろうけど
その時の私には、現実を受け入れられなかったんだ。
それは今の私も同じかもしれない。自分では決められないそんな弱い自分に戻ってしまった様な気がする。

それに私には、タツネ君に言う事が出来てない趣味もある。
彼には結婚したいと言ったけれど。本当に結婚するならそれも、いつかは伝えないとならない。

さっきは、タツネ君に何でも答えると言ったが、
それだけは・・・答えるのに抵抗がある。
私の趣味を理解してもらえるかが分からないからだ。
それは、前の席で運転しているタカノ君にも原因がある。

「タカノ君、タツネ君寝ちゃったよ」

「ん? あぁ、分かった。なるべく安全運転でいくよ」

そう言うが、彼は元々安全運転だ。特に変わった様子はない。

この元男は、TSしてから変わってしまった。
いや、変わってしまったと言うよりも本性を表したのか
目的に対して形振り構わなくなった。

今回、こうやって二人で一緒にプロポーズしようと言ったのもタカノ君だし。
私が、望んだ子ではないとは言え、子供を堕ろす事に抵抗があると話した時も、両親には謝罪しにいくし、もし産む場合は養育費については心配しなくて良いと言ってくれた。

状況に流されてしまったが、私は本当にやりたい事はなんなんだろう。

それなら、これからは私とタツネ君が決めた事、タツネ君の夢が達成される事を助けたい。でも、今の私には一体何が出来るんだろう。

本来は、身の回りのお手伝い出来ればと思っていたけれど、
子供が居る今は、試食をする事しか出来ない。かな。

きっとそんな悩みをタカノ君に相談すると。
都合の良いように誘導されてしまう気がする。

かと言って、タツネ君に相談する事でもない。どうしよう・・・・・・。

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あ、トオル君が起きた。周りをキョロキョロしている。やっぱり子供は可愛い。
髪の毛は私と同じ黒色で、瞳は青色に近くて色素が薄い瞳がキョロキョロしている。

「トオル君は、なにか探しものかな?」

そして隣に居るタツネ君を見つけた。

「パパ?」

「んーん。パパじゃないよ。ママが好きな人だけど」

一応、パパはタカノ君だって紹介はしたんだ・・・・でも、タカノ君はもう女性だから理解してくれなかった。今のこの子のママは二人いる・・・・。
おかしいとは思うけれど。子供に言っても理解してくれない。

それで、パパだと理解したのは、家に写真があったタツネ君だった。と言う訳だ。
でもタツネ君をパパと呼ばれるのは・・・・きっと嫌な顔をされる。

「んー。タツネ君だよ。タ・ツ・ネ」

「たちゅ? たぁ?」

うん。ダメっぽい。多分、ツ・ネが難しすぎる。

そんな事を私はトオル君としながら、車はタカノ君の家へと到着した。


つづく

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あとがき

次回かその次の話で、
展開的に料理の話しを入れてく必要があるんですが、
作者がそもそも料理に詳しくない件。

バンビーノ読み直しておきます。
次回投稿タイミングは未定です。1週間以内には。。。。
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