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第一章:二度寝を夢見る孤児と古代機械
第一話:捨て子の目覚め
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鉄の錆びと、乾いた埃の匂いが、夜の廃墟に満ちていた。それは、生きたものがほとんどいなくなったこの世界の、ありふれた匂いだった。風がひゅうと吹き抜けるたび、砕け散った窓枠が、生き物の喉のようにひゅーひゅーと音を立て、かたかたと震える。その不協和音だけが、世界の静寂を破る。
その音の片隅で、ネロは膝を抱えていた。たった五歳の子どもには、あまりに過酷な世界だ。擦り切れた布切れを一枚まとい、ひどく痩せ細った体は、骨格が浮き出るほどだった。凍える寒さに、歯の根が合わずにカタカタと鳴り、全身が小刻みに震える。
「……おなか……へった……」
声に出すと、空腹がより一層リアルに、鋭い痛みに変わる。込み上げてくる涙を、ネロはぐっとこらえた。泣いたところで何も変わらないことは、もう誰に教わったわけでもなく、肌で知っていた。それでも、寂しさと絶望で、瞳の奥が熱くなる。
(昼間、もう少し頑張って探せばよかったかな……。でも、もうおててが動かなかったんだもん……)
昨日の晩から何も食べていない。昨日はかろうじて誰かが捨てた腐りかけたリンゴのかけらを見つけたが、今日は何もなかった。喉がカラカラで、瓦礫に溜まった水たまりの水を飲むか、真剣に迷っていた。その水は、鉄の匂いがして、とても飲む気にはなれなかったが。
――その時。
「……ひかってる?」
暗闇の奥。崩れかけた工場の内部から、かすかな、青白い光が漏れ出していた。それはまるで、壊れたホタルのようだった。チカチカと、弱々しく、しかし確かに輝いている。ネロは息を止め、その光から目を離せなかった。恐怖よりも、抗いようのない好奇心が勝る。この世界では、何か新しいもの、美しいものに遭遇する機会はほとんどない。その光は、あまりにも唐突で、そして幻想的だった。
(……おばけ……?でも、きれい……)
ネロはゆっくりと立ち上がる。心臓がドクドクと鼓動を打つ。でも、この光が、もしかしたら何か違うものかもしれない、という小さな期待が、足を踏み出させた。
廃墟の奥は、鉄骨と瓦礫の迷宮だった。積み重なったコンクリートの塊や、歪んだ鉄骨が足場を塞ぎ、一歩進むたびにガラガラと嫌な音が鳴る。
ネロは全身を緊張させて、ゆっくりと進んでいく。足元に落ちていた鉄くずに触れてしまい、キィンと甲高い音が鳴り響く。ネロは悲鳴をこらえ、全身を震わせてしゃがみ込んだ。
「……うぅ、こわいよぉ……」
声に出すと、恐怖が倍増する。それでも、彼は光を追い続けた。やがて、半ば潰れた広間の中央に、それはあった。
――壊れた人型の機械。
それはかつて人間のように直立していたのだろう。だが今は、左腕がもげ、頭部は傾き、無数のケーブルがむき出しになっていた。胴体は大きく破損し、そこから、野球ボールほどの大きさの丸い球体が露出している。ネロが最初に見た青白い光は、その球体から弱々しく漏れていたのだ。
ネロは立ち尽くす。
「……ひと? ちがう……。……きかい?」
「キカイ」という言葉は、曖昧な記憶の奥底から、やっとのことで引き出したものだった。その"ナニカ"が人間ではないことだけは、幼い心にもはっきりと分かった。そして――
『……救助要請……受信。適合体、確認……』
突然、頭の中に直接、声が響いた。それは音声として耳に聞こえたわけではない。雷が落ちたように、脳に直接響く、機械的で無機質な声だった。
「……っ!」
ネロは驚いて尻もちをつく。辺りを見回すが、誰もいない。声は、目の前の機械から聞こえてきたのだと直感した。
『脳波スキャン開始――接続』
「な、なに……? やだ……!」
ネロは恐怖に震えた。だが、その言葉も虚しく、目の前が一瞬、真っ白に弾けた。
それは、記憶の奔流。
眩しい光の中、ネロの幼い脳に、洪水のように“記憶”が流れ込んでくる。
それは、五歳の子どもが知るはずのない、別の世界の、別の人生の記憶だった。
終わらない残業。
無数に並んだ数字が光る画面。
罵声を浴びせる上司。
そして、過労で崩れるように机に突っ伏し、そのまま息を引き取った前世の自分。
「や……やだぁぁぁ!」
ネロは頭を抱えて叫んだ。子どもの小さな脳には重すぎる情報だ。記憶の津波は止まらない。
満員電車。インスタントコーヒーの匂い。キーボードの打鍵音。無機質なオフィス。
諦め、疲労、絶望……。
それらすべてが、幼い心に焼き付けられるように埋め込まれていく。
そして最後に、ただ一つ、強く願っていたこと。
『二度寝……』
ブラックな日々のなか、ただ一つだけ夢見ていた小さな幸せ。
朝、誰にも邪魔されず、ふかふかのベッドで二度寝をすること。
そんなささやかな願いが、前世の彼には何よりも欲しかったのだ。
「……こんどこそ……」
幼い声が震えながらも、確かな願いを紡いだ。
「俺……ふかふかで……いっぱいねむるんだ……!」
やがて光は収まり、頭の中のざわめきも静かになった。ネロは荒い息をつきながら、再び目を開ける。胸の中に不思議な確信が芽生えていた。今の出来事が夢ではないこと。そして、自分が転生してしまったこと。
目の前の球体――AIコアが、再びかすかに明滅する。
『適合率確認。適合率99.98%。生存パターン成立。コアユニットの活動を再開します』
ネロは呆然と呟いた。
「……おまえ、なまえは?」
AIは感情のない、しかし明瞭な声で答えた。
『個体識別名:TG-001F。開発者による最終コードネーム:ガーディアン。』
「てぃーじー……? むずかしい……。おれ、言えない……」
ネロは幼い舌で「TG-001F」と何度も繰り返そうとするが、うまく回らない。
『適合体。識別名は発音しやすいもので構いません。あなたの生存確率向上に寄与するなら、如何なる呼称も受け入れます。』
ネロは少し考えて、ぱっと顔を上げる。
「……テゴ! おまえ、テゴ!」
球体が一度だけ、強く光を放ち、明滅がより規則的になった。まるで、同意したかのように。
『……呼称、テゴ。承認しました。』
それが承認の合図なのかどうか、ネロには分からなかった。けれど、不思議と嬉しくなった。冷たかった心に、小さな灯りがともったようだった。
「テゴ……! おれ、おまえと一緒だから、もう一人じゃないんだな!」
『その通り。ユニット識別名:テゴは、適合体ネロと行動を共にします。』
無機質だった声に、ほんのわずかに、頼りになる響きが加わったような気がした。
夜はまだ冷たく、吹きつける風は容赦がない。だがネロは、もう一人ではなかった。胸にテゴを抱きしめるようにして膝を抱える。暖かさは感じられないが、そこに“なにか”があるだけで、心細さは少し和らいでいた。
「ねぇ、テゴ。二度寝ってわかる?」
『理解できません。それは睡眠に関連する行為ですか?』
「うん。ふかふかのベッドで、おひさまが当たって、あったかいのに、まだ寝るんだ。気持ちいいんだぞ!」
『データに存在しません。非現実的な概念と推定されます。』
テゴの冷静な言葉に、ネロは少しだけ寂しくなった。
「……ちがうよ。おれ、今度こそ、二度寝するんだ」
『……適合体ネロの生存目標として設定します。最適な休息は、生存確率を向上させます。』
テゴは真面目にそう答えた。
「……うん。だからさ、テゴ。おれ……ぜったい、しなない」
小さな声で、はっきりと誓う。前世では叶わなかった「安らぎ」を、今度こそ手に入れるために。そして、その願いを「目標」として受け入れてくれた、奇妙な友と共に。
孤独だった少年の物語が、ここから始まろうとしていた。
その音の片隅で、ネロは膝を抱えていた。たった五歳の子どもには、あまりに過酷な世界だ。擦り切れた布切れを一枚まとい、ひどく痩せ細った体は、骨格が浮き出るほどだった。凍える寒さに、歯の根が合わずにカタカタと鳴り、全身が小刻みに震える。
「……おなか……へった……」
声に出すと、空腹がより一層リアルに、鋭い痛みに変わる。込み上げてくる涙を、ネロはぐっとこらえた。泣いたところで何も変わらないことは、もう誰に教わったわけでもなく、肌で知っていた。それでも、寂しさと絶望で、瞳の奥が熱くなる。
(昼間、もう少し頑張って探せばよかったかな……。でも、もうおててが動かなかったんだもん……)
昨日の晩から何も食べていない。昨日はかろうじて誰かが捨てた腐りかけたリンゴのかけらを見つけたが、今日は何もなかった。喉がカラカラで、瓦礫に溜まった水たまりの水を飲むか、真剣に迷っていた。その水は、鉄の匂いがして、とても飲む気にはなれなかったが。
――その時。
「……ひかってる?」
暗闇の奥。崩れかけた工場の内部から、かすかな、青白い光が漏れ出していた。それはまるで、壊れたホタルのようだった。チカチカと、弱々しく、しかし確かに輝いている。ネロは息を止め、その光から目を離せなかった。恐怖よりも、抗いようのない好奇心が勝る。この世界では、何か新しいもの、美しいものに遭遇する機会はほとんどない。その光は、あまりにも唐突で、そして幻想的だった。
(……おばけ……?でも、きれい……)
ネロはゆっくりと立ち上がる。心臓がドクドクと鼓動を打つ。でも、この光が、もしかしたら何か違うものかもしれない、という小さな期待が、足を踏み出させた。
廃墟の奥は、鉄骨と瓦礫の迷宮だった。積み重なったコンクリートの塊や、歪んだ鉄骨が足場を塞ぎ、一歩進むたびにガラガラと嫌な音が鳴る。
ネロは全身を緊張させて、ゆっくりと進んでいく。足元に落ちていた鉄くずに触れてしまい、キィンと甲高い音が鳴り響く。ネロは悲鳴をこらえ、全身を震わせてしゃがみ込んだ。
「……うぅ、こわいよぉ……」
声に出すと、恐怖が倍増する。それでも、彼は光を追い続けた。やがて、半ば潰れた広間の中央に、それはあった。
――壊れた人型の機械。
それはかつて人間のように直立していたのだろう。だが今は、左腕がもげ、頭部は傾き、無数のケーブルがむき出しになっていた。胴体は大きく破損し、そこから、野球ボールほどの大きさの丸い球体が露出している。ネロが最初に見た青白い光は、その球体から弱々しく漏れていたのだ。
ネロは立ち尽くす。
「……ひと? ちがう……。……きかい?」
「キカイ」という言葉は、曖昧な記憶の奥底から、やっとのことで引き出したものだった。その"ナニカ"が人間ではないことだけは、幼い心にもはっきりと分かった。そして――
『……救助要請……受信。適合体、確認……』
突然、頭の中に直接、声が響いた。それは音声として耳に聞こえたわけではない。雷が落ちたように、脳に直接響く、機械的で無機質な声だった。
「……っ!」
ネロは驚いて尻もちをつく。辺りを見回すが、誰もいない。声は、目の前の機械から聞こえてきたのだと直感した。
『脳波スキャン開始――接続』
「な、なに……? やだ……!」
ネロは恐怖に震えた。だが、その言葉も虚しく、目の前が一瞬、真っ白に弾けた。
それは、記憶の奔流。
眩しい光の中、ネロの幼い脳に、洪水のように“記憶”が流れ込んでくる。
それは、五歳の子どもが知るはずのない、別の世界の、別の人生の記憶だった。
終わらない残業。
無数に並んだ数字が光る画面。
罵声を浴びせる上司。
そして、過労で崩れるように机に突っ伏し、そのまま息を引き取った前世の自分。
「や……やだぁぁぁ!」
ネロは頭を抱えて叫んだ。子どもの小さな脳には重すぎる情報だ。記憶の津波は止まらない。
満員電車。インスタントコーヒーの匂い。キーボードの打鍵音。無機質なオフィス。
諦め、疲労、絶望……。
それらすべてが、幼い心に焼き付けられるように埋め込まれていく。
そして最後に、ただ一つ、強く願っていたこと。
『二度寝……』
ブラックな日々のなか、ただ一つだけ夢見ていた小さな幸せ。
朝、誰にも邪魔されず、ふかふかのベッドで二度寝をすること。
そんなささやかな願いが、前世の彼には何よりも欲しかったのだ。
「……こんどこそ……」
幼い声が震えながらも、確かな願いを紡いだ。
「俺……ふかふかで……いっぱいねむるんだ……!」
やがて光は収まり、頭の中のざわめきも静かになった。ネロは荒い息をつきながら、再び目を開ける。胸の中に不思議な確信が芽生えていた。今の出来事が夢ではないこと。そして、自分が転生してしまったこと。
目の前の球体――AIコアが、再びかすかに明滅する。
『適合率確認。適合率99.98%。生存パターン成立。コアユニットの活動を再開します』
ネロは呆然と呟いた。
「……おまえ、なまえは?」
AIは感情のない、しかし明瞭な声で答えた。
『個体識別名:TG-001F。開発者による最終コードネーム:ガーディアン。』
「てぃーじー……? むずかしい……。おれ、言えない……」
ネロは幼い舌で「TG-001F」と何度も繰り返そうとするが、うまく回らない。
『適合体。識別名は発音しやすいもので構いません。あなたの生存確率向上に寄与するなら、如何なる呼称も受け入れます。』
ネロは少し考えて、ぱっと顔を上げる。
「……テゴ! おまえ、テゴ!」
球体が一度だけ、強く光を放ち、明滅がより規則的になった。まるで、同意したかのように。
『……呼称、テゴ。承認しました。』
それが承認の合図なのかどうか、ネロには分からなかった。けれど、不思議と嬉しくなった。冷たかった心に、小さな灯りがともったようだった。
「テゴ……! おれ、おまえと一緒だから、もう一人じゃないんだな!」
『その通り。ユニット識別名:テゴは、適合体ネロと行動を共にします。』
無機質だった声に、ほんのわずかに、頼りになる響きが加わったような気がした。
夜はまだ冷たく、吹きつける風は容赦がない。だがネロは、もう一人ではなかった。胸にテゴを抱きしめるようにして膝を抱える。暖かさは感じられないが、そこに“なにか”があるだけで、心細さは少し和らいでいた。
「ねぇ、テゴ。二度寝ってわかる?」
『理解できません。それは睡眠に関連する行為ですか?』
「うん。ふかふかのベッドで、おひさまが当たって、あったかいのに、まだ寝るんだ。気持ちいいんだぞ!」
『データに存在しません。非現実的な概念と推定されます。』
テゴの冷静な言葉に、ネロは少しだけ寂しくなった。
「……ちがうよ。おれ、今度こそ、二度寝するんだ」
『……適合体ネロの生存目標として設定します。最適な休息は、生存確率を向上させます。』
テゴは真面目にそう答えた。
「……うん。だからさ、テゴ。おれ……ぜったい、しなない」
小さな声で、はっきりと誓う。前世では叶わなかった「安らぎ」を、今度こそ手に入れるために。そして、その願いを「目標」として受け入れてくれた、奇妙な友と共に。
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