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二見双葉(2)
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ピンク色のカーテンにピンク色のベットカバー、ピンク系某サンリオキャラクターの折り畳みテーブルにピンク色のモコモコ素材のカーペット等々、部屋一面に広がるピンク色の世界に私は圧倒されていた。
私といえば、さっきからテーブルの前にちょこんと正座をしているわけだけれども、目の前に座っている二見双葉の部屋着があまりにも可愛すぎて、ついつい魅入ってしまっている。
インターフォン越しに私だと告げた瞬間、とても長い間が空いたので、もしかしたら中に入れてくれないかもと思ったけど、そこまで冷たい人ではなかったみたい。
ピンク系某サンリオキャラクターの部屋着がとても似合ってて、此処まで走ってきた甲斐があったなぁと思う。
「もしかして尾行でもしたの?」
「えっ、い、いや、尾行だなんて……してない、です」
「家の場所は誰にも教えてないはずだけど」
「せ、先生に、聞きました……わ、私が教えてほしいって言ったんです」
言い終わるかどうかのタイミングで前方から強めの舌打ちが聞こえてきたので、私は肩をビクッと震わせた。
彼女ってこんなに怖かったっけ? 普段は全然喋らないから、こんな一面があるなんて知らなかった。
あまりの怖さに手が震えてしまう。やっぱりこのまま帰ろうかとすら思ってしまう。
だけど先生に嘘を吐いてまで此処にきたんだから、舌打ちされたくらいで逃げてちゃ駄目だ。
私は膝の上でグッと拳を握り締めた。
「あ、あの……っ、わ、私と新しい世界にきてくれませんか?」
「その件についてはすぐに答えが出ないからと断ったはずだけど。今すぐにでも私が行かないと世界が滅亡するってわけでもないんでしょう?」
「は、はい……で、でも今すぐにでもきてほしい、です」
「理由は?」
「り、ゆうは、その……あ、新しい世界でアイドルになってる二見さんを見て……綺麗だと……思ったから……」
綺麗だと思ったからなんなんだ。そんなの理由になってないじゃないかと言われればそれまでだけど、彼女はそうは言わなかった。
なんだか私が口説いてるみたいで恥ずかしい。実際、口説いているんだけど。
耐え難い沈黙が続いている。息をするのも苦しいくらいに。
「私、昔からアイドルになるのが夢だったの」
彼女は顔色ひとつ変えないまま、自分のことを話してくれた。
「歌って踊るアイドルは、小学生の私から見たら本当に神様みたいで凄いと思ってた。だから私もいつか人前に立って、あんなふうに歌えたら楽しいだろうなって思ったの」
私は相槌もせずに聞き入っていた。相槌さえも邪魔になってしまうと思ったから。
「だけど私は虐められていた。私が内気な性格で、何を考えてるのか分からないから気持ちが悪いと言われたわ。集団行動しかできない心の弱い子達が、私を虐めることで自分は強いと錯覚してる。そんな馬鹿な子達にいくら虐められたって、私は何も傷付かない。私は傷付いてないんだから、親にだって言う必要はないはずだ。だから何も言わなかった。それが仇となった」
淡々と話す彼女に、私はゴクリと唾を飲む。
「先生が母親にチクったの。双葉さんが学校で虐められています。ご家庭での様子はどうですかって。何も知らない母親は、相当ショックを受けたみたい。先生も先生で言い方が酷くてね。双葉さんが喋らないのは、貴女が淋しい想いをさせているからじゃないんですか。育児放棄でもしてるんじゃないですかって。育児放棄……ネグレクト。物心ついた時から会話のない家庭に育った子は、自分から発信する能力が欠けてしまう。親がそんなんだから子供が虐められるんだ。子供が虐められてしまうのは、親である貴女達が原因だってね」
あまりに酷い言い草に、私の視界が霞んでいく。
そんなふうに責められれば、誰だって自分の所為だと思い込んでしまうだろう。彼女の母親が自ら命を絶つことを選んでしまうのにも納得がいく。
だからって、彼女はまだ小学生だ。自分だけならまだ平気だっただろう。だけど自分が虐められている所為で、母親があんな最期を迎えるなんて思わなかった。
当たり前だ。そんなの考えられるはずがない。
深く後悔しただろう。何度も時を戻したいと思ったことだろう。
口を挟んじゃいけないと思いつつも、私は思わず父親の詳細を聞いてしまった。
「お、お父さん……は……」
「父親は、母親が死んだ時に一緒に壊れたよ。私が虐められてることよりもそっちの方がよっぽどショックだったみたい。一緒に暮らしてはいるけど、目を合わせようともしなくなった。私を見ると逃げるように自分の部屋に閉じこもるんだ」
私だったらツラすぎて家出しちゃうかも。
唇をキュッと噛み締めて涙を堪えたけど、大粒の涙が頬を伝う。
「……なんであんたが泣いてんの」
「だ、だってぇ……そんなの、ツラすぎる……ふ、二見さん、何も悪くないのに……っ」
彼女は眉を顰めると、近くにあったティッシュ箱を私にそっと渡してくれた。
「あ、ありがっ、ぐすん」
彼女の優しさが身に染みる。本当はこんなに優しい子なのに、どうしてこんなに酷い仕打ちを受けなきゃいけないの? 世の中不公平すぎるよ。
ちーんと鼻までしっかりかんで、ようやく落ち着きを取り戻した私は、真っ赤な瞳で彼女の顔を見た。
彼女は一切、泣いてなどいなかった。泣いてたのは私だけ。
「……あんたが見た新しい世界での私はどうだった?」
「と、とても綺麗で、楽しそうで……見てると心が温かくなって、一瞬で虜になりました……」
「そう」
「だ、だから二見さんにも見てほしいんですっ、夢を叶えてキラキラと輝いている二見さんを! こんな世界線もあるんだって、知っていてほしいんです!」
知っているだけで違うから。きっと心が軽くなる。
それでも駄目なら無理強いはできないけど……。
「ねえ」
「は、はい!」
「猫を追いかけてたらお兄さんに出会ったって言ってたよね」
「はい!」
「お兄さんって、イケメン?」
空が暗くなってきた頃、私は彼女とあの路地裏へときていた。
まさか新しい世界へ行くかどうかの決定打が、お兄さんの顔面偏差値だったなんて……。正直なところ前髪が長すぎて顔なんて見てないんだけど、多分、きっとイケメンだよ。少なくとも声は。
ほら、声がいい人はもれなくイケメンみたいな法則あるし。うんうん。雰囲気イケメン的な。うんうんうんうん。うんうん。
さて。全然イケメンじゃないじゃん! この嘘吐きいいいいいい! とならないことを祈りながら此処までやってきたわけだけれども、肝心のお兄さんは、と。
あの時どうやってお兄さんの家に辿り着いた分からない私は、お兄さんがいなかったらどうしようと内心不安に感じていた。
だけどそれもすぐに杞憂に終わることとなる。
前方にいるのだ。しかもまたダンボールの中に入っている。
「……もしかして、あれ?」
「……あ……はい……」
気まずい。
イケメンだって言うからついてきたのに……詐欺だ……とか思われてないだろうか。怖すぎて彼女の顔が見れなかった。だって、私を凄い形相で睨み付けてたら怖いし。また顰め面してるかもと思ったら、ねえ?
「……犬?」
「ぶふぉっ! ん、んんん! けほけほ。は、さぁ、い、行きましょうか二見さん」
「え、今笑った?」
「わ、笑ってません!」
「ねえ笑ったよね今。ぶふぉって。人形みたいな顔してぶふぉって」
「わ、笑ってませえん!」
気を取り直してダンボールの前に立つと、お兄さんが顔を上げる。
「あれ、増えてる」
「こ、こちらの女性が、二見双葉さんです!」
「ああ……本当だ、似てるね」
相変わらず前髪で顔は見えないけど、声がいいことは伝わったに違いない。あと雰囲気。
彼女は軽く会釈をすると、自分も新しい世界に行きたいという旨をお兄さんに伝えていた。
私が無理に誘ったようなものなのに、まるで自分から志願したみたいに言うなんて、本当に優しいんだから。
用件を聞いたお兄さんは二つ返事で快諾すると、立ち上がり歩きだした。
今度は何回同じところをグルグルするんだろうと身構えていると、スタスタと真っ直ぐに歩いてしまうのでクエスチョンマークを頭に乗せながらついていく。
すると、霧のような道を進んでいくだけであの白いアパートの前に辿り着いていたので驚いた。
「えっ」
「何?」
「あ、あっ、き、今日は、前みたいにグルグル歩かないんですね」
「ああうん。今日はお客様もいるからね」
それはつまり私はお客様と見做されていないということかしら。
なんだか腑に落ちない表情の私を見ても知らんぷり。表情筋が死んどるんか。
部屋に入るとヘッドフォンをふたつ用意してくれたみたいで、これを付けるよう促してくる。カチカチとマウスをクリックするだけで、私達はたちまち新しい世界へと吸い込まれていった。
私といえば、さっきからテーブルの前にちょこんと正座をしているわけだけれども、目の前に座っている二見双葉の部屋着があまりにも可愛すぎて、ついつい魅入ってしまっている。
インターフォン越しに私だと告げた瞬間、とても長い間が空いたので、もしかしたら中に入れてくれないかもと思ったけど、そこまで冷たい人ではなかったみたい。
ピンク系某サンリオキャラクターの部屋着がとても似合ってて、此処まで走ってきた甲斐があったなぁと思う。
「もしかして尾行でもしたの?」
「えっ、い、いや、尾行だなんて……してない、です」
「家の場所は誰にも教えてないはずだけど」
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言い終わるかどうかのタイミングで前方から強めの舌打ちが聞こえてきたので、私は肩をビクッと震わせた。
彼女ってこんなに怖かったっけ? 普段は全然喋らないから、こんな一面があるなんて知らなかった。
あまりの怖さに手が震えてしまう。やっぱりこのまま帰ろうかとすら思ってしまう。
だけど先生に嘘を吐いてまで此処にきたんだから、舌打ちされたくらいで逃げてちゃ駄目だ。
私は膝の上でグッと拳を握り締めた。
「あ、あの……っ、わ、私と新しい世界にきてくれませんか?」
「その件についてはすぐに答えが出ないからと断ったはずだけど。今すぐにでも私が行かないと世界が滅亡するってわけでもないんでしょう?」
「は、はい……で、でも今すぐにでもきてほしい、です」
「理由は?」
「り、ゆうは、その……あ、新しい世界でアイドルになってる二見さんを見て……綺麗だと……思ったから……」
綺麗だと思ったからなんなんだ。そんなの理由になってないじゃないかと言われればそれまでだけど、彼女はそうは言わなかった。
なんだか私が口説いてるみたいで恥ずかしい。実際、口説いているんだけど。
耐え難い沈黙が続いている。息をするのも苦しいくらいに。
「私、昔からアイドルになるのが夢だったの」
彼女は顔色ひとつ変えないまま、自分のことを話してくれた。
「歌って踊るアイドルは、小学生の私から見たら本当に神様みたいで凄いと思ってた。だから私もいつか人前に立って、あんなふうに歌えたら楽しいだろうなって思ったの」
私は相槌もせずに聞き入っていた。相槌さえも邪魔になってしまうと思ったから。
「だけど私は虐められていた。私が内気な性格で、何を考えてるのか分からないから気持ちが悪いと言われたわ。集団行動しかできない心の弱い子達が、私を虐めることで自分は強いと錯覚してる。そんな馬鹿な子達にいくら虐められたって、私は何も傷付かない。私は傷付いてないんだから、親にだって言う必要はないはずだ。だから何も言わなかった。それが仇となった」
淡々と話す彼女に、私はゴクリと唾を飲む。
「先生が母親にチクったの。双葉さんが学校で虐められています。ご家庭での様子はどうですかって。何も知らない母親は、相当ショックを受けたみたい。先生も先生で言い方が酷くてね。双葉さんが喋らないのは、貴女が淋しい想いをさせているからじゃないんですか。育児放棄でもしてるんじゃないですかって。育児放棄……ネグレクト。物心ついた時から会話のない家庭に育った子は、自分から発信する能力が欠けてしまう。親がそんなんだから子供が虐められるんだ。子供が虐められてしまうのは、親である貴女達が原因だってね」
あまりに酷い言い草に、私の視界が霞んでいく。
そんなふうに責められれば、誰だって自分の所為だと思い込んでしまうだろう。彼女の母親が自ら命を絶つことを選んでしまうのにも納得がいく。
だからって、彼女はまだ小学生だ。自分だけならまだ平気だっただろう。だけど自分が虐められている所為で、母親があんな最期を迎えるなんて思わなかった。
当たり前だ。そんなの考えられるはずがない。
深く後悔しただろう。何度も時を戻したいと思ったことだろう。
口を挟んじゃいけないと思いつつも、私は思わず父親の詳細を聞いてしまった。
「お、お父さん……は……」
「父親は、母親が死んだ時に一緒に壊れたよ。私が虐められてることよりもそっちの方がよっぽどショックだったみたい。一緒に暮らしてはいるけど、目を合わせようともしなくなった。私を見ると逃げるように自分の部屋に閉じこもるんだ」
私だったらツラすぎて家出しちゃうかも。
唇をキュッと噛み締めて涙を堪えたけど、大粒の涙が頬を伝う。
「……なんであんたが泣いてんの」
「だ、だってぇ……そんなの、ツラすぎる……ふ、二見さん、何も悪くないのに……っ」
彼女は眉を顰めると、近くにあったティッシュ箱を私にそっと渡してくれた。
「あ、ありがっ、ぐすん」
彼女の優しさが身に染みる。本当はこんなに優しい子なのに、どうしてこんなに酷い仕打ちを受けなきゃいけないの? 世の中不公平すぎるよ。
ちーんと鼻までしっかりかんで、ようやく落ち着きを取り戻した私は、真っ赤な瞳で彼女の顔を見た。
彼女は一切、泣いてなどいなかった。泣いてたのは私だけ。
「……あんたが見た新しい世界での私はどうだった?」
「と、とても綺麗で、楽しそうで……見てると心が温かくなって、一瞬で虜になりました……」
「そう」
「だ、だから二見さんにも見てほしいんですっ、夢を叶えてキラキラと輝いている二見さんを! こんな世界線もあるんだって、知っていてほしいんです!」
知っているだけで違うから。きっと心が軽くなる。
それでも駄目なら無理強いはできないけど……。
「ねえ」
「は、はい!」
「猫を追いかけてたらお兄さんに出会ったって言ってたよね」
「はい!」
「お兄さんって、イケメン?」
空が暗くなってきた頃、私は彼女とあの路地裏へときていた。
まさか新しい世界へ行くかどうかの決定打が、お兄さんの顔面偏差値だったなんて……。正直なところ前髪が長すぎて顔なんて見てないんだけど、多分、きっとイケメンだよ。少なくとも声は。
ほら、声がいい人はもれなくイケメンみたいな法則あるし。うんうん。雰囲気イケメン的な。うんうんうんうん。うんうん。
さて。全然イケメンじゃないじゃん! この嘘吐きいいいいいい! とならないことを祈りながら此処までやってきたわけだけれども、肝心のお兄さんは、と。
あの時どうやってお兄さんの家に辿り着いた分からない私は、お兄さんがいなかったらどうしようと内心不安に感じていた。
だけどそれもすぐに杞憂に終わることとなる。
前方にいるのだ。しかもまたダンボールの中に入っている。
「……もしかして、あれ?」
「……あ……はい……」
気まずい。
イケメンだって言うからついてきたのに……詐欺だ……とか思われてないだろうか。怖すぎて彼女の顔が見れなかった。だって、私を凄い形相で睨み付けてたら怖いし。また顰め面してるかもと思ったら、ねえ?
「……犬?」
「ぶふぉっ! ん、んんん! けほけほ。は、さぁ、い、行きましょうか二見さん」
「え、今笑った?」
「わ、笑ってません!」
「ねえ笑ったよね今。ぶふぉって。人形みたいな顔してぶふぉって」
「わ、笑ってませえん!」
気を取り直してダンボールの前に立つと、お兄さんが顔を上げる。
「あれ、増えてる」
「こ、こちらの女性が、二見双葉さんです!」
「ああ……本当だ、似てるね」
相変わらず前髪で顔は見えないけど、声がいいことは伝わったに違いない。あと雰囲気。
彼女は軽く会釈をすると、自分も新しい世界に行きたいという旨をお兄さんに伝えていた。
私が無理に誘ったようなものなのに、まるで自分から志願したみたいに言うなんて、本当に優しいんだから。
用件を聞いたお兄さんは二つ返事で快諾すると、立ち上がり歩きだした。
今度は何回同じところをグルグルするんだろうと身構えていると、スタスタと真っ直ぐに歩いてしまうのでクエスチョンマークを頭に乗せながらついていく。
すると、霧のような道を進んでいくだけであの白いアパートの前に辿り着いていたので驚いた。
「えっ」
「何?」
「あ、あっ、き、今日は、前みたいにグルグル歩かないんですね」
「ああうん。今日はお客様もいるからね」
それはつまり私はお客様と見做されていないということかしら。
なんだか腑に落ちない表情の私を見ても知らんぷり。表情筋が死んどるんか。
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