Dream Again

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やぁ、初めまして、私はこの世界の神様・・・いや神様は言い過ぎか？

そうだな・・・妖精、というのもなかなかしっくりこないが・・・

まぁこの教会で“幸せな新郎新婦を見守っている者”ということにしよう。

呼び名は好きにしてくれて構わないよ、これまでに数百の名を与えられてきた。

おぉっと、ごめんね話が逸れてしまったね・・・。

う゛う゛ぅん！

わざとらしい咳払いでも挟んで仕切り直しといこう。


皆さんはこれまでの人生に何一つ後悔などありませんか？

あの時あぁしておけば、こうしておけば・・・そんな風に感じたこと、考えたことは

きっと一度や二度じゃないだろう、長く生きている人ほどそれは増えていくもの。

選んだ道が最善だったとしても辿り着く未来も最善だとは限らない・・・。

この選択が間違いだったなんて、こんな未来が待っていたなんて・・・

そんな人間を私はこの教会の狭い空間の中でさえ何百何千と見て来た。

だが悲しくも人間は過去を変えることは出来ない。

辿り着いた未来がどうあれ生きていくしかないのだ。

そんなことは誰しも分かっている筈で、皆最後は諦め前を向いて生きていく。

人の生きる道とはそういうものなのだろう。

しかしそんな中でただ一人、私が出会った男は違った。

奴の名は真島 隼人(28)

情けなくも私がここに来てから1２0年程の間で最も後悔しているであろう男だ。

その姿があまりにも惨めで私は奴に手を貸してやることにした。

手を貸すといっても協力して今をどうにかするってんじゃない・・・。

私が見える人間は私に選ばれた者のみ、今を変える協力など出来やしないのだ。

だから奴には私の力を使い過去に遡り未来を変える努力をしてもらうことにした。

皆さんにはこの愚かな男が未来を変え幸せを手に入れることが出来るのか

どうか見届けて欲しい、おっと・・・そろそろ式が始まるな。

それでは、物語の最初の1ページが間もなく開かれます・・・では、この先でまたお会いしましょう。