デビルフェイス

ガトリングレックス

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正義編

第5話人間の実力者

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兵士達が一斉にマシンガンを連射し、ジャスティスを牽制する。
上空からもロボットスーツがミサイルをジャスティスに向けて発射する。
「スピードアップ」
ベルトの右サイドボタンを軽く叩き、一気に加速、銃弾もミサイルも躱す。
ジャスティスは兵士達の悪意の数値を計測する。
(皆正義感が高い。これだと俺のパワーはDにまで落ちる。俺が勝てる相手じゃない。このまま逃げてセイギの元へ戻り、隠れて〈正義の殺人〉の中に入れさえすれば、後はその場から離れて家に帰ればいい)
作戦を立て、兵士達を通り過ぎ、道路を走る。
「あいつどこ行った」
「加速してターゲットは逃走。繰り返す。加速してターゲットは逃走」
『分かった。すぐに対応する』
そう応答したのは女性エリート兵士、サイバレンコだった。
「Z4。これよりターゲットを殺害に向かう」
〈Z4〉、ロボットスーツ型兵器、性能が高いために使いこなせる人が少ないとされている。
だがレンコは操れている。
ジャスティスの位置をレーダーで特定し、上空に飛び、ジャスティスを追撃する。
「ターゲットを捕捉、これより攻撃を開始する」
『ラジャ。レンコさん気をつけてください。相手は生徒を80人以上殺した化け物です』  
「分かってる。だからこそここで落とさなければならない」
レンコは左腕に持っているレールガン、〈サンダーボルテックス〉の銃口を足を引きずるジャスティスに向ける。
トリガーを弾き、ビームが発射される。
エネルギー弾はジャスティスの背中に命中し、大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
ジャスティスは立ち上がると、撃たれた位置から逆算し、後ろを振り返る。
「お前も軍隊の1人か?」
「・・・・・」
「質問に答えろ!」
質問を無視し、レンコは〈サンダーボルテックス〉のトリガーを弾こうとする。
「シューティングシルバー!」
ジャスティスはそう叫びながら〈シューティングシルバー〉をベルトのスクリューから取り出し、〈サンダーボルテックス〉に素早く向けて発砲、銃口の中に侵入し、爆発を引き起こした。
その勢いで地面に叩きつけられるが、すぐ様持ち直す。
レンコは〈サンダーボルテックス〉をウェポンボックスに収納し、ブレイドに持ち替え、ジャスティスに襲いかかる。
それに対してジャスティスはブレイドゴールドを構え、レンコの攻撃を防ぐ。
だがライダーとの戦いによって、傷ついた体から、血が滴り落ちる。
「おのれー!」
「・・・・・」
血溜まりができていく現状はとても正々堂々の勝負とは言えない。
しかし戦いが有利に進むのならレンコにとって都合が良かった。
(こいつは不良やいじめっ子を大量に殺害した。それは許される事じゃない。たとえそれが他の生徒達にとっていじめられないで済むと安堵していたとしても)
相手がやった事は許される事じゃない。
そう自分に思い聞かせ、ブレイドを振りかぶる。
(このままだと殺される。今の状態ではこいつには勝てない。いやこいつからは悪意をちょっとしか感じない。もしコンディションが良くても俺はこいつに勝てない)
ジャスティスはベルトの右サイドボタンを軽く叩き、一気に加速、逃走する。
幸いセイギの位置は〈正義の殺人〉から発するデビルだけが感じる事ができる電波で分かる。
(位置は、まだ近くにいる。だがあのロボットスーツ達が徘徊している以上、隠れて本に入らなければ)
おそらく警察の近くにいるだろう。
しかしデビルにはブックエスケープと言う能力があり、それを使えば3キロ以内に自分のデビルフェイスがあれば、テレポートと同じ原理でデビルフェイスに入る事ができる。
だがブックエスケープは1日1回と言う条件があり、次の深夜0時にならないと再使用ができない。
(今の状況はブックエスケープを使うべきだ、いや使うしかない)
ジャスティスは戦いを放棄し、ブックエスケープを使用する、
すると、一瞬のうちに3キロ以内にいたセイギの持つ〈正義の殺人〉の中に戻って行った。
それにいち早く気づいたのはセイギである。
デビルがブックエスケープを使用した際、使用者の脳内に戦いの情報が流れる。
セイギは恐る恐る〈正義の殺人〉を開く。
そこにあったのは傷だらけのジャスティスの姿だった。
〈正義の殺人〉を素早く閉じ、ショルダーバックに入れ、その場を離れ様とする。
しかしそうはさせじとヒメが壁になる。
「ちょっと、あんたどこに行くのよ!」
「家だよ家。ジャスティス以外のデビルがここにいない以上俺が自分にとってこんな危険地帯にいる必要がない。だから帰るんだ」
「じゃあ認めるのね。学校で起きた事件の首謀者だって事を」
「クッ」
それに対してセイギはうろたえながらヒメを振り切り、点滅している信号機が設置されている横断歩道を渡る。
「待ちなさい!」
ヒメも渡ろうとするが、運悪く赤になってしまい、追いかける事ができなかった。
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