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目覚める戦士編
第1話 目覚める戦士
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「ここは………一体?」
彼はぽつんと1人で立っている。
そこは異空間の中で発した声が響き渡る。
すると突然次元の裂け目が出現、黄色き斑点模様をした蜘蛛の怪人が姿を現した。
「お前の様なザコなど、この世に必要ない。殺してくれるわぁ!」
悠長に喋る蜘蛛怪人は彼に糸を発射し、捕らえようとする。
その時頭の中でスパークが発生、何かを思い出したかの様に右手で左手首をかざす。
バチバチと電気が発生し、銀色の腕輪が現れる。
赤き装甲を纏っていく最中糸が左腕を捕まえ、発射した口から緑色の毒液が物凄いスピードで染み出す。
だが腕輪はその毒素を吸収、姿を変えた彼の姿はまさに勇ましき戦士、複眼に映るは怪人の醜い姿。
「お前はまさか! バカな! この時代にあの憎き戦士がいるはずがない!」
なにやら怯えた様子の蜘蛛怪人が1歩2歩と下がって行くのを見て脳が再びスパークする。
倒す相手と認識し走り出した彼は一気に距離を詰め、凄まじい勢いで鉄拳を繰り出した。
大きく吹き飛ばされた怪人の体はさっき吸収された自分の毒に侵され、動けなくなる。
「お前が人間の敵なら………」
ゆっくりと近づく赤き戦士は足底に破壊のエネルギーを蓄積させ、恐怖に背筋が凍った蜘蛛怪人の腹を重く踏みつけた。
「グ………グオォォォォォォ!?」
あまりの破壊力に悲鳴を上げながら爆散する姿を視界に入れた時、彼は使命を完全に思い出した。
「俺は怪人達と戦っていた。それを忘れていたのをこの腕輪が夢の中で思い出させてくれた。目覚めるんだ。戦えない人達のために」
その言葉に答える様に腕輪が強く白光すると、目を覚ますことに成功した。
あれから何日が経ったのだろうか。
リハビリが必要と診断されようが腕輪の力で鈍った体はすぐに回復する。
寝ていた場所は強化プラスチックのカプセルだと確認すると、そこは見慣れない光景だった。
まるで監獄を模した鉄格子が道を塞ぎ、完全に施錠されている。
「どう言うことだ? 仕方ない。悪いが壊させてもらう」
そう言って右手で左手首をかざす。
腕輪が出現し電気が彼の体を覆い込むと、赤き装甲を持つ戦士に姿を変えた。
銀色の2本角に赤い複眼、古代文字が刻まれた装甲の裏に白き皮膚がある。
胸下部分には黒曜石を思わせるコアが存在し、全身の強化を管理しているのだ。
カプセルを蹴りで粉々に砕き立ち上がると、鉄格子の金属成分を吸収し脆くなったところで、拳で殴り破壊する。
外へ出るため次々と鍵が閉められたドアを粉砕して行く。
「こんなにも強固な場所に閉じ込められるとは。怪人が暗躍しているに違いない」
エレベーターをこじ開け下に降りて行き1階に到着すると、そこには警備員3人が警棒を構えていた。
「ばっ、化け物!?」
「化け物? 違う! 俺は人間だ!」
「騙されるか! 見た目もそうだが、この厳重な設備から脱出できるもんかよ!」
警備員の言葉を汲み取ると、どうやらここは何かの研究施設の様だ。
「とにかくここから出させてもらう。邪魔しないでくれ」
そう言って跳躍し警備員を飛び越えると、閉じた出入り口を突き破る。
外へ脱出した戦士は再び高く飛び上がり、ビルからビルへ飛び移って行った。
変身を解除し街中の人込みに紛れると、服装などを見て今の時代を認識する。
(時代はそこまで進んでないみたいだ。でもなぜ俺は研究施設に保管されていたんだろう?)
現在現金も電話機器などを持っていない彼はどうすればいいか戸惑いながらも、使命を全うするため動き出す。
まずは知り合いが刑事をしている警察署に向かい、安心を確保したい。
それにしてもここはどこなのだろうか。
考えを整理しながら息を整え、その場を後にした。
そこは勇ましき戦士が言う怪人………いや、新たに暗躍する残忍な堕天使達が住まう場所〈ダークネスリングゾーン〉
「神はこう言った。人間を守るのが我らの使命だと。だがそれは違った! 禍々しい化け物となった人間は悪魔と化し、自ら争いを望んだ! 忌まわしき戦士が復活した今! 下の下である者達を皆屠る時である! 行け同胞達よ! 今こそ立ち上がれ!」
超級堕天使の1人の男性、戦争への絶望者の異名を持つウォーノウは戦いを止めない人間に失望した部下達の指揮を高め、下界に降りさせて行く。
「人間など下界の害虫に過ぎません。すぐに絶滅させ、この世をやり直すのです」
超級堕天使の1人の美しき女性、やり直し繰り返す者の異名で言われるゼッツの一言が人間に希望を見出せない部下達が静かに下界へ向かって行く。
「強者、金持ち。弱者、奴隷。平等、なし。全部、滅ぼせ」
超級堕天使の1人片言の少女、吊り合いの依存の異名で恐れられるバラダザの命令に貴族と貧困層を生んだ神とそれを受け入れた人間を屍に化そうと部下達が咆哮を上げた。
「戦え! 俺達が使い捨てではなく、戦い続ける強者だと示せ! 人間の強者と戦い合いその実力を神々に知らしめるのだ!」
超級堕天使が1人、捨てられぬポーンを異名とし戦いに飢えたファパー。
それに対して部下達はそれに応え、右拳を突き上げた。
だが彼らは知らない。
神が加護、変わる戦士の力を1人の人間に授けたことを。
彼はぽつんと1人で立っている。
そこは異空間の中で発した声が響き渡る。
すると突然次元の裂け目が出現、黄色き斑点模様をした蜘蛛の怪人が姿を現した。
「お前の様なザコなど、この世に必要ない。殺してくれるわぁ!」
悠長に喋る蜘蛛怪人は彼に糸を発射し、捕らえようとする。
その時頭の中でスパークが発生、何かを思い出したかの様に右手で左手首をかざす。
バチバチと電気が発生し、銀色の腕輪が現れる。
赤き装甲を纏っていく最中糸が左腕を捕まえ、発射した口から緑色の毒液が物凄いスピードで染み出す。
だが腕輪はその毒素を吸収、姿を変えた彼の姿はまさに勇ましき戦士、複眼に映るは怪人の醜い姿。
「お前はまさか! バカな! この時代にあの憎き戦士がいるはずがない!」
なにやら怯えた様子の蜘蛛怪人が1歩2歩と下がって行くのを見て脳が再びスパークする。
倒す相手と認識し走り出した彼は一気に距離を詰め、凄まじい勢いで鉄拳を繰り出した。
大きく吹き飛ばされた怪人の体はさっき吸収された自分の毒に侵され、動けなくなる。
「お前が人間の敵なら………」
ゆっくりと近づく赤き戦士は足底に破壊のエネルギーを蓄積させ、恐怖に背筋が凍った蜘蛛怪人の腹を重く踏みつけた。
「グ………グオォォォォォォ!?」
あまりの破壊力に悲鳴を上げながら爆散する姿を視界に入れた時、彼は使命を完全に思い出した。
「俺は怪人達と戦っていた。それを忘れていたのをこの腕輪が夢の中で思い出させてくれた。目覚めるんだ。戦えない人達のために」
その言葉に答える様に腕輪が強く白光すると、目を覚ますことに成功した。
あれから何日が経ったのだろうか。
リハビリが必要と診断されようが腕輪の力で鈍った体はすぐに回復する。
寝ていた場所は強化プラスチックのカプセルだと確認すると、そこは見慣れない光景だった。
まるで監獄を模した鉄格子が道を塞ぎ、完全に施錠されている。
「どう言うことだ? 仕方ない。悪いが壊させてもらう」
そう言って右手で左手首をかざす。
腕輪が出現し電気が彼の体を覆い込むと、赤き装甲を持つ戦士に姿を変えた。
銀色の2本角に赤い複眼、古代文字が刻まれた装甲の裏に白き皮膚がある。
胸下部分には黒曜石を思わせるコアが存在し、全身の強化を管理しているのだ。
カプセルを蹴りで粉々に砕き立ち上がると、鉄格子の金属成分を吸収し脆くなったところで、拳で殴り破壊する。
外へ出るため次々と鍵が閉められたドアを粉砕して行く。
「こんなにも強固な場所に閉じ込められるとは。怪人が暗躍しているに違いない」
エレベーターをこじ開け下に降りて行き1階に到着すると、そこには警備員3人が警棒を構えていた。
「ばっ、化け物!?」
「化け物? 違う! 俺は人間だ!」
「騙されるか! 見た目もそうだが、この厳重な設備から脱出できるもんかよ!」
警備員の言葉を汲み取ると、どうやらここは何かの研究施設の様だ。
「とにかくここから出させてもらう。邪魔しないでくれ」
そう言って跳躍し警備員を飛び越えると、閉じた出入り口を突き破る。
外へ脱出した戦士は再び高く飛び上がり、ビルからビルへ飛び移って行った。
変身を解除し街中の人込みに紛れると、服装などを見て今の時代を認識する。
(時代はそこまで進んでないみたいだ。でもなぜ俺は研究施設に保管されていたんだろう?)
現在現金も電話機器などを持っていない彼はどうすればいいか戸惑いながらも、使命を全うするため動き出す。
まずは知り合いが刑事をしている警察署に向かい、安心を確保したい。
それにしてもここはどこなのだろうか。
考えを整理しながら息を整え、その場を後にした。
そこは勇ましき戦士が言う怪人………いや、新たに暗躍する残忍な堕天使達が住まう場所〈ダークネスリングゾーン〉
「神はこう言った。人間を守るのが我らの使命だと。だがそれは違った! 禍々しい化け物となった人間は悪魔と化し、自ら争いを望んだ! 忌まわしき戦士が復活した今! 下の下である者達を皆屠る時である! 行け同胞達よ! 今こそ立ち上がれ!」
超級堕天使の1人の男性、戦争への絶望者の異名を持つウォーノウは戦いを止めない人間に失望した部下達の指揮を高め、下界に降りさせて行く。
「人間など下界の害虫に過ぎません。すぐに絶滅させ、この世をやり直すのです」
超級堕天使の1人の美しき女性、やり直し繰り返す者の異名で言われるゼッツの一言が人間に希望を見出せない部下達が静かに下界へ向かって行く。
「強者、金持ち。弱者、奴隷。平等、なし。全部、滅ぼせ」
超級堕天使の1人片言の少女、吊り合いの依存の異名で恐れられるバラダザの命令に貴族と貧困層を生んだ神とそれを受け入れた人間を屍に化そうと部下達が咆哮を上げた。
「戦え! 俺達が使い捨てではなく、戦い続ける強者だと示せ! 人間の強者と戦い合いその実力を神々に知らしめるのだ!」
超級堕天使が1人、捨てられぬポーンを異名とし戦いに飢えたファパー。
それに対して部下達はそれに応え、右拳を突き上げた。
だが彼らは知らない。
神が加護、変わる戦士の力を1人の人間に授けたことを。
応援ありがとうございます!
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