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ウォーノウ編
第14話 成長を受け入れる戦士
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撃ち抜かれた堕天使達は驚きと痛みに相手の強さを理解する。
(今の動き、人間の物ではない)
(なるほど、これがいわゆる技術の進歩と言う物か。やはり生かしてはおけん)
堕天使達が変身したのは高速移動を可能としたその名もバトルジェット・ダークエンジェル、全身にジェット噴射口が搭載され、さらにミサイルランチャーとマシンガンを召喚できる灰色の装甲を持った戦士だ。
もはや生物ですらない………いや、前にも恐竜やら幻獣が合体した者やらいたなと如鬼はふと思い出す。
するとスキャナーが弱点を分析し始め、行動をモニター越しに指示してくる。
(私はあなたの操り人形じゃない! 操り人形には………もうならないから!)
基本AIは単独で動くことを主軸に指示を行う。
従っていればいずれ倒せるだろう。
だが今は連携を取るのが最優先、再び襲いかかってくる2人のバトルジェット・ダークエンジェルに鈴静と共に銃口を向け連射する。
打ち出される銃弾、それは今の堕天使にとっては脅威であった。
それでも攻撃を低空飛行で躱し、勢いのまま鈴静に突っ込んでくる。
あまりのスピードに彼は避けることができずタックルをまともに受けた。
「グワァ!?」
「このまま死んでしまえぇぇぇぇぇぇ!!」
女性型のバトルジェット・ダークエンジェルの叫びが警察署中に響き渡る。
なんとジェット噴射で加速したタックルは続き、そのまま壁に激突したのだ。
あまりの破壊力に壁が貫通、Z2の背中から血が流れ出す。
『鈴静さん!? 鈴静さん!?』
光炎の叫びに応答はなく、まったく動かない。
降り立った堕天使達が死を確認しようとすると、後ろから射撃を食らってしまう。
後ろを振り返ろうとするが、激痛に耐えかねふらつき始める。
「油断しましたね………」
内心では鈴静の元へ駆けつけたい。
しかしそれでは共にやられるのが関の山。
〈アーチャー・マーク2〉のトリガーを如鬼は涙を流しながら弾き続けた。
「おのれ………」
なんとか意識を保ちつつバトルジェット・ダークエンジェルはマシンガンを召喚、再び低空飛行で銃弾を躱す。
そしてZ3の周りを回り始め、銃口をそちらに向ける。
対してスキャナーは相手の動きを分析、だがどう足掻いても如鬼の死亡する未来を予測してしまう。
モニター越しに映ったのは赤文字で「如鬼は死なせない」と言う一文だった。
「えっ?」
思わず声が出た次の瞬間乗っていた白バイが突然勢いよく走り出し、男性型のバトルジェット・ダークエンジェルを轢いた。
大きく吹き飛ばされ、なんとか体勢を立て直すもまたもや轢かれる。
「こいつ、まるで生きているみたいだぞ」
「なにを言っている? おそらくズートレーラーと言う乗り物の中で操作しているのだろう」
違う、これはAIの仕業だ。
如鬼がそう断言できたのはあの赤文字である。
「私を、助けてくれたの?」
その問いかけに対しモニターに赤文字で「そうだよ」と映し出される。
やはりAIは自分の事を理解しようとしている。
支配するのではなく、協力すると言う考えに行き着いたのではないか。
そう考えている間に女性型の堕天使がマシンガンの引き鉄を弾こうとする。
『如鬼なにしてるの!? 相手の攻撃が来るわよ!?』
光炎の指示を聞きハッとなると〈アーチャー・マーク2〉を連射、マシンガンを撃ち落とすのだった。
一方その頃幕昰はZトレーラーに入るとモニターに映し出されている現場に歯を噛み締め、彼女の横につく。
「光炎さん、状況は?」
質問に対して横目で確認すると光炎はホッとする間もなく現状の悲惨さを伝える。
「現在鈴静さんが堕天使の攻撃で重体、如鬼はなんかAIと会話し始めてるし………」
「ちょっと待て、あのパワードスーツのAIは会話ができるのか?」
慌てた様子の幕昰の質問に彼女は頭を傾げ、再びモニターに目を通す。
「Z3は元々怪人以上の敵を倒すために開発されたんです。それには装着者をサポートする学習機能付き人工知能が必要だった。最初は上手く如鬼と 噛み合っていました。でも彼女はAIの言われるがまま行動するようになったんです………」
「光炎さん、前の如鬼くんの事はよく分からない。しかし彼女なりに向き合っている気がするがねぇ。現に人工知能と会話できているんだろう」
「それが問題なんです! AIが会話するなんて想定外! こんなにも急成長を遂げるのは異常なんですよ!」
焦りから早口での説明だったが、危機感を覚えるには十分な内容だったと幕昰は感じる。
「人工知能の急成長。人類が破滅する未来の1つ。開発者としてそれは避けたかったんです。でも上からどうしても搭載してくれと言われて………」
涙目になり頭を抱える光炎の姿になにも言えず、ただモニター見つめるだけだった。
一方で六問とウォーノウの戦いは熾烈を極めていた。
ザーガが繰り出すは豪快に振るう大型ハンマー。
対してウェポニック・ダークエンジェルの放つミサイルが止まらない。
「ハァァァァァァァァァ!」
踏み込み繰り出す攻撃を堕天使は右手で受け止め、左手のバルカンを連射する。
「ウゥ………」
銃弾を受けた腹の傷口から血液が流れ出すがハンマーを肉体に吸収、体勢を崩したところで不意打ちの回転蹴りを食らわせる。
しかしそのキックも要塞を思わせる黒き翼を持つ脅威には通じない。
近距離からミサイルを撃ち出され命中、あまりの破壊力に大きく吹き飛ばされ全身の装甲にヒビが入り血が噴射しながら床に叩き付けられた。
「ザーガ、人間でなくなったお前が人類を守るのはあくまで元が人間だから。それが意思ならば否定はしない。だが私達は繰り返される争いを見過ごすわけにはいかない」
「だから人類を抹消するのか! 可能性を信じずに手を下すのか!」
立ち上がる六問の怒りから発せられる言葉。
それに対してウォーノウは鼻を鳴らし、左手で拳を作る。
「信じた結果がこうでは話にならん。消えろ。人と言う皮を被った兵器が!」
そう叫んだ瞬間、両肩のバズーカがパージされ火力の姿から切れ味の姿へと変わる。
1本角から2本角に成り、指先のバルカンが消失した代わりに長い刀身の刀を右手に、短い刀を左手に装備している。
「人間はいつまで経っても武器が好きなのだろう? ならばそれで殺されても本望。そう解釈させてもらった」
「まさか………姿を使い分けられるのか………」
激痛と驚き、両方の感情を汲み取ったザーガの腕輪は勝つために六問の意識を支配する。
そして複眼が漆黒に変わり〈バーニングボンバー〉に変身するのだった。
(今の動き、人間の物ではない)
(なるほど、これがいわゆる技術の進歩と言う物か。やはり生かしてはおけん)
堕天使達が変身したのは高速移動を可能としたその名もバトルジェット・ダークエンジェル、全身にジェット噴射口が搭載され、さらにミサイルランチャーとマシンガンを召喚できる灰色の装甲を持った戦士だ。
もはや生物ですらない………いや、前にも恐竜やら幻獣が合体した者やらいたなと如鬼はふと思い出す。
するとスキャナーが弱点を分析し始め、行動をモニター越しに指示してくる。
(私はあなたの操り人形じゃない! 操り人形には………もうならないから!)
基本AIは単独で動くことを主軸に指示を行う。
従っていればいずれ倒せるだろう。
だが今は連携を取るのが最優先、再び襲いかかってくる2人のバトルジェット・ダークエンジェルに鈴静と共に銃口を向け連射する。
打ち出される銃弾、それは今の堕天使にとっては脅威であった。
それでも攻撃を低空飛行で躱し、勢いのまま鈴静に突っ込んでくる。
あまりのスピードに彼は避けることができずタックルをまともに受けた。
「グワァ!?」
「このまま死んでしまえぇぇぇぇぇぇ!!」
女性型のバトルジェット・ダークエンジェルの叫びが警察署中に響き渡る。
なんとジェット噴射で加速したタックルは続き、そのまま壁に激突したのだ。
あまりの破壊力に壁が貫通、Z2の背中から血が流れ出す。
『鈴静さん!? 鈴静さん!?』
光炎の叫びに応答はなく、まったく動かない。
降り立った堕天使達が死を確認しようとすると、後ろから射撃を食らってしまう。
後ろを振り返ろうとするが、激痛に耐えかねふらつき始める。
「油断しましたね………」
内心では鈴静の元へ駆けつけたい。
しかしそれでは共にやられるのが関の山。
〈アーチャー・マーク2〉のトリガーを如鬼は涙を流しながら弾き続けた。
「おのれ………」
なんとか意識を保ちつつバトルジェット・ダークエンジェルはマシンガンを召喚、再び低空飛行で銃弾を躱す。
そしてZ3の周りを回り始め、銃口をそちらに向ける。
対してスキャナーは相手の動きを分析、だがどう足掻いても如鬼の死亡する未来を予測してしまう。
モニター越しに映ったのは赤文字で「如鬼は死なせない」と言う一文だった。
「えっ?」
思わず声が出た次の瞬間乗っていた白バイが突然勢いよく走り出し、男性型のバトルジェット・ダークエンジェルを轢いた。
大きく吹き飛ばされ、なんとか体勢を立て直すもまたもや轢かれる。
「こいつ、まるで生きているみたいだぞ」
「なにを言っている? おそらくズートレーラーと言う乗り物の中で操作しているのだろう」
違う、これはAIの仕業だ。
如鬼がそう断言できたのはあの赤文字である。
「私を、助けてくれたの?」
その問いかけに対しモニターに赤文字で「そうだよ」と映し出される。
やはりAIは自分の事を理解しようとしている。
支配するのではなく、協力すると言う考えに行き着いたのではないか。
そう考えている間に女性型の堕天使がマシンガンの引き鉄を弾こうとする。
『如鬼なにしてるの!? 相手の攻撃が来るわよ!?』
光炎の指示を聞きハッとなると〈アーチャー・マーク2〉を連射、マシンガンを撃ち落とすのだった。
一方その頃幕昰はZトレーラーに入るとモニターに映し出されている現場に歯を噛み締め、彼女の横につく。
「光炎さん、状況は?」
質問に対して横目で確認すると光炎はホッとする間もなく現状の悲惨さを伝える。
「現在鈴静さんが堕天使の攻撃で重体、如鬼はなんかAIと会話し始めてるし………」
「ちょっと待て、あのパワードスーツのAIは会話ができるのか?」
慌てた様子の幕昰の質問に彼女は頭を傾げ、再びモニターに目を通す。
「Z3は元々怪人以上の敵を倒すために開発されたんです。それには装着者をサポートする学習機能付き人工知能が必要だった。最初は上手く如鬼と 噛み合っていました。でも彼女はAIの言われるがまま行動するようになったんです………」
「光炎さん、前の如鬼くんの事はよく分からない。しかし彼女なりに向き合っている気がするがねぇ。現に人工知能と会話できているんだろう」
「それが問題なんです! AIが会話するなんて想定外! こんなにも急成長を遂げるのは異常なんですよ!」
焦りから早口での説明だったが、危機感を覚えるには十分な内容だったと幕昰は感じる。
「人工知能の急成長。人類が破滅する未来の1つ。開発者としてそれは避けたかったんです。でも上からどうしても搭載してくれと言われて………」
涙目になり頭を抱える光炎の姿になにも言えず、ただモニター見つめるだけだった。
一方で六問とウォーノウの戦いは熾烈を極めていた。
ザーガが繰り出すは豪快に振るう大型ハンマー。
対してウェポニック・ダークエンジェルの放つミサイルが止まらない。
「ハァァァァァァァァァ!」
踏み込み繰り出す攻撃を堕天使は右手で受け止め、左手のバルカンを連射する。
「ウゥ………」
銃弾を受けた腹の傷口から血液が流れ出すがハンマーを肉体に吸収、体勢を崩したところで不意打ちの回転蹴りを食らわせる。
しかしそのキックも要塞を思わせる黒き翼を持つ脅威には通じない。
近距離からミサイルを撃ち出され命中、あまりの破壊力に大きく吹き飛ばされ全身の装甲にヒビが入り血が噴射しながら床に叩き付けられた。
「ザーガ、人間でなくなったお前が人類を守るのはあくまで元が人間だから。それが意思ならば否定はしない。だが私達は繰り返される争いを見過ごすわけにはいかない」
「だから人類を抹消するのか! 可能性を信じずに手を下すのか!」
立ち上がる六問の怒りから発せられる言葉。
それに対してウォーノウは鼻を鳴らし、左手で拳を作る。
「信じた結果がこうでは話にならん。消えろ。人と言う皮を被った兵器が!」
そう叫んだ瞬間、両肩のバズーカがパージされ火力の姿から切れ味の姿へと変わる。
1本角から2本角に成り、指先のバルカンが消失した代わりに長い刀身の刀を右手に、短い刀を左手に装備している。
「人間はいつまで経っても武器が好きなのだろう? ならばそれで殺されても本望。そう解釈させてもらった」
「まさか………姿を使い分けられるのか………」
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