Groll und Liebe

十六夜ノ月

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Alte Tage

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~約13年前~


「おかーさん!もうすぐだね!」

そこは、美作みまさか産婦人科。
十文字 祐奈は病室のベッドに寝ていた。

「こらっ!はしゃがないの!まさき!!」


美作産婦人科の院長、美作 淳みまさか あつしは、
十文字 彰の大学の同期だ。

「ふふ…楽しみ?緑、正黄。」

「「うん!」」

「ぼく、おにいちゃんになるんだぁ…」

「おとこのこなんだよね?おかあさん。
おんなのこもほしいなぁ…」

「それは難しいかも。緑。ごめんねー。」

「そういえばおかーさん、おとーさんお仕事いつ終わるの?」




…二人は、吸血鬼との戦争のことを知らなかった。
吸血鬼の存在すらも、知らなかった。
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