Groll und Liebe

十六夜ノ月

文字の大きさ
上 下
57 / 119

Warte

しおりを挟む
その瞬間、放送が病院内に響き渡った。


『吸血鬼がこの病院内に侵入した!
慌てないで避難して下さい!』

「うそっ…!」

祐奈は焦っていた、だが、


「この声、おとーさんだ!」

「ほんとだ!おとうさんいるの?ここに!?」

子供たちは大して理解していないようだった。
そりゃそうだ。
吸血鬼自体の存在すら私達夫婦は隠している。

「おとーさーん!!」

「あっ!待ちなさい、正黄!」

「おかあさん、あたしがつれもどしてくるからあんしんして!」

「ちょっと!緑!戻ってきなさい!」




…二人は、祐奈の病室から出て行ってしまった。
しおりを挟む

処理中です...