Groll und Liebe

十六夜ノ月

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「…おかあさん」

緑が静かに立ち上がった。

「あたし、おとうとがうまれるの、すごくたのしみなんだ。」

「…ぼくも。」

緑と正黄は、祐奈を守るようにして立っていた。

「おかーさんも、ね。ぼくのはじめてのおとうと、
まもってよ。」

「緑…!正黄…!ダメ!」

それを見た女吸血鬼は八重歯を見せつけるようににたりと笑うと
「家族愛か?泣かせるねえ~」

と嘲笑うように言った。


「…おかあさん、にげて。」

「そのこ、しなせたら、ぼくだってゆるさないか」

ズバッ





正黄が何かを言い終える前に、
正黄の首から、そんな鈍い音がした。
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