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第二章 魔法の衆と禁じられた書
第三話 鉄壁の男
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力任せに突っ込んできたスチルを躱しておれは他の仲間に指示を出す。
「皆は子分を倒してくれ。スチルはおれが倒す」
「分かったよ。ディールの兄ちゃん頑張ってくれ!」
「任せとけ!」
身体が妙に震えているのが分かる。でもこの震えは化け物とかカミオンの騎士と対峙したときの恐怖の震えじゃない。これは武者震いだ、目の前の強敵を前にしておれは今戦いを楽しもうとしている。
転んだスチルが起き上がり兜の隙間越しにこちらを睨んでいるのが分かる。今までに何度も受けてきた物凄い殺意だ。
「お前だけは俺様がぶっ潰してやる‼野郎どもお、計画は終わりだあガキども全員生きて返すなあ!」
「やれるもんならやってみろよ。鉄板野郎‼」
おれは踏み込んでスチルの脇腹目掛けて剣を振りぬく。しかし、金属の鎧に弾かれてしまった。直後、スチルが掴みかかってきたのでおれは後ろに跳んで回避する。
その後に何度も斬りかかるが堅固な鎧に弾かれてしまった。動きは鈍いくせに鎧のせいでまともにダメージを与えられない。魔宝具はすべてレイに預けているから現状おれは魔宝具を持っていない。つまり自分の実力だけで勝たなきゃいけないってわけだ。
おれは一旦距離を取って深呼吸する。
落ち着け……落ち着け。いつも通り相手を観察して弱点を見極めるんだ。
…………そうか!あのプレートアーマーは全身が鎧ってわけじゃないんだ。例えばあいつの手は掴むために鎧で覆われているわけじゃない。それに関節の部分は動きやすくするために金属になっていないはずだ。
おれはスチルの背後に回って足元へと滑り込む。膝の裏を狙って剣を突き刺そうとしたが弾かれてしまった。どういうことだ?関節部分もしっかりと金属で守られているじゃないか。剣を弾かれてしまったので低い体勢だったこともあり、のけ反る形になってしまった。
スチルはおれに生まれた隙を逃さなかった。回転しながら重たそうな腕の一撃が顔面目掛けて飛んでくる。おれはなんとか剣を構えて受け止めるが重たすぎた。そのまま横に吹っ飛ばされてしまった。あいつの拳はまるで鉄球みたいだ。
ゴミの山から這い出るとスチルが追撃のためにタックルしながら突っ込んできた。
咄嗟に構えて突っ込んできたタイミングで横に躱して背中を蹴り飛ばすとスチルは簡単に転んだ。おれは兜と鎧の間、つまり首を狙って剣を叩きつけるがそこにも隙間は存在せず金属にぶつかった衝撃が剣から腕に伝わって痺れてしまった。
「何なんだこの鎧?!なんで関節部分に隙間がないんだよ」
おれの声を聞いたスチルは笑いながらご丁寧にも解説してくれた。
「フハハハハ!この鎧は特注の品でな。俺様にピッタリの一品なんだあ。一切の隙間が存在しない構造になってるんだあ。わざわざ子分に着させてもらってるからな隙間なんて存在しないんだよお!」
確かに見た感じはどこにも隙間は見当たらない。強いて言うならスチルの兜の視界用のほんのわずかな隙間だけだがあまりにも狭いので針が通るかどうかといったところだ。
おれはもう一度頭の中で策を練り上げる。だけどスチルはおれに考える時間を与えてはくれないようだ。次々とタックルで突っ込んでくる。躱し続けているとスチルの動きが鈍くなってきたような気がする。確かに元から鈍間だったけど明らかに遅いしなにより息が上がっている。
あいつの兜の隙間が狭すぎて兜の中の空気がどんどん薄くなってきているんだ!このままいけばあいつは呼吸が出来なくって倒れるぞ。そう思ってたのにスチルは突然タックルしてくるのをやめてしまった。このままではいけないのでスチルを煽ることにする。
「おい、鉄板野郎!もう突っ込んでこなくてもいいのかよ」
おれの煽りにスチルは高らかに笑いながら答える。
「もう疲れたからやめだあ。それにもう少し待ってれば更にたくさんの子分が来るからなあ。ガキどもには悪いがこれが俺様達のやり方ってわけだあ」
おれは周囲を見渡す。仲間たちは何とか数でスチルの子分たちを押しているがこれ以上来られたら無事では済まされないだろう。やっぱり敵の大将を討ち取らないとダメってことだ。もう一度考えるんだ。隙間がダメならそれ以外で倒すしかない。
…………そういえばあいつのあの鎧は確かピッタリサイズだって言ってたよな。それにおれが首元を攻撃したときのあの感覚。そうか!外からの隙間もなければあいつ自身と鎧の内側の隙間も存在していないんだ。だからあそこまで衝撃がダイレクトに伝わって来ておれがあんなに痺れたんだ。だったらあいつだってそれなりの衝撃を受けているはずだ。
ここまで推察できればあいつの行動の不可解さも納得できる。タックルを多用する癖に躱されたら絶対に壁に衝突しようとしないのはあいつにダメージが入るからなんだ。
おれは再び剣を構える。今度の狙いは頭だ。徹底的に衝撃を与えて気絶させてやる。
「ディールさーん!こっちは何とか終わりましたよー!」
仲間の一人がこちらに駆け寄ってきた。スチルはまだ座って休んでやがる。おれは今のうちに作戦を仲間に耳打ちして伝える。
「…………えええ!そんなこと出来ますか⁉」
作戦の内容に流石の仲間も驚いているみたいだ。だけど実行しなければ勝てない。おれは檄をとばす。
「お前らにしか頼めないんだ。それに、こいつらを倒さないと妖精の区の皆が連れていかれるんだぞ!」
「分かりました。ディールさんのこと信じてますから!準備できたら合図します」
もう妖精の区の子供たちが怯える生活は終わりだ。レイは必ずラグーを倒して戻ってくる。だったらおれはスチルをぶっ倒して皆のところ帰ってやる。
おれは座っているスチルに向かって突っ込んだ。おれが近づいてもスチルは動こうとはしない。余程自分の鎧に自信を持っているんだろう。おれは構わず剣の刃ではなく腹の部分でスチルの兜を思い切り振り下ろした。ぶつかった瞬間鈍い音が響き、凄まじい衝撃がおれの腕を襲った。
だけど、スチルにも大打撃だったようだ。スチルは頭を抱えて地面でのたうち回っている。
「どうした鉄板野郎?随分と痛そうじゃないか!自慢の鎧じゃ防ぎきれなかったかな?」
おれの一言に反応したスチルは転げまわるのをやめてすぐさま身体を起こした。
「生意気なことをいうじゃねえかあ。てめえのことを見くびっていたようだなあ。さっきは戦おうとしなくて悪かったなあ。てめえは俺様が絶対にぶっ潰してやるよお!!!」
スチルの堪忍袋の緒が切れちまったのは誰の目から見ても明らかだ。兜を被っていて表情は見えないけど雰囲気で怒り狂っているのが分かる。そんな時に仲間が離れたところからおれに声をかける。
「ディールさーん準備できましたー!」
最高のタイミングだ!おれはスチルを誘導しながら仲間の方へと移動する。
「ディールさん。あの木箱の向こう側です」
「よく短時間で仕掛けたな!」
「いたずらはぼくらの得意分野ですから」
スチルは一心不乱に突撃を繰り返している。おれは高く壁のように積み上がった木箱を背にして、スチルが突っ込んでくるのを待つ。とにかくギリギリで躱さないとダメだ。あいつは闘牛と違ってどんなスピードでも直角で曲がってくる。
少しづつ確実にスチルとの距離が縮まっていく。
3……2……1……今だ!
おれはギリギリ触れそうな距離で横に飛びのき攻撃を躱す。一方のスチルは木箱の山へと突っ込んで砂埃に消えた。
砂埃が消えてようやくスチルの姿が見えてきた。スチルは皆が作った特製落とし穴に引っかかっていた。おれは皆に号令をかける。
「今がチャンスだ!全員でタコ殴りにしろ」
「ガキどもお!ふざけるなよお。後で覚えてろよお!」
おれの一言で皆が一斉に飛びかかり持っていた武器やレンガでスチルをコテンパンにしている。よく見てみるとスチルが段々腰まで地面に埋まっていくのが分かる。
おれも近くのゴミの山を駆け上っていき自分の背丈の四倍近くはある高さからスチルの頭目掛けて飛んだ。
「お前にこの先なんてないんだよ!終わりだアァァッ‼」
渾身の一撃がスチルの頭に直撃する。おれは受け身を取りながら転がってスチルの方を確認する。
…………勝った!地面に埋まったスチルの兜は粉々に砕けた。頑丈な兜に覆われていた頭部が露になったスチルの歯はボロボロに砕けていて顔中コブだらけで完全に気絶している。
おれたちの勝ちだ!
「皆は子分を倒してくれ。スチルはおれが倒す」
「分かったよ。ディールの兄ちゃん頑張ってくれ!」
「任せとけ!」
身体が妙に震えているのが分かる。でもこの震えは化け物とかカミオンの騎士と対峙したときの恐怖の震えじゃない。これは武者震いだ、目の前の強敵を前にしておれは今戦いを楽しもうとしている。
転んだスチルが起き上がり兜の隙間越しにこちらを睨んでいるのが分かる。今までに何度も受けてきた物凄い殺意だ。
「お前だけは俺様がぶっ潰してやる‼野郎どもお、計画は終わりだあガキども全員生きて返すなあ!」
「やれるもんならやってみろよ。鉄板野郎‼」
おれは踏み込んでスチルの脇腹目掛けて剣を振りぬく。しかし、金属の鎧に弾かれてしまった。直後、スチルが掴みかかってきたのでおれは後ろに跳んで回避する。
その後に何度も斬りかかるが堅固な鎧に弾かれてしまった。動きは鈍いくせに鎧のせいでまともにダメージを与えられない。魔宝具はすべてレイに預けているから現状おれは魔宝具を持っていない。つまり自分の実力だけで勝たなきゃいけないってわけだ。
おれは一旦距離を取って深呼吸する。
落ち着け……落ち着け。いつも通り相手を観察して弱点を見極めるんだ。
…………そうか!あのプレートアーマーは全身が鎧ってわけじゃないんだ。例えばあいつの手は掴むために鎧で覆われているわけじゃない。それに関節の部分は動きやすくするために金属になっていないはずだ。
おれはスチルの背後に回って足元へと滑り込む。膝の裏を狙って剣を突き刺そうとしたが弾かれてしまった。どういうことだ?関節部分もしっかりと金属で守られているじゃないか。剣を弾かれてしまったので低い体勢だったこともあり、のけ反る形になってしまった。
スチルはおれに生まれた隙を逃さなかった。回転しながら重たそうな腕の一撃が顔面目掛けて飛んでくる。おれはなんとか剣を構えて受け止めるが重たすぎた。そのまま横に吹っ飛ばされてしまった。あいつの拳はまるで鉄球みたいだ。
ゴミの山から這い出るとスチルが追撃のためにタックルしながら突っ込んできた。
咄嗟に構えて突っ込んできたタイミングで横に躱して背中を蹴り飛ばすとスチルは簡単に転んだ。おれは兜と鎧の間、つまり首を狙って剣を叩きつけるがそこにも隙間は存在せず金属にぶつかった衝撃が剣から腕に伝わって痺れてしまった。
「何なんだこの鎧?!なんで関節部分に隙間がないんだよ」
おれの声を聞いたスチルは笑いながらご丁寧にも解説してくれた。
「フハハハハ!この鎧は特注の品でな。俺様にピッタリの一品なんだあ。一切の隙間が存在しない構造になってるんだあ。わざわざ子分に着させてもらってるからな隙間なんて存在しないんだよお!」
確かに見た感じはどこにも隙間は見当たらない。強いて言うならスチルの兜の視界用のほんのわずかな隙間だけだがあまりにも狭いので針が通るかどうかといったところだ。
おれはもう一度頭の中で策を練り上げる。だけどスチルはおれに考える時間を与えてはくれないようだ。次々とタックルで突っ込んでくる。躱し続けているとスチルの動きが鈍くなってきたような気がする。確かに元から鈍間だったけど明らかに遅いしなにより息が上がっている。
あいつの兜の隙間が狭すぎて兜の中の空気がどんどん薄くなってきているんだ!このままいけばあいつは呼吸が出来なくって倒れるぞ。そう思ってたのにスチルは突然タックルしてくるのをやめてしまった。このままではいけないのでスチルを煽ることにする。
「おい、鉄板野郎!もう突っ込んでこなくてもいいのかよ」
おれの煽りにスチルは高らかに笑いながら答える。
「もう疲れたからやめだあ。それにもう少し待ってれば更にたくさんの子分が来るからなあ。ガキどもには悪いがこれが俺様達のやり方ってわけだあ」
おれは周囲を見渡す。仲間たちは何とか数でスチルの子分たちを押しているがこれ以上来られたら無事では済まされないだろう。やっぱり敵の大将を討ち取らないとダメってことだ。もう一度考えるんだ。隙間がダメならそれ以外で倒すしかない。
…………そういえばあいつのあの鎧は確かピッタリサイズだって言ってたよな。それにおれが首元を攻撃したときのあの感覚。そうか!外からの隙間もなければあいつ自身と鎧の内側の隙間も存在していないんだ。だからあそこまで衝撃がダイレクトに伝わって来ておれがあんなに痺れたんだ。だったらあいつだってそれなりの衝撃を受けているはずだ。
ここまで推察できればあいつの行動の不可解さも納得できる。タックルを多用する癖に躱されたら絶対に壁に衝突しようとしないのはあいつにダメージが入るからなんだ。
おれは再び剣を構える。今度の狙いは頭だ。徹底的に衝撃を与えて気絶させてやる。
「ディールさーん!こっちは何とか終わりましたよー!」
仲間の一人がこちらに駆け寄ってきた。スチルはまだ座って休んでやがる。おれは今のうちに作戦を仲間に耳打ちして伝える。
「…………えええ!そんなこと出来ますか⁉」
作戦の内容に流石の仲間も驚いているみたいだ。だけど実行しなければ勝てない。おれは檄をとばす。
「お前らにしか頼めないんだ。それに、こいつらを倒さないと妖精の区の皆が連れていかれるんだぞ!」
「分かりました。ディールさんのこと信じてますから!準備できたら合図します」
もう妖精の区の子供たちが怯える生活は終わりだ。レイは必ずラグーを倒して戻ってくる。だったらおれはスチルをぶっ倒して皆のところ帰ってやる。
おれは座っているスチルに向かって突っ込んだ。おれが近づいてもスチルは動こうとはしない。余程自分の鎧に自信を持っているんだろう。おれは構わず剣の刃ではなく腹の部分でスチルの兜を思い切り振り下ろした。ぶつかった瞬間鈍い音が響き、凄まじい衝撃がおれの腕を襲った。
だけど、スチルにも大打撃だったようだ。スチルは頭を抱えて地面でのたうち回っている。
「どうした鉄板野郎?随分と痛そうじゃないか!自慢の鎧じゃ防ぎきれなかったかな?」
おれの一言に反応したスチルは転げまわるのをやめてすぐさま身体を起こした。
「生意気なことをいうじゃねえかあ。てめえのことを見くびっていたようだなあ。さっきは戦おうとしなくて悪かったなあ。てめえは俺様が絶対にぶっ潰してやるよお!!!」
スチルの堪忍袋の緒が切れちまったのは誰の目から見ても明らかだ。兜を被っていて表情は見えないけど雰囲気で怒り狂っているのが分かる。そんな時に仲間が離れたところからおれに声をかける。
「ディールさーん準備できましたー!」
最高のタイミングだ!おれはスチルを誘導しながら仲間の方へと移動する。
「ディールさん。あの木箱の向こう側です」
「よく短時間で仕掛けたな!」
「いたずらはぼくらの得意分野ですから」
スチルは一心不乱に突撃を繰り返している。おれは高く壁のように積み上がった木箱を背にして、スチルが突っ込んでくるのを待つ。とにかくギリギリで躱さないとダメだ。あいつは闘牛と違ってどんなスピードでも直角で曲がってくる。
少しづつ確実にスチルとの距離が縮まっていく。
3……2……1……今だ!
おれはギリギリ触れそうな距離で横に飛びのき攻撃を躱す。一方のスチルは木箱の山へと突っ込んで砂埃に消えた。
砂埃が消えてようやくスチルの姿が見えてきた。スチルは皆が作った特製落とし穴に引っかかっていた。おれは皆に号令をかける。
「今がチャンスだ!全員でタコ殴りにしろ」
「ガキどもお!ふざけるなよお。後で覚えてろよお!」
おれの一言で皆が一斉に飛びかかり持っていた武器やレンガでスチルをコテンパンにしている。よく見てみるとスチルが段々腰まで地面に埋まっていくのが分かる。
おれも近くのゴミの山を駆け上っていき自分の背丈の四倍近くはある高さからスチルの頭目掛けて飛んだ。
「お前にこの先なんてないんだよ!終わりだアァァッ‼」
渾身の一撃がスチルの頭に直撃する。おれは受け身を取りながら転がってスチルの方を確認する。
…………勝った!地面に埋まったスチルの兜は粉々に砕けた。頑丈な兜に覆われていた頭部が露になったスチルの歯はボロボロに砕けていて顔中コブだらけで完全に気絶している。
おれたちの勝ちだ!
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