97 / 248
十章 ネルという特別な子供
6.ネルという特別な子供
しおりを挟む
(side カタル)
「どうして‥そう思うの? 」
僕が聞いた。
僕が言った言葉に対して、僕がそれを聞くのもおかしい話だが、あの疑問はあの時の僕にとっては「当たり前」な疑問だった。(当たり前な疑問って言葉もないと思うが)
聞いて当たり前のこと、かな。
だってそんなこと思ったことない。
国家転覆とか、そんな‥大それたこと思ってない。
ただ、「意識を変えていくべき。仲良しじゃダメでしょ。政府をちょっと困らせてやろうぜ」位の気持ち‥。
そう。
それっ位の気持ちだったんだ。
政府をっていうか‥リーダーを‥かな。
今までの「いい子」だった自分に対して「こんなことも考えるんだぜ」っていう‥「悪い自分」をちょっと見せた‥みたいな。
これも、思えば「かまってほしい」って気持ちの反動だったんだろう。
「そんなことしちゃダメだ」
って、止めて欲しかったんだ。
‥他の皆に、じゃない。
リーダーに。
でも、リーダーはあれ以来僕の‥僕らの前から姿を消してしまった。
後で聞いたんだけど、熱狂的な「僕とネルの信者」(に成ったかっての仲間)に追い出された‥らしい。そんなこと知らな方僕は
リーダーに愛想をつかされたって思って、ますます投げやりになったんだ。
僕が‥そんな子供じみた理由から言い始めた「新しい国」の話を真面目に受け止めたのは、ネルだった。
受け止めた‥っていうか、利用したってのが正しい。
ネルは僕に「もう後戻りはできないよ」って「脅した」上で、
僕が旗頭
自分が神輿
って立場を徹底することを強調したんだ。
どうして、ネルはそこまで一生懸命になるんだろう。
なる必要があるんだろう。
ネルは今のままでなんの不自由もしていない「幸せな子供」でいたらいいんじゃないか。
‥僕がそうしてあげるのに。(今までだって、これからだって。僕はガキだけど、弟を守る力位はある)
そう思ったら、もどかしい‥っていう前に不思議でたまらなかった。
だから聞かずにいられなかったんだ。
「どうして‥ネルがそこまでする必要があるの? 」
いつもは、ネルが僕に「どうして? 」って聞いてくるのに、‥今は反対だ。
ネルは‥今まで「本当に分からなくて」僕に「どうして? 」って聞いてたの? って疑わしくすら思えて来た。
それほど
今のネルは「大人びて」見えた。
ネルは首を傾げる「どうして? 」って聞かれるのが心外って顔している。聞かれる方がおかしい、って顔してる。
「だって、それが僕の役目だから。
父さん(※ ネルはリーダーの事を父さんって呼んでいたんだ)‥リーダーもそれを僕に託して‥託せるって思ったから‥ここから‥兄ちゃんを置いてここ出て行ったんだ。
だから、僕はその役目を全うしないと」
ネルに、託して?
僕にはネルが何を言っているのか分からなかった。
ただ目を見開いている僕にネルは
「僕はリーダーの変わりだよ」
って言って
「違うな‥」
って首を捻り「ああそうだ‥」
「‥これからは僕がリーダーがしてきたことをするよ」
って言いなおして、今度こそ満足そうに微笑んだんだ。
「だから、兄ちゃんは何も心配しなくていい。
やりすぎだって思ったら僕が止める。
リミットを意識したらホントの力なんか出せないからね。全力で突っ走って、そのせいで行き過ぎたなら‥僕が止めてあげる。
父さんは兄ちゃんを止めるのを躊躇した。「兄ちゃんに悪いことをした」って「負い目」でストッパーの役割を全うできなかった。
あれは、父さんのミスだ。
それどころか、その選択を誤ったせいで、兄ちゃんを傷つけた。
それって許されないことだよ。そのせいで兄ちゃんは今「道に迷ってる」。今兄ちゃんが考えてるあれこれは、全部兄ちゃんのせいなことは何もなくって、全部「父さんのせい」なんだ。父さんが兄ちゃんを傷つけたから、兄ちゃんは悩まなくていいことで悩んでるんだ。
兄ちゃんの足を‥止めなくていいことで止めたのは‥父さんのミスだ。
ミスというか‥父さんにはもともと「そこまでの」資質が無かったんだ」
僕に言い聞かせるみたいに、‥慰めるみたいに言う。
同じことを何度も、丁寧に。
父さんのミス?
資質?
首を傾げる僕にネルはニコニコと言葉をつづけた。
「父さんに無かった資質は‥見極める力? 判断力? ‥ん~。それより「センス」って言った方が正しいかな。
その人の性質を見極めて、それぞれの性質を判断して役目を割り振って、あるべき方向へと導いていく、そういう一連の流れをスムーズに滞りなく行う‥
リーダーとしての資質。センスだね。
父さんはそれをしてこなかった。
集まる目的と役割分担のない集団なんて、ただの「寄せ集め」って言われても仕方が無いよ」
ネルは「寄せ集め」じゃダメだって言ってるんだ。
目的を持つべきだし、役割分担をするべきだって。
目的は「僕らや住みよい新しい国を作る」役割分担は‥さっき言った僕が旗頭でって奴だろう。
「どうしてそんなことを‥今のままでいいじゃないか」
今日何度目かの「どうして」って聞くと、ネルはまた首を振る。
そして静かに僕を見上げて言ったんだ。
何時もみたいに甘えて上目遣いで見るんじゃない。睨むように‥見上げて、だ。
「だって、平等じゃないから。不公平だよ。この国は」
ネルの言葉に僕は頷けなかった。
だって、この国は‥
「え? だって、この国は「皆平等」で仲良しこよしな‥」
そんな国だ。
標準以上に働く者も、標準しか働かない者もみんな「一緒」な、働き甲斐が‥頑張り甲斐がない「仲良しこよしで平等な」国‥。
僕がそういうと、ネルは首を振った。
「富の分配の話じゃない。
富を平等にする‥じゃあ、思想は? 思想はどうなの? 異なった思想を持った人間は受け入れられないって、それは平等な国の形として正しい? 」
思想?
「皆の言葉の重さも平等であるべきではない? 皆平等でっていう人たちの言葉も、働いたら働いただけ対価をっていう僕らの言葉も」
それはだけど‥
仕方が無いことだ。
僕らが出来るのは‥僕らがどうこう出来ることじゃない。
僕が黙っていると、ネルがぐいっと顔を僕に近づけて来た。
「それじゃあね、本当の意味で皆は幸せに暮らせないし、社会も発展しない」
頭が一瞬、真っ白になった。
強く頭をぶつけて、意識が一瞬ホワイトアウトするような感じ。
「兄ちゃん。しっかりして。
父さんに認められるのも、褒められるのもどうでもいい。今ね。この国の人間は「思想の不平等」に気付いていない。国がそうしてきたからだ。僕らはね、皆の目を覚ましてやらなくちゃならないんだ。
‥今まで息苦しく暮らして来た「異端な考えをもつ僕たち」の為
‥なによりこの国の未来の為に‥」
僕は、自分が今までしてきたことのばかばかしさと、自分のちっぽけさを嫌って程、思い知らされた。
神輿に操られた旗頭だっていい。神輿を守って、神輿を守る仲間たちを「使う」ことで守る‥そんな人間に僕は「なれる」。そして、神輿がそれを僕に望んでいるならば‥
僕は喜んでその役目を引き受けようと思った。
「どうして‥そう思うの? 」
僕が聞いた。
僕が言った言葉に対して、僕がそれを聞くのもおかしい話だが、あの疑問はあの時の僕にとっては「当たり前」な疑問だった。(当たり前な疑問って言葉もないと思うが)
聞いて当たり前のこと、かな。
だってそんなこと思ったことない。
国家転覆とか、そんな‥大それたこと思ってない。
ただ、「意識を変えていくべき。仲良しじゃダメでしょ。政府をちょっと困らせてやろうぜ」位の気持ち‥。
そう。
それっ位の気持ちだったんだ。
政府をっていうか‥リーダーを‥かな。
今までの「いい子」だった自分に対して「こんなことも考えるんだぜ」っていう‥「悪い自分」をちょっと見せた‥みたいな。
これも、思えば「かまってほしい」って気持ちの反動だったんだろう。
「そんなことしちゃダメだ」
って、止めて欲しかったんだ。
‥他の皆に、じゃない。
リーダーに。
でも、リーダーはあれ以来僕の‥僕らの前から姿を消してしまった。
後で聞いたんだけど、熱狂的な「僕とネルの信者」(に成ったかっての仲間)に追い出された‥らしい。そんなこと知らな方僕は
リーダーに愛想をつかされたって思って、ますます投げやりになったんだ。
僕が‥そんな子供じみた理由から言い始めた「新しい国」の話を真面目に受け止めたのは、ネルだった。
受け止めた‥っていうか、利用したってのが正しい。
ネルは僕に「もう後戻りはできないよ」って「脅した」上で、
僕が旗頭
自分が神輿
って立場を徹底することを強調したんだ。
どうして、ネルはそこまで一生懸命になるんだろう。
なる必要があるんだろう。
ネルは今のままでなんの不自由もしていない「幸せな子供」でいたらいいんじゃないか。
‥僕がそうしてあげるのに。(今までだって、これからだって。僕はガキだけど、弟を守る力位はある)
そう思ったら、もどかしい‥っていう前に不思議でたまらなかった。
だから聞かずにいられなかったんだ。
「どうして‥ネルがそこまでする必要があるの? 」
いつもは、ネルが僕に「どうして? 」って聞いてくるのに、‥今は反対だ。
ネルは‥今まで「本当に分からなくて」僕に「どうして? 」って聞いてたの? って疑わしくすら思えて来た。
それほど
今のネルは「大人びて」見えた。
ネルは首を傾げる「どうして? 」って聞かれるのが心外って顔している。聞かれる方がおかしい、って顔してる。
「だって、それが僕の役目だから。
父さん(※ ネルはリーダーの事を父さんって呼んでいたんだ)‥リーダーもそれを僕に託して‥託せるって思ったから‥ここから‥兄ちゃんを置いてここ出て行ったんだ。
だから、僕はその役目を全うしないと」
ネルに、託して?
僕にはネルが何を言っているのか分からなかった。
ただ目を見開いている僕にネルは
「僕はリーダーの変わりだよ」
って言って
「違うな‥」
って首を捻り「ああそうだ‥」
「‥これからは僕がリーダーがしてきたことをするよ」
って言いなおして、今度こそ満足そうに微笑んだんだ。
「だから、兄ちゃんは何も心配しなくていい。
やりすぎだって思ったら僕が止める。
リミットを意識したらホントの力なんか出せないからね。全力で突っ走って、そのせいで行き過ぎたなら‥僕が止めてあげる。
父さんは兄ちゃんを止めるのを躊躇した。「兄ちゃんに悪いことをした」って「負い目」でストッパーの役割を全うできなかった。
あれは、父さんのミスだ。
それどころか、その選択を誤ったせいで、兄ちゃんを傷つけた。
それって許されないことだよ。そのせいで兄ちゃんは今「道に迷ってる」。今兄ちゃんが考えてるあれこれは、全部兄ちゃんのせいなことは何もなくって、全部「父さんのせい」なんだ。父さんが兄ちゃんを傷つけたから、兄ちゃんは悩まなくていいことで悩んでるんだ。
兄ちゃんの足を‥止めなくていいことで止めたのは‥父さんのミスだ。
ミスというか‥父さんにはもともと「そこまでの」資質が無かったんだ」
僕に言い聞かせるみたいに、‥慰めるみたいに言う。
同じことを何度も、丁寧に。
父さんのミス?
資質?
首を傾げる僕にネルはニコニコと言葉をつづけた。
「父さんに無かった資質は‥見極める力? 判断力? ‥ん~。それより「センス」って言った方が正しいかな。
その人の性質を見極めて、それぞれの性質を判断して役目を割り振って、あるべき方向へと導いていく、そういう一連の流れをスムーズに滞りなく行う‥
リーダーとしての資質。センスだね。
父さんはそれをしてこなかった。
集まる目的と役割分担のない集団なんて、ただの「寄せ集め」って言われても仕方が無いよ」
ネルは「寄せ集め」じゃダメだって言ってるんだ。
目的を持つべきだし、役割分担をするべきだって。
目的は「僕らや住みよい新しい国を作る」役割分担は‥さっき言った僕が旗頭でって奴だろう。
「どうしてそんなことを‥今のままでいいじゃないか」
今日何度目かの「どうして」って聞くと、ネルはまた首を振る。
そして静かに僕を見上げて言ったんだ。
何時もみたいに甘えて上目遣いで見るんじゃない。睨むように‥見上げて、だ。
「だって、平等じゃないから。不公平だよ。この国は」
ネルの言葉に僕は頷けなかった。
だって、この国は‥
「え? だって、この国は「皆平等」で仲良しこよしな‥」
そんな国だ。
標準以上に働く者も、標準しか働かない者もみんな「一緒」な、働き甲斐が‥頑張り甲斐がない「仲良しこよしで平等な」国‥。
僕がそういうと、ネルは首を振った。
「富の分配の話じゃない。
富を平等にする‥じゃあ、思想は? 思想はどうなの? 異なった思想を持った人間は受け入れられないって、それは平等な国の形として正しい? 」
思想?
「皆の言葉の重さも平等であるべきではない? 皆平等でっていう人たちの言葉も、働いたら働いただけ対価をっていう僕らの言葉も」
それはだけど‥
仕方が無いことだ。
僕らが出来るのは‥僕らがどうこう出来ることじゃない。
僕が黙っていると、ネルがぐいっと顔を僕に近づけて来た。
「それじゃあね、本当の意味で皆は幸せに暮らせないし、社会も発展しない」
頭が一瞬、真っ白になった。
強く頭をぶつけて、意識が一瞬ホワイトアウトするような感じ。
「兄ちゃん。しっかりして。
父さんに認められるのも、褒められるのもどうでもいい。今ね。この国の人間は「思想の不平等」に気付いていない。国がそうしてきたからだ。僕らはね、皆の目を覚ましてやらなくちゃならないんだ。
‥今まで息苦しく暮らして来た「異端な考えをもつ僕たち」の為
‥なによりこの国の未来の為に‥」
僕は、自分が今までしてきたことのばかばかしさと、自分のちっぽけさを嫌って程、思い知らされた。
神輿に操られた旗頭だっていい。神輿を守って、神輿を守る仲間たちを「使う」ことで守る‥そんな人間に僕は「なれる」。そして、神輿がそれを僕に望んでいるならば‥
僕は喜んでその役目を引き受けようと思った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる