11 / 54
二章.柊 紅葉
2.紅葉の妹
しおりを挟む
「母さん。今日は、ドイツ語の日だから、学校帰りにそのまま寄るね」
「え? それって昨日じゃなかった? 」
母親は、そう、と家事の手も止めないで言い、怪訝そうな声で聴き返したのは、妹の千佳だった。
千佳は「この子」の二つ下の妹だ。
母親そっくりのこの子とは違い、父親そっくりな千佳は姉妹なのにあまり似てない。(性格の違い‥とかかもしれないけど、そもそも俺はホントのこの子の性格なんかあまり知らない。‥そもそもこの子の顔もまともに見たことがないから、多分「俺と」似てない似てるっていうコト‥かなあ)
「昨日はフランス語とピアノ」
柊 紅葉は、ふふっと笑ってすましたような表情をつくった。
「まったく! 」
千佳が大袈裟にため息をつく。
「先週から、今日は服を見に行こうねって約束してたと思うんだけど」
じとっとした視線で紅葉を見上げる。シスコン気味な彼女は、姉が自分を構ってくれないのが面白くない。
「くれちゃんの為なんだからね! 」
しかしツンデレ傾向もプラスされているのか、素直に拗ねるんじゃなくて「姉だから仕方なく構ってるだけなんだから! 別に心配してるとかじゃないんだからね! 」って態度だ。
素直じゃない照屋さんなんだろう。相手姉だけど‥。中学生女子のことは分からない。
「ごめんごめん。姫がさ、今度の海外研修に私も連れて行ってくれるかもしれないんだ。それでさ、語学が出来る方がいいからって言って、ドイツ語教室を探してきてくだっさったのさ」
そんな妹に苦笑しながら、紅葉は嬉しそうに「姫」の話をする。それを聞いて、千佳は更に不機嫌な顔になる。
‥また、姫! なんなのよ、あの魔性の女!
「姫」は、母方の親戚だけど、一度しか会ったことはない。実は‥どういう関係なのかよく知らないけど(母ははっきりとは言わないが多分父と駆け落ちしたらしい‥と「勘が鋭い」千佳は気付いている)姫と母はどうやら近しい関係らしい‥と読んでいる。
因みに、姫は母方の実家「西遠寺家」の当主で、絶大な権力を持っているらしい(なんだそりゃ)
という認識しか千佳にはない。
‥千佳は、桜が母親の妹であることは知らないのだ。(紅葉は勿論知っているのだろが、どうやら妹にそのことを黙っている様なので、俺がそれを妹に言う事は絶対ない)
初めて桜と紅葉たち兄弟に会った時、桜は紅葉があまりにも姉の幼少期に似ていたから驚いたという。それに加えて、その時桜は紅葉の「才能」に気付いて
「この才能はのばさねば‥」
と思った‥と桜から俺は聞いたことがあった。
その出会い以降、桜は紅葉を「後継者候補」として育てるべく、習い事の全面的経済的援助やなんかでバックアップしてるってわけ。
‥今考えたら、俺との「入れ替わり」要員としての目論見もあったんだろうな‥って思ったり(ホント‥ご迷惑おかけしてます‥)母さんってほら‥「ああいうところ」のお嬢様だから自分勝手な所があるんだろうね‥。(世間離れしてるって奴だね)
だけど、そんな事情千佳には知ったこっちゃない。
今まで、姉と遊んでいた時間が、語学だの剣術だのの時間に取られちゃったわけだから面白くない。その時からべたべたのシスコンだったから余計だ。
千佳の姫に対する嫉妬というか恨みっていうかは相当だった。
‥何が姫よ!
その可愛らしい見かけから、館(西遠寺本宅)に住む者からは「姫」と呼ばれてる‥らしいけど、年齢不詳なのよ! そもそも、あの見かけも真実のものじゃないかもしれないわけじゃない? ‥実際は、凄いブスで年増かもしれないじゃない!
西遠寺家は代々「鏡」という秘儀を使う一族だから‥。
鏡の秘儀とは、その秘儀の中(術中っていうの? )にいるとまるで鏡を見ているように、前で会話をしている相手が徐々に自分のように見えてきて、いつの間にかあたかも自分と対話しているような錯覚を覚える‥という術らしい。
一般の術者だったら、目の前の人間を「映す」だけなんだけど、桜はさらに、目の前の相手だけでなく遠くの誰かも映せた。
それは、対話者の死んだ母親だったり、幼い頃の自分だったりするらしい。
「鏡」は何も話さない。ただ、対話者の望む者に姿を変え、対話者が(勝手にって言ったらいい方は悪いけど)話すだけだ。
その「対話」の時間は特別なものである‥らしい。(体験したことないからあくまでも「らしい」としか言えないけど)
目の前にいる者は自分が向き合っているのが桜本人の姿なのか、彼女が他の誰かを映しているのかは、わからない。それ程、彼女の鏡の映像は自然ならしいのだ。
‥ちょっと気持ち悪いよね‥って思うのは、私が彼女に対していい感情を持っていないからだ。
って千佳は思ってるんだけど、そう思うのは別に彼女だけじゃなかったらしい。
見えているものが信じられない奇妙さ。自分のことを見透かされている様な居心地の悪さ。だから、一族の者は誰も彼女と顔を、‥正確にいえば目を‥合わせようとはしなかった。
そのことまでは千佳は知らない。(知ってたら流石にここまで味噌くそに言わない。それ程クズじゃない)
千佳にとって、桜はただ、お館(西遠寺家)で大事に守られている‥深窓の姫君だった。
そして、そんな深窓の姫君がなんのきまぐれか、千佳のたった一人の(大事な! )姉・柊 紅葉を次期当主として目をかけたのだ。
そしていまでは、二人はお互いに信用しあう姉妹の様な関係になっていた。
‥ホントのくれちゃんの妹は私なんだからね! 本当に面白くないったら!
千佳、怒り心頭である。
紅葉の母親の蕗子は、紅葉のことを心配しながらも、「西遠寺の家を家出同然に出た」という後ろめたさから、西遠寺に対して強く出れない。
桜が西遠寺の跡継ぎになったのは、兄が死に、自分と弟が家出したからだ。
桜だって当主になりたくないって言ってたのに‥。
父親は、西遠寺の家に負い目があった。
西遠寺の家からしてみたら、蕗子をかどわかした(もちろんかどわかしたわけではないのだが)男だ。快く思われているわけがない。
だから、桜のすることについて二人は強く反対できない。だけど、何か思うところがある。といったところだろうか。
そんな二人の心配をよそに、紅葉は純粋に西遠寺 桜のことを尊敬して、懐いていた。
これが、今の桜と紅葉の周りから見えている現状である。
表向きは。
あくまで表向きは、である。
実際は、桜は周りの視線や対応など気にするたちではないし、たぶん、あのお面(お面って言ったら怒られる。鏡の秘術だったね)も趣味だ。別に「誰にもホントの顔を見せたくない」とかいう繊細な人じゃない。
そこら辺は、息子の自分には分かるけど、もしかしたら桜を尊敬していてる紅葉さんには分かってないかも。(あれで、母さんは外面がいいから)
「純粋に紅葉さんをかわいがっている」という「優しい表情」を向けながら、桜は、もう容赦なく紅葉さんを鍛えた。優しいのは表情だけで、やることはえげつない‥ってやつだな。
旧家のお嬢様が生まれた時から受けて来るような教育を全部、一般家庭に生まれ育った子供に仕込みなおす。
それに加えての秘術の特訓だ。(だが、これは紅葉に人並み外れた適性があったため困難ではなかった)
それは‥多分紅葉じゃなかったら耐えられてなかっただろう。(凄いな、紅葉さん。そりゃ母さんが気に入るはずだよ‥)
こうして、紅葉さんは西遠寺家の後継者候補にふさわしい態度と技術、知識を手に入れた。
‥母さんの勝手な思い込みだとか「思い付き」で振り回された紅葉さんにはお詫びの言葉もない‥。
絶対母さんは「紅葉にとっても悪い話しじゃないし、いいじゃない? 」とか思ってるだろうけど‥別に「適性を生かせる = 幸せ」ってわけじゃない。
きっと「そんな特性あるとか‥寧ろ知らなくてもよかった」って思うぞ?
現に、千佳ちゃんは紅葉さんが実際に西遠寺の後継者になる‥とかになったらきっと凄く怒るだろうし、悲しむだろう。
だけど‥それを決めるのは紅葉さん自身だ。
母さんに最終の決定権がないのと同じように、千佳ちゃんにも紅葉さんの人生を決める資格はない。
今、母さんの計画に協力して「俺と入れ替わる」というぶっ飛んだ計画を実行してくれている彼女と話したことは無いけど‥多分近いうちにこの入れ替わりは終わるだろう。
物理的に。
いくら、鏡の秘術で他人からは俺が柊 紅葉にしか見えないといっても、それはあくまでも「触らなければ」だ。触ったらやっぱり、俺の身体はきっと‥女の人の身体とは違う。
それは紅葉さんに対しても言える。
今は、母さん曰く臣霊のサポートで「女子としての」成長を止めてるらしいんだけど、それももう限界ならしい。これ以上無理を続けると‥彼女が将来妊娠したりする時に不調をきたす‥らしい。(なにそれ!? 恐怖でしかないんだけど!? )
入れ替わりが終わった時、まずは謝りたいし、お礼が言いたい。
そして、彼女の気持ちが聞きたい。
もし‥もう西遠寺に関わりたくないって思ってるんだたら、何としても俺が母さんを説得する。
そんなことを思った。
「え? それって昨日じゃなかった? 」
母親は、そう、と家事の手も止めないで言い、怪訝そうな声で聴き返したのは、妹の千佳だった。
千佳は「この子」の二つ下の妹だ。
母親そっくりのこの子とは違い、父親そっくりな千佳は姉妹なのにあまり似てない。(性格の違い‥とかかもしれないけど、そもそも俺はホントのこの子の性格なんかあまり知らない。‥そもそもこの子の顔もまともに見たことがないから、多分「俺と」似てない似てるっていうコト‥かなあ)
「昨日はフランス語とピアノ」
柊 紅葉は、ふふっと笑ってすましたような表情をつくった。
「まったく! 」
千佳が大袈裟にため息をつく。
「先週から、今日は服を見に行こうねって約束してたと思うんだけど」
じとっとした視線で紅葉を見上げる。シスコン気味な彼女は、姉が自分を構ってくれないのが面白くない。
「くれちゃんの為なんだからね! 」
しかしツンデレ傾向もプラスされているのか、素直に拗ねるんじゃなくて「姉だから仕方なく構ってるだけなんだから! 別に心配してるとかじゃないんだからね! 」って態度だ。
素直じゃない照屋さんなんだろう。相手姉だけど‥。中学生女子のことは分からない。
「ごめんごめん。姫がさ、今度の海外研修に私も連れて行ってくれるかもしれないんだ。それでさ、語学が出来る方がいいからって言って、ドイツ語教室を探してきてくだっさったのさ」
そんな妹に苦笑しながら、紅葉は嬉しそうに「姫」の話をする。それを聞いて、千佳は更に不機嫌な顔になる。
‥また、姫! なんなのよ、あの魔性の女!
「姫」は、母方の親戚だけど、一度しか会ったことはない。実は‥どういう関係なのかよく知らないけど(母ははっきりとは言わないが多分父と駆け落ちしたらしい‥と「勘が鋭い」千佳は気付いている)姫と母はどうやら近しい関係らしい‥と読んでいる。
因みに、姫は母方の実家「西遠寺家」の当主で、絶大な権力を持っているらしい(なんだそりゃ)
という認識しか千佳にはない。
‥千佳は、桜が母親の妹であることは知らないのだ。(紅葉は勿論知っているのだろが、どうやら妹にそのことを黙っている様なので、俺がそれを妹に言う事は絶対ない)
初めて桜と紅葉たち兄弟に会った時、桜は紅葉があまりにも姉の幼少期に似ていたから驚いたという。それに加えて、その時桜は紅葉の「才能」に気付いて
「この才能はのばさねば‥」
と思った‥と桜から俺は聞いたことがあった。
その出会い以降、桜は紅葉を「後継者候補」として育てるべく、習い事の全面的経済的援助やなんかでバックアップしてるってわけ。
‥今考えたら、俺との「入れ替わり」要員としての目論見もあったんだろうな‥って思ったり(ホント‥ご迷惑おかけしてます‥)母さんってほら‥「ああいうところ」のお嬢様だから自分勝手な所があるんだろうね‥。(世間離れしてるって奴だね)
だけど、そんな事情千佳には知ったこっちゃない。
今まで、姉と遊んでいた時間が、語学だの剣術だのの時間に取られちゃったわけだから面白くない。その時からべたべたのシスコンだったから余計だ。
千佳の姫に対する嫉妬というか恨みっていうかは相当だった。
‥何が姫よ!
その可愛らしい見かけから、館(西遠寺本宅)に住む者からは「姫」と呼ばれてる‥らしいけど、年齢不詳なのよ! そもそも、あの見かけも真実のものじゃないかもしれないわけじゃない? ‥実際は、凄いブスで年増かもしれないじゃない!
西遠寺家は代々「鏡」という秘儀を使う一族だから‥。
鏡の秘儀とは、その秘儀の中(術中っていうの? )にいるとまるで鏡を見ているように、前で会話をしている相手が徐々に自分のように見えてきて、いつの間にかあたかも自分と対話しているような錯覚を覚える‥という術らしい。
一般の術者だったら、目の前の人間を「映す」だけなんだけど、桜はさらに、目の前の相手だけでなく遠くの誰かも映せた。
それは、対話者の死んだ母親だったり、幼い頃の自分だったりするらしい。
「鏡」は何も話さない。ただ、対話者の望む者に姿を変え、対話者が(勝手にって言ったらいい方は悪いけど)話すだけだ。
その「対話」の時間は特別なものである‥らしい。(体験したことないからあくまでも「らしい」としか言えないけど)
目の前にいる者は自分が向き合っているのが桜本人の姿なのか、彼女が他の誰かを映しているのかは、わからない。それ程、彼女の鏡の映像は自然ならしいのだ。
‥ちょっと気持ち悪いよね‥って思うのは、私が彼女に対していい感情を持っていないからだ。
って千佳は思ってるんだけど、そう思うのは別に彼女だけじゃなかったらしい。
見えているものが信じられない奇妙さ。自分のことを見透かされている様な居心地の悪さ。だから、一族の者は誰も彼女と顔を、‥正確にいえば目を‥合わせようとはしなかった。
そのことまでは千佳は知らない。(知ってたら流石にここまで味噌くそに言わない。それ程クズじゃない)
千佳にとって、桜はただ、お館(西遠寺家)で大事に守られている‥深窓の姫君だった。
そして、そんな深窓の姫君がなんのきまぐれか、千佳のたった一人の(大事な! )姉・柊 紅葉を次期当主として目をかけたのだ。
そしていまでは、二人はお互いに信用しあう姉妹の様な関係になっていた。
‥ホントのくれちゃんの妹は私なんだからね! 本当に面白くないったら!
千佳、怒り心頭である。
紅葉の母親の蕗子は、紅葉のことを心配しながらも、「西遠寺の家を家出同然に出た」という後ろめたさから、西遠寺に対して強く出れない。
桜が西遠寺の跡継ぎになったのは、兄が死に、自分と弟が家出したからだ。
桜だって当主になりたくないって言ってたのに‥。
父親は、西遠寺の家に負い目があった。
西遠寺の家からしてみたら、蕗子をかどわかした(もちろんかどわかしたわけではないのだが)男だ。快く思われているわけがない。
だから、桜のすることについて二人は強く反対できない。だけど、何か思うところがある。といったところだろうか。
そんな二人の心配をよそに、紅葉は純粋に西遠寺 桜のことを尊敬して、懐いていた。
これが、今の桜と紅葉の周りから見えている現状である。
表向きは。
あくまで表向きは、である。
実際は、桜は周りの視線や対応など気にするたちではないし、たぶん、あのお面(お面って言ったら怒られる。鏡の秘術だったね)も趣味だ。別に「誰にもホントの顔を見せたくない」とかいう繊細な人じゃない。
そこら辺は、息子の自分には分かるけど、もしかしたら桜を尊敬していてる紅葉さんには分かってないかも。(あれで、母さんは外面がいいから)
「純粋に紅葉さんをかわいがっている」という「優しい表情」を向けながら、桜は、もう容赦なく紅葉さんを鍛えた。優しいのは表情だけで、やることはえげつない‥ってやつだな。
旧家のお嬢様が生まれた時から受けて来るような教育を全部、一般家庭に生まれ育った子供に仕込みなおす。
それに加えての秘術の特訓だ。(だが、これは紅葉に人並み外れた適性があったため困難ではなかった)
それは‥多分紅葉じゃなかったら耐えられてなかっただろう。(凄いな、紅葉さん。そりゃ母さんが気に入るはずだよ‥)
こうして、紅葉さんは西遠寺家の後継者候補にふさわしい態度と技術、知識を手に入れた。
‥母さんの勝手な思い込みだとか「思い付き」で振り回された紅葉さんにはお詫びの言葉もない‥。
絶対母さんは「紅葉にとっても悪い話しじゃないし、いいじゃない? 」とか思ってるだろうけど‥別に「適性を生かせる = 幸せ」ってわけじゃない。
きっと「そんな特性あるとか‥寧ろ知らなくてもよかった」って思うぞ?
現に、千佳ちゃんは紅葉さんが実際に西遠寺の後継者になる‥とかになったらきっと凄く怒るだろうし、悲しむだろう。
だけど‥それを決めるのは紅葉さん自身だ。
母さんに最終の決定権がないのと同じように、千佳ちゃんにも紅葉さんの人生を決める資格はない。
今、母さんの計画に協力して「俺と入れ替わる」というぶっ飛んだ計画を実行してくれている彼女と話したことは無いけど‥多分近いうちにこの入れ替わりは終わるだろう。
物理的に。
いくら、鏡の秘術で他人からは俺が柊 紅葉にしか見えないといっても、それはあくまでも「触らなければ」だ。触ったらやっぱり、俺の身体はきっと‥女の人の身体とは違う。
それは紅葉さんに対しても言える。
今は、母さん曰く臣霊のサポートで「女子としての」成長を止めてるらしいんだけど、それももう限界ならしい。これ以上無理を続けると‥彼女が将来妊娠したりする時に不調をきたす‥らしい。(なにそれ!? 恐怖でしかないんだけど!? )
入れ替わりが終わった時、まずは謝りたいし、お礼が言いたい。
そして、彼女の気持ちが聞きたい。
もし‥もう西遠寺に関わりたくないって思ってるんだたら、何としても俺が母さんを説得する。
そんなことを思った。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。
BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。
何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」
何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。
殺されるのは御免なので、逃げました
まめきち
恋愛
クーデターを起こした雪豹の獣人のシアンに処刑されるのではないかと、元第三皇女のリディアーヌは知り、鷹の獣人ゼンの力を借り逃亡。
リディアーヌはてっきりシアンには嫌われていると思い込んでいたが、
実は小さい頃からリディアーヌ事が好きだったシアン。
そんな事ではリディアーヌ事を諦めるはずもなく。寸前のところでリディアーヌを掠め取られたシアンの追跡がはじまります。
【完結】婚約者なんて眼中にありません
らんか
恋愛
あー、気が抜ける。
婚約者とのお茶会なのにときめかない……
私は若いお子様には興味ないんだってば。
やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?
大人の哀愁が滲み出ているわぁ。
それに強くて守ってもらえそう。
男はやっぱり包容力よね!
私も守ってもらいたいわぁ!
これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語……
短めのお話です。
サクッと、読み終えてしまえます。
ふたりの愛は「真実」らしいので、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしました
もるだ
恋愛
伯爵夫人になるために魔術の道を諦め厳しい教育を受けていたエリーゼに告げられたのは婚約破棄でした。「アシュリーと僕は真実の愛で結ばれてるんだ」というので、元婚約者たちには、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしてあげます。
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。
離婚約――それは離婚を約束した結婚のこと。
王太子アルバートの婚約披露パーティーで目にあまる行動をした、社交界でも噂の毒女クラリスは、辺境伯ユージーンと結婚するようにと国王から命じられる。
アルバートの側にいたかったクラリスであるが、国王からの命令である以上、この結婚は断れない。
断れないのはユージーンも同じだったようで、二人は二年後の離婚を前提として結婚を受け入れた――はずなのだが。
毒女令嬢クラリスと女に縁のない辺境伯ユージーンの、離婚前提の結婚による空回り恋愛物語。
※以前、短編で書いたものを長編にしたものです。
※蛇が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる