変革の剣神ー欠落の剣士は救世主ー=SECONDSTAGE

黒猫大和

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アトランティス大陸編

黒神=世界征服

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 アトランティス大陸たいりく
 それはアリス達が今現在いまげんざいらしている大森林だいしんりんがある大陸の名前なまえであり、ほかにはローラシア大陸・ゴンドワナ大陸・ムー大陸の三つの大陸がある
 アトランティス大陸の中央には大森林だいしんしん大山脈だいさんみゃくがあり、アトランティス大陸を東西とうざい分断ぶんだんしている。
 
 大森林は広大こうだいなだけの普通ふつうの森林ではなく、大森林は地下ちかっこがつながっているうえ再生能力さいせいのうりょくたかいため木を切っても数分すうふんもとに戻ってしまう。
 おまけにみずみき大量たいりょうふくんでいるのでやすこともできないため、ひとむにはてきしていない土地とちとしてだれも住んでいなかったが。
 人族じんぞく至上しじょう主義しゅぎかかげてたくさんの多種族たしゅぞくの国をほろぼした起源きげん統一教団とういつきょうだん唯一ゆいいつ自分じぶんから入ってこない大森林は、国を滅ぼされた多種族達のだい2の故郷こきょうとなり、大森林には多種族のかくざと点在てんざいしている。

「――ッ!? なんだってんだ!! なんだって俺はこんなにもいそいでる!!! わけからねぇ!!!! クソッタレッ!!!!!」

 親代わりのはな妖精ようせいと共にけんきわめる旅をしている男――デュラン・ライオットは、何かをわすれてどうしてもおもせないようなジリジリした焦燥感しゅうそうかんき動かされ、大森林の上空を文字もじどお天翔あまかけていた。
 その先に何があるのかは分からない、しかしデュランのたましいさけぶのだ――手遅ておくれになる、いそげと。

(なんだか分からねぇが、分かったからだまれってんだ――クソッ!!!)

 デュランは元来がんらいひと言うこと命令くのがきらいだ。
 それはたとえ親代わりのはな妖精ようせいであろうと、自分自身じぶんじしんであろうとわらず嫌悪けんおする――なのに今回は何故なぜさからう気がしなかった。
 目指めざす先にある気がしたのだ。生まれた時からずっとさがもとめていた何かが。

「あれは――ッ!!?」

 そしてデュランは見つけた。くび触手しょくしゅけられ、ふちに立っている――最愛さいあいひとを。
 何故なぜそう思ったのかは分からない、分からないがはっきりと理解りかいした。
 今死のうとしている少女こそが、ずっと探し求めていた――何かなのだと。

界破斬かいはざん――だんッ!!」 

 そのことに気がついたデュランは空間くうかんり、斬りいた空間を通って少女の元に転移てんいし――全ての触手しょくしゅを空間ごと斬りてた。
 そして少女を魔物まものれからすくい出したデュランは、おさえきれぬいかりと共に魔物の群れをみじん切りにして冥界めいかいおくってからやさしくアリスをお姫様ひめさまっこすると、エルフぞくさと方角ほうがくへ向けて歩き出した。
 デュランはまだうでの中のハーフエルフの少女の名前すら知らなかったが、当たり前のように少女を助けるための最善手さいぜんしゅっていることが不思議ふしぎでしょうがなかった。

「……ほとんど死人しにんだな、このは。俺以外いがいではたすけられんだろう」

 まるで細胞さいぼうの一つ一つ、あるいはおのれたましいが少女をかそうとしているようだった。
 デュランはそんな自身じしん変化へんか末恐すえおそろしく思わないわけではないが、それでも少女をたすけたいとつよく思った。
 これは今体をき動かす何者なにものかの意思いしではなく、デュランがそ・・・・・・う思ったのだ・・・・・・
 だから何者かの思惑おもわくどおりになるのはしゃくさわるが、少女が生き残るのは確定かくてい事項じこうだ。それを邪魔じゃまするのなら――たとえ、相手あいてかみだとしても殺す。







「……そこをどけ、くろずくめ。今はお前の相手あいてをしている余裕よゆうはない」

「おやおや、随分ずいぶんつれないじゃないか――デュラン。私とお前のなかだろう? 少しくらいいたまえよ」

「うるせぇ、死ね」

デュランは里へ向かう道の途中とちゅうに立ちふさががった宿敵しゅくてきである黒神こくじんナイト・エンペラーの存在そんざいそのものに苛立いらだちながら、腕の中にいる少女の体調たいちょうへ気をくばっていた。
 少女の体をむしばんでいた瘴気しょうき浄化じょうかみだが、体に注入ちゅうにゅうされた瘴気の量が致死量ちしりょうえていたため。少女は九割きゅうわり九分きゅうぶんでいた。
 デュランが体にひかり属性ぞくせいの魔力をそそみ、なんとかギリギリで少女の生命せいめい維持いじをしている状態だった。
 とてもではないが、黒神なんかにかまっているような余裕よゆうはなかった。

 しかし――
 
「まあ、もっとも今日はお前の腕の中にいる少女の方にようが――」

「――じゃあ、死ね」

 ――そのねらいが少女だというのなら話はべつだった。
 デュランは少女の生命せいめい維持いじうつまかせ、黒神を斬り殺した。
 そうたしかに殺した、確実かくじつに殺した。
 だが――

「『おや、随分ずいぶん見当違いな方向へ・・・・・・・・攻撃したね・・・・・。デュラン』」

「――チッ」 

 ――いっそにくたらしいくらいにあっさりと、いつもの通りに・・・・・・・復活ふっかつした。
 デュランは目の前の薄笑うすらわらいをうかべる宿敵しゅくてき厄介やっかいさをあらめて認識にんしきし、ふだである魔法まほう――天下てんか無双むそうを使わなければならないとさとり、詠唱えいしょう開始かいしした。

「――勝利しょうりだけをねがうならつるぎきばと変わりなし、つらぬがたじんみちまもくものひとという」

「ありゃ? もう天下無双を使うのか、ちょっと挑発ちょうはつ加減かげん間違まちがえたかな??
 ハハハッ、失敗しっぱい失敗しっぱいこまったなぁ、どうするかな? そうだ――こうしてみるか」

 デュランは詠唱しながらも目の前の黒神と背後はいごの少女へつね意識いしきけていたため、黒神が少女の近くへ転移てんいしたことに気がつくと超スピードで先回さきまわりをし――黒神の片腕かたうでを切りばした。

無辜むこたみがため、つるぎとなりててきつ 」  

「ありゃりゃ、最強さいきょうになる能力で強化きょうかしてるのにあっさりと切られてしまったなぁ。これは本当に困った」

デュランはそうしてニヤニヤ笑っている黒神を警戒けいかいし続けていたが、黒神が「じゃあ、こちらも使うか」と言ったのを耳にし、何のことか分からず警戒していたが。
 つぎ瞬間しゅんかん――度肝どぎもかれた。

「ただ一筋ひとすじ閃光せんこうを、おそれぬのならるがいい――天下無双てんかむそうッ!!」

世界せかいおお暗黒あんこくは、おそれるものすくうだろう――天下無双てんかむそう


 何故かデュランの切り札である天下無双を相手も使ってきたのである――それもデュランよりも短い短縮詠唱たんしゅくえいしょうで。
 デュランは天下無双を使ったことでひかり属性ぞくせいやみ属性ぞくせいの両方が使えるようになり、神の領域りょういきんだことで目と髪の色が白銀はくぎんになり――圧倒的あっとうてきな強さを手に入れた。
だが、それは相手である黒神にも言えることであり、三十秒ほど切りむすんだことで、相手の方が一枚いちまい上手うわてだと理解りかいした。

「――クソッ」

 そう理解した上でデュランは少女を守り抜くため、さら限界げんかいえてたたかおうとして――

「う~ん、やっぱり短縮詠唱たんしゅくえいしょうだとこんなもんか――ここは引くしかないな」

 ――黒神のそんな言葉と共にめた空気がらいでいった。

「ハァッ!?? ――テメェ、何考えてやがる」

「何を考えてるって言われてもねぇ、元々今回はただあいさつに来ただけだしね」

「あいさつ? 何言ってんだ、お前」

「何って、デュラン。お前なぁ、ハァッ」

デュランは怪訝けげんそうな顔でそう言ったが、次の黒神の言葉に口をあんぐりと開けて固まった。

「だから、私は今回ただたんにデュランのつまになるだろう少女――アリス・リーフグリーンにご祝儀しゅうぎわたしに来たのだ。
 急に殺しにきたのはそっちだろ」

「――――――――マジで」

「大マジだ」

「ハァッ、たく」

 デュランは一瞬いっしゅん呆気あっけにとられたが、すぐに表情を引き締めると黒神をにらみつけた。

「……世界征服せかいせいふくを目指す秘密結社ひみつけっしゃ暗夜あんやつるぎ総帥そうすいである貴様が、ただの結婚けっこんいわいをしに来ただと? 信用しんようできるか!! バカがッ!!!」

「いや~、まあ、そうなんだがね。信用して受け取ってもらわないとこちらとしても困ってしまう。
 せっかく貴重きちょう純金じゅんきんぼうを六本も用意したというのにね、そう言わず受け取ってくれたまえ――さもないと、本気でアリス・リーフグリーンを殺しに行くよ? 今のデュランでは守り切れないのは言うまでもなく理解してくれたと思う。
 私が本気を出せば、彼女の死は確定かくてい事項じこうになる。受け取るのが正しい判断はんだんだと、私はそう思うけどね」

「――チッ、そもそもまだ結婚どころか知り合ったばかりで、初対面しょたいめんのアリス? と俺の結婚祝いが何故あるのか、正直しょうじき不気味ぶきみ仕方しかたないが受け取ってやるよ!!」

「おぉ!! それはありがとう!!! とてもうれしいよ!!!! ――それではごきげんよう」

 そうしてデュランが6kgの金の延べ棒をもらったのとほぼ同時に、黒神は忽然こつぜんと姿を消した。

 デュランは自身とアリス? のイラストがかれているご祝儀しゅうぎ辟易へきえきとした表情でうつ厄介払い押しつけると、アリスの治療ちりょうを再開した。
 そして一刻いっこくほど時間をかけてアリスを完治かんちさせ、それと同時にアリスが目を覚ました。

 デュランは目を覚ましたアリスへ自己じこ紹介しょうかいしてからアリスをデートにさそおう思っていたが、

「あぁ、よかった。目を覚ましたか、多分名前はアリスだよな? 俺の名前はデュラン・ライオット、ただのたび――」

「デュラン、僕は君のことが好きだ。あったばかりでこんなことを言うのはへんだと思うかもしれないけど、本当に君のことが好きなんだ。
 だから――僕と結婚してください!!」

「――びと、へっ? え、えぇッ!!?」

 出鼻でばなをくじくようにアリスからあい告白こくはくをされ、目を見開いておどろくのでした。
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