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開店から一週間。
私の店『喫茶・マッスル』は、鉱山街の新たな名所として定着しつつあった。
鉱夫たちの憩いの場として、そして物好きな観光客の話題のスポットとして、連日大盛況だ。
だが、この店には一つだけ、奇妙な「ルール」が出来上がっていた。
それは、夕暮れ時の特定の時間になると、客たちが一斉に静まり返り、借りてきた猫のようになることだ。
カランコロン♪
その音と共に、今日も「彼」が現れた。
「……いつもの」
「いらっしゃいませ、クロード様! 今日も上腕三頭筋の張りが素敵ですわね!」
私が元気よく挨拶すると、店内のお客様たちは一斉に息を止めて視線を逸らす。
現れたのは、国一番の強面騎士団長、クロード・ヴァン・ハイゼン公爵だ。
あの日以来、彼は毎日のようにこの店に通ってきている。
それも、わざわざ魔獣討伐の任務(どうやら最近、この近辺で魔物が増えているらしい)の帰りに遠回りをしてまで。
「……今日は少し、肩が重い」
クロード様は重厚な足取りでいつものカウンター席――私から一番良く見える特等席――に腰を下ろした。
その顔には疲労の色が見えるが、それすらも渋くて絵になる。
「あら、それは大変。長剣の振りすぎかしら? それとも書類仕事?」
「……両方だ。部下の育成がうまくいかん」
「まあ。筋肉が足りない部下たちですこと」
私は手際よくシェイカーを振り始めた。
今日のオーダーも、もちろん『スペシャル・ギガ・マッスル・ミルク』だ。
ただし、疲労回復のためにクエン酸たっぷりの果汁を少し多めにブレンドする。
シャカシャカシャカ!!
店内に私のシェイク音だけが響く。
他の客たちは、クロード公爵が怖くて会話もできないのだ。
無理もない。
彼が纏う空気は、周囲の温度を5度は下げている。
だが、私にとってはご褒美タイムでしかない。
(はぁ……今日の僧帽筋も素晴らしい盛り上がり……!)
私はシェイカーを振りながら、ガン見していた。
カウンターに肘をつく彼のポーズ。
それによって強調される前腕の伸筋群。
そして、少し開いた襟元から覗く鎖骨のライン。
(あの鎖骨の窪みにミルクを注いで飲みたい……なんて不敬な妄想をしてしまうほど、造形美が極まっているわ)
「……マーヤ。視線が突き刺さるようだ」
「あら、気のせいですわ。お客様の健康状態をチェックしているだけですもの」
「……そうか」
彼は素直に納得し、出されたミルクを一気に煽った。
ゴクゴク、という男らしい音が喉を鳴らす。
飲み干した後、ふぅ、と白い息を吐く姿は、獰猛な狼がふと見せる無防備な寝顔のようだ。
「……生き返る」
「お代わりは?」
「いや、一杯でいい。……これ以上飲むと、眠くなりそうだ」
「ふふ、公爵様がこの店で居眠りなんてされたら、他のお客様が心臓麻痺を起こしてしまいますわ」
私が冗談めかして言うと、彼は不思議そうに店内を見渡した。
「……なぜだ? 私はただ、ミルクを飲んでいるだけだが」
「その『ただ飲んでいるだけ』の姿が、獲物を狙う猛獣に見えるからですわよ」
「……心外だ」
彼は少し拗ねたように唇を尖らせた。
その仕草が妙に子供っぽくて、私は思わず吹き出しそうになる。
この一週間で分かったことがある。
この「氷の処刑人」は、決して冷酷なだけの人物ではない。
ただ極端に口数が少なく、表情筋が死滅している(無愛想な)だけで、根は真面目で、そして意外と繊細なのだ。
「クロード様。甘いものがお好きなら、新作のプロテインクッキーはいかが?」
私は試作品の皿を差し出した。
大豆粉と蜂蜜で作った、高タンパク低脂質のクッキーだ。
形は可愛い熊さん型……ではなく、ダンベル型にしてみた。
「……もらおう」
彼は無骨な指で、小さなダンベル型クッキーをつまみ、口に運んだ。
サクッ、という音。
「……悪くない。素朴な味だ」
「でしょう? 噛みごたえがあるので、咀嚼筋(そしゃくきん)のトレーニングにもなりますの」
「なるほど。食事中も鍛錬か。……君らしい」
ほんの少しだけ、彼の口角が上がった気がした。
レアだ。
SSR級の微笑みだ。
その瞬間、店内の緊張が少しだけ緩んだ。
遠巻きに見ていた鉱夫の一人が、勇気を出して声をかけた。
「あ、あのよぉ……公爵様」
「……なんだ?」
クロード様がギロリと振り返る。
鉱夫が「ひぃっ」と悲鳴を上げるが、なんとか言葉を絞り出した。
「そ、その大剣……すげぇな。俺たちが使うツルハシより重そうだ」
鉱夫たちは根っからの力自慢だ。
恐怖よりも、彼の背負っている巨大な武器への興味が勝ったらしい。
クロード様は自分の背中の剣に視線を向け、それから無造作にそれを掴んで床に置いた。
ズガンッ!!
床板が悲鳴を上げ、店全体が揺れる。
「……持つか?」
「えっ、い、いいんですかい!?」
鉱夫たちがわらわらと集まってくる。
一人が柄を掴んで持ち上げようとするが、ビクともしない。
「ぬおおっ!? お、重ぇ! 岩より重いぞこれ!」
「マジかよ、貸してみろ!」
二人掛かりでようやく持ち上がるかどうかという代物だ。
男たちは驚愕し、そして尊敬の眼差しをクロード様に向けた。
「公爵様、あんたすげぇな! こんなの片手で振り回してんのか!?」
「化け物だぜ……いや、最高の筋肉だ!」
称賛の声に、クロード様は少し戸惑ったように目を瞬かせた。
これまでの人生で、恐れられることはあっても、純粋な力(筋肉)を褒められる経験は少なかったのだろう。
「……鍛錬の賜物だ。お前たちの筋肉も、悪くない」
「へへっ、公爵様に褒められたぜ!」
「今日から俺たちの兄貴と呼ばせてくだせぇ!」
「……兄貴はやめろ」
いつの間にか、クロード様の周りには筋肉の輪ができていた。
男たちが上腕二頭筋を見せ合い、クロード様がそれを真顔で品評する。
なんとも奇妙で、むさ苦しい空間。
だが、私はその光景を見て、胸が熱くなるのを感じた。
(ああ、いいわ……。身分も立場も関係なく、筋肉を通じて心を通わせる。これこそが私の作りたかった世界!)
私は満足げに頷き、彼らの会話を聞きながらグラスを磨いた。
「マーヤ」
ふと、筋肉の輪から抜け出したクロード様が、カウンターに戻ってきた。
「はい?」
「……いい店だ」
彼は短くそう言い、今度こそ本当に穏やかな顔をした。
「王都の茶会より、ここの空気のほうが私には合っているようだ」
「それは光栄ですわ。いつでもいらしてください。プロテインは逃げませんから」
「ああ。……また来る」
彼は席を立ち、今度は鉱夫たちに軽く手を挙げて挨拶をしてから店を出て行った。
もはや誰も彼を恐れてはいない。
そこにあるのは、同じ「筋肉を愛する者」としての連帯感だけだ。
「さあみんな! 公爵様に負けないよう、後半戦も気合いを入れて接客よ!」
「「「イエスマッスル!!」」」
店内のボルテージは最高潮に達していた。
平和で、熱くて、汗臭い日常。
私はこの幸せがずっと続けばいいと願っていた。
だが、その平穏を破る不穏な足音は、すぐそこまで迫っていたのだ。
「……えっ? 王都から手紙?」
閉店後。
片付けをしていた私のもとに、父上の使いがやってきた。
渡された封筒には、見覚えのある王家の紋章。
そして、あの神経質そうな筆跡。
『至急、王都へ帰還せよ。さもなくば――』
手紙を読んだ私は、ため息をつき、それをキッチンのコンロ(火力強め)へと放り込んだ。
「着火剤にもならないわね、こんな駄文」
燃え上がる炎を見つめながら、私は冷たく微笑んだ。
「まだ分かっていないようね、あのお馬鹿さんたちは。私がもう、彼らの言いなりになる『都合のいい女』ではないということを」
私の後ろには、頼もしい筋肉たちが控えている。
そして何より、今の私には最強の「常連客」がついているのだ。
「かかってきなさい、もやし王子。返り討ち(物理)にしてあげるわ」
私の第二の人生を邪魔する者は、誰であろうと許さない。
たとえそれが、国の最高権力者であろうとも。
戦いのゴングは、静かに鳴り響こうとしていた。
私の店『喫茶・マッスル』は、鉱山街の新たな名所として定着しつつあった。
鉱夫たちの憩いの場として、そして物好きな観光客の話題のスポットとして、連日大盛況だ。
だが、この店には一つだけ、奇妙な「ルール」が出来上がっていた。
それは、夕暮れ時の特定の時間になると、客たちが一斉に静まり返り、借りてきた猫のようになることだ。
カランコロン♪
その音と共に、今日も「彼」が現れた。
「……いつもの」
「いらっしゃいませ、クロード様! 今日も上腕三頭筋の張りが素敵ですわね!」
私が元気よく挨拶すると、店内のお客様たちは一斉に息を止めて視線を逸らす。
現れたのは、国一番の強面騎士団長、クロード・ヴァン・ハイゼン公爵だ。
あの日以来、彼は毎日のようにこの店に通ってきている。
それも、わざわざ魔獣討伐の任務(どうやら最近、この近辺で魔物が増えているらしい)の帰りに遠回りをしてまで。
「……今日は少し、肩が重い」
クロード様は重厚な足取りでいつものカウンター席――私から一番良く見える特等席――に腰を下ろした。
その顔には疲労の色が見えるが、それすらも渋くて絵になる。
「あら、それは大変。長剣の振りすぎかしら? それとも書類仕事?」
「……両方だ。部下の育成がうまくいかん」
「まあ。筋肉が足りない部下たちですこと」
私は手際よくシェイカーを振り始めた。
今日のオーダーも、もちろん『スペシャル・ギガ・マッスル・ミルク』だ。
ただし、疲労回復のためにクエン酸たっぷりの果汁を少し多めにブレンドする。
シャカシャカシャカ!!
店内に私のシェイク音だけが響く。
他の客たちは、クロード公爵が怖くて会話もできないのだ。
無理もない。
彼が纏う空気は、周囲の温度を5度は下げている。
だが、私にとってはご褒美タイムでしかない。
(はぁ……今日の僧帽筋も素晴らしい盛り上がり……!)
私はシェイカーを振りながら、ガン見していた。
カウンターに肘をつく彼のポーズ。
それによって強調される前腕の伸筋群。
そして、少し開いた襟元から覗く鎖骨のライン。
(あの鎖骨の窪みにミルクを注いで飲みたい……なんて不敬な妄想をしてしまうほど、造形美が極まっているわ)
「……マーヤ。視線が突き刺さるようだ」
「あら、気のせいですわ。お客様の健康状態をチェックしているだけですもの」
「……そうか」
彼は素直に納得し、出されたミルクを一気に煽った。
ゴクゴク、という男らしい音が喉を鳴らす。
飲み干した後、ふぅ、と白い息を吐く姿は、獰猛な狼がふと見せる無防備な寝顔のようだ。
「……生き返る」
「お代わりは?」
「いや、一杯でいい。……これ以上飲むと、眠くなりそうだ」
「ふふ、公爵様がこの店で居眠りなんてされたら、他のお客様が心臓麻痺を起こしてしまいますわ」
私が冗談めかして言うと、彼は不思議そうに店内を見渡した。
「……なぜだ? 私はただ、ミルクを飲んでいるだけだが」
「その『ただ飲んでいるだけ』の姿が、獲物を狙う猛獣に見えるからですわよ」
「……心外だ」
彼は少し拗ねたように唇を尖らせた。
その仕草が妙に子供っぽくて、私は思わず吹き出しそうになる。
この一週間で分かったことがある。
この「氷の処刑人」は、決して冷酷なだけの人物ではない。
ただ極端に口数が少なく、表情筋が死滅している(無愛想な)だけで、根は真面目で、そして意外と繊細なのだ。
「クロード様。甘いものがお好きなら、新作のプロテインクッキーはいかが?」
私は試作品の皿を差し出した。
大豆粉と蜂蜜で作った、高タンパク低脂質のクッキーだ。
形は可愛い熊さん型……ではなく、ダンベル型にしてみた。
「……もらおう」
彼は無骨な指で、小さなダンベル型クッキーをつまみ、口に運んだ。
サクッ、という音。
「……悪くない。素朴な味だ」
「でしょう? 噛みごたえがあるので、咀嚼筋(そしゃくきん)のトレーニングにもなりますの」
「なるほど。食事中も鍛錬か。……君らしい」
ほんの少しだけ、彼の口角が上がった気がした。
レアだ。
SSR級の微笑みだ。
その瞬間、店内の緊張が少しだけ緩んだ。
遠巻きに見ていた鉱夫の一人が、勇気を出して声をかけた。
「あ、あのよぉ……公爵様」
「……なんだ?」
クロード様がギロリと振り返る。
鉱夫が「ひぃっ」と悲鳴を上げるが、なんとか言葉を絞り出した。
「そ、その大剣……すげぇな。俺たちが使うツルハシより重そうだ」
鉱夫たちは根っからの力自慢だ。
恐怖よりも、彼の背負っている巨大な武器への興味が勝ったらしい。
クロード様は自分の背中の剣に視線を向け、それから無造作にそれを掴んで床に置いた。
ズガンッ!!
床板が悲鳴を上げ、店全体が揺れる。
「……持つか?」
「えっ、い、いいんですかい!?」
鉱夫たちがわらわらと集まってくる。
一人が柄を掴んで持ち上げようとするが、ビクともしない。
「ぬおおっ!? お、重ぇ! 岩より重いぞこれ!」
「マジかよ、貸してみろ!」
二人掛かりでようやく持ち上がるかどうかという代物だ。
男たちは驚愕し、そして尊敬の眼差しをクロード様に向けた。
「公爵様、あんたすげぇな! こんなの片手で振り回してんのか!?」
「化け物だぜ……いや、最高の筋肉だ!」
称賛の声に、クロード様は少し戸惑ったように目を瞬かせた。
これまでの人生で、恐れられることはあっても、純粋な力(筋肉)を褒められる経験は少なかったのだろう。
「……鍛錬の賜物だ。お前たちの筋肉も、悪くない」
「へへっ、公爵様に褒められたぜ!」
「今日から俺たちの兄貴と呼ばせてくだせぇ!」
「……兄貴はやめろ」
いつの間にか、クロード様の周りには筋肉の輪ができていた。
男たちが上腕二頭筋を見せ合い、クロード様がそれを真顔で品評する。
なんとも奇妙で、むさ苦しい空間。
だが、私はその光景を見て、胸が熱くなるのを感じた。
(ああ、いいわ……。身分も立場も関係なく、筋肉を通じて心を通わせる。これこそが私の作りたかった世界!)
私は満足げに頷き、彼らの会話を聞きながらグラスを磨いた。
「マーヤ」
ふと、筋肉の輪から抜け出したクロード様が、カウンターに戻ってきた。
「はい?」
「……いい店だ」
彼は短くそう言い、今度こそ本当に穏やかな顔をした。
「王都の茶会より、ここの空気のほうが私には合っているようだ」
「それは光栄ですわ。いつでもいらしてください。プロテインは逃げませんから」
「ああ。……また来る」
彼は席を立ち、今度は鉱夫たちに軽く手を挙げて挨拶をしてから店を出て行った。
もはや誰も彼を恐れてはいない。
そこにあるのは、同じ「筋肉を愛する者」としての連帯感だけだ。
「さあみんな! 公爵様に負けないよう、後半戦も気合いを入れて接客よ!」
「「「イエスマッスル!!」」」
店内のボルテージは最高潮に達していた。
平和で、熱くて、汗臭い日常。
私はこの幸せがずっと続けばいいと願っていた。
だが、その平穏を破る不穏な足音は、すぐそこまで迫っていたのだ。
「……えっ? 王都から手紙?」
閉店後。
片付けをしていた私のもとに、父上の使いがやってきた。
渡された封筒には、見覚えのある王家の紋章。
そして、あの神経質そうな筆跡。
『至急、王都へ帰還せよ。さもなくば――』
手紙を読んだ私は、ため息をつき、それをキッチンのコンロ(火力強め)へと放り込んだ。
「着火剤にもならないわね、こんな駄文」
燃え上がる炎を見つめながら、私は冷たく微笑んだ。
「まだ分かっていないようね、あのお馬鹿さんたちは。私がもう、彼らの言いなりになる『都合のいい女』ではないということを」
私の後ろには、頼もしい筋肉たちが控えている。
そして何より、今の私には最強の「常連客」がついているのだ。
「かかってきなさい、もやし王子。返り討ち(物理)にしてあげるわ」
私の第二の人生を邪魔する者は、誰であろうと許さない。
たとえそれが、国の最高権力者であろうとも。
戦いのゴングは、静かに鳴り響こうとしていた。
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