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「……ダンスは得意か?」
優雅なワルツの旋律が流れる中、ギルバート様が私の腰に手を添えて囁いた。
「たしなみ程度には。ただ、元婚約者がダンス嫌いでしたので、実戦経験は少なめです」
「そうか。ならば、私がリードしよう。……全てを委ねてくれ」
ギルバート様がぐっと私を引き寄せる。
その力強さと、絶妙な手綱さばきに、私は思わず感嘆した。
(うまい……!)
足運びは流れるようにスムーズで、回転の遠心力さえも計算し尽くされている。
私の体幹がブレないよう、的確なサポートが入るため、まるで自分が無重力空間にいるかのように軽く感じるのだ。
「素晴らしいです、ギルバート様。無駄な動きが一切ない。筋肉の収縮と弛緩のタイミングが完璧です」
私は職業病(施術師視点)で褒め称えた。
「……筋肉の話か?」
「はい。特にこの広背筋の使い方が絶妙です。これなら長時間踊っても疲労物質が蓄積しませんね」
「ふっ……君らしいな」
ギルバート様が苦笑する。
その顔が至近距離にあり、吐息がかかるほど近い。
周囲の令嬢たちが「キャーッ!」と黄色い悲鳴(と嫉妬の炎)を上げているのが視界の端に見える。
「チューナ。……私は、君とこうしている時間が好きだ」
彼が真剣な眼差しで私を見つめる。
「君と触れ合っていると、体の芯から熱くなる。……このまま、ずっと離したくない」
甘い言葉だ。
普通の恋愛小説なら、ここでヒロインが顔を赤らめるシーンだろう。
だが、私は冷静にその言葉を「翻訳」する。
(翻訳:『施術(マッサージ)の効果を実感している。専属契約を継続したい』)
私はニッコリと微笑み返した。
「光栄です。私も、貴方という優良顧客(スポンサー)を手放すつもりはありません。契約期間中は、骨の髄まで……いえ、体の隅々までサポートさせていただきます」
「……契約、か。そうだな」
ギルバート様は一瞬、何か言いたげな顔をしたが、すぐに熱っぽい瞳に戻った。
「ならば、契約内容に一つ追加したい」
「なんでしょう? オプション料金は相談に応じますが」
「『他の男を見ないこと』だ」
彼は私の手首をギュッと握った。
「今夜、会場中の男が君を見ている。……不愉快だ。君のその姿も、その笑顔も、私だけの特権にしたい」
(翻訳:『他店へのノウハウ流出を防ぐため、独占禁止法ギリギリの排他的契約を結びたい』)
なるほど、彼は独占欲の強いオーナーらしい。
だが、それもまた好都合。
「承知しました。では『機密保持契約』および『専属業務委託契約』の特約として盛り込んでおきますね。その代わり、拘束時間の延長に対する手当は弾んでいただきますよ?」
「ああ。私の全財産を君に預けてもいい」
「交渉成立です!」
私たちは見つめ合い、満足げに頷き合った。
端から見れば「愛を誓い合う恋人たち」。
実態は「好条件で合意した雇用主と被雇用者」。
この決定的なすれ違いを抱えたまま、曲はフィナーレを迎えた。
ジャン、と音楽が終わる。
その瞬間、拍手喝采が巻き起こった。
「ブラボー! なんて美しい!」
「お似合いだわ!」
称賛の嵐の中、私たちは一礼してダンスフロアを後にした。
◇
「少し、飲み物を取ってくる」
ダンスの後、ギルバート様は上機嫌でドリンクコーナーへ向かった。
その途中、数人の高位貴族や騎士たちに捕まり、「閣下! あの噂の治療法について詳しく!」「うちの腰痛持ちの妻もぜひ!」と囲まれている。
どうやら、ここでも営業活動(口コミ)をしてくれているらしい。
本当に優秀な広告塔だ。
私は壁際のソファに腰を下ろし、扇子で顔を仰いだ。
「ふぅ……労働の後の休息は格別ね」
これから出される高級オードブルをどう攻略するか(タッパーに詰めて持ち帰れるか)を考えていた、その時。
スッ、と私の前に誰かが立った。
「……チューナ」
幽霊のような、生気のない声。
顔を上げると、そこにはアレクシス殿下が立っていた。
「あら、殿下」
私は眉をひそめた。
数分前までリリア様に連行されていたはずだが、逃げ出してきたのだろうか。
よく見ると、彼の顔色は土気色で、目の下には濃いクマがあり、頬がこけている。
かつてのキラキラした王子様オーラは完全に消滅し、そこには「過重労働に疲れた中間管理職」の哀愁が漂っていた。
「リリア様はどうされました? 彼女の許可なく出歩くと、怒られますよ?」
「リ、リリアは今……隣国の特使と外交交渉中だ……。『私がやる方が早い』と言って……」
「そうですか。優秀な秘書を持って幸せですね」
「し、幸せなものか……!」
殿下が悲痛な叫びを上げた。
彼は周囲をキョロキョロと見回し(リリアがいないか確認し)、私の隣にドサリと座り込んだ。
そして、私の手をガシッと掴む。
「チューナ! 頼む、戻ってきてくれ!」
「……お断りします。私は現在、アイゼンシュタイン辺境伯と専属契約中です」
私は冷たく手を振り払った。
「違うんだ……あんな生活、もう耐えられないんだ……!」
殿下は涙目で訴える。
「リリアは鬼だ! 朝は五時起きで書類整理、昼は分刻みのスケジュール、夜は予算会議の予習復習……! 『休憩時間は生産性が落ちる』と言って、トイレに行く時間すら管理されるんだぞ!?」
「効率的ですね。私の教えを忠実に守っているようで何よりです」
「お前の教えだったのか!? 悪魔か貴様らは!」
「お褒めいただき光栄です。で、ご用件はそれだけですか? 私の時間を拘束するなら相談料をいただきますが」
「金なら払う! だから助けてくれ!」
殿下は懐から、しわくちゃになった王家の小切手帳を取り出した。
「リリアには内緒だ……へそくりの口座がある。そこからいくらでも出す。だから、リリアを止めてくれ! あいつを元の可愛いだけの女に戻してくれ!」
私は呆れてため息をついた。
「殿下。貴方は何も分かっていませんね」
「な、何を……」
「リリア様は変わったのではありません。貴方が彼女を追い詰め、覚醒させたのです。そして今の彼女は、貴方よりも遥かに王国の未来を考えている」
私は扇子で殿下の胸をトンと突いた。
「彼女を止める方法は一つしかありません」
「な、なんだ!? 教えてくれ!」
「貴方が彼女以上に有能になり、彼女を納得させる成果を出すことです。『君は休んでいていい、僕がやるから』と、実力で証明するしかないのです」
「そ、そんな……無理だ……」
殿下が絶望的な顔をする。
「無理なら、一生彼女の尻に敷かれて生きていくことです。……まあ、それはそれで国にとっては安泰ですが」
「ひどい……チューナ、お前は昔、あんなに優しかったのに……」
「優しさ? ああ、あれは『業務上の接客サービス』です」
私がバッサリ切り捨てた時。
「……そこで何をしている?」
絶対零度の声が降ってきた。
見上げると、両手にグラスを持ったギルバート様が立っていた。
その背後には、まるで怒れる魔王のような黒いオーラが立ち上っている。
「ギ、ギルバート……」
殿下がヒッと悲鳴を上げて飛び退いた。
「私のパートナーに、何か用か? 殿下」
ギルバート様はグラスをテーブルに置き(ガチャン、とヒビが入る音がした)、私の前に立ちはだかった。
「いや、その、私はただ挨拶を……」
「挨拶にしては距離が近かったな。……手首を掴んでいたように見えたが? 切り落とされたいのか?」
「ひぃぃッ!!」
「それに、リリア嬢が探していたぞ。『殿下が脱走した! 捕獲網を用意せよ!』とな」
「捕獲網!?」
殿下の顔色が真っ白になる。
その時、遠くから「殿下ァァァーッ!! どこですかァァァーッ!!」という、リリア様の怒号が響いてきた。
「い、今のうちに逃げなければ……! チューナ、また連絡する! 絶対にだ!」
殿下は捨て台詞を残し、ゴキブリのような速さで人混みへと消えていった。
「……まったく。騒がしい害虫だ」
ギルバート様はハンカチを取り出し、殿下が触れた私の手首をゴシゴシと拭いた。
「消毒が必要だな。帰ったら念入りに洗おう」
「そうですね。菌が移ると商売に響きますから」
私たちは顔を見合わせて笑った。
だが、私は見逃さなかった。
去り際の殿下のポケットから、一通の羊皮紙が落ちていたことを。
私はさりげなくそれを拾い上げた。
そこには、赤いインクで大きくこう書かれていた。
『国家予算緊急事態宣言 ~国庫残高、あと三ヶ月で枯渇~』
(……はい?)
私は目を疑った。
枯渇?
あと三ヶ月で?
この国、破産寸前ってこと!?
「どうした、チューナ? 顔色が悪いぞ」
「……いえ、なんでもありません」
私は羊皮紙をドレスの隠しポケットにねじ込んだ。
ダンスやロマンスどころではない。
国が破産すれば、通貨の価値は暴落し、私の貯めた慰謝料も紙切れになる。
(許さない……! 私の老後資金を脅かす事態だけは、絶対に阻止してみせる!)
私はギルバート様を見上げ、ニッコリと、しかし目が笑っていない笑顔で言った。
「ギルバート様。……少し、追加の商談をしてもよろしいですか? 国家規模の、大規模なコンサルティング案件について」
夜会は続く。
しかし私の頭の中はすでに、対国家破産防衛戦争へと切り替わっていた。
優雅なワルツの旋律が流れる中、ギルバート様が私の腰に手を添えて囁いた。
「たしなみ程度には。ただ、元婚約者がダンス嫌いでしたので、実戦経験は少なめです」
「そうか。ならば、私がリードしよう。……全てを委ねてくれ」
ギルバート様がぐっと私を引き寄せる。
その力強さと、絶妙な手綱さばきに、私は思わず感嘆した。
(うまい……!)
足運びは流れるようにスムーズで、回転の遠心力さえも計算し尽くされている。
私の体幹がブレないよう、的確なサポートが入るため、まるで自分が無重力空間にいるかのように軽く感じるのだ。
「素晴らしいです、ギルバート様。無駄な動きが一切ない。筋肉の収縮と弛緩のタイミングが完璧です」
私は職業病(施術師視点)で褒め称えた。
「……筋肉の話か?」
「はい。特にこの広背筋の使い方が絶妙です。これなら長時間踊っても疲労物質が蓄積しませんね」
「ふっ……君らしいな」
ギルバート様が苦笑する。
その顔が至近距離にあり、吐息がかかるほど近い。
周囲の令嬢たちが「キャーッ!」と黄色い悲鳴(と嫉妬の炎)を上げているのが視界の端に見える。
「チューナ。……私は、君とこうしている時間が好きだ」
彼が真剣な眼差しで私を見つめる。
「君と触れ合っていると、体の芯から熱くなる。……このまま、ずっと離したくない」
甘い言葉だ。
普通の恋愛小説なら、ここでヒロインが顔を赤らめるシーンだろう。
だが、私は冷静にその言葉を「翻訳」する。
(翻訳:『施術(マッサージ)の効果を実感している。専属契約を継続したい』)
私はニッコリと微笑み返した。
「光栄です。私も、貴方という優良顧客(スポンサー)を手放すつもりはありません。契約期間中は、骨の髄まで……いえ、体の隅々までサポートさせていただきます」
「……契約、か。そうだな」
ギルバート様は一瞬、何か言いたげな顔をしたが、すぐに熱っぽい瞳に戻った。
「ならば、契約内容に一つ追加したい」
「なんでしょう? オプション料金は相談に応じますが」
「『他の男を見ないこと』だ」
彼は私の手首をギュッと握った。
「今夜、会場中の男が君を見ている。……不愉快だ。君のその姿も、その笑顔も、私だけの特権にしたい」
(翻訳:『他店へのノウハウ流出を防ぐため、独占禁止法ギリギリの排他的契約を結びたい』)
なるほど、彼は独占欲の強いオーナーらしい。
だが、それもまた好都合。
「承知しました。では『機密保持契約』および『専属業務委託契約』の特約として盛り込んでおきますね。その代わり、拘束時間の延長に対する手当は弾んでいただきますよ?」
「ああ。私の全財産を君に預けてもいい」
「交渉成立です!」
私たちは見つめ合い、満足げに頷き合った。
端から見れば「愛を誓い合う恋人たち」。
実態は「好条件で合意した雇用主と被雇用者」。
この決定的なすれ違いを抱えたまま、曲はフィナーレを迎えた。
ジャン、と音楽が終わる。
その瞬間、拍手喝采が巻き起こった。
「ブラボー! なんて美しい!」
「お似合いだわ!」
称賛の嵐の中、私たちは一礼してダンスフロアを後にした。
◇
「少し、飲み物を取ってくる」
ダンスの後、ギルバート様は上機嫌でドリンクコーナーへ向かった。
その途中、数人の高位貴族や騎士たちに捕まり、「閣下! あの噂の治療法について詳しく!」「うちの腰痛持ちの妻もぜひ!」と囲まれている。
どうやら、ここでも営業活動(口コミ)をしてくれているらしい。
本当に優秀な広告塔だ。
私は壁際のソファに腰を下ろし、扇子で顔を仰いだ。
「ふぅ……労働の後の休息は格別ね」
これから出される高級オードブルをどう攻略するか(タッパーに詰めて持ち帰れるか)を考えていた、その時。
スッ、と私の前に誰かが立った。
「……チューナ」
幽霊のような、生気のない声。
顔を上げると、そこにはアレクシス殿下が立っていた。
「あら、殿下」
私は眉をひそめた。
数分前までリリア様に連行されていたはずだが、逃げ出してきたのだろうか。
よく見ると、彼の顔色は土気色で、目の下には濃いクマがあり、頬がこけている。
かつてのキラキラした王子様オーラは完全に消滅し、そこには「過重労働に疲れた中間管理職」の哀愁が漂っていた。
「リリア様はどうされました? 彼女の許可なく出歩くと、怒られますよ?」
「リ、リリアは今……隣国の特使と外交交渉中だ……。『私がやる方が早い』と言って……」
「そうですか。優秀な秘書を持って幸せですね」
「し、幸せなものか……!」
殿下が悲痛な叫びを上げた。
彼は周囲をキョロキョロと見回し(リリアがいないか確認し)、私の隣にドサリと座り込んだ。
そして、私の手をガシッと掴む。
「チューナ! 頼む、戻ってきてくれ!」
「……お断りします。私は現在、アイゼンシュタイン辺境伯と専属契約中です」
私は冷たく手を振り払った。
「違うんだ……あんな生活、もう耐えられないんだ……!」
殿下は涙目で訴える。
「リリアは鬼だ! 朝は五時起きで書類整理、昼は分刻みのスケジュール、夜は予算会議の予習復習……! 『休憩時間は生産性が落ちる』と言って、トイレに行く時間すら管理されるんだぞ!?」
「効率的ですね。私の教えを忠実に守っているようで何よりです」
「お前の教えだったのか!? 悪魔か貴様らは!」
「お褒めいただき光栄です。で、ご用件はそれだけですか? 私の時間を拘束するなら相談料をいただきますが」
「金なら払う! だから助けてくれ!」
殿下は懐から、しわくちゃになった王家の小切手帳を取り出した。
「リリアには内緒だ……へそくりの口座がある。そこからいくらでも出す。だから、リリアを止めてくれ! あいつを元の可愛いだけの女に戻してくれ!」
私は呆れてため息をついた。
「殿下。貴方は何も分かっていませんね」
「な、何を……」
「リリア様は変わったのではありません。貴方が彼女を追い詰め、覚醒させたのです。そして今の彼女は、貴方よりも遥かに王国の未来を考えている」
私は扇子で殿下の胸をトンと突いた。
「彼女を止める方法は一つしかありません」
「な、なんだ!? 教えてくれ!」
「貴方が彼女以上に有能になり、彼女を納得させる成果を出すことです。『君は休んでいていい、僕がやるから』と、実力で証明するしかないのです」
「そ、そんな……無理だ……」
殿下が絶望的な顔をする。
「無理なら、一生彼女の尻に敷かれて生きていくことです。……まあ、それはそれで国にとっては安泰ですが」
「ひどい……チューナ、お前は昔、あんなに優しかったのに……」
「優しさ? ああ、あれは『業務上の接客サービス』です」
私がバッサリ切り捨てた時。
「……そこで何をしている?」
絶対零度の声が降ってきた。
見上げると、両手にグラスを持ったギルバート様が立っていた。
その背後には、まるで怒れる魔王のような黒いオーラが立ち上っている。
「ギ、ギルバート……」
殿下がヒッと悲鳴を上げて飛び退いた。
「私のパートナーに、何か用か? 殿下」
ギルバート様はグラスをテーブルに置き(ガチャン、とヒビが入る音がした)、私の前に立ちはだかった。
「いや、その、私はただ挨拶を……」
「挨拶にしては距離が近かったな。……手首を掴んでいたように見えたが? 切り落とされたいのか?」
「ひぃぃッ!!」
「それに、リリア嬢が探していたぞ。『殿下が脱走した! 捕獲網を用意せよ!』とな」
「捕獲網!?」
殿下の顔色が真っ白になる。
その時、遠くから「殿下ァァァーッ!! どこですかァァァーッ!!」という、リリア様の怒号が響いてきた。
「い、今のうちに逃げなければ……! チューナ、また連絡する! 絶対にだ!」
殿下は捨て台詞を残し、ゴキブリのような速さで人混みへと消えていった。
「……まったく。騒がしい害虫だ」
ギルバート様はハンカチを取り出し、殿下が触れた私の手首をゴシゴシと拭いた。
「消毒が必要だな。帰ったら念入りに洗おう」
「そうですね。菌が移ると商売に響きますから」
私たちは顔を見合わせて笑った。
だが、私は見逃さなかった。
去り際の殿下のポケットから、一通の羊皮紙が落ちていたことを。
私はさりげなくそれを拾い上げた。
そこには、赤いインクで大きくこう書かれていた。
『国家予算緊急事態宣言 ~国庫残高、あと三ヶ月で枯渇~』
(……はい?)
私は目を疑った。
枯渇?
あと三ヶ月で?
この国、破産寸前ってこと!?
「どうした、チューナ? 顔色が悪いぞ」
「……いえ、なんでもありません」
私は羊皮紙をドレスの隠しポケットにねじ込んだ。
ダンスやロマンスどころではない。
国が破産すれば、通貨の価値は暴落し、私の貯めた慰謝料も紙切れになる。
(許さない……! 私の老後資金を脅かす事態だけは、絶対に阻止してみせる!)
私はギルバート様を見上げ、ニッコリと、しかし目が笑っていない笑顔で言った。
「ギルバート様。……少し、追加の商談をしてもよろしいですか? 国家規模の、大規模なコンサルティング案件について」
夜会は続く。
しかし私の頭の中はすでに、対国家破産防衛戦争へと切り替わっていた。
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