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「乾杯! 私の輝かしい無職ライフに!」
ガタゴトと揺れる馬車の中で、私は高らかに叫んだ。
手には最高級クリスタルグラス(※屋敷から持ち出した私物)。
中身は、先ほど休憩した村で調達した、ただの葡萄ジュースだ。
だが、気分は最高級のヴィンテージワインを飲んでいるに等しい。
「うーん、美味しい! これが『しがらみゼロ』の味ね!」
本来なら、この時間は翌日の公務スケジュールの確認をしている頃だ。
『カイル王子の詩集発表会の警備体制について』とかいう、この世で最も無意味な書類と格闘していたはずなのだ。
それがどうだ。
今の私は、誰の許可も得ずに足を組み、行儀悪くクッションにもたれかかっている。
御者台に通じる小窓をノックして、私は声をかけた。
「ねえ、運転手さん! あなたも一杯どう? あ、勤務中だから駄目ね。ボーナス弾むから安全運転で頼むわよ!」
「は、はい! ありがとうございます!」
御者の元気な声が返ってくる。
現金なものだが、労働への対価は即金で払うのが私の流儀だ。
トランクの中には、当面遊んで暮らせるだけの資金がある。
隣国の帝都に着いたら、まずは眺めのいいアパートを借りよう。
そして、昼まで寝て、午後はカフェで読書をし、夜はオペラ鑑賞。
投資で小銭を稼ぎつつ、悠々自適なセカンドライフを送るのだ。
「ふふふ……完璧すぎて怖いくらいだわ」
私は上機嫌でジュースをあおった。
その時だった。
ヒヒィィィン!!
突然、馬がいななき、馬車が急ブレーキをかけた。
私は勢い余って前の座席に突っ込みそうになる。
「きゃっ! な、何よ!? 乗り心地最悪じゃない!」
私はこめかみに青筋を立てて、小窓を開けた。
「ちょっと! 安全運転って言ったでしょ! 私の首をむち打ちにする気!?」
「も、申し訳ありません! ですが、その……!」
御者の声が恐怖で震えている。
「道が……塞がれておりまして……」
「はあ? 工事中?」
私が窓から顔を出そうとした瞬間、野太い声が響いてきた。
「おいおい、止まれ止まれぇ!」
「金目の物を置いていけば、命だけは助けてやるぜぇ!」
松明の明かり。
薄汚い格好をした男たちが十人ほど、道を塞ぐように立っていた。
手には錆びついた剣や斧を持っている。
典型的な、そして陳腐極まりない、盗賊団だ。
「ヒィッ! と、盗賊だぁ!」
御者が頭を抱えて縮こまる。
普通のご令嬢なら、ここで悲鳴を上げて気絶するシーンだ。
しかし、私は眉間の皺を深くしただけだった。
「……はあ」
深い、深い溜息が出る。
「せっかくの祝杯が台無しよ。雰囲気ぶち壊しじゃない」
私はグラスをホルダーに固定すると、バシッと馬車の扉を蹴り開けた。
「お嬢様!? 出ちゃダメです!」
御者の制止を無視して、私は地面に降り立つ。
夜風がドレスを揺らす中、私は仁王立ちで男たちを見据えた。
「おい、そこの不潔な集団」
私の第一声に、盗賊たちがギョッとして顔を見合わせる。
「あ? なんだこの女……」
「貴族の嬢ちゃんか? 威勢がいいな」
リーダー格らしい男が、下卑た笑みを浮かべて近づいてきた。
「へへ、金だけじゃなくて、嬢ちゃん自身も頂いていくとするか……」
「ストップ」
私は手で彼を制止した。
「近づかないで。汗臭さが風に乗ってこっちに来るわ」
「あぁ!?」
「それより、あなたたち。少し頭が悪すぎるんじゃない?」
私は呆れたように肩をすくめた。
「な、なんだと……!」
「計算してみなさいよ。ここは国境付近の街道よ? 私のような紋章付きの馬車が通るということは、当然、護衛がついている可能性が高い。もしくは、後から騎士団がパトロールに来る確率も高いエリアよ」
私は指を折りながら説明を始める。
「あなたたちの装備を見るに、手入れもされていない粗悪品ばかり。練度も低い。仮に私を襲って小銭を得たとして、その後に国境警備隊や騎士団に手配されるリスクを考えたことがあるの?」
「う……」
「捕まれば、この国の法律では盗賊行為は重罪。鉱山での強制労働二十年、もしくは死刑よ。たかだか数枚の金貨のために、人生の残りの時間をドブに捨てる気?」
男たちが動揺し始める。
「そ、そんなこと言ったってよぉ! 俺たちだって食うに困って……」
「食うに困って? だったら尚更、効率が悪すぎるわ!」
私はビシッと男を指差した。
「見てみなさい、この筋肉! 無駄についてるだけじゃない! その体力があるなら、隣国の開拓地に行けば『人夫募集・日当金貨一枚・三食昼寝付き』の求人が出てるわよ! なんでわざわざハイリスク・ローリターンの犯罪に手を染めるの!? バカなの!?」
「えっ……日当金貨一枚……?」
男たちがざわめく。
「本当かよ……」
「俺たち、ここで襲っても一人銀貨数枚にしかならねぇよな……」
「三食昼寝付き……?」
空気が変わった。
私は畳み掛けるように、懐から手帳を取り出した。
「ほら、これ。先週の求人情報誌の切り抜き。ガレリア帝国の土木工事現場よ。人手不足で猫の手も借りたい状況らしいわ。あなたたちみたいなゴロツキでも、現場監督が喜びの舞を踊って迎えてくれるはずよ」
私は切り抜きを千切って、リーダーの男に押し付けた。
男は呆然と紙を受け取る。
「字が読めないなら、あそこの関所に行って『仕事くれ』って言えばいいわ。紹介料は取らないであげる」
「あ、ありがとう……ごぜぇます……」
「わかったら、さっさと道を開けなさい! 私は急いでるの! あと、二度とその薄汚い顔を私の前に見せないでちょうだい。視界の汚染よ!」
「は、はいッ!」
「野郎ども! 撤収だ! 帝国へ行くぞ!」
「おう!!」
盗賊たちは、なぜか希望に満ちた目で私に一礼すると、蜘蛛の子を散らすように去っていった。
中には「お嬢様、一生ついていきます!」と叫ぶ者もいたが、丁重にお断りだ。
静寂が戻った街道。
私はパンパンと手の汚れを払うと、馬車に戻った。
「……お、お嬢様……」
御者が、幽霊でも見たような顔で私を見ている。
「な、何をしたんですか……?」
「何って? 再就職の斡旋よ」
私は涼しい顔で答えた。
「犯罪者を減らして、帝国の労働力を増やす。ついでに私の馬車の安全も確保する。一石三鳥の合理的な解決策でしょう? 彼らと戦って怪我をするなんて、治療費の無駄だもの」
「は、はあ……合理、的……?」
「さあ、邪魔者は消えたわ。出発して!」
「は、はい!」
馬車が再び動き出す。
私はグラスに残っていたジュースを一気に飲み干した。
「ふう、喋ったら喉が渇いたわ」
これだから世の中は非効率で溢れている。
私が指導して回らなければ、この大陸の経済損失は計り知れないわね。
そんなことを考えながら、私は再びクッションに身を沈めた。
だが、私は気づいていなかった。
この一部始終を、国境の森の陰から見つめる一対の目があることを。
『……面白い。あの盗賊団を、言葉だけで制圧するとは』
闇に溶け込むような黒いマントを羽織った男が、低く呟く。
『噂の悪役令嬢か……。報告よりも遥かに強烈だな』
男の口元に、獲物を見つけた猛獣のような笑みが浮かぶ。
『逃がさんぞ。私の退屈を紛らわせる玩具になってもらおうか』
馬車は、そんな危険人物が待ち構えているとも知らず、隣国ガレリア帝国へとひた走るのであった。
ガタゴトと揺れる馬車の中で、私は高らかに叫んだ。
手には最高級クリスタルグラス(※屋敷から持ち出した私物)。
中身は、先ほど休憩した村で調達した、ただの葡萄ジュースだ。
だが、気分は最高級のヴィンテージワインを飲んでいるに等しい。
「うーん、美味しい! これが『しがらみゼロ』の味ね!」
本来なら、この時間は翌日の公務スケジュールの確認をしている頃だ。
『カイル王子の詩集発表会の警備体制について』とかいう、この世で最も無意味な書類と格闘していたはずなのだ。
それがどうだ。
今の私は、誰の許可も得ずに足を組み、行儀悪くクッションにもたれかかっている。
御者台に通じる小窓をノックして、私は声をかけた。
「ねえ、運転手さん! あなたも一杯どう? あ、勤務中だから駄目ね。ボーナス弾むから安全運転で頼むわよ!」
「は、はい! ありがとうございます!」
御者の元気な声が返ってくる。
現金なものだが、労働への対価は即金で払うのが私の流儀だ。
トランクの中には、当面遊んで暮らせるだけの資金がある。
隣国の帝都に着いたら、まずは眺めのいいアパートを借りよう。
そして、昼まで寝て、午後はカフェで読書をし、夜はオペラ鑑賞。
投資で小銭を稼ぎつつ、悠々自適なセカンドライフを送るのだ。
「ふふふ……完璧すぎて怖いくらいだわ」
私は上機嫌でジュースをあおった。
その時だった。
ヒヒィィィン!!
突然、馬がいななき、馬車が急ブレーキをかけた。
私は勢い余って前の座席に突っ込みそうになる。
「きゃっ! な、何よ!? 乗り心地最悪じゃない!」
私はこめかみに青筋を立てて、小窓を開けた。
「ちょっと! 安全運転って言ったでしょ! 私の首をむち打ちにする気!?」
「も、申し訳ありません! ですが、その……!」
御者の声が恐怖で震えている。
「道が……塞がれておりまして……」
「はあ? 工事中?」
私が窓から顔を出そうとした瞬間、野太い声が響いてきた。
「おいおい、止まれ止まれぇ!」
「金目の物を置いていけば、命だけは助けてやるぜぇ!」
松明の明かり。
薄汚い格好をした男たちが十人ほど、道を塞ぐように立っていた。
手には錆びついた剣や斧を持っている。
典型的な、そして陳腐極まりない、盗賊団だ。
「ヒィッ! と、盗賊だぁ!」
御者が頭を抱えて縮こまる。
普通のご令嬢なら、ここで悲鳴を上げて気絶するシーンだ。
しかし、私は眉間の皺を深くしただけだった。
「……はあ」
深い、深い溜息が出る。
「せっかくの祝杯が台無しよ。雰囲気ぶち壊しじゃない」
私はグラスをホルダーに固定すると、バシッと馬車の扉を蹴り開けた。
「お嬢様!? 出ちゃダメです!」
御者の制止を無視して、私は地面に降り立つ。
夜風がドレスを揺らす中、私は仁王立ちで男たちを見据えた。
「おい、そこの不潔な集団」
私の第一声に、盗賊たちがギョッとして顔を見合わせる。
「あ? なんだこの女……」
「貴族の嬢ちゃんか? 威勢がいいな」
リーダー格らしい男が、下卑た笑みを浮かべて近づいてきた。
「へへ、金だけじゃなくて、嬢ちゃん自身も頂いていくとするか……」
「ストップ」
私は手で彼を制止した。
「近づかないで。汗臭さが風に乗ってこっちに来るわ」
「あぁ!?」
「それより、あなたたち。少し頭が悪すぎるんじゃない?」
私は呆れたように肩をすくめた。
「な、なんだと……!」
「計算してみなさいよ。ここは国境付近の街道よ? 私のような紋章付きの馬車が通るということは、当然、護衛がついている可能性が高い。もしくは、後から騎士団がパトロールに来る確率も高いエリアよ」
私は指を折りながら説明を始める。
「あなたたちの装備を見るに、手入れもされていない粗悪品ばかり。練度も低い。仮に私を襲って小銭を得たとして、その後に国境警備隊や騎士団に手配されるリスクを考えたことがあるの?」
「う……」
「捕まれば、この国の法律では盗賊行為は重罪。鉱山での強制労働二十年、もしくは死刑よ。たかだか数枚の金貨のために、人生の残りの時間をドブに捨てる気?」
男たちが動揺し始める。
「そ、そんなこと言ったってよぉ! 俺たちだって食うに困って……」
「食うに困って? だったら尚更、効率が悪すぎるわ!」
私はビシッと男を指差した。
「見てみなさい、この筋肉! 無駄についてるだけじゃない! その体力があるなら、隣国の開拓地に行けば『人夫募集・日当金貨一枚・三食昼寝付き』の求人が出てるわよ! なんでわざわざハイリスク・ローリターンの犯罪に手を染めるの!? バカなの!?」
「えっ……日当金貨一枚……?」
男たちがざわめく。
「本当かよ……」
「俺たち、ここで襲っても一人銀貨数枚にしかならねぇよな……」
「三食昼寝付き……?」
空気が変わった。
私は畳み掛けるように、懐から手帳を取り出した。
「ほら、これ。先週の求人情報誌の切り抜き。ガレリア帝国の土木工事現場よ。人手不足で猫の手も借りたい状況らしいわ。あなたたちみたいなゴロツキでも、現場監督が喜びの舞を踊って迎えてくれるはずよ」
私は切り抜きを千切って、リーダーの男に押し付けた。
男は呆然と紙を受け取る。
「字が読めないなら、あそこの関所に行って『仕事くれ』って言えばいいわ。紹介料は取らないであげる」
「あ、ありがとう……ごぜぇます……」
「わかったら、さっさと道を開けなさい! 私は急いでるの! あと、二度とその薄汚い顔を私の前に見せないでちょうだい。視界の汚染よ!」
「は、はいッ!」
「野郎ども! 撤収だ! 帝国へ行くぞ!」
「おう!!」
盗賊たちは、なぜか希望に満ちた目で私に一礼すると、蜘蛛の子を散らすように去っていった。
中には「お嬢様、一生ついていきます!」と叫ぶ者もいたが、丁重にお断りだ。
静寂が戻った街道。
私はパンパンと手の汚れを払うと、馬車に戻った。
「……お、お嬢様……」
御者が、幽霊でも見たような顔で私を見ている。
「な、何をしたんですか……?」
「何って? 再就職の斡旋よ」
私は涼しい顔で答えた。
「犯罪者を減らして、帝国の労働力を増やす。ついでに私の馬車の安全も確保する。一石三鳥の合理的な解決策でしょう? 彼らと戦って怪我をするなんて、治療費の無駄だもの」
「は、はあ……合理、的……?」
「さあ、邪魔者は消えたわ。出発して!」
「は、はい!」
馬車が再び動き出す。
私はグラスに残っていたジュースを一気に飲み干した。
「ふう、喋ったら喉が渇いたわ」
これだから世の中は非効率で溢れている。
私が指導して回らなければ、この大陸の経済損失は計り知れないわね。
そんなことを考えながら、私は再びクッションに身を沈めた。
だが、私は気づいていなかった。
この一部始終を、国境の森の陰から見つめる一対の目があることを。
『……面白い。あの盗賊団を、言葉だけで制圧するとは』
闇に溶け込むような黒いマントを羽織った男が、低く呟く。
『噂の悪役令嬢か……。報告よりも遥かに強烈だな』
男の口元に、獲物を見つけた猛獣のような笑みが浮かぶ。
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