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「やったわ! ついに国境越えよ!」
ガレリア帝国の領土に入った瞬間、私は馬車の窓から顔を出してガッツポーズをした。
空気の味すら違う気がする。
ここには「王妃教育」という名の拷問も、「カイル王子」という名の汚点も存在しない。
あるのは無限の可能性と、少し肌寒い北国の風だけだ。
「御者さん! 最寄りの町までノンストップでお願い! 宿についたら祝杯(二回目)よ!」
「へい! 任せてくだせぇ!」
御者もすっかり私のペースに巻き込まれ、元気よく鞭を振るう。
しかし、その快適な旅は開始五分で終了した。
「止まれ」
低く、しかしよく通る声が響いた。
馬車の前に、一人の男が立ちはだかっている。
「……また?」
私はこめかみを押さえた。
さっきは薄汚い盗賊だったが、今度は違う。
黒い軍馬に跨り、漆黒のマントを羽織った騎士だ。
月明かりに照らされたその姿は、一枚の絵画のように美しい。
「検問だ。馬車の中を改めさせてもらう」
男が馬から降り、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
御者が怯えて道を譲る中、私は小窓からその男をじっくりと観察した。
(……顔が良いわね)
私の第一印象はそれだった。
鋭い切れ長の目、通った鼻筋、意志の強そうな唇。
ただの美形ではない。
冷ややかな威圧感と、知性を感じさせる「実務能力が高そうな顔」だ。
カイル王子のような「無駄にキラキラした顔」とは格が違う。
(でも、国境警備兵にしては装備が良すぎるわね。あの剣の装飾、魔銀ミスリルじゃない? 公務員の給料であれが買えるの? まさか汚職……?)
職業病(元・公爵令嬢としての監査癖)が発動しかけたが、私は頭を振った。
いけない、私はもう自由人だ。
他国の公務員の懐事情なんて知ったことではない。
ガチャリ、と扉が開けられる。
「降りろとは言わない。だが、顔を見せてもらう」
男が馬車の中を覗き込んでくる。
至近距離で見ても、やはり顔が良い。
肌のキメが細かい。
徹夜明けでも化粧ノリが良さそうな肌だ。羨ましい。
「こんばんは、兵隊さん。夜遅くまでご苦労様ね」
私は営業スマイル全開で挨拶した。
「怪しい者じゃないわ。ただの傷心旅行中の、可憐な令嬢よ」
「……可憐?」
男が片眉を上げる。
「ええ、見ての通りよ。か弱い乙女が一人旅。涙を拭くハンカチが手放せないの」
私は懐からハンカチを取り出し、嘘泣きのふりをした。
男は無表情のまま、私の顔と、馬車の中に積み上げられた大量のトランクを交互に見る。
「……荷物が多すぎるな。密輸か?」
「失礼ね! これは私の生活必需品よ! 枕が変わると眠れないし、シーツはシルクじゃないと肌荒れするし、ティーセットはお気に入りのブランドじゃないと味が変わるの!」
「……逃亡者の言い訳に聞こえるが」
「あら、鋭い」
私は思わず素に戻った。
男の目がスッと細められる。
「やはり訳ありか。身分証を」
「はいはい、これでしょう」
私はパスポート代わりの身分証を彼に投げ渡した。
男はそれをキャッチし、中身を確認する。
「……ミリオネ・ラ・ベル・フルール公爵令嬢。隣国の貴族か」
「元、ね。今はただの一般市民ミリオネよ」
「……婚約者は、カイル第一王子とあるが」
その名前が出た瞬間、私の笑顔がピクリと引きつった。
「その名前を出さないでくださる? 蕁麻疹が出そう」
「……ほう?」
「あんな優良物件に見せかけた欠陥住宅の話はしたくないの。今はリフォーム……じゃなくて、新しい人生を模索中なのよ」
男は身分証を私に返すと、興味深そうに私を見つめた。
「カイル王子との婚約破棄を望んで、国を出たということか」
「正解。賞品はないけど」
「普通、女は泣いて縋るものだと思っていたが」
「効率が悪いでしょ。泣いて彼がまともになるなら一生分泣いてやるけど、あの馬鹿は水分を与えると増長するタイプだもの。切り捨てるのが最適解よ」
私が言い放つと、男の口元が微かに緩んだ気がした。
笑った? いや、幻覚か。
この氷のような男が笑うはずがない。
「……面白い評価だ」
「事実よ。それより兵隊さん、あなた名前は?」
「……アレクと呼べ」
「アレクさんね。あなた、良い顔をしてるわね」
「は?」
唐突な言葉に、アレクが初めて動揺を見せた。
私は身を乗り出し、彼の顔を指差す。
「その顔面偏差値と、無駄のない所作。ただの国境警備兵にしておくのは惜しいわ。どう? 私の専属護衛にならない?」
「……俺を雇うと?」
「ええ。給料は今の三倍出すわ。福利厚生も完備。週休二日制で、残業代もきっちり払う。業務内容は私の荷物持ちと、害虫(主に元婚約者)の駆除よ。悪くない条件でしょう?」
アレクは目を丸くした後、肩を震わせて堪えるような仕草をした。
「……く、くく……」
「何よ、笑うことないじゃない」
「いや……私を金で買おうとした女は、君が初めてだ」
「あら、買えないものなんてないわよ。愛以外はね。愛はお金で買えないけど、お金があれば愛に似た快適な環境は整えられるの」
私は真顔で力説する。
アレクは咳払いを一つして、真面目な顔に戻った。
「……残念だが、今は公務中だ。兼業は禁止されている」
「ちっ、堅物ね。まあいいわ、気が向いたら連絡して。帝国での連絡先は……まだ決まってないけど、一番高いホテルに泊まってるはずだから」
「……覚えておこう」
アレクは馬車の扉を閉め、一歩下がった。
「行っていい。だが、夜道は危険だ。この先は森が深い」
「忠告ありがとう。でも大丈夫、私には最強の武器があるから」
私は懐の財布をポンと叩いた。
「金と話術があれば、大抵の猛獣は飼い慣らせるわ」
「……君の場合、猛獣の方が逃げ出しそうだがな」
「何か言った?」
「いや。気をつけて行け、ミリオネ嬢」
アレクが軽く手を振る。
その仕草すら、どこか洗練されていて優雅だった。
「ごきげんよう、イケメン兵隊さん!」
馬車が再び動き出す。
私は窓から身を乗り出し、遠ざかる彼の姿が見えなくなるまで手を振った。
「あーあ、惜しかったわね。あんな逸材が国境の警備なんて。ガレリア帝国も人材配置が下手くそなんじゃない?」
私はドスンとシートに座り直した。
「ま、目の保養にはなったわ。幸先が良いスタートね!」
一方、その頃。
夜の街道に残されたアレク――変装を解く気配もない皇帝アレクシスは、遠ざかる馬車を見送っていた。
「……陛下」
森の茂みから、数人の騎士が姿を現し、跪く。
「よろしいのですか? 身分を明かさずに」
「ああ。今はまだ、このままでいい」
アレクシスは口元に手を当て、楽しげに笑った。
「『欠陥住宅』か……。他国の王族をあそこまで的確に罵倒するとはな」
彼の中にある、氷のような退屈が溶け始めていた。
「カイル王子が捨てたのは、石ころではなくダイヤモンドだったようだな。……もっとも、研磨されすぎて触れるだけで切れそうだが」
アレクシスは馬に飛び乗ると、部下たちに指示を出した。
「全軍、撤収する。王都へ戻るぞ」
「はっ! しかし、視察は……」
「終わった。面白い獲物を見つけたのでな」
皇帝の目は、肉食獣のように輝いていた。
「急げ。彼女が『一番高いホテル』に着く前に、先回りして歓迎の準備をしてやらねばな」
何も知らない私は、その時、馬車の中で優雅に二度目の葡萄ジュースを開けていた。
まさか、自ら「冷徹帝」の檻に飛び込んでいくことになるとは露知らず。
ガレリア帝国の領土に入った瞬間、私は馬車の窓から顔を出してガッツポーズをした。
空気の味すら違う気がする。
ここには「王妃教育」という名の拷問も、「カイル王子」という名の汚点も存在しない。
あるのは無限の可能性と、少し肌寒い北国の風だけだ。
「御者さん! 最寄りの町までノンストップでお願い! 宿についたら祝杯(二回目)よ!」
「へい! 任せてくだせぇ!」
御者もすっかり私のペースに巻き込まれ、元気よく鞭を振るう。
しかし、その快適な旅は開始五分で終了した。
「止まれ」
低く、しかしよく通る声が響いた。
馬車の前に、一人の男が立ちはだかっている。
「……また?」
私はこめかみを押さえた。
さっきは薄汚い盗賊だったが、今度は違う。
黒い軍馬に跨り、漆黒のマントを羽織った騎士だ。
月明かりに照らされたその姿は、一枚の絵画のように美しい。
「検問だ。馬車の中を改めさせてもらう」
男が馬から降り、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
御者が怯えて道を譲る中、私は小窓からその男をじっくりと観察した。
(……顔が良いわね)
私の第一印象はそれだった。
鋭い切れ長の目、通った鼻筋、意志の強そうな唇。
ただの美形ではない。
冷ややかな威圧感と、知性を感じさせる「実務能力が高そうな顔」だ。
カイル王子のような「無駄にキラキラした顔」とは格が違う。
(でも、国境警備兵にしては装備が良すぎるわね。あの剣の装飾、魔銀ミスリルじゃない? 公務員の給料であれが買えるの? まさか汚職……?)
職業病(元・公爵令嬢としての監査癖)が発動しかけたが、私は頭を振った。
いけない、私はもう自由人だ。
他国の公務員の懐事情なんて知ったことではない。
ガチャリ、と扉が開けられる。
「降りろとは言わない。だが、顔を見せてもらう」
男が馬車の中を覗き込んでくる。
至近距離で見ても、やはり顔が良い。
肌のキメが細かい。
徹夜明けでも化粧ノリが良さそうな肌だ。羨ましい。
「こんばんは、兵隊さん。夜遅くまでご苦労様ね」
私は営業スマイル全開で挨拶した。
「怪しい者じゃないわ。ただの傷心旅行中の、可憐な令嬢よ」
「……可憐?」
男が片眉を上げる。
「ええ、見ての通りよ。か弱い乙女が一人旅。涙を拭くハンカチが手放せないの」
私は懐からハンカチを取り出し、嘘泣きのふりをした。
男は無表情のまま、私の顔と、馬車の中に積み上げられた大量のトランクを交互に見る。
「……荷物が多すぎるな。密輸か?」
「失礼ね! これは私の生活必需品よ! 枕が変わると眠れないし、シーツはシルクじゃないと肌荒れするし、ティーセットはお気に入りのブランドじゃないと味が変わるの!」
「……逃亡者の言い訳に聞こえるが」
「あら、鋭い」
私は思わず素に戻った。
男の目がスッと細められる。
「やはり訳ありか。身分証を」
「はいはい、これでしょう」
私はパスポート代わりの身分証を彼に投げ渡した。
男はそれをキャッチし、中身を確認する。
「……ミリオネ・ラ・ベル・フルール公爵令嬢。隣国の貴族か」
「元、ね。今はただの一般市民ミリオネよ」
「……婚約者は、カイル第一王子とあるが」
その名前が出た瞬間、私の笑顔がピクリと引きつった。
「その名前を出さないでくださる? 蕁麻疹が出そう」
「……ほう?」
「あんな優良物件に見せかけた欠陥住宅の話はしたくないの。今はリフォーム……じゃなくて、新しい人生を模索中なのよ」
男は身分証を私に返すと、興味深そうに私を見つめた。
「カイル王子との婚約破棄を望んで、国を出たということか」
「正解。賞品はないけど」
「普通、女は泣いて縋るものだと思っていたが」
「効率が悪いでしょ。泣いて彼がまともになるなら一生分泣いてやるけど、あの馬鹿は水分を与えると増長するタイプだもの。切り捨てるのが最適解よ」
私が言い放つと、男の口元が微かに緩んだ気がした。
笑った? いや、幻覚か。
この氷のような男が笑うはずがない。
「……面白い評価だ」
「事実よ。それより兵隊さん、あなた名前は?」
「……アレクと呼べ」
「アレクさんね。あなた、良い顔をしてるわね」
「は?」
唐突な言葉に、アレクが初めて動揺を見せた。
私は身を乗り出し、彼の顔を指差す。
「その顔面偏差値と、無駄のない所作。ただの国境警備兵にしておくのは惜しいわ。どう? 私の専属護衛にならない?」
「……俺を雇うと?」
「ええ。給料は今の三倍出すわ。福利厚生も完備。週休二日制で、残業代もきっちり払う。業務内容は私の荷物持ちと、害虫(主に元婚約者)の駆除よ。悪くない条件でしょう?」
アレクは目を丸くした後、肩を震わせて堪えるような仕草をした。
「……く、くく……」
「何よ、笑うことないじゃない」
「いや……私を金で買おうとした女は、君が初めてだ」
「あら、買えないものなんてないわよ。愛以外はね。愛はお金で買えないけど、お金があれば愛に似た快適な環境は整えられるの」
私は真顔で力説する。
アレクは咳払いを一つして、真面目な顔に戻った。
「……残念だが、今は公務中だ。兼業は禁止されている」
「ちっ、堅物ね。まあいいわ、気が向いたら連絡して。帝国での連絡先は……まだ決まってないけど、一番高いホテルに泊まってるはずだから」
「……覚えておこう」
アレクは馬車の扉を閉め、一歩下がった。
「行っていい。だが、夜道は危険だ。この先は森が深い」
「忠告ありがとう。でも大丈夫、私には最強の武器があるから」
私は懐の財布をポンと叩いた。
「金と話術があれば、大抵の猛獣は飼い慣らせるわ」
「……君の場合、猛獣の方が逃げ出しそうだがな」
「何か言った?」
「いや。気をつけて行け、ミリオネ嬢」
アレクが軽く手を振る。
その仕草すら、どこか洗練されていて優雅だった。
「ごきげんよう、イケメン兵隊さん!」
馬車が再び動き出す。
私は窓から身を乗り出し、遠ざかる彼の姿が見えなくなるまで手を振った。
「あーあ、惜しかったわね。あんな逸材が国境の警備なんて。ガレリア帝国も人材配置が下手くそなんじゃない?」
私はドスンとシートに座り直した。
「ま、目の保養にはなったわ。幸先が良いスタートね!」
一方、その頃。
夜の街道に残されたアレク――変装を解く気配もない皇帝アレクシスは、遠ざかる馬車を見送っていた。
「……陛下」
森の茂みから、数人の騎士が姿を現し、跪く。
「よろしいのですか? 身分を明かさずに」
「ああ。今はまだ、このままでいい」
アレクシスは口元に手を当て、楽しげに笑った。
「『欠陥住宅』か……。他国の王族をあそこまで的確に罵倒するとはな」
彼の中にある、氷のような退屈が溶け始めていた。
「カイル王子が捨てたのは、石ころではなくダイヤモンドだったようだな。……もっとも、研磨されすぎて触れるだけで切れそうだが」
アレクシスは馬に飛び乗ると、部下たちに指示を出した。
「全軍、撤収する。王都へ戻るぞ」
「はっ! しかし、視察は……」
「終わった。面白い獲物を見つけたのでな」
皇帝の目は、肉食獣のように輝いていた。
「急げ。彼女が『一番高いホテル』に着く前に、先回りして歓迎の準備をしてやらねばな」
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