9 / 28
9
しおりを挟む
「……暇だわ」
私は城の廊下を徘徊しながら、盛大なため息をついた。
ニート生活三日目。
快適なベッド、美味しい食事、読み放題の本。
夢のような生活だが、致命的な欠陥があった。
「運動不足よ。このままだと、ドレスのファスナーが悲鳴を上げることになるわ」
私は自分のウエストをつまんだ。
まだ大丈夫。まだ余裕はある。
だが、予防こそ最大の防御だ。
私はカロリー消費のために、城内探検という名の散歩に出ることにしたのだ。
「あっちが東棟だから……こっちは行政エリアかしら?」
絨毯敷きの重厚な廊下を歩いていると、どこからか怒号が聞こえてきた。
「だから! 予算が足りないと言っているだろう!」
「しかし、このままでは堤防工事が止まってしまいます!」
「財務省は何をやっているんだ! 数字が合わないぞ!」
男たちの悲鳴にも似た叫び声。
私はピタリと足を止めた。
「……騒々しいわね」
私の安らかな散歩タイムを妨害する騒音。
普通なら関わらないように引き返す場面だが、私の足は勝手に声のする方へと向かっていた。
なぜか?
怒鳴り声の中に、聞き覚えのある「あの男」の冷ややかな声が混じっていたからだ。
『……言い訳はいい。解決策を出せ』
アレクの声だ。
私は少しだけ興味が湧き、重厚な扉を少しだけ開けて隙間から覗き込んだ。
そこは大会議室だった。
長いテーブルの上には書類が山積みになり、数十人の文官たちが頭を抱えている。
そして上座には、不機嫌オーラ全開のアレクシスが腕組みをして座っていた。
「陛下! 昨年の不作による税収減が響いております! これ以上の予算捻出は不可能です!」
「北部の補修工事は必須です! これを削れば、次の冬には村が水没します!」
「あっちを立てればこっちが立たず……どうすれば……」
地獄絵図だ。
私は扉の隙間から、彼らがホワイトボードに書いている数字を眺めた。
『A地区予算:5000万ガルド』
『資材費高騰による赤字:-300万ガルド』
『人件費:2000万ガルド(※予備費込み)』
ふむ。
私は目を細める。
(……バカなの?)
一瞬で違和感に気づいた。
あまりにも初歩的でお粗末なミス。
それを見逃して「金がない」と騒いでいる彼らが滑稽に見えてくる。
「……あー、イライラする」
喉元まで出かかった言葉を飲み込もうとしたが、無理だった。
私は間違いを見ると指摘せずにはいられない体質なのだ。
バンッ!
私は扉を勢いよく開け放った。
「うるさいわね! 廊下まで声が漏れてるわよ!」
突然の侵入者に、会議室の空気が凍りつく。
「な、何だ貴様は!」
「部外者か!? 衛兵、つまみ出せ!」
文官たちが騒ぎ立てる中、上座のアレクシスだけが少し目を見開き、そして口角を上げた。
「……待て。彼女は私の客だ」
「きゃ、客!?」
「ミリオネ。散歩か?」
「ええ。でも騒音公害のせいで台無しよ」
私はツカツカと部屋の中に入っていくと、ホワイトボードの前に立った。
「あなたたち、さっきから『金がない』って騒いでるけど、目が節穴なの?」
「な、なんだと小娘!」
「ここよ、ここ」
私はチョークを掴むと、ホワイトボードの一点をカツンと叩いた。
「この『人件費:2000万ガルド』。内訳がおかしいわ。作業員一人当たりの日当計算が、相場の1.5倍になってる。しかも、工期が『雨天中止』を考慮せずに最短日数で組まれてるから、予備費が無駄に膨れ上がってるのよ」
「は……?」
文官の一人がポカンと口を開ける。
私は構わず続ける。
「この地域の今の時期は乾季よ。雨なんてほとんど降らないわ。つまり『雨天予備日』の人件費は丸ごとカットできる。さらに、資材費の赤字300万ガルド……これ、計算式が間違ってるわよ。単価×数量じゃなくて、単価+数量になってるじゃない。小学生の算数ドリルからやり直したら?」
私は猛スピードで黒板の数字を書き換えていく。
「予備日を削除してマイナス500万。計算ミスを修正してプラス300万。さらに、この資材調達ルートを隣国の業社から帝国内の『鉄鋼ギルド』に切り替えれば、関税分が浮くからマイナス200万」
カツカツカツカツ!
チョークが折れそうな勢いで走る。
「はい、合計1000万ガルドの浮きが出たわ。これで堤防工事もできるし、余った金で打ち上げのビール代も出るわよ。解決!」
私はチョークを放り投げ、パンパンと手の粉を払った。
静寂。
完全なる沈黙が会議室を支配する。
文官たちは、幽霊でも見るような目で私とホワイトボードを交互に見ていた。
「……ほ、本当だ……」
一人の財務官が震える声で呟いた。
「計算が……合っている……」
「馬鹿な……我々が三日徹夜しても出なかった答えを、一瞬で……?」
「資材ルートの変更など、盲点だった……!」
ざわめきが広がる。
私はふんと鼻を鳴らした。
「視点が狭いのよ。机の上で電卓叩いてないで、現場の気候と流通相場を調べなさい。これだからお役所仕事は嫌いなの」
言い放って、私は踵を返した。
「じゃ、私は散歩に戻るから。二度とうるさい声を出さないでね」
「待て」
背後から、楽しそうな、しかし絶対に逃がさないという意志のこもった声がかかった。
振り返ると、アレクシスが立ち上がっていた。
「……なによ」
「素晴らしい。感動した」
彼はゆっくりと拍手をした。
「私の部下が束になっても敵わない知性だ。やはり、君は私の補佐官になるべきだ」
「断る」
私は即答した。
「今のはボランティアよ。気まぐれ。二度とやらないわ」
「報酬は弾むぞ? 君が欲しがっていた『南国の完熟マンゴー』を取り寄せてもいい」
「……っ!」
私の足が止まる。
マンゴー。
この北国ガレリアでは決して手に入らない、幻の果実。
「……そ、そんなもので釣られると思ってるの? 私は誇り高い……」
「さらに、特別ボーナスとして『最新式魔導マッサージチェア』もつけよう」
「……」
私はゆっくりと振り返った。
「……条件があるわ」
「言ってみろ」
「勤務時間は一日二時間まで。残業なし。会議への出席は任意。私が『飽きた』と言ったら即解散。それでどう?」
文官たちが「ふざけるな!」と叫ぼうとしたが、アレクシスがそれを手で制した。
「いいだろう。採用だ」
「えっ、いいの?」
「君の二時間は、彼らの三日分に相当する。コストパフォーマンスは最高だ」
アレクシスはニヤリと笑った。
「ようこそ、我が帝国の財務顧問へ。ミリオネ」
「……ちっ、また乗せられた気がする」
私は舌打ちをした。
まあいい。マンゴーとマッサージチェアのためだ。
それに、彼らの無能な計算を見ていると蕁麻疹が出そうだったから、精神衛生上も自分でやった方がマシかもしれない。
「わかったわよ。とりあえず、その山積みの書類、半分寄越しなさい。ゴミと重要書類を仕分けしてあげるから」
「おお……! なんと頼もしい!」
「女神だ! 毒舌の女神様だ!」
文官たちが涙を流して拝み始める。
「拝むな! 気色が悪い! さっさと仕事に戻れ!」
私の怒号が響き渡る。
こうして、私の「優雅なニート生活」は、わずか三日で崩壊し、「帝国最強の毒舌財務顧問」としてのキャリアが幕を開けてしまったのだった。
(……おかしいわね。私はただ、散歩をしていただけなのに)
ホワイトボードの前でチョークを握らされながら、私は首を傾げた。
アレクシスが、横で実に楽しそうに私を見ているのが、最高に腹立たしかった。
私は城の廊下を徘徊しながら、盛大なため息をついた。
ニート生活三日目。
快適なベッド、美味しい食事、読み放題の本。
夢のような生活だが、致命的な欠陥があった。
「運動不足よ。このままだと、ドレスのファスナーが悲鳴を上げることになるわ」
私は自分のウエストをつまんだ。
まだ大丈夫。まだ余裕はある。
だが、予防こそ最大の防御だ。
私はカロリー消費のために、城内探検という名の散歩に出ることにしたのだ。
「あっちが東棟だから……こっちは行政エリアかしら?」
絨毯敷きの重厚な廊下を歩いていると、どこからか怒号が聞こえてきた。
「だから! 予算が足りないと言っているだろう!」
「しかし、このままでは堤防工事が止まってしまいます!」
「財務省は何をやっているんだ! 数字が合わないぞ!」
男たちの悲鳴にも似た叫び声。
私はピタリと足を止めた。
「……騒々しいわね」
私の安らかな散歩タイムを妨害する騒音。
普通なら関わらないように引き返す場面だが、私の足は勝手に声のする方へと向かっていた。
なぜか?
怒鳴り声の中に、聞き覚えのある「あの男」の冷ややかな声が混じっていたからだ。
『……言い訳はいい。解決策を出せ』
アレクの声だ。
私は少しだけ興味が湧き、重厚な扉を少しだけ開けて隙間から覗き込んだ。
そこは大会議室だった。
長いテーブルの上には書類が山積みになり、数十人の文官たちが頭を抱えている。
そして上座には、不機嫌オーラ全開のアレクシスが腕組みをして座っていた。
「陛下! 昨年の不作による税収減が響いております! これ以上の予算捻出は不可能です!」
「北部の補修工事は必須です! これを削れば、次の冬には村が水没します!」
「あっちを立てればこっちが立たず……どうすれば……」
地獄絵図だ。
私は扉の隙間から、彼らがホワイトボードに書いている数字を眺めた。
『A地区予算:5000万ガルド』
『資材費高騰による赤字:-300万ガルド』
『人件費:2000万ガルド(※予備費込み)』
ふむ。
私は目を細める。
(……バカなの?)
一瞬で違和感に気づいた。
あまりにも初歩的でお粗末なミス。
それを見逃して「金がない」と騒いでいる彼らが滑稽に見えてくる。
「……あー、イライラする」
喉元まで出かかった言葉を飲み込もうとしたが、無理だった。
私は間違いを見ると指摘せずにはいられない体質なのだ。
バンッ!
私は扉を勢いよく開け放った。
「うるさいわね! 廊下まで声が漏れてるわよ!」
突然の侵入者に、会議室の空気が凍りつく。
「な、何だ貴様は!」
「部外者か!? 衛兵、つまみ出せ!」
文官たちが騒ぎ立てる中、上座のアレクシスだけが少し目を見開き、そして口角を上げた。
「……待て。彼女は私の客だ」
「きゃ、客!?」
「ミリオネ。散歩か?」
「ええ。でも騒音公害のせいで台無しよ」
私はツカツカと部屋の中に入っていくと、ホワイトボードの前に立った。
「あなたたち、さっきから『金がない』って騒いでるけど、目が節穴なの?」
「な、なんだと小娘!」
「ここよ、ここ」
私はチョークを掴むと、ホワイトボードの一点をカツンと叩いた。
「この『人件費:2000万ガルド』。内訳がおかしいわ。作業員一人当たりの日当計算が、相場の1.5倍になってる。しかも、工期が『雨天中止』を考慮せずに最短日数で組まれてるから、予備費が無駄に膨れ上がってるのよ」
「は……?」
文官の一人がポカンと口を開ける。
私は構わず続ける。
「この地域の今の時期は乾季よ。雨なんてほとんど降らないわ。つまり『雨天予備日』の人件費は丸ごとカットできる。さらに、資材費の赤字300万ガルド……これ、計算式が間違ってるわよ。単価×数量じゃなくて、単価+数量になってるじゃない。小学生の算数ドリルからやり直したら?」
私は猛スピードで黒板の数字を書き換えていく。
「予備日を削除してマイナス500万。計算ミスを修正してプラス300万。さらに、この資材調達ルートを隣国の業社から帝国内の『鉄鋼ギルド』に切り替えれば、関税分が浮くからマイナス200万」
カツカツカツカツ!
チョークが折れそうな勢いで走る。
「はい、合計1000万ガルドの浮きが出たわ。これで堤防工事もできるし、余った金で打ち上げのビール代も出るわよ。解決!」
私はチョークを放り投げ、パンパンと手の粉を払った。
静寂。
完全なる沈黙が会議室を支配する。
文官たちは、幽霊でも見るような目で私とホワイトボードを交互に見ていた。
「……ほ、本当だ……」
一人の財務官が震える声で呟いた。
「計算が……合っている……」
「馬鹿な……我々が三日徹夜しても出なかった答えを、一瞬で……?」
「資材ルートの変更など、盲点だった……!」
ざわめきが広がる。
私はふんと鼻を鳴らした。
「視点が狭いのよ。机の上で電卓叩いてないで、現場の気候と流通相場を調べなさい。これだからお役所仕事は嫌いなの」
言い放って、私は踵を返した。
「じゃ、私は散歩に戻るから。二度とうるさい声を出さないでね」
「待て」
背後から、楽しそうな、しかし絶対に逃がさないという意志のこもった声がかかった。
振り返ると、アレクシスが立ち上がっていた。
「……なによ」
「素晴らしい。感動した」
彼はゆっくりと拍手をした。
「私の部下が束になっても敵わない知性だ。やはり、君は私の補佐官になるべきだ」
「断る」
私は即答した。
「今のはボランティアよ。気まぐれ。二度とやらないわ」
「報酬は弾むぞ? 君が欲しがっていた『南国の完熟マンゴー』を取り寄せてもいい」
「……っ!」
私の足が止まる。
マンゴー。
この北国ガレリアでは決して手に入らない、幻の果実。
「……そ、そんなもので釣られると思ってるの? 私は誇り高い……」
「さらに、特別ボーナスとして『最新式魔導マッサージチェア』もつけよう」
「……」
私はゆっくりと振り返った。
「……条件があるわ」
「言ってみろ」
「勤務時間は一日二時間まで。残業なし。会議への出席は任意。私が『飽きた』と言ったら即解散。それでどう?」
文官たちが「ふざけるな!」と叫ぼうとしたが、アレクシスがそれを手で制した。
「いいだろう。採用だ」
「えっ、いいの?」
「君の二時間は、彼らの三日分に相当する。コストパフォーマンスは最高だ」
アレクシスはニヤリと笑った。
「ようこそ、我が帝国の財務顧問へ。ミリオネ」
「……ちっ、また乗せられた気がする」
私は舌打ちをした。
まあいい。マンゴーとマッサージチェアのためだ。
それに、彼らの無能な計算を見ていると蕁麻疹が出そうだったから、精神衛生上も自分でやった方がマシかもしれない。
「わかったわよ。とりあえず、その山積みの書類、半分寄越しなさい。ゴミと重要書類を仕分けしてあげるから」
「おお……! なんと頼もしい!」
「女神だ! 毒舌の女神様だ!」
文官たちが涙を流して拝み始める。
「拝むな! 気色が悪い! さっさと仕事に戻れ!」
私の怒号が響き渡る。
こうして、私の「優雅なニート生活」は、わずか三日で崩壊し、「帝国最強の毒舌財務顧問」としてのキャリアが幕を開けてしまったのだった。
(……おかしいわね。私はただ、散歩をしていただけなのに)
ホワイトボードの前でチョークを握らされながら、私は首を傾げた。
アレクシスが、横で実に楽しそうに私を見ているのが、最高に腹立たしかった。
0
あなたにおすすめの小説
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
もう散々泣いて悔やんだから、過去に戻ったら絶対に間違えない
もーりんもも
恋愛
セラフィネは一目惚れで結婚した夫に裏切られ、満足な食事も与えられず自宅に軟禁されていた。
……私が馬鹿だった。それは分かっているけど悔しい。夫と出会う前からやり直したい。 そのチャンスを手に入れたセラフィネは復讐を誓う――。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる