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「メメリア。今日の昼は空いているか?」
午前の業務が一段落し、私が伸びをしていた時だった。
ギルバート殿下が、珍しく執務の手を止めて声をかけてきた。
「空いてはいますが……何か緊急案件(トラブル)ですか? またどこかの大臣が予算案に噛みつきました?」
私は即座に戦闘モードに入りかけ、手元の計算機を引き寄せた。
しかし、殿下は苦笑して首を横に振った。
「違う。たまには息抜きも必要だと言っているんだ。天気もいい。テラスで一緒に食事でもどうだ?」
「食事……ですか?」
私は眉をひそめた。
上司との食事。
それは、一般的に「パワーランチ」と呼ばれる、食事の場を借りた延長会議のことだ。
(なるほど。執務室では話しにくい、機密性の高い案件ね。裏帳簿の相談か、あるいは人事の粛清計画か……)
私の勘が、ビジネスの匂いを嗅ぎ取った。
「わかりました。同席させていただきます。……資料はどれを持っていけば?」
「何もいらない。体一つで来てくれ」
「手ぶらで? ……ははーん、さては『記憶力』を試されるテストですね? 望むところです」
私は勝手に納得し、殿下の後に続いた。
案内されたのは、王宮の庭園を見下ろす、白亜の美しいテラスだった。
テーブルには純白のクロスがかけられ、季節の花が飾られている。
そして、給仕たちが恭しく銀の食器を並べていた。
「わあ……」
思わず感嘆の声が漏れた。
「どうだ? 気に入ったか?」
殿下が優しげな瞳で私を見る。
「ええ、素晴らしいです! このクロスの刺繍、手縫いですね。市場価格で一枚五千ルピは下らない。それにこの銀食器、磨き上げの手間賃(メンテナンスコスト)を考えると気が遠くなりますが、資産価値としては安定しています!」
「……そこを見るのか」
殿下は少し肩を落としたが、すぐに気を取り直して椅子を引いてくれた。
「まあいい。座ってくれ。今日はシェフに腕を振るわせた」
「ありがとうございます」
私は着席し、運ばれてきた前菜を見つめた。
旬の野菜と、近海で獲れた魚介のカルパッチョ。彩りが美しい。
「乾杯しようか。君の……その、入宮以来の働きに感謝して」
殿下がグラスを掲げる。
「僭越ながら」
カチン、とグラスを合わせる。
一口飲むと、芳醇な果実の香りが鼻孔をくすぐった。
「美味しい……。これ、年代物のヴィンテージですね?」
「ああ。私の生まれ年のものだ。……どうだ、メメリア。この国の生活には慣れたか?」
殿下がグラスを揺らしながら、穏やかなトーンで尋ねてくる。
これは、アイスブレイク(導入雑談)だ。本題に入る前の空気作り。
私は慎重に答えた。
「ええ、非常に快適です。住環境もよし、職場環境も(私が掃除したので)よし。何より、残業代がしっかり出るのが最高です」
「そうか。それはよかった。……君は、プライベートではどんなことに興味があるんだ? 休日は何をしている?」
「休日ですか? そうですね……」
私はフォークを動かしながら考えた。
「市場調査(ウィンドウショッピング)をして物価の変動を確認したり、新規オープンの店の客入りをカウンターで数えたり、あとは……貯金通帳を眺めてニヤニヤしたりしています」
「……随分と実利的な休日だな。色恋とか、そういう浮ついた話はないのか?」
殿下が身を乗り出してくる。
(来たわね、本題)
色恋の話。つまり、「ハニートラップ対策」あるいは「王族の結婚に伴う予算編成」の話題か。
私はキリッと表情を引き締めた。
「殿下。私は合理的であることを信条としています。『恋愛』という不確定要素(バグ)は、私の人生設計においてリスクが高いと判断し、現在はポートフォリオから外しております」
「……ポートフォリオから外している?」
「はい。感情の起伏によるパフォーマンスの低下、デート代という交際費の増大、そして別れた時の精神的ダメージ(サンクコスト)。これらを計算すると、恋愛の投資対効果(ROI)は極めて低いと言わざるを得ません」
私が淡々と述べると、殿下は頭を抱えた。
「君というやつは……。そこまで徹底していると、逆に清々しいな」
「恐縮です。……ところで殿下、そろそろ本題に入りませんか?」
「本題?」
「ええ。この豪勢なランチ、ただの慰労会ではありませんよね? 何か私に提案させたい『裏の案件』があるのでは?」
私はスープ皿を指差した。
そこには、黄色くなめらかなポタージュが入っていた。
「このスープ、『カボチャ』ですよね?」
「ああ、そうだが……」
「今、市場ではカボチャが豊作で値崩れを起こしています。逆に、小麦は不作で高騰中。……殿下、まさか私に『余剰農産物の有効活用策』を考えさせようとしているのですか?」
殿下がポカンとしている。
私は畳み掛けた。
「鋭いご指摘(フリ)ですわ、殿下! 確かに、このカボチャをどう消費するかは国益に関わる問題。……そうです! 学校給食です!」
「……はい?」
私の脳内で、シナプスがバチバチと繋がった。
「王都の学校給食、現在はパンとチーズが主流ですが、これを『カボチャのシチュー』に切り替えるのです! そうすれば、値崩れしたカボチャを大量消費でき、農家の所得補償にもなる。さらに、輸入に頼っている小麦の消費を抑えられ、外貨流出も防げる!」
私はナプキンを取り出し、懐からペンを出して裏に計算式を書きなぐり始めた。
「食材原価率の低減……輸送コストの最適化……栄養価の向上……。いける! これなら給食費を二割カットしつつ、子供たちの満足度も上げられます!」
「ちょ、ちょっと待てメメリア。今は食事中だぞ」
「食べてる場合じゃありません! 殿下、このアイデア、今すぐ教育部と農務省に回しましょう! 私が企画書を書きます!」
私は立ち上がった。
私の目には、もはや殿下の整った顔も、美しい景色も映っていない。
映っているのは、削減される膨大なコストと、健全化される財政グラフだけだ。
「座りたまえ! これは命令だ!」
殿下が少し大きな声を出した。
私はハッとして動きを止めた。
「あ……申し訳ありません。つい、熱が入ってしまい……」
しゅんとして座り直す。
殿下は深いため息をついた後、呆れたように、しかしどこか楽しそうに笑った。
「まったく……。君を口説こうとして、給食のメニュー改善案が出てくるとは思わなかったよ」
「え? 口説く?」
「……いや、独り言だ」
殿下は小さく首を振り、自分のスープを一口飲んだ。
「だが、悪くない案だ。カボチャのシチューか。子供たちも喜ぶだろう」
「でしょう!? 甘みがありますし、腹持ちもいいんです!」
「わかった、わかったから。その話は食後だ。今は……この料理と、私との時間を楽しんでくれないか?」
殿下が真剣な眼差しを向けてくる。
その瞳の奥に、何か熱っぽい色が揺れているような気がした。
(……? なんだろう、このプレッシャーは。予算委員会での答弁よりも緊張するわ)
私は心拍数が少し上がっているのを感じながら、誤魔化すようにスープを口に運んだ。
「……美味しいですね、このスープ」
「ああ。君と一緒に食べると、格別だ」
殿下の言葉の意味を、私は「有能な部下と議論しながら食べる飯は美味い」という意味だと解釈した。
「ええ、わかります! 生産性のある会話は、最高のスパイスですからね!」
私が満面の笑みで答えると、殿下はガクッとテーブルに突っ伏した。
「……前途多難だな」
「殿下? どうされました? もしかして食あたりですか!?」
「違う。……胸焼けだ」
殿下が顔を上げる。その表情は、どこか吹っ切れたような明るさがあった。
「いいだろう、メメリア。長期戦は覚悟の上だ。いつか君のその計算機のような頭脳を、私のことでエラーを吐かせてやる」
「エラー? お断りします。私の計算にバグはありません」
「どうかな。……さあ、メインディッシュが来たぞ」
運ばれてきたのは、肉厚なステーキだった。
私たちはその後、給食の物流ルートについて激論を交わしながら(殿下はたまに遠い目をしながら)、ランチを完食した。
結果として。
この日のランチデート……もといパワーランチにより、王都の給食メニューは劇的に改善され、子供たちから「カボチャのお姉ちゃん」と感謝されることになるのだが、それはまた別の話である。
そして私はまだ気づいていなかった。
ギルバート殿下が、私の企画書の承認印を押すたびに、どこか愛おしそうな目で見つめていたことに。
「ごちそうさまでした! 経費で落ちますよね?」
「……ああ、私のポケットマネーからな」
私の問いに、殿下は苦笑いで答えたのだった。
午前の業務が一段落し、私が伸びをしていた時だった。
ギルバート殿下が、珍しく執務の手を止めて声をかけてきた。
「空いてはいますが……何か緊急案件(トラブル)ですか? またどこかの大臣が予算案に噛みつきました?」
私は即座に戦闘モードに入りかけ、手元の計算機を引き寄せた。
しかし、殿下は苦笑して首を横に振った。
「違う。たまには息抜きも必要だと言っているんだ。天気もいい。テラスで一緒に食事でもどうだ?」
「食事……ですか?」
私は眉をひそめた。
上司との食事。
それは、一般的に「パワーランチ」と呼ばれる、食事の場を借りた延長会議のことだ。
(なるほど。執務室では話しにくい、機密性の高い案件ね。裏帳簿の相談か、あるいは人事の粛清計画か……)
私の勘が、ビジネスの匂いを嗅ぎ取った。
「わかりました。同席させていただきます。……資料はどれを持っていけば?」
「何もいらない。体一つで来てくれ」
「手ぶらで? ……ははーん、さては『記憶力』を試されるテストですね? 望むところです」
私は勝手に納得し、殿下の後に続いた。
案内されたのは、王宮の庭園を見下ろす、白亜の美しいテラスだった。
テーブルには純白のクロスがかけられ、季節の花が飾られている。
そして、給仕たちが恭しく銀の食器を並べていた。
「わあ……」
思わず感嘆の声が漏れた。
「どうだ? 気に入ったか?」
殿下が優しげな瞳で私を見る。
「ええ、素晴らしいです! このクロスの刺繍、手縫いですね。市場価格で一枚五千ルピは下らない。それにこの銀食器、磨き上げの手間賃(メンテナンスコスト)を考えると気が遠くなりますが、資産価値としては安定しています!」
「……そこを見るのか」
殿下は少し肩を落としたが、すぐに気を取り直して椅子を引いてくれた。
「まあいい。座ってくれ。今日はシェフに腕を振るわせた」
「ありがとうございます」
私は着席し、運ばれてきた前菜を見つめた。
旬の野菜と、近海で獲れた魚介のカルパッチョ。彩りが美しい。
「乾杯しようか。君の……その、入宮以来の働きに感謝して」
殿下がグラスを掲げる。
「僭越ながら」
カチン、とグラスを合わせる。
一口飲むと、芳醇な果実の香りが鼻孔をくすぐった。
「美味しい……。これ、年代物のヴィンテージですね?」
「ああ。私の生まれ年のものだ。……どうだ、メメリア。この国の生活には慣れたか?」
殿下がグラスを揺らしながら、穏やかなトーンで尋ねてくる。
これは、アイスブレイク(導入雑談)だ。本題に入る前の空気作り。
私は慎重に答えた。
「ええ、非常に快適です。住環境もよし、職場環境も(私が掃除したので)よし。何より、残業代がしっかり出るのが最高です」
「そうか。それはよかった。……君は、プライベートではどんなことに興味があるんだ? 休日は何をしている?」
「休日ですか? そうですね……」
私はフォークを動かしながら考えた。
「市場調査(ウィンドウショッピング)をして物価の変動を確認したり、新規オープンの店の客入りをカウンターで数えたり、あとは……貯金通帳を眺めてニヤニヤしたりしています」
「……随分と実利的な休日だな。色恋とか、そういう浮ついた話はないのか?」
殿下が身を乗り出してくる。
(来たわね、本題)
色恋の話。つまり、「ハニートラップ対策」あるいは「王族の結婚に伴う予算編成」の話題か。
私はキリッと表情を引き締めた。
「殿下。私は合理的であることを信条としています。『恋愛』という不確定要素(バグ)は、私の人生設計においてリスクが高いと判断し、現在はポートフォリオから外しております」
「……ポートフォリオから外している?」
「はい。感情の起伏によるパフォーマンスの低下、デート代という交際費の増大、そして別れた時の精神的ダメージ(サンクコスト)。これらを計算すると、恋愛の投資対効果(ROI)は極めて低いと言わざるを得ません」
私が淡々と述べると、殿下は頭を抱えた。
「君というやつは……。そこまで徹底していると、逆に清々しいな」
「恐縮です。……ところで殿下、そろそろ本題に入りませんか?」
「本題?」
「ええ。この豪勢なランチ、ただの慰労会ではありませんよね? 何か私に提案させたい『裏の案件』があるのでは?」
私はスープ皿を指差した。
そこには、黄色くなめらかなポタージュが入っていた。
「このスープ、『カボチャ』ですよね?」
「ああ、そうだが……」
「今、市場ではカボチャが豊作で値崩れを起こしています。逆に、小麦は不作で高騰中。……殿下、まさか私に『余剰農産物の有効活用策』を考えさせようとしているのですか?」
殿下がポカンとしている。
私は畳み掛けた。
「鋭いご指摘(フリ)ですわ、殿下! 確かに、このカボチャをどう消費するかは国益に関わる問題。……そうです! 学校給食です!」
「……はい?」
私の脳内で、シナプスがバチバチと繋がった。
「王都の学校給食、現在はパンとチーズが主流ですが、これを『カボチャのシチュー』に切り替えるのです! そうすれば、値崩れしたカボチャを大量消費でき、農家の所得補償にもなる。さらに、輸入に頼っている小麦の消費を抑えられ、外貨流出も防げる!」
私はナプキンを取り出し、懐からペンを出して裏に計算式を書きなぐり始めた。
「食材原価率の低減……輸送コストの最適化……栄養価の向上……。いける! これなら給食費を二割カットしつつ、子供たちの満足度も上げられます!」
「ちょ、ちょっと待てメメリア。今は食事中だぞ」
「食べてる場合じゃありません! 殿下、このアイデア、今すぐ教育部と農務省に回しましょう! 私が企画書を書きます!」
私は立ち上がった。
私の目には、もはや殿下の整った顔も、美しい景色も映っていない。
映っているのは、削減される膨大なコストと、健全化される財政グラフだけだ。
「座りたまえ! これは命令だ!」
殿下が少し大きな声を出した。
私はハッとして動きを止めた。
「あ……申し訳ありません。つい、熱が入ってしまい……」
しゅんとして座り直す。
殿下は深いため息をついた後、呆れたように、しかしどこか楽しそうに笑った。
「まったく……。君を口説こうとして、給食のメニュー改善案が出てくるとは思わなかったよ」
「え? 口説く?」
「……いや、独り言だ」
殿下は小さく首を振り、自分のスープを一口飲んだ。
「だが、悪くない案だ。カボチャのシチューか。子供たちも喜ぶだろう」
「でしょう!? 甘みがありますし、腹持ちもいいんです!」
「わかった、わかったから。その話は食後だ。今は……この料理と、私との時間を楽しんでくれないか?」
殿下が真剣な眼差しを向けてくる。
その瞳の奥に、何か熱っぽい色が揺れているような気がした。
(……? なんだろう、このプレッシャーは。予算委員会での答弁よりも緊張するわ)
私は心拍数が少し上がっているのを感じながら、誤魔化すようにスープを口に運んだ。
「……美味しいですね、このスープ」
「ああ。君と一緒に食べると、格別だ」
殿下の言葉の意味を、私は「有能な部下と議論しながら食べる飯は美味い」という意味だと解釈した。
「ええ、わかります! 生産性のある会話は、最高のスパイスですからね!」
私が満面の笑みで答えると、殿下はガクッとテーブルに突っ伏した。
「……前途多難だな」
「殿下? どうされました? もしかして食あたりですか!?」
「違う。……胸焼けだ」
殿下が顔を上げる。その表情は、どこか吹っ切れたような明るさがあった。
「いいだろう、メメリア。長期戦は覚悟の上だ。いつか君のその計算機のような頭脳を、私のことでエラーを吐かせてやる」
「エラー? お断りします。私の計算にバグはありません」
「どうかな。……さあ、メインディッシュが来たぞ」
運ばれてきたのは、肉厚なステーキだった。
私たちはその後、給食の物流ルートについて激論を交わしながら(殿下はたまに遠い目をしながら)、ランチを完食した。
結果として。
この日のランチデート……もといパワーランチにより、王都の給食メニューは劇的に改善され、子供たちから「カボチャのお姉ちゃん」と感謝されることになるのだが、それはまた別の話である。
そして私はまだ気づいていなかった。
ギルバート殿下が、私の企画書の承認印を押すたびに、どこか愛おしそうな目で見つめていたことに。
「ごちそうさまでした! 経費で落ちますよね?」
「……ああ、私のポケットマネーからな」
私の問いに、殿下は苦笑いで答えたのだった。
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