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国境を越えた瞬間、空気が変わった。
文字通りの意味で、匂いが変わったのだ。
馬車の窓を開けていた私は、鼻をくんくんと鳴らした。
「……ソルト。なんだか、すごく良い匂いがしない?」
対面に座っていたソルトが、無表情で頷く。
「はい、お嬢様。これは桜のチップで肉を燻した匂いと、焦がし醤油の香ばしい香りですね」
「最高じゃない」
「さらに風に乗って、ブラックペッパーとガーリックの香りも漂ってきます」
「天国かしら、ここは」
私は身を乗り出して、窓の外を見渡した。
そこには、我が国とは全く異なる景色が広がっていた。
パステルカラーの可愛らしい建物が並ぶ私の国とは違い、ロースト公爵領の建物はレンガ造りで重厚だ。
そして、至る所から煙突が突き出し、白い煙がたなびいている。
街全体が巨大な厨房のような活気に満ちていた。
「すごいわね。すれ違う人たちの顔つきも違うわ」
「そうですね。我が国の民が『今日のケーキは何かな』という顔をしているのに対し、こちらの民は『今のビールにはどのソーセージが合うか』という真剣な眼差しをしています」
「信頼できるわ。この国とは気が合いそう」
私は満足げに頷き、トランクから携帯用スルメを取り出した。
この香ばしい空気の中で齧るスルメは、また格別な味がする。
馬車は石畳の道を軽快に進んでいく。
やがて、街一番の高台にそびえ立つ、巨大な屋敷が見えてきた。
ロースト公爵邸だ。
「……なんか、お城みたいね」
「要塞のようですね。外壁の色が、よく焼けたベーコンのような色をしています」
「美味しそうな例えはやめて。お腹が空くから」
門番に招待状を見せると、重々しい鉄の門がゆっくりと開いた。
敷地内に入っても、その独特な雰囲気は変わらない。
手入れされた庭園には、色とりどりの花ではなく、ハーブや香辛料の木々が植えられている。
「あれはローズマリー、そっちはバジル、奥にあるのは鷹の爪ですね」
「実用性しかないわね」
「徹底しています。さすがは『おつまみ狂』の公爵様です」
馬車寄せに到着すると、一人の老紳士が待っていた。
背筋が定規のように伸びた、銀髪の執事だ。
彼は馬車の扉を開け、恭しく頭を下げた。
「ようこそおいでくださいました、カシュー・ナッツ侯爵令嬢。私は当家の執事を務めております、ペッパーと申します」
「ペッパー。……また刺激的な名前ね」
「恐れ入ります。旦那様からは『ピリリと辛い忠言をするのが仕事』と言われております」
ペッパー執事は、私が降りる際に手を貸してくれた。
その動作は洗練されているが、どこか隙がない。
「長旅でお疲れでしょう。旦那様は現在、執務中……いえ、新しい燻製器の試運転中でして」
「試運転?」
「はい。夕食までには戻られる予定です。それまで、客間にておくつろぎください」
「わかったわ。……ところで、この屋敷から漂う匂いは何?」
私が鼻をひくつかせると、ペッパーは微かに口角を上げた。
「本日のメインディッシュ、厚切りベーコンのハニーマスタードソース添えの仕込み中でございます」
「……」
私は思わず喉を鳴らしてしまった。
ペッパーの目が、キラリと光る。
「お気に召しましたか?」
「ええ、とても。甘ったるいお菓子より、よほどそそられるわ」
「左様でございますか。旦那様が仰っていた通りですね。『彼女なら、この香りの価値がわかるはずだ』と」
「公爵様は、私の何を知っているのかしら?」
「全てを、とは申し上げませんが。……少なくとも、貴女様が『甘いだけの男』に胃もたれしていたことはご存知のようです」
含みのある言い方だ。
やはり、ただの変人ではないらしい。
私は警戒心を強めつつも、案内された屋敷の中へと足を踏み入れた。
内装もまた、シックで落ち着いた雰囲気だ。
ダークブラウンを基調とした家具に、間接照明が温かみを添えている。
通された客間は、広々としていて居心地が良さそうだった。
「お荷物は後ほどお運びします。何かご要望は?」
「そうね。……とりあえず、水をお願い。それと、もしあればでいいのだけれど」
「何なりと」
「軽くつまめるものを。塩気のあるものがいいわ」
ペッパーは深く一礼した。
「心得ております。自家製のジャーキーと、スパイシーナッツをご用意しましょう」
「……完璧ね」
執事が退室すると、私はソファーに深く沈み込んだ。
ふぅ、と息を吐く。
「ソルト。この屋敷、レベルが高いわ」
「はい。使用人の動きにも無駄がありません。それに、廊下の隅にホコリ一つ落ちていませんでした」
「そこじゃないわよ。……あんな美味しそうなメニューを、平然と出してくるあたりがよ」
「お嬢様、食い気が勝っています」
ソルトが冷めたお茶を淹れてくれた。
私はそれを受け取り、窓の外を眺める。
夕暮れ時の街は、さらに活気づいているように見えた。
ここでの生活は、私の国での窮屈な日々とは比べ物にならないほど刺激的になりそうだ。
「それにしても、アーモンド公爵か……」
一体、どんな人物なのだろう。
噂では、無類の酒好きで、女性には興味がない変人だと言われている。
そんな彼が、なぜ私を?
「歯ごたえがある、ねぇ」
私は自分の二の腕をつまんでみた。
別に硬くはない。
むしろ、マシュ・マロほどではないにせよ、それなりに柔らかいはずだ。
「物理的な意味ではないと信じたいわね」
その時だった。
コンコン、と控えめなノックの音がした。
「はい」
「失礼します。……旦那様がお戻りになりました」
ペッパーの声だ。
「早いのね」
「はい。『極上のナッツが届いたのに、燻製器なんか見てる場合か』と仰って、飛んで帰ってこられました」
「……食材扱いされている気がするのだけれど」
「ご挨拶に伺いたいとのことですが、いかがなさいますか?」
私はドレスの裾を直し、居住まいを正した。
いよいよ対面だ。
「ええ、構わないわ。お通しして」
「承知いたしました」
扉が開く。
そこに立っていたのは、想像していた「変人」のイメージとはかけ離れた人物だった。
長身痩躯。
少し色素の薄い茶色の髪を無造作にかき上げ、琥珀色の瞳がこちらを射抜くように見ている。
整った顔立ちだが、その目元には悪戯な子供のような光が宿っていた。
彼は部屋に入ってくるなり、私をまじまじと見つめた。
そして、開口一番。
「……素晴らしい」
低い、けれどよく響く声だった。
「初めまして、ロースト公爵。カシュー・ナッツです」
私が立ち上がって礼をしようとすると、彼は大股で近づき、私の手を取った。
「礼など不要だ。それより、よく来てくれた。待ちわびていたよ、私の『最高傑作』」
「……はい?」
「その目だ! その、他者に媚びない、塩のように辛辣で冷ややかな目! 肖像画で見た以上に素晴らしい!」
彼は私の手を握ったまま、うっとりと目を細めた。
「カシュー嬢。君からは、極上の塩気を感じる。私の人生に足りなかった、最後のスパイスだ」
「あの、公爵様?」
「アーモンドでいい。……さあ、結婚しよう」
「は?」
出会って五秒で求婚。
しかも、理由が「塩気を感じるから」。
私は呆気にとられつつも、ナッツ家の娘としての本能で切り返した。
「お断りします」
「なぜだ!?」
「私、会ったばかりの方と結婚する趣味はありません。それに、私は人間です。調味料ではありません」
ピシャリと言い放つと、アーモンド公爵はショックを受けるどころか、さらに顔を輝かせた。
「いい……! その即答、その拒絶! やはり君は期待通りだ!」
「……頭、大丈夫ですか?」
「最高だ! その毒舌こそが、酒を進ませるのだ!」
彼は高らかに笑い出した。
私はソルトと顔を見合わせる。
ソルトが小さく首を横に振った。
『お嬢様、これは手遅れです』
そんな声が聞こえた気がした。
どうやら私は、とんでもない変人の巣窟に来てしまったらしい。
しかし、不思議と不快感はなかった。
彼の笑顔には、ピーナン殿下のような裏表や、マシュのような粘着質さが微塵もなかったからだ。
ただ純粋に、変なだけだ。
「……先が思いやられるわね」
私は小さく呟き、目の前で笑い続ける公爵を、どこか冷めた目で見つめ返した。
私の新しい生活は、こうして前途多難な幕開けを迎えたのである。
文字通りの意味で、匂いが変わったのだ。
馬車の窓を開けていた私は、鼻をくんくんと鳴らした。
「……ソルト。なんだか、すごく良い匂いがしない?」
対面に座っていたソルトが、無表情で頷く。
「はい、お嬢様。これは桜のチップで肉を燻した匂いと、焦がし醤油の香ばしい香りですね」
「最高じゃない」
「さらに風に乗って、ブラックペッパーとガーリックの香りも漂ってきます」
「天国かしら、ここは」
私は身を乗り出して、窓の外を見渡した。
そこには、我が国とは全く異なる景色が広がっていた。
パステルカラーの可愛らしい建物が並ぶ私の国とは違い、ロースト公爵領の建物はレンガ造りで重厚だ。
そして、至る所から煙突が突き出し、白い煙がたなびいている。
街全体が巨大な厨房のような活気に満ちていた。
「すごいわね。すれ違う人たちの顔つきも違うわ」
「そうですね。我が国の民が『今日のケーキは何かな』という顔をしているのに対し、こちらの民は『今のビールにはどのソーセージが合うか』という真剣な眼差しをしています」
「信頼できるわ。この国とは気が合いそう」
私は満足げに頷き、トランクから携帯用スルメを取り出した。
この香ばしい空気の中で齧るスルメは、また格別な味がする。
馬車は石畳の道を軽快に進んでいく。
やがて、街一番の高台にそびえ立つ、巨大な屋敷が見えてきた。
ロースト公爵邸だ。
「……なんか、お城みたいね」
「要塞のようですね。外壁の色が、よく焼けたベーコンのような色をしています」
「美味しそうな例えはやめて。お腹が空くから」
門番に招待状を見せると、重々しい鉄の門がゆっくりと開いた。
敷地内に入っても、その独特な雰囲気は変わらない。
手入れされた庭園には、色とりどりの花ではなく、ハーブや香辛料の木々が植えられている。
「あれはローズマリー、そっちはバジル、奥にあるのは鷹の爪ですね」
「実用性しかないわね」
「徹底しています。さすがは『おつまみ狂』の公爵様です」
馬車寄せに到着すると、一人の老紳士が待っていた。
背筋が定規のように伸びた、銀髪の執事だ。
彼は馬車の扉を開け、恭しく頭を下げた。
「ようこそおいでくださいました、カシュー・ナッツ侯爵令嬢。私は当家の執事を務めております、ペッパーと申します」
「ペッパー。……また刺激的な名前ね」
「恐れ入ります。旦那様からは『ピリリと辛い忠言をするのが仕事』と言われております」
ペッパー執事は、私が降りる際に手を貸してくれた。
その動作は洗練されているが、どこか隙がない。
「長旅でお疲れでしょう。旦那様は現在、執務中……いえ、新しい燻製器の試運転中でして」
「試運転?」
「はい。夕食までには戻られる予定です。それまで、客間にておくつろぎください」
「わかったわ。……ところで、この屋敷から漂う匂いは何?」
私が鼻をひくつかせると、ペッパーは微かに口角を上げた。
「本日のメインディッシュ、厚切りベーコンのハニーマスタードソース添えの仕込み中でございます」
「……」
私は思わず喉を鳴らしてしまった。
ペッパーの目が、キラリと光る。
「お気に召しましたか?」
「ええ、とても。甘ったるいお菓子より、よほどそそられるわ」
「左様でございますか。旦那様が仰っていた通りですね。『彼女なら、この香りの価値がわかるはずだ』と」
「公爵様は、私の何を知っているのかしら?」
「全てを、とは申し上げませんが。……少なくとも、貴女様が『甘いだけの男』に胃もたれしていたことはご存知のようです」
含みのある言い方だ。
やはり、ただの変人ではないらしい。
私は警戒心を強めつつも、案内された屋敷の中へと足を踏み入れた。
内装もまた、シックで落ち着いた雰囲気だ。
ダークブラウンを基調とした家具に、間接照明が温かみを添えている。
通された客間は、広々としていて居心地が良さそうだった。
「お荷物は後ほどお運びします。何かご要望は?」
「そうね。……とりあえず、水をお願い。それと、もしあればでいいのだけれど」
「何なりと」
「軽くつまめるものを。塩気のあるものがいいわ」
ペッパーは深く一礼した。
「心得ております。自家製のジャーキーと、スパイシーナッツをご用意しましょう」
「……完璧ね」
執事が退室すると、私はソファーに深く沈み込んだ。
ふぅ、と息を吐く。
「ソルト。この屋敷、レベルが高いわ」
「はい。使用人の動きにも無駄がありません。それに、廊下の隅にホコリ一つ落ちていませんでした」
「そこじゃないわよ。……あんな美味しそうなメニューを、平然と出してくるあたりがよ」
「お嬢様、食い気が勝っています」
ソルトが冷めたお茶を淹れてくれた。
私はそれを受け取り、窓の外を眺める。
夕暮れ時の街は、さらに活気づいているように見えた。
ここでの生活は、私の国での窮屈な日々とは比べ物にならないほど刺激的になりそうだ。
「それにしても、アーモンド公爵か……」
一体、どんな人物なのだろう。
噂では、無類の酒好きで、女性には興味がない変人だと言われている。
そんな彼が、なぜ私を?
「歯ごたえがある、ねぇ」
私は自分の二の腕をつまんでみた。
別に硬くはない。
むしろ、マシュ・マロほどではないにせよ、それなりに柔らかいはずだ。
「物理的な意味ではないと信じたいわね」
その時だった。
コンコン、と控えめなノックの音がした。
「はい」
「失礼します。……旦那様がお戻りになりました」
ペッパーの声だ。
「早いのね」
「はい。『極上のナッツが届いたのに、燻製器なんか見てる場合か』と仰って、飛んで帰ってこられました」
「……食材扱いされている気がするのだけれど」
「ご挨拶に伺いたいとのことですが、いかがなさいますか?」
私はドレスの裾を直し、居住まいを正した。
いよいよ対面だ。
「ええ、構わないわ。お通しして」
「承知いたしました」
扉が開く。
そこに立っていたのは、想像していた「変人」のイメージとはかけ離れた人物だった。
長身痩躯。
少し色素の薄い茶色の髪を無造作にかき上げ、琥珀色の瞳がこちらを射抜くように見ている。
整った顔立ちだが、その目元には悪戯な子供のような光が宿っていた。
彼は部屋に入ってくるなり、私をまじまじと見つめた。
そして、開口一番。
「……素晴らしい」
低い、けれどよく響く声だった。
「初めまして、ロースト公爵。カシュー・ナッツです」
私が立ち上がって礼をしようとすると、彼は大股で近づき、私の手を取った。
「礼など不要だ。それより、よく来てくれた。待ちわびていたよ、私の『最高傑作』」
「……はい?」
「その目だ! その、他者に媚びない、塩のように辛辣で冷ややかな目! 肖像画で見た以上に素晴らしい!」
彼は私の手を握ったまま、うっとりと目を細めた。
「カシュー嬢。君からは、極上の塩気を感じる。私の人生に足りなかった、最後のスパイスだ」
「あの、公爵様?」
「アーモンドでいい。……さあ、結婚しよう」
「は?」
出会って五秒で求婚。
しかも、理由が「塩気を感じるから」。
私は呆気にとられつつも、ナッツ家の娘としての本能で切り返した。
「お断りします」
「なぜだ!?」
「私、会ったばかりの方と結婚する趣味はありません。それに、私は人間です。調味料ではありません」
ピシャリと言い放つと、アーモンド公爵はショックを受けるどころか、さらに顔を輝かせた。
「いい……! その即答、その拒絶! やはり君は期待通りだ!」
「……頭、大丈夫ですか?」
「最高だ! その毒舌こそが、酒を進ませるのだ!」
彼は高らかに笑い出した。
私はソルトと顔を見合わせる。
ソルトが小さく首を横に振った。
『お嬢様、これは手遅れです』
そんな声が聞こえた気がした。
どうやら私は、とんでもない変人の巣窟に来てしまったらしい。
しかし、不思議と不快感はなかった。
彼の笑顔には、ピーナン殿下のような裏表や、マシュのような粘着質さが微塵もなかったからだ。
ただ純粋に、変なだけだ。
「……先が思いやられるわね」
私は小さく呟き、目の前で笑い続ける公爵を、どこか冷めた目で見つめ返した。
私の新しい生活は、こうして前途多難な幕開けを迎えたのである。
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