悪役令嬢、自由になれたので憧れの田舎暮らしを満喫しようとしたら拾われた。

黒猫かの

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「……重いです、閣下」

私は馬車の中で、首元をさすりながら訴えた。

揺れるたびに、胸元でジャラリと音がする。

「我慢しろ。それが『公爵家の威光』の重さだ」

向かいの席で、アレクセイ公爵が涼しい顔で答える。

今夜は王城での舞踏会。

私は、先日の「着せ替えごっこ」で仕立てたミッドナイトブルーのドレスに身を包んでいる。

そして首には、公爵家の蔵から引っ張り出してきたという、鶏の卵くらいあるサファイアのネックレスが鎮座していた。

「威光というより、物理的な質量です。これ、肩こりで労災認定されますか?」

「安心しろ、マッサージ師を手配してやる」

公爵は私の軽口をさらりと受け流す。

彼もまた、今夜は正装だ。

漆黒の燕尾服に、銀糸の刺繍が入ったマント。

整えられた銀髪と、氷のようなブルーの瞳。

黙って座っているだけで、その空間の気温が五度は下がっている気がする。

まさに「氷の公爵」。

私たちが並ぶと、どう見ても「魔王と、その配下の女幹部」という絵面だ。

「……それにしても、本当に私で良かったのですか?」

ふと、私は真面目なトーンで聞いた。

「私が隣に立つことで、閣下の評判に傷がつくかもしれません。今の私は『婚約破棄された傷物』で『性格の悪い悪役令嬢』ですから」

社交界の噂は怖い。

私の評判は、あの日以来、地に落ちているはずだ。

そんな私をパートナーに選べば、公爵まで「見る目がない」と陰口を叩かれる可能性がある。

しかし、公爵は鼻で笑った。

「評判? そんなもの、とうの昔に『冷酷無慈悲な氷の宰相』として定着している。今さら傷つく評判などない」

「開き直りましたか」

「それに、君を選んだのは計算尽くだ」

公爵は、窓の外に流れる王城の灯りを見つめながら言った。

「今の君は、腫れ物扱いだ。誰も君に触れようとはしないだろう。そして私も、畏怖の対象として誰も寄り付かない。……つまり」

公爵が私に向き直り、ニヤリと笑う。

「我々が組めば、無敵の『接近禁止領域』が完成する。煩わしい挨拶や、媚びへつらう連中をシャットアウトできるわけだ」

「なるほど。毒を持って毒を制す、ではなく、氷を持って毒を凍らせる作戦ですね」

「そういうことだ。君はただ、私の隣で、いつものように『計算が合わない時の顔』をしていればいい」

「通常運転でいいと」

「ああ。それだけで、周囲は勝手に怯えて道を空けるはずだ」

合理的だ。

私も、同情や嘲笑の視線に晒されるのは面倒だと思っていたところだ。

公爵の「威圧感」というバリアの中なら、平和にビュッフェを楽しめるかもしれない。

「到着しました」

御者の声と共に、馬車が停止する。

扉が開かれた。

まばゆい光と、音楽、そして人々のざわめきが流れ込んでくる。

「行くぞ、ジョアンナ」

公爵が手を差し出す。

白い手袋に包まれたその手は、優雅で、力強い。

私は深呼吸を一つして、その手に自分の手を重ねた。

「はい、閣下。……残業代、弾んでくださいね」

          ◇

王城の大広間へと続く大階段。

そこには、すでに多くの貴族たちが到着し、華やかな衣装を競い合っていた。

「おい、あれを見ろ……」

「ラインハルト公爵だ」

「相変わらず、凍てつくような美しさだわ……」

私たちが姿を現した瞬間、空気が変わった。

ざわめきが波紋のように広がり、そして静寂が訪れる。

公爵のエスコートで、私は階段をゆっくりと降りていく。

カツ、カツ、とヒールの音が響く。

視線が痛い。

数百人の視線が、一斉に私たちに突き刺さる。

「……あ、あれは……」

「まさか、ベルク伯爵令嬢?」

「先週、婚約破棄されたばかりの……?」

「なぜ彼女が公爵様のパートナーなんだ?」

「見ろ、あのドレス。……黒に近い青だわ」

「なんて不吉な……。まるで喪服じゃないの」

ひそひそ話が聞こえてくる。

予想通りだ。

婚約破棄直後の夜会に、ダークカラーのドレスで現れた私を、彼らは「当てつけ」や「絶望」の表現だと解釈しているらしい。

違う。これは公爵の趣味だ。

そして何より、食べこぼしのシミが目立たないという実用性を兼ね備えている。

「……ふん」

隣の公爵が、小さく鼻を鳴らした。

「道が空くぞ。見ていろ」

彼の言葉通りだった。

私たちが階段を降りきり、ホールへと足を踏み入れた瞬間。

サァーッ……と。

まるで海が割れるように、人垣が左右に分かれたのだ。

誰もが、私たちと目を合わせるのを恐れ、後ずさりしていく。

「すごい……モーゼの奇跡ですね」

「快適だろう?」

「ええ。これなら人混みに揉まれてドレスが皺になる心配もありません」

私たちは悠々と、無人のレッドカーペット(実際には床だが)を歩いた。

公爵は冷然とした表情で前を見据え、私はその半歩後ろで、極力「無」の表情を保つ。

それが、周囲にはこう映っていたらしい。

「ひっ……! 見ろ、あの目!」

「笑ってない……。公爵様も怖いが、令嬢の目が据わっている……」

「『私を捨てた国ごと呪ってやる』と言わんばかりの殺気だ」

「近づいたら氷漬けにされるぞ!」

ひどい言われようだ。

私はただ、「あの奥にあるローストビーフ、美味しそうだな」と考えていただけなのに。

「ジョアンナ、顔に出ているぞ」

公爵が小声で囁く。

「え? 殺気が?」

「いや。……『肉が食べたい』という欲望が」

「……読心術ですか?」

「君の目は分かりやすい。獲物を狙う猛獣の目だ」

公爵は可笑しそうに口元を歪めた。

その一瞬の微笑みに、周囲の令嬢たちが「きゃっ」と色めき立つ。

「公爵様が笑ったわ……」

「なんて退廃的な色気なの……」

「悪の華ね……」

私たちは、会場の壁際にある特等席(誰も近寄れないので結果的にそうなった)を確保した。

給仕が震える手でシャンパンを運んでくる。

「ありがとう」

私が礼を言ってグラスを受け取ると、給仕は「ひいいっ! 命だけは!」と小走りで逃げていった。

「……私、何かしました?」

「『ありがとう』の発音が、処刑宣告のように聞こえたのだろう」

公爵がシャンパンを一口飲む。

「さて、第一関門の『入場』はクリアだ。次は……」

公爵の視線が、会場の中央に向けられる。

そこには、ひときわ華やかな(そして騒がしい)一団がいた。

金髪の青年が、フリフリのピンク色のドレスを着た少女を侍らせ、大声で笑っている。

「……出たわね」

私は思わず呟いた。

エドワード殿下と、男爵令嬢リリーナだ。

彼らは、周囲の取り巻きたちに囲まれ、何やら楽しそうに談笑している。

まだ私たちの存在に気づいていないようだ。

「幸せそうだな、あの馬鹿は」

公爵が冷ややかに言う。

「財務省が大混乱に陥っていた間、自分はのんきに衣装選びか」

「まあ、平和でいいじゃないですか。彼が仕事に関わると、修正作業が増えるだけですし」

「辛辣だな。……だが、そろそろ気づく頃だ」

公爵の予言通りだった。

ふと、エドワード殿下が顔を上げ、周囲の異様な雰囲気に気づいた。

そして、人垣が避けてポツンと空いた空間にいる、私たちを見つけた。

殿下の目が点になる。

次いで、その目が驚愕に見開かれた。

「……ジョ、ジョアンナ!?」

殿下の声が響き渡る。

リリーナ嬢も振り返り、私を見て「げっ」という顔をした。

「どうしてここに!? 謹慎中のはずでは!?」

殿下がズカズカと歩み寄ってくる。

その後ろを、面白がった野次馬たちがついてくる。

あーあ。

せっかくの美味しいシャンパンが不味くなる。

私はグラスを置き、背筋を伸ばした。

「閣下、第二関門の『元婚約者対応』です。作戦は?」

「任せろ」

公爵はグラスを揺らしながら、ゆったりと構えた。

「君は黙って、私の後ろで『計算違いを見つけた時の顔』をしていればいい」

「……承知しました」

私はスイッチを切り替えた。

感情を殺し、相手を「修正すべき不具合データ」として認識するモードへ。

エドワード殿下が、私たちの目の前まで来て立ち止まる。

「叔父上! これはどういうことですか! なぜジョアンナがここに!」

「招待状を持っていたからだ。何か問題が?」

公爵が淡々と答える。

「問題大ありです! 彼女は僕に婚約破棄された身ですよ? 謹慎を命じたはずだ!」

「謹慎? 誰の権限で?」

「そ、それは僕の……」

「君にはまだ、貴族を処罰する法的権限はない。王命でない限り、彼女の行動は自由だ」

正論パンチ。

殿下がぐぬぬ、と言葉に詰まる。

すかさず、リリーナ嬢が殿下の腕にしがみつき、上目遣いで私を見た。

「エドワード様ぁ……怖いですぅ。ジョアンナ様、すごい顔で睨んでます……。やっぱり、まだエドワード様に未練があるんですね……」

その言葉に、殿下がハッとする。

そして、哀れみの眼差しを私に向けてきた。

「そうか……。そうだったな、ジョアンナ」

殿下が、あろうことか一歩近づいてきた。

「そんな暗い色のドレスを着て……。僕への当てつけか? それとも、僕を失った悲しみを表現しているのか?」

「……」

私は無言で公爵を見た。

『計算が合わない顔』を実行中だ。

しかし、殿下にはそれが『悲しみを堪える顔』に見えるらしい。

「可哀想に。公爵である叔父上に頼み込んでまで、僕に会いに来たんだね」

殿下のポジティブ変換機能は、今日も絶好調だった。

「だが、無駄だ! 僕の心はリリーナのものだ。君がどんなに装っても、もう戻れないんだよ!」

「……あの」

私はたまらず口を開きかけた。

「違います、これは……」

「言うな!」

殿下が手をかざして遮る。

「言葉にしなくていい。君のその瞳が語っている。『まだ愛している』と!」

会場中がざわめいた。

「まあ……やっぱりそうなの?」

「未練がましいわね……」

「公爵様を利用するなんて……」

誤解が拡散していく。

まずい。これでは公爵の名誉に関わる。

私が反論しようとした、その時だった。

「ふっ……」

隣で、冷ややかな笑い声が漏れた。

アレクセイ公爵だ。

彼は、まるで道端の石ころを見るような目で、甥である王子を見下ろしていた。

「……めでたいな、エドワード」

「な、なんですと?」

「その想像力の豊かさだけは褒めてやろう。だが、残念ながら計算式が間違っている」

公爵が、私の腰に手を回した。

えっ?

私が驚く間もなく、公爵は私をぐっと引き寄せた。

体温が伝わる距離。

公爵の氷の瞳が、挑発的に王子を射抜く。

「彼女は君に会いに来たのではない。……私と共にあるために、ここにいるのだ」

「は……?」

殿下がポカンと口を開ける。

公爵は、さらに爆弾を投下した。

「彼女は私の『右腕』であり、私の『隣』に立つ資格を持つ唯一の女性だ。……君如きが、彼女の視界に入っていると自惚れるな」

爆弾発言。

会場の時が止まった。

私も固まった。

(……閣下、言い方が誤解を招きます! 『仕事上のパートナー』って言ってください!)

しかし、公爵は楽しそうだった。

彼は私の耳元で、誰にも聞こえない声で囁いた。

「どうだ。これで、君への同情票は『公爵の女』への嫉妬票に変わる。……誰も君を『捨てられた可哀想な女』とは見なくなるぞ」

「……荒療治すぎます」

私は引きつった笑みを浮かべた。

殿下の顔色が、赤から青、そして白へと変わっていく。

「叔父上……まさか、あなたとジョアンナは……そういう関係なのですか!?」

「ご想像にお任せする。……だが、少なくとも」

公爵は私を見た。

その目は、いつになく優しかった。

「彼女のドレスも、その首の宝石も、全て私が選んだ。……君が贈った安物の装飾品より、よほど似合っていると思わないか?」

挑発完了。

殿下のプライドは粉々だ。

「くっ……! ジョアンナ! 騙されるな! 叔父上は冷血漢だぞ! 君を遊んでいるだけだ!」

殿下が叫ぶ。

私は、公爵の腕の中で、静かにため息をついた。

そして、初めて自分から言葉を発した。

「殿下」

よく通る声で、私は言った。

「私、計算が得意なのはご存知ですよね?」

「え? あ、ああ……」

「今の私の生活は、殿下といた頃に比べて、幸福度の数値が三倍、ストレス係数がマイナス五百、資産増加率が二百パーセントです」

私はニッコリと笑った。

今度は、心からの笑顔で。

「つまり、今の私は『黒字』です。……どうか、ご心配なく」

その一言は、どんな反論よりも重く、殿下の胸に突き刺さったようだった。

「くろ……じ……?」

殿下が呆然とする中、公爵が満足げに頷く。

「聞いたか? ……さあ、行こうか、ジョアンナ。ダンスの時間だ」

「えっ、踊るんですか? 私、ステップ忘れましたけど」

「私がリードする。……君はただ、私の足を踏まないように計算していればいい」

公爵は私を連れて、ホールの中央へと歩き出した。

呆然とするエドワード殿下とリリーナ嬢を置き去りにして。

音楽が始まる。

こうして、私たちは「悪役令嬢と冷徹公爵」として、鮮烈な社交界デビューを果たしたのだった。

だが、もちろん、これで終わるはずがなかった。

リリーナ嬢の目が、かつてない嫉妬の炎で燃え上がっていることに、私はまだ気づいていなかったのだ。
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