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「メリアドール・オルコット! 貴様のような冷酷非道な女との婚約は、今この瞬間をもって破棄する!」
王立学園の卒業パーティー。
華やかなシャンデリアの下、その怒声はよく響いた。
声の主は、この国の第一王子であり、私の婚約者であるジェラルド殿下だ。
彼は金色の髪を揺らし、守るように背後に一人の少女を庇っている。男爵令嬢のミナ様だ。
彼女は小動物のように震え、潤んだ瞳でこちらを見ていた。
会場中の視線が私に突き刺さる。
蔑み、嘲笑、そして哀れみ。
本来ならば、ここで悪役令嬢と名指しされた私は、顔面蒼白で崩れ落ちるか、ヒステリックに反論するのが“型”なのだろう。
けれど。
「――承知いたしました」
私は、間髪入れずに即答した。
表情筋一つ動かさず、至って平坦な声で。
会場が一瞬、静まり返る。
ジェラルド殿下が、予想外の反応に目を丸くした。
「……は?」
「聞こえませんでしたか殿下。承知いたしました、と申し上げたのです」
私は手元に持っていた扇を閉じ、ドレスのポケットからあるものを取り出した。
手のひらサイズの長方形の箱。
魔石を埋め込んだ、最新式の『魔導計算機』である。
「お、おいメリアドール。何を……」
「婚約破棄、謹んでお受けいたします。これ以上の不毛な関係継続は、我が家にとっても王家にとっても損失(コスト)にしかなりませんので」
私は殿下の言葉を遮り、慣れた手つきで計算機のボタンを押し始めた。
カチ、カチカチカチ。
静まり返った会場に、無機質な打鍵音が響き渡る。
「き、貴様! 悲しくないのか!? 長年連れ添った私との別れだぞ!?」
「悲しむ? なぜ私がそのような非生産的な感情処理を行わねばならないのです?」
カチカチ、ッターン。
「感情で事実は変わりません。今必要なのは涙ではなく、損益分岐点の確定です」
私は計算機から視線を外し、氷のように冷たいと言われる瞳で殿下を見据えた。
「なっ……こ、この冷血女め! やはりミナの言った通りだ。貴様には人の心がない!」
殿下が叫ぶと、背後のミナ様が「ひっ」と小さな悲鳴を上げてしがみつく。
「怖いですぅ、ジェラルド様ぁ……メリアドール様、そんな怖い顔で計算なんて……まるで私たちを値踏みしているみたい」
「値踏み? いえ、精算です」
私は淡々と訂正する。
「殿下。貴方様は先ほど、私を冷酷非道と仰いましたね。その根拠は、ミナ様へのイジメでしょうか?」
「そうだ! 貴様はミナの教科書を破り、階段から突き落とし、噴水に突き落としたそうではないか!」
「……ほう」
私はミナ様へと視線を流す。
彼女はビクリと肩を震わせたが、その口元が微かに歪んでいるのを私は見逃さなかった。
「では確認させていただきます。教科書が破られたのは先週の火曜日とのことですが、その日、私は領地経営の視察で不在でした。アリバイは使用人三十名と領民五百名が証明可能です」
「なっ……」
「次に階段からの突き落とし。現場は南校舎の階段とのことですが、あそこは常時、魔法防犯カメラが作動しています。記録を確認しましたが、ミナ様が一人で足を滑らせて転がり落ちる映像しか残っておりませんでした」
「う、嘘だ!」
「映像魔石は保管してあります。今ここで投影しましょうか?」
私がポケットから魔石を取り出そうとすると、ミナ様が慌てて殿下の腕を引いた。
「い、いいですぅ! ジェラルド様、もういいの。私さえ我慢すれば……!」
「ミ、ミナ……なんて健気なんだ……」
殿下は感動に打ち震えているが、周囲の貴族たちはざわつき始めていた。
私の提示した事実は、あまりにも具体的で反論の余地がないからだ。
「噴水に関しても同様です。物理演算を行いましたが、私の腕力でミナ様の位置から噴水の中央まで突き飛ばすには、トロール並みの筋力が必要です。私の筋肉量では物理的に不可能です」
論理的帰結。
これ以上ない完璧な証明だ。
「……そ、それで? 自分は無実だとでも言いたいのか?」
殿下は顔を赤くして食い下がる。
「いいえ。無実かどうかなど、もはやどうでもよろしいのです」
「なに?」
「私が無実だろうがなかろうが、殿下の『婚約破棄したい』という意志は固い。違いますか?」
「そ、そうだ! 貴様のような可愛げのない女、こちらから願い下げだ!」
「ならば、イジメの真偽を争う時間は無駄(コスト)です。結論は出ているのですから」
私は計算機を叩くスピードを上げた。
その速度はもはや指が見えないほどである。
カカカカカカカカカッ!
「ちょ、ちょっと! さっきから何なのその音!」
ミナ様が耐えきれずに叫んだ。
「計算です」
「だから何の!?」
「慰謝料および、これまでの投資回収額の計算です」
私は最後の一打を強く叩き込み、魔導計算機に表示された数字を確認して頷いた。
そして、懐から取り出した羊皮紙に素早くペンを走らせる。
「――出ました」
私はインクが乾くのも待たず、その紙をジェラルド殿下の目の前に突きつけた。
「請求書です」
「は?」
殿下とミナ様が、ぽかんと口を開ける。
「内訳を説明いたします。まず、王太子妃教育にかかった費用。家庭教師代、教材費、マナー講師への謝礼。これらは全て我がオルコット公爵家が負担してまいりました」
「そ、それは未来の王妃になるための……」
「なりませんでしたので、返還を要求します。全額、王家への請求となります」
私は淡々と続ける。
「次に、殿下との交際費。衣装代、茶会主催費、殿下への贈り物代。これらも全て『投資』でしたが、リターンが見込めなくなったため損金処理……ではなく、契約不履行による賠償として請求します」
「……」
「さらに、私の『時間』に対する賠償です」
「時間だと?」
「はい。私は六歳から十八歳までの十二年間、王妃教育のために一日平均八時間を費やしてきました。合計三万五千四〇時間。この時間を私が得意とする領地経営や商会運営に充てていれば得られたであろう『逸失利益』を、当家の平均利回りで算出しました」
私は数字が羅列された紙を指先で弾く。
「締めて、金貨二十億枚となります」
「に、二十億ぅぅぅ!?」
殿下の目が飛び出さんばかりに見開かれた。
会場中がどよめきに包まれる。国家予算の一角を削り取るような金額だ。
「ぼ、暴利だ! そんなふざけた金額、認められるわけがないだろう!」
「正当な算出です。内訳明細書(エビデンス)は後ほど弁護士を通じて送付いたします」
私は涼しい顔で言い放つ。
「まさか、王家ともあろうものが、一貴族の娘の貴重な青春と時間を奪っておいて、タダで済ませようなどとお考えではありませんよね?」
「ぐっ……」
殿下は言葉に詰まった。
周囲の貴族たちの目も、今は完全に「なんてこった」という同情と、「確かにその通りだ」という納得の色に変わっている。
「ち、違う! 金の問題ではない! 私は、愛の話をしているんだ!」
殿下は論点をすり替えようと必死に叫んだ。
「愛? ああ、ミナ様との『真実の愛』ですか。おめでとうございます。どうぞ末永く爆発してください」
「爆発!?」
「おっと失礼、お幸せになってください、でした。興味がないあまり言葉が滑りました」
私はペコリと頭を下げた。
これ以上ここにいても、時間の浪費にしかならない。
「では、私はこれで失礼いたします。請求書の支払期限は今月末となっておりますので、お忘れなきよう。分割払いは金利一五パーセントいただきます」
私は優雅にカーテシーを行った。
完璧な角度、完璧な所作。王妃教育の賜物である。
「あ、待て! メリアドール!」
殿下が手を伸ばそうとしたが、私はくるりと踵を返した。
ドレスの裾がふわりと翻る。
ああ、清々しい。
毎日の厳しいレッスン、肌に合わない社交、意味のない愛想笑い。
それら全てから解放されたのだ。
(これで明日からは、思う存分、領地の帳簿が見られるわ!)
口元が緩みそうになるのを必死に堪える。
自由だ。私は自由を手に入れたのだ。
足取り軽く出口へと向かう私。
その背中に、好奇の視線と、そしてもう一つ――どこか熱っぽい、奇妙な視線が注がれていることに、私はまだ気づいていなかった。
テラスの陰。
紫煙をくゆらせながら、その男は愉快そうに喉を鳴らした。
「……はっ。すげぇ女だ」
隣国の公爵、カシウス・ベルンシュタイン。
『狂犬』と恐れられる男との出会いは、秒読み段階に入っていた。
王立学園の卒業パーティー。
華やかなシャンデリアの下、その怒声はよく響いた。
声の主は、この国の第一王子であり、私の婚約者であるジェラルド殿下だ。
彼は金色の髪を揺らし、守るように背後に一人の少女を庇っている。男爵令嬢のミナ様だ。
彼女は小動物のように震え、潤んだ瞳でこちらを見ていた。
会場中の視線が私に突き刺さる。
蔑み、嘲笑、そして哀れみ。
本来ならば、ここで悪役令嬢と名指しされた私は、顔面蒼白で崩れ落ちるか、ヒステリックに反論するのが“型”なのだろう。
けれど。
「――承知いたしました」
私は、間髪入れずに即答した。
表情筋一つ動かさず、至って平坦な声で。
会場が一瞬、静まり返る。
ジェラルド殿下が、予想外の反応に目を丸くした。
「……は?」
「聞こえませんでしたか殿下。承知いたしました、と申し上げたのです」
私は手元に持っていた扇を閉じ、ドレスのポケットからあるものを取り出した。
手のひらサイズの長方形の箱。
魔石を埋め込んだ、最新式の『魔導計算機』である。
「お、おいメリアドール。何を……」
「婚約破棄、謹んでお受けいたします。これ以上の不毛な関係継続は、我が家にとっても王家にとっても損失(コスト)にしかなりませんので」
私は殿下の言葉を遮り、慣れた手つきで計算機のボタンを押し始めた。
カチ、カチカチカチ。
静まり返った会場に、無機質な打鍵音が響き渡る。
「き、貴様! 悲しくないのか!? 長年連れ添った私との別れだぞ!?」
「悲しむ? なぜ私がそのような非生産的な感情処理を行わねばならないのです?」
カチカチ、ッターン。
「感情で事実は変わりません。今必要なのは涙ではなく、損益分岐点の確定です」
私は計算機から視線を外し、氷のように冷たいと言われる瞳で殿下を見据えた。
「なっ……こ、この冷血女め! やはりミナの言った通りだ。貴様には人の心がない!」
殿下が叫ぶと、背後のミナ様が「ひっ」と小さな悲鳴を上げてしがみつく。
「怖いですぅ、ジェラルド様ぁ……メリアドール様、そんな怖い顔で計算なんて……まるで私たちを値踏みしているみたい」
「値踏み? いえ、精算です」
私は淡々と訂正する。
「殿下。貴方様は先ほど、私を冷酷非道と仰いましたね。その根拠は、ミナ様へのイジメでしょうか?」
「そうだ! 貴様はミナの教科書を破り、階段から突き落とし、噴水に突き落としたそうではないか!」
「……ほう」
私はミナ様へと視線を流す。
彼女はビクリと肩を震わせたが、その口元が微かに歪んでいるのを私は見逃さなかった。
「では確認させていただきます。教科書が破られたのは先週の火曜日とのことですが、その日、私は領地経営の視察で不在でした。アリバイは使用人三十名と領民五百名が証明可能です」
「なっ……」
「次に階段からの突き落とし。現場は南校舎の階段とのことですが、あそこは常時、魔法防犯カメラが作動しています。記録を確認しましたが、ミナ様が一人で足を滑らせて転がり落ちる映像しか残っておりませんでした」
「う、嘘だ!」
「映像魔石は保管してあります。今ここで投影しましょうか?」
私がポケットから魔石を取り出そうとすると、ミナ様が慌てて殿下の腕を引いた。
「い、いいですぅ! ジェラルド様、もういいの。私さえ我慢すれば……!」
「ミ、ミナ……なんて健気なんだ……」
殿下は感動に打ち震えているが、周囲の貴族たちはざわつき始めていた。
私の提示した事実は、あまりにも具体的で反論の余地がないからだ。
「噴水に関しても同様です。物理演算を行いましたが、私の腕力でミナ様の位置から噴水の中央まで突き飛ばすには、トロール並みの筋力が必要です。私の筋肉量では物理的に不可能です」
論理的帰結。
これ以上ない完璧な証明だ。
「……そ、それで? 自分は無実だとでも言いたいのか?」
殿下は顔を赤くして食い下がる。
「いいえ。無実かどうかなど、もはやどうでもよろしいのです」
「なに?」
「私が無実だろうがなかろうが、殿下の『婚約破棄したい』という意志は固い。違いますか?」
「そ、そうだ! 貴様のような可愛げのない女、こちらから願い下げだ!」
「ならば、イジメの真偽を争う時間は無駄(コスト)です。結論は出ているのですから」
私は計算機を叩くスピードを上げた。
その速度はもはや指が見えないほどである。
カカカカカカカカカッ!
「ちょ、ちょっと! さっきから何なのその音!」
ミナ様が耐えきれずに叫んだ。
「計算です」
「だから何の!?」
「慰謝料および、これまでの投資回収額の計算です」
私は最後の一打を強く叩き込み、魔導計算機に表示された数字を確認して頷いた。
そして、懐から取り出した羊皮紙に素早くペンを走らせる。
「――出ました」
私はインクが乾くのも待たず、その紙をジェラルド殿下の目の前に突きつけた。
「請求書です」
「は?」
殿下とミナ様が、ぽかんと口を開ける。
「内訳を説明いたします。まず、王太子妃教育にかかった費用。家庭教師代、教材費、マナー講師への謝礼。これらは全て我がオルコット公爵家が負担してまいりました」
「そ、それは未来の王妃になるための……」
「なりませんでしたので、返還を要求します。全額、王家への請求となります」
私は淡々と続ける。
「次に、殿下との交際費。衣装代、茶会主催費、殿下への贈り物代。これらも全て『投資』でしたが、リターンが見込めなくなったため損金処理……ではなく、契約不履行による賠償として請求します」
「……」
「さらに、私の『時間』に対する賠償です」
「時間だと?」
「はい。私は六歳から十八歳までの十二年間、王妃教育のために一日平均八時間を費やしてきました。合計三万五千四〇時間。この時間を私が得意とする領地経営や商会運営に充てていれば得られたであろう『逸失利益』を、当家の平均利回りで算出しました」
私は数字が羅列された紙を指先で弾く。
「締めて、金貨二十億枚となります」
「に、二十億ぅぅぅ!?」
殿下の目が飛び出さんばかりに見開かれた。
会場中がどよめきに包まれる。国家予算の一角を削り取るような金額だ。
「ぼ、暴利だ! そんなふざけた金額、認められるわけがないだろう!」
「正当な算出です。内訳明細書(エビデンス)は後ほど弁護士を通じて送付いたします」
私は涼しい顔で言い放つ。
「まさか、王家ともあろうものが、一貴族の娘の貴重な青春と時間を奪っておいて、タダで済ませようなどとお考えではありませんよね?」
「ぐっ……」
殿下は言葉に詰まった。
周囲の貴族たちの目も、今は完全に「なんてこった」という同情と、「確かにその通りだ」という納得の色に変わっている。
「ち、違う! 金の問題ではない! 私は、愛の話をしているんだ!」
殿下は論点をすり替えようと必死に叫んだ。
「愛? ああ、ミナ様との『真実の愛』ですか。おめでとうございます。どうぞ末永く爆発してください」
「爆発!?」
「おっと失礼、お幸せになってください、でした。興味がないあまり言葉が滑りました」
私はペコリと頭を下げた。
これ以上ここにいても、時間の浪費にしかならない。
「では、私はこれで失礼いたします。請求書の支払期限は今月末となっておりますので、お忘れなきよう。分割払いは金利一五パーセントいただきます」
私は優雅にカーテシーを行った。
完璧な角度、完璧な所作。王妃教育の賜物である。
「あ、待て! メリアドール!」
殿下が手を伸ばそうとしたが、私はくるりと踵を返した。
ドレスの裾がふわりと翻る。
ああ、清々しい。
毎日の厳しいレッスン、肌に合わない社交、意味のない愛想笑い。
それら全てから解放されたのだ。
(これで明日からは、思う存分、領地の帳簿が見られるわ!)
口元が緩みそうになるのを必死に堪える。
自由だ。私は自由を手に入れたのだ。
足取り軽く出口へと向かう私。
その背中に、好奇の視線と、そしてもう一つ――どこか熱っぽい、奇妙な視線が注がれていることに、私はまだ気づいていなかった。
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