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煌びやかなシャンデリアが、磨き上げられた大理石の床を照らし出している。
王立学園の卒業記念パーティー。
それは、国の未来を担う若き貴族たちにとって、社交界への正式なデビューとも言える華やかな舞台のはずだった。
しかし今、会場を支配しているのは優雅な音楽ではなく、張り詰めた緊張感と、好奇の視線である。
「ヴィオレッタ・エル・スチュアート! 貴様のような性根の腐った女とは、これ以上共に歩むことなどできん!」
会場の中央、一段高くなった場所で声を張り上げたのは、この国の第一王子であるアークライト殿下だ。
彼の隣には、小動物のように震える男爵令嬢、リリィの姿がある。
アークライト殿下は彼女の肩を抱き寄せ、あたかも正義の騎士であるかのように私を睨みつけていた。
「ただちに貴様との婚約を破棄する! このふしだらな女め!」
殿下の怒声がホールに反響する。
周囲を取り囲む令息や令嬢たちが、扇子で口元を隠しながらヒソヒソと囁き合う音が聞こえてくるようだ。
かわいそうに、まさか卒業パーティーで捨てられるなんて。
あの方、以前から殿下に冷たくされていたものね。
身の程知らずな女だこと。
そんな嘲笑を含んだ視線が、一斉に私、ヴィオレッタへと注がれる。
公爵家の娘として、筆頭婚約者として、常に完璧であることを求められてきた私に向けられる、初めての侮蔑の眼差し。
普通であれば、ここで泣き崩れるか、あるいは怒りに震えて反論するところなのだろう。
あるいは、突然のことに腰を抜かして座り込むのが、「断罪される悪役令嬢」としての正しい振る舞いなのかもしれない。
けれど。
(ああ、やっと……やっとこの時が来たのね)
私の胸の内に去来したのは、絶望でも悲しみでもなかった。
それは、長きにわたる重圧から解放されることへの、深い安堵と歓喜。
口元が自然と緩みそうになるのを、私は必死に鉄の意志で抑え込んだ。
表情筋を総動員して、あくまで「ショックを受けているが、気丈に振る舞う公爵令嬢」の仮面を維持する。
私はゆっくりと優雅な所作(カーテシー)で礼をとった。
ドレスの裾がふわりと広がり、静寂の中に衣擦れの音だけが響く。
「……アークライト殿下。ただいまの御言葉、まことにございますか?」
私の静かな問いかけに、アークライト殿下は鼻を鳴らした。
「ふん、往生際が悪いぞヴィオレッタ。聞こえなかったのか? 婚約破棄だと言ったのだ! 貴様はリリィに対し、数々の嫌がらせを行ってきただろう。教科書を隠し、階段から突き落とそうとし、あまつさえ彼女の実家の商売を妨害した。そのような陰湿な女を、将来の王妃に迎えるわけにはいかん!」
身に覚えのない罪状が次々と読み上げられる。
教科書を隠す?
私がいつ、そんな子供じみたことをする必要があるというのか。
階段から突き落とす?
王族の婚約者には常に護衛がついているのに、どうやって目を盗んでそんな暴挙に出られるというのか。
すべてはリリィ男爵令嬢の妄言か、あるいは側近たちが殿下に吹き込んだ世迷い言だろう。
だが、今の私にとって、冤罪の真偽などどうでもよかった。
重要なのは「婚約破棄」という事実、その一点のみである。
「左様でございますか。殿下がそう判断されたのであれば、私ごときが申し上げることはございません」
「なっ……?」
予想外に素直な私の反応に、アークライト殿下は言葉を詰まらせた。
彼はきっと、私が泣いて縋り付くか、あるいは激昂してリリィに掴みかかるとでも思っていたのだろう。
その隙に近衛兵に取り押さえさせ、劇的な幕引きを演出するつもりだったに違いない。
残念ながら、そのシナリオには乗って差し上げられない。
私は懐から一枚の書類を取り出した。
上質な羊皮紙に、すでに私の署名と、父であるスチュアート公爵の署名が記された書類だ。
「これは……?」
「婚約解消の同意書でございます、殿下」
会場がざわめいた。
アークライト殿下が目を見開き、リリィ男爵令嬢が不思議そうに首を傾げる。
「な、なぜ貴様がそんなものを持っている!?」
「殿下のお心が、すでに私から離れていることは存じておりました。いつかこのような日が来るのではないかと、覚悟を決めておりましたので」
嘘である。
正確には、「いつかこのような日が来るように、裏で手を回していた」が正しい。
殿下がリリィ男爵令嬢に熱を上げ始めた一年前から、私はこの瞬間のために着々と準備を進めてきたのだ。
殿下の側近たちが私の悪い噂を流すのをあえて放置し、リリィ男爵令嬢が被害者ぶるのを遠巻きに眺め、父には「殿下との不仲」を少しずつ、しかし深刻に相談してきた。
すべては、円満に、かつ不可抗力として婚約を破棄されるために。
そして、有責配偶者ならぬ「有責婚約者」として殿下を糾弾し、莫大な慰謝料とともに自由を手に入れるために。
「こちらの書類には、王家と公爵家の間で取り交わされた婚約の条件に基づき、一方的な破棄の場合の精算についても記してございます。殿下、今ここでご署名をいただけますでしょうか」
私は懐から携帯用のペンを取り出し、恭しく差し出した。
アークライト殿下の顔が赤く染まる。
自分の演出した「断罪劇」が、事務的な「契約解除の手続き」にすり替えられたことへの苛立ちが見て取れた。
「ば、馬鹿にするな! そのようなもの、後で確認すればよい! 今は貴様の罪を……」
「あら、殿下。今ご署名いただけないのであれば、この婚約破棄は『無効』ということになってしまいますが?」
「な、なに?」
「公的な手続きを経ない口頭での宣言など、貴族社会では何の意味も持ちません。もし今ここで署名を拒否されるのであれば、私は明日からも変わらず『殿下の婚約者』として振る舞い、リリィ様への指導も続けさせていただきますが……よろしいのですか?」
「指導」という言葉を強調すると、リリィ男爵令嬢が「ひっ」と小さな悲鳴を上げて殿下の背中に隠れた。
それを見た殿下の理性が弾け飛ぶ。
「ええい、わかった! 書けばいいのだろう、書けば! これで貴様とは赤の他人だ!」
アークライト殿下は私の手から書類とペンをひったくり、怒りに任せて殴り書きのような署名をした。
インクが飛び散りそうなほどの筆圧だ。
「はい、確かに。アークライト殿下のご署名、確認いたしました」
私は書類を回収し、インクが乾いたのを見計らって丁寧に折りたたむ。
その動作の一つ一つに、会場中の視線が釘付けになっていた。
これで、終わった。
幼い頃から課せられた厳しい王妃教育。
自由のない生活。
常に誰かに監視され、評価される日々。
それらすべてが、今この瞬間、過去のものとなったのだ。
私は書類を懐にしまうと、再び深く頭を下げた。
今度は、王太子に対してではなく、これから始まる私の新しい人生に対しての敬意を込めて。
「それでは殿下、リリィ様。どうぞお幸せに。……私はこれにて、失礼いたします」
顔を上げた私の表情は、もはや演技ではなかった。
心からの晴れやかな笑顔が、自然とこぼれ落ちていたことだろう。
周囲の貴族たちが呆気にとられて道を開ける中、私は背筋を伸ばし、一度も振り返ることなく会場の出口へと歩き出した。
重厚な扉が開かれる。
外の空気は冷たく、しかし何よりも澄んでいて美味しかった。
「さて」
誰もいない回廊に出た瞬間、私は小さくガッツポーズをした。
「帰って荷造りの続きをしなくちゃ。領地の別荘行き馬車は、明日の早朝出発だもの」
私の「断罪イベント」は、これ以上ないほど完璧な形で幕を閉じたのである。
さあ、これからは私の時間だ。
誰にも邪魔されない、優雅で自由なスローライフが待っている。
そう思っていたのだが。
運命というものは、どこまでいっても私を退屈させてはくれないらしい。
「――見事な手際だったね、ヴィオレッタ嬢」
闇に溶け込むような影の中から、一人の男が姿を現した。
月明かりを背負い、不敵な笑みを浮かべるその人物を見て、私の思考は一瞬だけ停止した。
そこに立っていたのは、この国の「影の支配者」とも噂される、隣国の第二王子、シルヴェスター殿下だったのだから。
王立学園の卒業記念パーティー。
それは、国の未来を担う若き貴族たちにとって、社交界への正式なデビューとも言える華やかな舞台のはずだった。
しかし今、会場を支配しているのは優雅な音楽ではなく、張り詰めた緊張感と、好奇の視線である。
「ヴィオレッタ・エル・スチュアート! 貴様のような性根の腐った女とは、これ以上共に歩むことなどできん!」
会場の中央、一段高くなった場所で声を張り上げたのは、この国の第一王子であるアークライト殿下だ。
彼の隣には、小動物のように震える男爵令嬢、リリィの姿がある。
アークライト殿下は彼女の肩を抱き寄せ、あたかも正義の騎士であるかのように私を睨みつけていた。
「ただちに貴様との婚約を破棄する! このふしだらな女め!」
殿下の怒声がホールに反響する。
周囲を取り囲む令息や令嬢たちが、扇子で口元を隠しながらヒソヒソと囁き合う音が聞こえてくるようだ。
かわいそうに、まさか卒業パーティーで捨てられるなんて。
あの方、以前から殿下に冷たくされていたものね。
身の程知らずな女だこと。
そんな嘲笑を含んだ視線が、一斉に私、ヴィオレッタへと注がれる。
公爵家の娘として、筆頭婚約者として、常に完璧であることを求められてきた私に向けられる、初めての侮蔑の眼差し。
普通であれば、ここで泣き崩れるか、あるいは怒りに震えて反論するところなのだろう。
あるいは、突然のことに腰を抜かして座り込むのが、「断罪される悪役令嬢」としての正しい振る舞いなのかもしれない。
けれど。
(ああ、やっと……やっとこの時が来たのね)
私の胸の内に去来したのは、絶望でも悲しみでもなかった。
それは、長きにわたる重圧から解放されることへの、深い安堵と歓喜。
口元が自然と緩みそうになるのを、私は必死に鉄の意志で抑え込んだ。
表情筋を総動員して、あくまで「ショックを受けているが、気丈に振る舞う公爵令嬢」の仮面を維持する。
私はゆっくりと優雅な所作(カーテシー)で礼をとった。
ドレスの裾がふわりと広がり、静寂の中に衣擦れの音だけが響く。
「……アークライト殿下。ただいまの御言葉、まことにございますか?」
私の静かな問いかけに、アークライト殿下は鼻を鳴らした。
「ふん、往生際が悪いぞヴィオレッタ。聞こえなかったのか? 婚約破棄だと言ったのだ! 貴様はリリィに対し、数々の嫌がらせを行ってきただろう。教科書を隠し、階段から突き落とそうとし、あまつさえ彼女の実家の商売を妨害した。そのような陰湿な女を、将来の王妃に迎えるわけにはいかん!」
身に覚えのない罪状が次々と読み上げられる。
教科書を隠す?
私がいつ、そんな子供じみたことをする必要があるというのか。
階段から突き落とす?
王族の婚約者には常に護衛がついているのに、どうやって目を盗んでそんな暴挙に出られるというのか。
すべてはリリィ男爵令嬢の妄言か、あるいは側近たちが殿下に吹き込んだ世迷い言だろう。
だが、今の私にとって、冤罪の真偽などどうでもよかった。
重要なのは「婚約破棄」という事実、その一点のみである。
「左様でございますか。殿下がそう判断されたのであれば、私ごときが申し上げることはございません」
「なっ……?」
予想外に素直な私の反応に、アークライト殿下は言葉を詰まらせた。
彼はきっと、私が泣いて縋り付くか、あるいは激昂してリリィに掴みかかるとでも思っていたのだろう。
その隙に近衛兵に取り押さえさせ、劇的な幕引きを演出するつもりだったに違いない。
残念ながら、そのシナリオには乗って差し上げられない。
私は懐から一枚の書類を取り出した。
上質な羊皮紙に、すでに私の署名と、父であるスチュアート公爵の署名が記された書類だ。
「これは……?」
「婚約解消の同意書でございます、殿下」
会場がざわめいた。
アークライト殿下が目を見開き、リリィ男爵令嬢が不思議そうに首を傾げる。
「な、なぜ貴様がそんなものを持っている!?」
「殿下のお心が、すでに私から離れていることは存じておりました。いつかこのような日が来るのではないかと、覚悟を決めておりましたので」
嘘である。
正確には、「いつかこのような日が来るように、裏で手を回していた」が正しい。
殿下がリリィ男爵令嬢に熱を上げ始めた一年前から、私はこの瞬間のために着々と準備を進めてきたのだ。
殿下の側近たちが私の悪い噂を流すのをあえて放置し、リリィ男爵令嬢が被害者ぶるのを遠巻きに眺め、父には「殿下との不仲」を少しずつ、しかし深刻に相談してきた。
すべては、円満に、かつ不可抗力として婚約を破棄されるために。
そして、有責配偶者ならぬ「有責婚約者」として殿下を糾弾し、莫大な慰謝料とともに自由を手に入れるために。
「こちらの書類には、王家と公爵家の間で取り交わされた婚約の条件に基づき、一方的な破棄の場合の精算についても記してございます。殿下、今ここでご署名をいただけますでしょうか」
私は懐から携帯用のペンを取り出し、恭しく差し出した。
アークライト殿下の顔が赤く染まる。
自分の演出した「断罪劇」が、事務的な「契約解除の手続き」にすり替えられたことへの苛立ちが見て取れた。
「ば、馬鹿にするな! そのようなもの、後で確認すればよい! 今は貴様の罪を……」
「あら、殿下。今ご署名いただけないのであれば、この婚約破棄は『無効』ということになってしまいますが?」
「な、なに?」
「公的な手続きを経ない口頭での宣言など、貴族社会では何の意味も持ちません。もし今ここで署名を拒否されるのであれば、私は明日からも変わらず『殿下の婚約者』として振る舞い、リリィ様への指導も続けさせていただきますが……よろしいのですか?」
「指導」という言葉を強調すると、リリィ男爵令嬢が「ひっ」と小さな悲鳴を上げて殿下の背中に隠れた。
それを見た殿下の理性が弾け飛ぶ。
「ええい、わかった! 書けばいいのだろう、書けば! これで貴様とは赤の他人だ!」
アークライト殿下は私の手から書類とペンをひったくり、怒りに任せて殴り書きのような署名をした。
インクが飛び散りそうなほどの筆圧だ。
「はい、確かに。アークライト殿下のご署名、確認いたしました」
私は書類を回収し、インクが乾いたのを見計らって丁寧に折りたたむ。
その動作の一つ一つに、会場中の視線が釘付けになっていた。
これで、終わった。
幼い頃から課せられた厳しい王妃教育。
自由のない生活。
常に誰かに監視され、評価される日々。
それらすべてが、今この瞬間、過去のものとなったのだ。
私は書類を懐にしまうと、再び深く頭を下げた。
今度は、王太子に対してではなく、これから始まる私の新しい人生に対しての敬意を込めて。
「それでは殿下、リリィ様。どうぞお幸せに。……私はこれにて、失礼いたします」
顔を上げた私の表情は、もはや演技ではなかった。
心からの晴れやかな笑顔が、自然とこぼれ落ちていたことだろう。
周囲の貴族たちが呆気にとられて道を開ける中、私は背筋を伸ばし、一度も振り返ることなく会場の出口へと歩き出した。
重厚な扉が開かれる。
外の空気は冷たく、しかし何よりも澄んでいて美味しかった。
「さて」
誰もいない回廊に出た瞬間、私は小さくガッツポーズをした。
「帰って荷造りの続きをしなくちゃ。領地の別荘行き馬車は、明日の早朝出発だもの」
私の「断罪イベント」は、これ以上ないほど完璧な形で幕を閉じたのである。
さあ、これからは私の時間だ。
誰にも邪魔されない、優雅で自由なスローライフが待っている。
そう思っていたのだが。
運命というものは、どこまでいっても私を退屈させてはくれないらしい。
「――見事な手際だったね、ヴィオレッタ嬢」
闇に溶け込むような影の中から、一人の男が姿を現した。
月明かりを背負い、不敵な笑みを浮かべるその人物を見て、私の思考は一瞬だけ停止した。
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