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「ふんふーん、掃除、掃除ぃ~♪」
早朝の『ティーサロン・ウーロン』。
まだ客のいない店内に、場違いな鼻歌が響いていた。
声の主は、かつての王太子であり、現在は当店の雑用係(時給:銅貨三枚)に身をやつしたランバートだ。
頭には三角巾、手には雑巾。
悲しいほど似合っている。
「おや? なんだこの紙は」
床を磨いていた彼の手が止まる。
ギルバート宰相が築き上げた『書類の塔』の麓に、古びた羊皮紙が一枚落ちていたのだ。
「汚い紙だな……。虫食いだらけだし、何が書いてあるか読めん。……よし」
ランバートはニッコリと笑った。
「ちょうど雑巾が乾いてきたところだ。これで床の仕上げ拭きを……」
「待てェェェェェ!!」
ドゴォォォォン!!
「ぐはぁッ!?」
店内に雷鳴のような怒号が響き、同時にランバートが蹴り飛ばされた。
蹴ったのは、長椅子で死体のように眠っていたはずのギルバートだ。
彼は寝起きのボサボサ頭のまま、鬼の形相でランバートを踏みつけていた。
「貴様……! 今、何をしようとした!? その紙で何を拭こうとした!?」
「ひぃっ! 床です! ただのゴミかと思って!」
「ゴミだと!? これは国家機密レベルの古文書だ! 貴様の命より重いんだぞ!」
騒ぎを聞きつけ、私も二階から降りてくる。
「何事ですか、朝から。安眠妨害で追加料金を頂きますよ」
「ウーロン! 見ろ、これを!」
ギルバートが私の目の前に、先ほどの羊皮紙を突きつけた。
それは確かに、かなり古い地図のようだ。
色褪せたインクで、迷路のような図面が描かれている。
「……これ、王宮の図面?」
「そうだ。だが、ただの図面ではない。百年前、時の国王が『あるもの』を隠すために造らせた、王宮地下の隠し倉庫(シークレット・エリア)の地図だ」
「隠し倉庫? 財宝でも隠してあるんですか?」
私の目がキラーンと輝く。
財宝。なんと甘美な響きだろう。
しかし、ギルバートは首を横に振った。
「金銀財宝ではない。もっと価値のあるものだ」
「……ダイヤモンド?」
「違う。……『幻の茶葉』だ」
その瞬間、私の心臓がドクンと跳ねた。
ダイヤモンドと言われた時より、遥かに強く。
「……詳しく聞かせなさい」
私はカウンターに身を乗り出した。
ギルバートは眼鏡の位置を直し、勿体ぶるように語り始めた。
「その名は『天使の溜息(エンジェル・ブレス)』。かつてこの国に存在した、飲むだけであらゆる病を癒し、老いた細胞を若返らせると言われた伝説の茶葉だ」
「若返り……!?」
「だが、その製法があまりに難しく、原料となる木も絶滅したとされていた。しかし、王家の古文書によれば、最後の茶葉が真空保存された状態で、地下倉庫に眠っている可能性がある」
「…………」
私は素早く電卓を取り出した。
若返りの茶。万病に効く茶。
もしそれが実在し、現代のオークションに出せばいくらになる?
金貨一万枚? いや、十万枚?
あるいは、私が独占して販売すれば、世界の美容業界を牛耳れるのでは?
「……ゴクリ」
喉が鳴る。
紅茶マニアとしての好奇心と、商人としての強欲が、私の脳内で核融合を起こしていた。
「場所は? その地下倉庫の入り口はどこなの?」
「それが問題だ。この地図によれば、入り口は王宮の『北の離宮』の地下にあるらしいのだが……詳しい侵入経路(ルート)が暗号化されていて読めない」
ギルバートが悔しそうに地図を睨む。
「私が解析しても、解読には半年はかかるだろう。複雑な古代魔術式が組み込まれているんだ」
「半年……。そんなに待てないわ」
鮮度が命の茶葉だ。真空保存とはいえ、早く回収しなければ劣化するかもしれない。
それに、半年もあれば、他の誰か(トレジャーハンター)に嗅ぎつけられる可能性もある。
「あ、あのぉ……」
その時、踏まれたままのランバートが、弱々しく手を挙げた。
「その暗号……余、読めるぞ?」
「「は?」」
私とギルバートの声が重なる。
「バカなことを言うな。これは古代語と数理パズルを組み合わせた難解な……」
「いや、これ『王家流・絵文字なぞなぞ』だろ?」
ランバートが地図を指差した。
「ほら、ここのマーク。これは初代国王が愛したペットの『ポチ』だ。そしてこっちの数字は、ポチの誕生日。つまり、『ポチの誕生日に、尻尾を三回踏め』って意味だ」
「……は?」
「子供の頃、父上の書斎でよくこういうパズルで遊んだんだ。王族にしか伝わらない、一種の幼児教育みたいなもんで……」
ランバートがスラスラと地図の記号を読み解いていく。
ギルバートが愕然として口を開けていた。
「……まさか。高度な魔術式だと思っていたものが、ただの……子供の落書き(なぞなぞ)だったとは……」
「天才的な頭脳が裏目に出ましたね、宰相閣下」
私はニヤリと笑い、ランバートの襟首を掴んで引き起こした。
「よくやったわ、雑用係。貴方にも使い道(利用価値)があったようね」
「えへへ、褒められた! ……で、時給上がる?」
「上がりません。でも、今日のオヤツにクッキーを一枚つけてあげるわ」
「わーい!」
チョロい。
だが、これで道は開けた。
「決まりね。目的は王宮地下。『幻の茶葉』の回収よ」
私は高らかに宣言した。
「え、行くんですかぁ? 王宮に?」
いつの間にか起きてきたモカが、眠そうな目をこすりながら会話に入ってくる。
「当然よ。お宝が私を呼んでいるもの。それに……」
私はギルバートを見た。
「貴方も欲しいでしょう? そのお茶」
「……否定はしない。その茶に含まれる成分は、疲労回復に劇的な効果があるらしいからな。今の私に最も必要なものだ」
利害は一致した。
メンバーは、紅茶狂いの悪役令嬢(私)、過労死寸前の宰相(ギルバート)、地図が読めるバカ王子(ランバート)、そして人間兵器のドジっ子(モカ)。
完璧だ。
いや、不安要素しかないが、戦力的には過剰すぎるほどだ。
「でもオーナー、店はどうするんじゃ?」
セイロンが心配そうに尋ねる。
「休業よ。……と言いたいところだけど、せっかく軌道に乗ったのに閉めるのは惜しいわね」
私は少し考え、セイロンの肩をポンと叩いた。
「セイロンさん、店長代理を任せるわ」
「わ、ワシが!?」
「ええ。貴方なら魔法で紅茶も淹れられるし、ジャックたちも言うことを聞くでしょう。売上の三割を歩合としてあげるから、しっかり稼いでおいてね」
「おおお! 任されたわい! ワシの第二の人生、カフェ店長として花咲かせてみせるぞ!」
セイロンが感涙にむせぶ。
これで後顧の憂いはなくなった。
「出発は明日未明! 各自、旅の準備をなさい! 今回は逃亡じゃないわ。凱旋よ! ……コソコソ侵入するけど!」
「「「アイアイサー!」」」
こうして、私たちは再び王都を目指すことになった。
目的は一つ。『伝説の茶葉』を手に入れ、一攫千金を狙うこと。
だが、私は忘れていた。
王宮には、まだ「あの男」がいることを。
私を溺愛し、婚約破棄に激怒して国交断絶寸前まで暴れている、私の父――ペコー公爵アッサムの存在を。
王都に戻るということは、あの暑苦しい父親と再会するということでもある。
ある意味、地下迷宮のモンスターより手強い相手だ。
(……お父様への言い訳、考えておかないとなぁ)
私は遠い王都の空を見上げ、小さくため息をついた。
その手には、しっかりと『借用書(旅費)』と『成功報酬契約書(ギルバート用)』が握りしめられていたのは、言うまでもない。
早朝の『ティーサロン・ウーロン』。
まだ客のいない店内に、場違いな鼻歌が響いていた。
声の主は、かつての王太子であり、現在は当店の雑用係(時給:銅貨三枚)に身をやつしたランバートだ。
頭には三角巾、手には雑巾。
悲しいほど似合っている。
「おや? なんだこの紙は」
床を磨いていた彼の手が止まる。
ギルバート宰相が築き上げた『書類の塔』の麓に、古びた羊皮紙が一枚落ちていたのだ。
「汚い紙だな……。虫食いだらけだし、何が書いてあるか読めん。……よし」
ランバートはニッコリと笑った。
「ちょうど雑巾が乾いてきたところだ。これで床の仕上げ拭きを……」
「待てェェェェェ!!」
ドゴォォォォン!!
「ぐはぁッ!?」
店内に雷鳴のような怒号が響き、同時にランバートが蹴り飛ばされた。
蹴ったのは、長椅子で死体のように眠っていたはずのギルバートだ。
彼は寝起きのボサボサ頭のまま、鬼の形相でランバートを踏みつけていた。
「貴様……! 今、何をしようとした!? その紙で何を拭こうとした!?」
「ひぃっ! 床です! ただのゴミかと思って!」
「ゴミだと!? これは国家機密レベルの古文書だ! 貴様の命より重いんだぞ!」
騒ぎを聞きつけ、私も二階から降りてくる。
「何事ですか、朝から。安眠妨害で追加料金を頂きますよ」
「ウーロン! 見ろ、これを!」
ギルバートが私の目の前に、先ほどの羊皮紙を突きつけた。
それは確かに、かなり古い地図のようだ。
色褪せたインクで、迷路のような図面が描かれている。
「……これ、王宮の図面?」
「そうだ。だが、ただの図面ではない。百年前、時の国王が『あるもの』を隠すために造らせた、王宮地下の隠し倉庫(シークレット・エリア)の地図だ」
「隠し倉庫? 財宝でも隠してあるんですか?」
私の目がキラーンと輝く。
財宝。なんと甘美な響きだろう。
しかし、ギルバートは首を横に振った。
「金銀財宝ではない。もっと価値のあるものだ」
「……ダイヤモンド?」
「違う。……『幻の茶葉』だ」
その瞬間、私の心臓がドクンと跳ねた。
ダイヤモンドと言われた時より、遥かに強く。
「……詳しく聞かせなさい」
私はカウンターに身を乗り出した。
ギルバートは眼鏡の位置を直し、勿体ぶるように語り始めた。
「その名は『天使の溜息(エンジェル・ブレス)』。かつてこの国に存在した、飲むだけであらゆる病を癒し、老いた細胞を若返らせると言われた伝説の茶葉だ」
「若返り……!?」
「だが、その製法があまりに難しく、原料となる木も絶滅したとされていた。しかし、王家の古文書によれば、最後の茶葉が真空保存された状態で、地下倉庫に眠っている可能性がある」
「…………」
私は素早く電卓を取り出した。
若返りの茶。万病に効く茶。
もしそれが実在し、現代のオークションに出せばいくらになる?
金貨一万枚? いや、十万枚?
あるいは、私が独占して販売すれば、世界の美容業界を牛耳れるのでは?
「……ゴクリ」
喉が鳴る。
紅茶マニアとしての好奇心と、商人としての強欲が、私の脳内で核融合を起こしていた。
「場所は? その地下倉庫の入り口はどこなの?」
「それが問題だ。この地図によれば、入り口は王宮の『北の離宮』の地下にあるらしいのだが……詳しい侵入経路(ルート)が暗号化されていて読めない」
ギルバートが悔しそうに地図を睨む。
「私が解析しても、解読には半年はかかるだろう。複雑な古代魔術式が組み込まれているんだ」
「半年……。そんなに待てないわ」
鮮度が命の茶葉だ。真空保存とはいえ、早く回収しなければ劣化するかもしれない。
それに、半年もあれば、他の誰か(トレジャーハンター)に嗅ぎつけられる可能性もある。
「あ、あのぉ……」
その時、踏まれたままのランバートが、弱々しく手を挙げた。
「その暗号……余、読めるぞ?」
「「は?」」
私とギルバートの声が重なる。
「バカなことを言うな。これは古代語と数理パズルを組み合わせた難解な……」
「いや、これ『王家流・絵文字なぞなぞ』だろ?」
ランバートが地図を指差した。
「ほら、ここのマーク。これは初代国王が愛したペットの『ポチ』だ。そしてこっちの数字は、ポチの誕生日。つまり、『ポチの誕生日に、尻尾を三回踏め』って意味だ」
「……は?」
「子供の頃、父上の書斎でよくこういうパズルで遊んだんだ。王族にしか伝わらない、一種の幼児教育みたいなもんで……」
ランバートがスラスラと地図の記号を読み解いていく。
ギルバートが愕然として口を開けていた。
「……まさか。高度な魔術式だと思っていたものが、ただの……子供の落書き(なぞなぞ)だったとは……」
「天才的な頭脳が裏目に出ましたね、宰相閣下」
私はニヤリと笑い、ランバートの襟首を掴んで引き起こした。
「よくやったわ、雑用係。貴方にも使い道(利用価値)があったようね」
「えへへ、褒められた! ……で、時給上がる?」
「上がりません。でも、今日のオヤツにクッキーを一枚つけてあげるわ」
「わーい!」
チョロい。
だが、これで道は開けた。
「決まりね。目的は王宮地下。『幻の茶葉』の回収よ」
私は高らかに宣言した。
「え、行くんですかぁ? 王宮に?」
いつの間にか起きてきたモカが、眠そうな目をこすりながら会話に入ってくる。
「当然よ。お宝が私を呼んでいるもの。それに……」
私はギルバートを見た。
「貴方も欲しいでしょう? そのお茶」
「……否定はしない。その茶に含まれる成分は、疲労回復に劇的な効果があるらしいからな。今の私に最も必要なものだ」
利害は一致した。
メンバーは、紅茶狂いの悪役令嬢(私)、過労死寸前の宰相(ギルバート)、地図が読めるバカ王子(ランバート)、そして人間兵器のドジっ子(モカ)。
完璧だ。
いや、不安要素しかないが、戦力的には過剰すぎるほどだ。
「でもオーナー、店はどうするんじゃ?」
セイロンが心配そうに尋ねる。
「休業よ。……と言いたいところだけど、せっかく軌道に乗ったのに閉めるのは惜しいわね」
私は少し考え、セイロンの肩をポンと叩いた。
「セイロンさん、店長代理を任せるわ」
「わ、ワシが!?」
「ええ。貴方なら魔法で紅茶も淹れられるし、ジャックたちも言うことを聞くでしょう。売上の三割を歩合としてあげるから、しっかり稼いでおいてね」
「おおお! 任されたわい! ワシの第二の人生、カフェ店長として花咲かせてみせるぞ!」
セイロンが感涙にむせぶ。
これで後顧の憂いはなくなった。
「出発は明日未明! 各自、旅の準備をなさい! 今回は逃亡じゃないわ。凱旋よ! ……コソコソ侵入するけど!」
「「「アイアイサー!」」」
こうして、私たちは再び王都を目指すことになった。
目的は一つ。『伝説の茶葉』を手に入れ、一攫千金を狙うこと。
だが、私は忘れていた。
王宮には、まだ「あの男」がいることを。
私を溺愛し、婚約破棄に激怒して国交断絶寸前まで暴れている、私の父――ペコー公爵アッサムの存在を。
王都に戻るということは、あの暑苦しい父親と再会するということでもある。
ある意味、地下迷宮のモンスターより手強い相手だ。
(……お父様への言い訳、考えておかないとなぁ)
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