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「……揺れるな。ペン先がブレるだろう」
「無茶を言わないでください。ここは未舗装の街道ですよ。文句があるなら道路整備予算を承認してください」
王都へ向かう馬車の中。
そこは、この世の地獄と天国が同居する奇妙な空間となっていた。
四人乗りの馬車。
向かい合わせの座席配置はこうだ。
上座(進行方向):私(ウーロン)と、その横で書類の山と格闘するギルバート宰相。
下座(逆方向):うなだれるランバート(元王太子)と、窓の外を見てはしゃぐモカ。
「あ、見てくださぁい! 牛さんがいますよぉ! 美味しそうですねぇ!」
「モカ、あれは乳牛だ。食べられないぞ……はぁ、お腹すいた……」
ランバートが腹の虫を鳴らす。
彼は出発前に私が渡した「雑用係セット(三角巾とエプロン)」を着用したままだ。変装という名目だが、もはや完全に馴染んでいる。
「ウーロン、茶だ。思考回路が焼き切れそうだ」
隣からギルバートがゾンビのような声で要求してくる。
彼はプーアルを出発してから半日、一睡もせずに書類を決裁し続けている。
「はいはい。揺れるから気をつけてくださいね」
私は魔法瓶からカップに紅茶を注ぎ、彼の口元へ運ぶ。
もはや介護だ。
国のトップである宰相が、悪役令嬢に「あーん」で紅茶を飲ませてもらっている図。スキャンダル待ったなしである。
「……ふぅ。生き返る」
ギルバートが紅茶を飲み干し、ふらりと私の肩に頭を預けてきた。
「ちょっと、重いです」
「五分だけ貸せ。充電が必要だ……」
「枕代、別途請求しますよ」
「構わん。私の全財産は君の口座に紐付けてある……」
「暗証番号ごと?」
「ああ……君なら無駄遣いはしないだろう……むしろ増やしてくれると信じている……」
言い終わる前に、ギルバートからは寝息が聞こえ始めた。
私の肩に全体重を預け、無防備に眠る宰相閣下。
その横顔には、普段の冷徹さはなく、ただの疲れ切った青年のあどけなさがある。
(……信用されすぎでしょ)
私はやれやれとため息をつきつつ、彼の眼鏡をそっと外してあげた。
この男、本当に私のお茶(と私という精神安定剤)がないと生きていけない体になってしまったらしい。
「むぅ……」
その様子を、向かいの席からランバートがジト目で見ていた。
「なんかズルくないか? ギルバートだけ」
「何がですか?」
「だって、膝枕(正確には肩枕)だぞ? 余だってウーロンに甘えたい! 昔はよく『お勉強頑張ったら膝枕して』って頼んだのに!」
「頼まれてもお断りしてましたよね。『百点取ったら考えてあげます』と言って、貴方が一度も百点を取れなかったからです」
「うぐっ……! 過去の成績を持ち出すのは卑怯だぞ!」
ランバートが頬を膨らませる。
子供か。
「でもぉ、ランバート様ぁ。私がお膝貸してあげますよぉ?」
モカがニコニコしながら自分の膝をポンポンと叩く。
「お、おお! さすがモカ! やはり持つべきものは癒し系ヒロインだな!」
ランバートが喜んでモカの膝にダイブしようとした――その時。
ガタンッ!!
馬車が大きく跳ねた。
モカが体勢を崩し、上げかけた膝が鋭角に突き出される。
そして、飛び込んだランバートの顔面が、その膝(ニーキック)に吸い込まれていく。
ドゴォッ!!
「ぶべらっ!?」
鈍い音が響き、ランバートが白目を剥いて座席に沈んだ。
「ああっ!? ごめんなさぁい! 揺れちゃってぇ!」
「……ナイスキル」
私は小声で称賛を送った。
モカのドジは、もはや芸術的な護身術の域に達している。
「騒がしいな……」
肩の上でギルバートが眉をひそめる。
起きない。この騒ぎでも起きない。よほど深い眠りについているようだ。
私は彼の髪を少しだけ撫でてみた。
サラサラとした銀髪。手触りは悪くない。
「……ねえ、セバスチャン」
御者台への小窓を開け、声をかける。
「王都まではあとどれくらい?」
「順調にいけば、明日の夕方には到着いたします。しかしお嬢様、検問はどうなさいますか? ギルバート様の馬車とはいえ、中を見られればランバート殿下の存在がバレます」
「そうね……」
私は眠るギルバートの頬をつついた。
「起きなさい、仕事中毒。作戦会議よ」
「……ん」
ギルバートがゆっくりと目を開ける。
その瞳が、至近距離で私を捉えた。
「……おはよう。良い枕だった」
「請求書は後ほど。それより、王都への侵入方法を考えないと」
ギルバートは眼鏡をかけ直し、瞬時に「宰相モード」へと切り替わった。
「問題ない。正規の門は通らない」
「というと?」
「王都の地下水道を使う。あそこなら警備は手薄だ。それに、地下水道のメンテナンス用通路は、そのまま王宮の地下倉庫エリアに接続している」
「地下水道……。臭そうですね」
私が顔をしかめると、ギルバートはニヤリと笑った。
「安心しろ。私が設計した最新鋭の下水処理システムが稼働している。臭いはない。……たぶんな」
「たぶんって何ですか。もしドレスに匂いがついたら、クリーニング代の三倍を請求しますからね」
「善処しよう。それよりウーロン、一つ確認しておきたいことがある」
ギルバートの表情が真剣になる。
「『伝説の茶葉』を手に入れた後、君はどうするつもりだ?」
「どうするって……もちろん、商品化して売り捌きますわ。あ、でも希少性が高いから、オークション形式にするのもいいかも」
「違う。君の身の振り方の話だ」
ギルバートが私の目を真っ直ぐに見つめた。
「君の父上、ペコー公爵はまだ激怒している。君が王都に戻ったと知れば、即座に屋敷に連れ戻し、鳥籠に閉じ込めるだろう。……それでも戻る覚悟はあるのか?」
その言葉に、私は言葉を詰まらせた。
父の溺愛は異常だ。
一度捕まれば、二度と外の世界には出られないかもしれない。
「可愛いウーロン、もう二度と危ない目には遭わせん!」とか言って、屋敷の周囲に万里の長城を築きかねない人だ。
「……覚悟なんてありませんよ」
私は視線を逸らし、窓の外の流れる景色を見た。
「でも、欲しいものがあるなら、リスクを冒してでも取りに行く。それが商人(私)の流儀です」
「……そうか」
ギルバートは短く呟き、そして言った。
「なら、私が保証しよう」
「保証?」
「君が茶葉を手に入れた後、誰にも縛られず、自由に商売ができる環境を。公爵閣下だろうと、国王陛下だろうと、私が説き伏せてみせる」
「……なんでそこまで?」
「言っただろう。君は私の『専属』になる予定だからだ。私の管理下にある人間を、他人に奪われるのは癪に障る」
ギルバートは素っ気なく言って、再び書類に目を落とした。
だが、その耳が僅かに赤くなっているのを、私は見逃さなかった。
(……管理下、ねぇ)
それは独占欲の裏返しにも聞こえたが、あえて突っ込まないでおく。
今は、この奇妙な共犯関係(パートナーシップ)が心地よかったからだ。
「期待せずに待ってますわ。……でも、もし失敗したら」
私は意地悪く笑った。
「その時は、貴方も一緒に辺境へ逃亡してもらいますよ? 私の店の『永久就職コース(無給)』でね」
「……悪くない条件だ」
ギルバートが小さく笑う。
その時、気絶していたランバートがムクリと起き上がった。
「ん……あれ? なんか今、いい雰囲気じゃなかったか? 余だけ除け者?」
「気のせいです。寝ててください」
私は冷たくあしらい、ランバートの顔に濡れタオル(雑巾)を被せた。
「むぐっ!?」
こうして、私たちの馬車は王都へと近づいていく。
それぞれの思惑と、少しの恋心(?)を乗せて。
だが、私たちは知らなかった。
王都では今、私の父――ペコー公爵が、とんでもない『ウーロン捜索部隊』を結成し、待ち構えていることを。
「ウーロンのためなら、王都を更地にしてでも探し出す!!」
父の叫びが、風に乗って聞こえたような気がして、私はブルリと身震いをした。
次回、『地下水道の冒険と、迫り来る親バカ』。
「無茶を言わないでください。ここは未舗装の街道ですよ。文句があるなら道路整備予算を承認してください」
王都へ向かう馬車の中。
そこは、この世の地獄と天国が同居する奇妙な空間となっていた。
四人乗りの馬車。
向かい合わせの座席配置はこうだ。
上座(進行方向):私(ウーロン)と、その横で書類の山と格闘するギルバート宰相。
下座(逆方向):うなだれるランバート(元王太子)と、窓の外を見てはしゃぐモカ。
「あ、見てくださぁい! 牛さんがいますよぉ! 美味しそうですねぇ!」
「モカ、あれは乳牛だ。食べられないぞ……はぁ、お腹すいた……」
ランバートが腹の虫を鳴らす。
彼は出発前に私が渡した「雑用係セット(三角巾とエプロン)」を着用したままだ。変装という名目だが、もはや完全に馴染んでいる。
「ウーロン、茶だ。思考回路が焼き切れそうだ」
隣からギルバートがゾンビのような声で要求してくる。
彼はプーアルを出発してから半日、一睡もせずに書類を決裁し続けている。
「はいはい。揺れるから気をつけてくださいね」
私は魔法瓶からカップに紅茶を注ぎ、彼の口元へ運ぶ。
もはや介護だ。
国のトップである宰相が、悪役令嬢に「あーん」で紅茶を飲ませてもらっている図。スキャンダル待ったなしである。
「……ふぅ。生き返る」
ギルバートが紅茶を飲み干し、ふらりと私の肩に頭を預けてきた。
「ちょっと、重いです」
「五分だけ貸せ。充電が必要だ……」
「枕代、別途請求しますよ」
「構わん。私の全財産は君の口座に紐付けてある……」
「暗証番号ごと?」
「ああ……君なら無駄遣いはしないだろう……むしろ増やしてくれると信じている……」
言い終わる前に、ギルバートからは寝息が聞こえ始めた。
私の肩に全体重を預け、無防備に眠る宰相閣下。
その横顔には、普段の冷徹さはなく、ただの疲れ切った青年のあどけなさがある。
(……信用されすぎでしょ)
私はやれやれとため息をつきつつ、彼の眼鏡をそっと外してあげた。
この男、本当に私のお茶(と私という精神安定剤)がないと生きていけない体になってしまったらしい。
「むぅ……」
その様子を、向かいの席からランバートがジト目で見ていた。
「なんかズルくないか? ギルバートだけ」
「何がですか?」
「だって、膝枕(正確には肩枕)だぞ? 余だってウーロンに甘えたい! 昔はよく『お勉強頑張ったら膝枕して』って頼んだのに!」
「頼まれてもお断りしてましたよね。『百点取ったら考えてあげます』と言って、貴方が一度も百点を取れなかったからです」
「うぐっ……! 過去の成績を持ち出すのは卑怯だぞ!」
ランバートが頬を膨らませる。
子供か。
「でもぉ、ランバート様ぁ。私がお膝貸してあげますよぉ?」
モカがニコニコしながら自分の膝をポンポンと叩く。
「お、おお! さすがモカ! やはり持つべきものは癒し系ヒロインだな!」
ランバートが喜んでモカの膝にダイブしようとした――その時。
ガタンッ!!
馬車が大きく跳ねた。
モカが体勢を崩し、上げかけた膝が鋭角に突き出される。
そして、飛び込んだランバートの顔面が、その膝(ニーキック)に吸い込まれていく。
ドゴォッ!!
「ぶべらっ!?」
鈍い音が響き、ランバートが白目を剥いて座席に沈んだ。
「ああっ!? ごめんなさぁい! 揺れちゃってぇ!」
「……ナイスキル」
私は小声で称賛を送った。
モカのドジは、もはや芸術的な護身術の域に達している。
「騒がしいな……」
肩の上でギルバートが眉をひそめる。
起きない。この騒ぎでも起きない。よほど深い眠りについているようだ。
私は彼の髪を少しだけ撫でてみた。
サラサラとした銀髪。手触りは悪くない。
「……ねえ、セバスチャン」
御者台への小窓を開け、声をかける。
「王都まではあとどれくらい?」
「順調にいけば、明日の夕方には到着いたします。しかしお嬢様、検問はどうなさいますか? ギルバート様の馬車とはいえ、中を見られればランバート殿下の存在がバレます」
「そうね……」
私は眠るギルバートの頬をつついた。
「起きなさい、仕事中毒。作戦会議よ」
「……ん」
ギルバートがゆっくりと目を開ける。
その瞳が、至近距離で私を捉えた。
「……おはよう。良い枕だった」
「請求書は後ほど。それより、王都への侵入方法を考えないと」
ギルバートは眼鏡をかけ直し、瞬時に「宰相モード」へと切り替わった。
「問題ない。正規の門は通らない」
「というと?」
「王都の地下水道を使う。あそこなら警備は手薄だ。それに、地下水道のメンテナンス用通路は、そのまま王宮の地下倉庫エリアに接続している」
「地下水道……。臭そうですね」
私が顔をしかめると、ギルバートはニヤリと笑った。
「安心しろ。私が設計した最新鋭の下水処理システムが稼働している。臭いはない。……たぶんな」
「たぶんって何ですか。もしドレスに匂いがついたら、クリーニング代の三倍を請求しますからね」
「善処しよう。それよりウーロン、一つ確認しておきたいことがある」
ギルバートの表情が真剣になる。
「『伝説の茶葉』を手に入れた後、君はどうするつもりだ?」
「どうするって……もちろん、商品化して売り捌きますわ。あ、でも希少性が高いから、オークション形式にするのもいいかも」
「違う。君の身の振り方の話だ」
ギルバートが私の目を真っ直ぐに見つめた。
「君の父上、ペコー公爵はまだ激怒している。君が王都に戻ったと知れば、即座に屋敷に連れ戻し、鳥籠に閉じ込めるだろう。……それでも戻る覚悟はあるのか?」
その言葉に、私は言葉を詰まらせた。
父の溺愛は異常だ。
一度捕まれば、二度と外の世界には出られないかもしれない。
「可愛いウーロン、もう二度と危ない目には遭わせん!」とか言って、屋敷の周囲に万里の長城を築きかねない人だ。
「……覚悟なんてありませんよ」
私は視線を逸らし、窓の外の流れる景色を見た。
「でも、欲しいものがあるなら、リスクを冒してでも取りに行く。それが商人(私)の流儀です」
「……そうか」
ギルバートは短く呟き、そして言った。
「なら、私が保証しよう」
「保証?」
「君が茶葉を手に入れた後、誰にも縛られず、自由に商売ができる環境を。公爵閣下だろうと、国王陛下だろうと、私が説き伏せてみせる」
「……なんでそこまで?」
「言っただろう。君は私の『専属』になる予定だからだ。私の管理下にある人間を、他人に奪われるのは癪に障る」
ギルバートは素っ気なく言って、再び書類に目を落とした。
だが、その耳が僅かに赤くなっているのを、私は見逃さなかった。
(……管理下、ねぇ)
それは独占欲の裏返しにも聞こえたが、あえて突っ込まないでおく。
今は、この奇妙な共犯関係(パートナーシップ)が心地よかったからだ。
「期待せずに待ってますわ。……でも、もし失敗したら」
私は意地悪く笑った。
「その時は、貴方も一緒に辺境へ逃亡してもらいますよ? 私の店の『永久就職コース(無給)』でね」
「……悪くない条件だ」
ギルバートが小さく笑う。
その時、気絶していたランバートがムクリと起き上がった。
「ん……あれ? なんか今、いい雰囲気じゃなかったか? 余だけ除け者?」
「気のせいです。寝ててください」
私は冷たくあしらい、ランバートの顔に濡れタオル(雑巾)を被せた。
「むぐっ!?」
こうして、私たちの馬車は王都へと近づいていく。
それぞれの思惑と、少しの恋心(?)を乗せて。
だが、私たちは知らなかった。
王都では今、私の父――ペコー公爵が、とんでもない『ウーロン捜索部隊』を結成し、待ち構えていることを。
「ウーロンのためなら、王都を更地にしてでも探し出す!!」
父の叫びが、風に乗って聞こえたような気がして、私はブルリと身震いをした。
次回、『地下水道の冒険と、迫り来る親バカ』。
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