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毎日しっちゃかめっちゃかです
【説明をお願いします】
――次の日の夜になっても、ジノの熱は下がらなかった。
セノールが呼んだ医師は、粛々と診察をして、
「風邪ですな。栄養を取って、安静に」
とお決まりの文句を言って去っていった。
心労だ、肉体的疲労だ。ジノが横目でリックを見る。
毎日朝晩唇を狙われてみろ。心休まる暇もない。と、痛む頭をしかめる。さしずめ厄災の勇者だ。
「……ジノ、大丈夫かい……?」
しかしそれでもこちらを心配する声は穏やかで、今も眉尻を下げてジノを見下ろしている。
食べきれなかった野菜スープが、ベッド脇のテーブルで冷えている。頓服の解熱剤は、さっき何とか飲んだ。
――この勇者、いつも必要以上にくっついてくるというのに、こんな時に限って距離がある。いや、風邪を引いているのだから当然と言えば当然だが、こっちは寒いって言ってんのに。……ジノが、毛布を口元まで引き上げる。
……寒いから、一緒に寝ても別に……い、いや、違う、寒いから、寒いからな……などというジノの文句は、喉元まで出かかってはどうにも言葉にならない。
……が……、やはり言うだけ言ってみようか、とも思う……。
「……リッ」
「あっ、そうだ、魔法で治してもらおうか!」
「……ぁ……?」
いいことを思いついた、といった顔で、すくっと立ち上がったリックが、駆け足で寝室奥の棚へと向かう。
バタバタとあちこちの引き出しを開けたのち、「あった!」と言って何かを手に取り、ベッドへ。
訝しげな顔をしてジノが上体を起こせば、その手のひらの中、どくどくと脈打つ何か。
「…………そっ……」
れって魔王の心臓では……?
ジノの時が、止まった。
あ、あれはそう、魔王討伐を成し遂げた、勇者の凱旋パレードの時……討伐の証として、高々と手に掲げていた、”それ”。紫に怪しく光る、毒々しい心臓。ああ、覚えてるとも、いや覚えてるっていうか知らない奴がいない。
そんで”それ”って国王に献上されたのでは……??
「…………な、んだ、それ……」
「ん?魔王の心臓♡」
デスヨネ――!?なんで持ってんの?何で脈打ってんの!?
「なん、なんで持ってる……」
「陛下にあげたのは偽物だね~。私、魔王討伐してないし」
「…………」
――ジノ、絶句である。
しかし恐らく表情が全て語っていたのであろう、リックが困ったように笑った。
「だって魔王って別にさ、悪い奴じゃなかったよ。――ファルメス」
それは、恐らく、名前だった。
――ず、とリックが手に持つ心臓から、濃い紫の霧が染み出てきた。
霧は重く床に溜まり、徐々に輪郭を形作っていく。……人型だ。ぞろりと腰まである長髪の、男。
「…………うぬ……?」
ぼそり、とそれが目を開ける。にこにことするリックと、その隣で目を白黒させる人間を見て……小さく首を傾げた。
「……ぬ、勇者貴様、結婚をすると手紙だけ寄越しおって……」
「あはッ、結婚の報告ファルメスにしかしてないし、許して!」
「…………まぁ、よかろう……」
よ、よかろう……?
――なにもよかありませんが……ッッ!?と、ジノはひっくり返る勢いであった。
ま、まま、魔王か!?
勇者リックと相まみえてあわや相打ち、すんでのところで勇者がトドメを刺し、世界に平和をもたらしたとあちらこちらで詠われる、魔王?
魔獣の軍勢を率いて、数多の集落や村を襲い人々を苦しめた、魔王……?
情も慈悲もなく、ただ闇の力を示すためだけに他の命に手をかける……手を……、死の……。
……けれど、そんな風には、見えなかった。
「まったく、なんの用か……御新造の披露ではなさそうだな……」
「ジノが風邪ひいちゃってね、熱がツラそうだから、治してあげて」
「……貴様……この俺を医者か何かと……」
チッ、と魔王から小さな舌打ちが漏れ聞こえて、ごつ、と一歩、ベッドに歩み寄る。
ゆらり、足元の霧が揺れて、ローブが床の上を引きずった。爪の長い手が、ジノに差し出される。
「……え……」
「手を乗せろ」
「……ええ……?」
「ぬぅ、手だ、手。わからんか」
びくびく、とジノが指先を出すと、魔王の手がぱしりとそれを取った。冷たい。が、氷のような冷たさではなく、無機質な冷感というか……いやそんなことより。
「…………なるほど。そこそこ高いな」
魔王が眉をひそめる。なにやらぶつぶつと呟きながら、ジノの手を包むようにしばし保持。
その袖口から、ぞわりと霧が漏れ出る。魔王の手首を伝い、繋がれた手を伝い、霧はそのままジノの身体へ。
「ッ……」
ジノが思わず目を閉じるが、背にリックの手のひらが触れていることに気がついて、――肩の力が抜けた。じんわりと、身体から熱が引いていくような感覚。
「……あ、あれ、なんか、楽ンなった……」
思わず漏れた言葉に、魔王が鋭く鼻を鳴らした。ゆっくりと、繋いだ手を離しながら、ぼそり。
「哀れな……」
「は……?」
何事かとジノが反論しかけたその瞬間、背後からリックの拍手が鳴る。
「ありがとうファルメス!さすが魔王!助かった~!♡」
「……礼などいらん。今後とも、夫婦仲睦まじく――」
「いや夫婦じゃねぇから!!」
ジノの絶叫が、ようやく寝室の天井に届いた。夫夫だもんね♡、などというリックの声は、もうこの際聞こえないことにする。
ファルメスは口の端だけで笑って、身体の端から徐々に霧になっていく。
「……次は、祝いの席でな……」
「うんうん!よかったね、ジノ♡」
「よ、よかったねって……!」
――霧散、していく、霧。
しんと静かになる、寝室。
唖然とそこを見つめるジノ。
ぽかりと口を開けたまま、ぎぎ、ぎぎ、とリックのほうを振り返る。
「……お、おま……」
「うん?♡」
「おっ……ッッ……まえ魔王が死んで無いってどういうことだよッ!?」
がっつりとリックの胸元を引っ掴んで詰め寄るジノの叫びは、あくまで囁くような音量だった。機密だ。こんなん、どこにも教えらえれない国家機密。いやむしろ、国家にこそ機密。
「なん、あの、えっ、この心臓何!?」
「”討伐の証”だよ♡」
「に、偽物ってことか!?」
「これは本物のファルメスの心臓♡」
「ファ、本も、ううん……!?」
ジノ、尽きない。疑問も混乱も尽きない。大混乱に紛れて流されていたような気がするが、『結婚をすると手紙を云々』とか言ってた……?勇者が?魔王に?結婚したって……??
もはや何から聞けばいいのかわからず、ジノががくがくとリックを揺さぶる。なお揺さぶられているリックは、元気になったジノに詰め寄られて大変嬉しそうに頬を染めている。手にはまだ、脈打つ心臓。
「わかったわかった、話すから♡」
「ンの前に”それ”しまってこい!!こええ!」
「は~~~い♡♡♡」
ぱたぱたと棚へ向かう勇者の足取りに、ジノの混乱は、伝わっていないようだった。
――【説明をお願いします】
セノールが呼んだ医師は、粛々と診察をして、
「風邪ですな。栄養を取って、安静に」
とお決まりの文句を言って去っていった。
心労だ、肉体的疲労だ。ジノが横目でリックを見る。
毎日朝晩唇を狙われてみろ。心休まる暇もない。と、痛む頭をしかめる。さしずめ厄災の勇者だ。
「……ジノ、大丈夫かい……?」
しかしそれでもこちらを心配する声は穏やかで、今も眉尻を下げてジノを見下ろしている。
食べきれなかった野菜スープが、ベッド脇のテーブルで冷えている。頓服の解熱剤は、さっき何とか飲んだ。
――この勇者、いつも必要以上にくっついてくるというのに、こんな時に限って距離がある。いや、風邪を引いているのだから当然と言えば当然だが、こっちは寒いって言ってんのに。……ジノが、毛布を口元まで引き上げる。
……寒いから、一緒に寝ても別に……い、いや、違う、寒いから、寒いからな……などというジノの文句は、喉元まで出かかってはどうにも言葉にならない。
……が……、やはり言うだけ言ってみようか、とも思う……。
「……リッ」
「あっ、そうだ、魔法で治してもらおうか!」
「……ぁ……?」
いいことを思いついた、といった顔で、すくっと立ち上がったリックが、駆け足で寝室奥の棚へと向かう。
バタバタとあちこちの引き出しを開けたのち、「あった!」と言って何かを手に取り、ベッドへ。
訝しげな顔をしてジノが上体を起こせば、その手のひらの中、どくどくと脈打つ何か。
「…………そっ……」
れって魔王の心臓では……?
ジノの時が、止まった。
あ、あれはそう、魔王討伐を成し遂げた、勇者の凱旋パレードの時……討伐の証として、高々と手に掲げていた、”それ”。紫に怪しく光る、毒々しい心臓。ああ、覚えてるとも、いや覚えてるっていうか知らない奴がいない。
そんで”それ”って国王に献上されたのでは……??
「…………な、んだ、それ……」
「ん?魔王の心臓♡」
デスヨネ――!?なんで持ってんの?何で脈打ってんの!?
「なん、なんで持ってる……」
「陛下にあげたのは偽物だね~。私、魔王討伐してないし」
「…………」
――ジノ、絶句である。
しかし恐らく表情が全て語っていたのであろう、リックが困ったように笑った。
「だって魔王って別にさ、悪い奴じゃなかったよ。――ファルメス」
それは、恐らく、名前だった。
――ず、とリックが手に持つ心臓から、濃い紫の霧が染み出てきた。
霧は重く床に溜まり、徐々に輪郭を形作っていく。……人型だ。ぞろりと腰まである長髪の、男。
「…………うぬ……?」
ぼそり、とそれが目を開ける。にこにことするリックと、その隣で目を白黒させる人間を見て……小さく首を傾げた。
「……ぬ、勇者貴様、結婚をすると手紙だけ寄越しおって……」
「あはッ、結婚の報告ファルメスにしかしてないし、許して!」
「…………まぁ、よかろう……」
よ、よかろう……?
――なにもよかありませんが……ッッ!?と、ジノはひっくり返る勢いであった。
ま、まま、魔王か!?
勇者リックと相まみえてあわや相打ち、すんでのところで勇者がトドメを刺し、世界に平和をもたらしたとあちらこちらで詠われる、魔王?
魔獣の軍勢を率いて、数多の集落や村を襲い人々を苦しめた、魔王……?
情も慈悲もなく、ただ闇の力を示すためだけに他の命に手をかける……手を……、死の……。
……けれど、そんな風には、見えなかった。
「まったく、なんの用か……御新造の披露ではなさそうだな……」
「ジノが風邪ひいちゃってね、熱がツラそうだから、治してあげて」
「……貴様……この俺を医者か何かと……」
チッ、と魔王から小さな舌打ちが漏れ聞こえて、ごつ、と一歩、ベッドに歩み寄る。
ゆらり、足元の霧が揺れて、ローブが床の上を引きずった。爪の長い手が、ジノに差し出される。
「……え……」
「手を乗せろ」
「……ええ……?」
「ぬぅ、手だ、手。わからんか」
びくびく、とジノが指先を出すと、魔王の手がぱしりとそれを取った。冷たい。が、氷のような冷たさではなく、無機質な冷感というか……いやそんなことより。
「…………なるほど。そこそこ高いな」
魔王が眉をひそめる。なにやらぶつぶつと呟きながら、ジノの手を包むようにしばし保持。
その袖口から、ぞわりと霧が漏れ出る。魔王の手首を伝い、繋がれた手を伝い、霧はそのままジノの身体へ。
「ッ……」
ジノが思わず目を閉じるが、背にリックの手のひらが触れていることに気がついて、――肩の力が抜けた。じんわりと、身体から熱が引いていくような感覚。
「……あ、あれ、なんか、楽ンなった……」
思わず漏れた言葉に、魔王が鋭く鼻を鳴らした。ゆっくりと、繋いだ手を離しながら、ぼそり。
「哀れな……」
「は……?」
何事かとジノが反論しかけたその瞬間、背後からリックの拍手が鳴る。
「ありがとうファルメス!さすが魔王!助かった~!♡」
「……礼などいらん。今後とも、夫婦仲睦まじく――」
「いや夫婦じゃねぇから!!」
ジノの絶叫が、ようやく寝室の天井に届いた。夫夫だもんね♡、などというリックの声は、もうこの際聞こえないことにする。
ファルメスは口の端だけで笑って、身体の端から徐々に霧になっていく。
「……次は、祝いの席でな……」
「うんうん!よかったね、ジノ♡」
「よ、よかったねって……!」
――霧散、していく、霧。
しんと静かになる、寝室。
唖然とそこを見つめるジノ。
ぽかりと口を開けたまま、ぎぎ、ぎぎ、とリックのほうを振り返る。
「……お、おま……」
「うん?♡」
「おっ……ッッ……まえ魔王が死んで無いってどういうことだよッ!?」
がっつりとリックの胸元を引っ掴んで詰め寄るジノの叫びは、あくまで囁くような音量だった。機密だ。こんなん、どこにも教えらえれない国家機密。いやむしろ、国家にこそ機密。
「なん、あの、えっ、この心臓何!?」
「”討伐の証”だよ♡」
「に、偽物ってことか!?」
「これは本物のファルメスの心臓♡」
「ファ、本も、ううん……!?」
ジノ、尽きない。疑問も混乱も尽きない。大混乱に紛れて流されていたような気がするが、『結婚をすると手紙を云々』とか言ってた……?勇者が?魔王に?結婚したって……??
もはや何から聞けばいいのかわからず、ジノががくがくとリックを揺さぶる。なお揺さぶられているリックは、元気になったジノに詰め寄られて大変嬉しそうに頬を染めている。手にはまだ、脈打つ心臓。
「わかったわかった、話すから♡」
「ンの前に”それ”しまってこい!!こええ!」
「は~~~い♡♡♡」
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――【説明をお願いします】
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