女神の箱庭は私が救う

神月いろは

文字の大きさ
6 / 8

報酬

しおりを挟む
『前回の召喚された乙女は”レベッカ”という20歳の学生。貴女と同じ地球という世界から来た子よ。召喚時に彼女が選んだ国はレックロッド帝国。
彼女が元の世界で学んでいた知識でレックロッドは発展し、彼女は65歳でこちらの生を終えて元の世界に帰って行きました。彼女の願いは地位と名誉が欲しいだったわ』

「願い事?」

『まだ説明して無かったわね。
召喚された国を救ってくれたら元世界に戻る時に願いを1つ叶えてあげるの。貴女の世界では報酬にあたるのかしら』

「マジで!なんでもいいんですか?」

『人の死を望んだり命切れた人を生き返らす事、呪ったり不幸を願う事はダメよ。あと願いを増やしてもね。今回は4つの国を救って欲しいから最大4つね』

なっなんて太っ腹なんだ!女神リリス!

「じゃー!じゃー!死ぬまでお金に困らないとか夫と私の持病を治してとか標準体型(Mサイズ)にしてとかは?あり⁈」

『お金持ちとかで無くていいの?
お金を望む人は大金を欲するけど』 

「あったら無駄に問題呼ぶんで贅沢せず平均的な生活できたらそれでいいです。多くは望まないです」

『ふふふ…欲がないのね。貴女らしいわ』

まさか報酬があるなんて!俄然ヤル気出てきた!

『あとこれは今回初めての試みなんだけど、貴女に各国の殿方と子をもうけて欲しいの』

「??ん??」なんですと?
フリーズする私。リリスは淡々と話を進める。

『貴女が4国を救ってくれて、貴女が子を産み知識を継ぐ子が出来ればこの箱庭の安寧は長く続くでしょう。そうすれば召喚の必要はなくなり、箱庭の維持に力を使えるわ。
箱庭は最低限の修繕しか出来ていなくて、このままだといずれ崩壊する。
もちろん無理強いはしないわ。貴女が愛する人が出来て子を望んだらでいいの。もし子を産み知識を授けてくれれば追加報酬をします』

「追加ですか⁈願い事1つ増えるんですか?」

『否。時戻りです。初めに元の世界に戻る時にこちらに来た時に戻すといいましたが、貴女が望む過去の時間に帰します』

昔に戻る?戻りたい時点あるかなぁ…
今の環境に不満はないからあまり必要ない…
まだしばらくこっちに居るからゆっくり考えてみよう。それより4人と子づくりなんて…

「!あー!私子供産むの肉体的に無理!出来てもギリ一人ですよ!私アラフィフです!」

『大丈夫。貴女が子を産むのと4国救うのに時間が必要だから、17歳の女性に転生させたわ。
あと、この世界の人は召喚された国のみ救われると思っているわ。だから今回の召喚の意図を知らせたいの。だけど私の言葉は伝える術は無いの。
だから貴女を通して伝えたいと思ってるから、協力してくれるかしら⁈』

「はい。何をすればいいですか?」

『貴女はアルディアの城内に居るわ。目覚めたらアルディア王に謁見する事になるでしょう。
その時に私が召喚の意図を話したいと伝え、各国に連絡し代表を女神の台座に集めて欲しいの。女神の台座なら貴女の身体を借りて話をする事が出来るから』

「でもね、王様にいきなり女神が話あるから台座に来てって私が言って信じてもらえますか?」

『そうしたら王にこう言えばいいわ。「ロナウドのリーフは無くならない」と…』 

また知らない人物出てきた。説明よろしく!女神リリス!「ロナウドのリーフとは?」

『私が初めて召喚したのが”ロナウド”です。彼は王の命令で殺されました。その時彼の命を奪ったのは手刀です。
その事を忘れない様に、女神の丘にソードリーフを葉生させました。
箱庭の住人があの愚行を忘れない様に…
この事実を知るのは王だけ。人々に知れると王家の信頼を失う事を恐れ、代々王のみ伝え継がれいます。だから貴女が”ロナウドのリーフ”と言えば王は信じるでしょう。

さぁ!アルディアの人々が貴女の目覚めを待っています。まだまだ話したいけど続きは台座でね』

椅子から立ち上がったリリスが手を振ると、だんだん目の前がぼやけて来て、周りで話し声が聞こえて来た。

目を開けると知らない天井があった。
あ…異世界小説の目覚めのあるあるだぁ…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...