近未来判事「タクヤ」

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事件簿002 『縛られ地蔵』その4

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別室で5人の裁判員から意見を聞きながら、ボクは300年前に思いを馳せる。

---

大量の反物(布地)を盗んだ犯人が見つからない。
大岡奉行は、現場近くに鎮座していたお地蔵さんをお縄に(逮捕)するよう命じる。
お白州(法廷)に運ばれた縛られたお地蔵さんを前にお奉行がどういうお調べをするのか??

奉行所は野次馬で大騒ぎ。
大岡奉行は野次馬達に奉行所を騒がせた罰として反物を納付するように命じる。
後日、野次馬たちが差し出す反物の中に盗まれた反物の一つが!!

「こいつが犯人じゃ!捕まえろ!!」
「さすがお地蔵様!犯人を連れて来てくださった!!」

---

よっ!名裁き!!
大岡越前サイコー!!

「・・・では、タクヤ判事のご意見を。」

急に現実に呼び戻されたボクは咄嗟に言葉を発した。
「お地蔵様は何もかもお見通しよっ!!」

3秒ほどでタクヤ語翻訳を終えた書記官サエが宣言する。

「検事さん!現場近くにお地蔵様があったでしょ!そこを調べていらっしゃい!!」

えー!ええーっ!!
おいおい、さすがにそれはねぇだろぉ!!

翌日の新聞一面の見出しは・・・『証拠はお地蔵様が知っていた!』

最近ネットでは庭の装飾用として世界各地の怪しげな石像が出回っている。
十字架を下げたお釈迦様。頭に蛇を巻いたジャンヌダルク。片手で逆立ちしている二宮金次郎。

めちゃくちゃだ・・・。
お地蔵様も結構人気らしい。
犯人が使ったのは花を飾る為の穴が頭に開けてあるなんとも罰当たりなお地蔵様だった。
その頭の空洞に、凶器のナイフとネックレスを隠して笠を被せて隠していた、というわけ。

元々現場には、そんなお地蔵様などあるはずもなく事件の前日に犯人が置いたもの。
事件現場のすぐ脇に堂々と鎮座するピカピカのお地蔵様を不審に思わない捜査員も大間抜けだが、近所に突然お地蔵さんが現れても気にもしない住民ってどーよ!

て言うか、書記官のサエ、凄過ぎ!
ボクが吐き気でまともに見られなかったあのリアル再現映像に、ほんの一瞬映っていたお地蔵様を憶えていたとは・・・。

しょーがないじゃん。
ボクの出来が悪いんじゃなくてサエが出来すぎなの!!

さて、次は何の事件だったかな。せめて無銭飲食事件のリアル映像程度だといいけど・・・。
今日は吐き気が治らないからまたサプリランチだ・・・。
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