近未来判事「タクヤ」

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事件簿007 『名人長二』その16

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「この傷を見た時の女将さんの様子は尋常じゃない。もしかして・・・俺の母さんじゃないのか・・・。」

どうにも仕事が手につかない長二は、親方に事情を話して湯河原に向かった。

「やはり来たか・・・。」

和尚は覚悟していたようだ。

「亀甲屋さんが私の両親ですよね。なぜ私は捨てられたんですか!?」

長二は和尚に詰め寄った。
一瞬背中の傷がズキリと痛んだ。

「確かにお前の親は亀甲屋さんだ。正確には実の母親と、そのご主人だよ。」

それから和尚は、長二に真実を教えてくれた。

「亀甲屋は半右衛門という方が本来のご主人だった。最初の奥方は早くに病気で亡くなった。その後、半右衛門さんは周りの勧めで後妻を迎えた。それがお柳さんじゃ。そして、半右衛門さんとお柳さんの間に生まれたのが長二、お前じゃ。そしてお前が生まれてすぐ、父親の半右衛門さんは急な病いで亡くなってしまった。」

「ということは・・・。」

「うむ。今のご主人、幸兵衛さんは入婿。お前とは血はつながっておらん。しかし母親は間違いなくあの女将さん。お柳さんなのじゃ。」
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