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事件簿009 『鹿政談』その23
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検事が馬鹿にしたような顔で孔明さんに質問した。
「では、本戸間さんが本当に携帯を失くしたとしましょう。そうすると、本戸間さんの携帯を拾った人間が、たまたま珠子さんのメールアドレスを知っていた、ということになる。そんな偶然などありえない!」
孔明は、検事の言葉を待っていたように、半透明の裁判員たちに話しかけた。
「その通り。そんな偶然はありえない。であれば、本戸間さんが携帯を失くしたのではなく、誰かが本戸間さんの携帯を盗み、珠子さんのアドレスを調べあげてメールした、と考えるのが一番自然ではないかな?珠子さんを知っていて本戸間さんの携帯を盗み出せる人間。そして二人の両方に恨みを持っている人間。その人間こそが、この事件の真犯人じゃ!」
しかし検事は冷ややかなままだった。
「ほほぉ。なかなかおもしろい推理をされますね。しかし、そんな都合のよい人間など、どこにもいませんよ。あなたの想像でしかない!」
検事の反論にも孔明は落ち着いている。
「そうかな?まぁもうすぐわかるじゃろ。」
ボクは、孔明さんが絶対に嘘をつかないことを知っている。
「二人の両方を知っている人間・・・。あ!もしかして孔明さん?!」
サエの冷たい声が聞こえた。
「ほんとバカ・・・」
「では、本戸間さんが本当に携帯を失くしたとしましょう。そうすると、本戸間さんの携帯を拾った人間が、たまたま珠子さんのメールアドレスを知っていた、ということになる。そんな偶然などありえない!」
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しかし検事は冷ややかなままだった。
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