近未来判事「タクヤ」

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事件簿012 『火事息子』その1

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2035年、家裁を兼ねた宮崎地裁の調停室。

「どうでもいいんだよ!!オレは金さえくれれば、さっさと消えるから!!」

怒鳴っている男は、大河内宗二郎。

見た目は怪しげな魔術師。
スキンヘッド、顔、腕、とにかく見える場所には全てタトゥーを入れている。
怒鳴るたびに、鼻、耳、瞼、舌のピアスがジャラジャラと鳴る。

「太鼓でもあれば呪いの儀式でも始まりそうだ・・・。」

タクヤのつぶやきは、ジャラジャラに消されて誰にも聞こえなかったようだ。

「何が金よっ!家を勝手に飛び出して、病院にも1回も来ないで。今更何言ってるの!」

金や銀のアクセサリーを、男に負けないくらい全身でジャラジャラ鳴らして女が怒鳴った。

宗二郎の姉、大河内あい子だ。

「魔法対決で決着つければいいのに。」

今度は聞こえたらしい。

「あんだってぇ?!」

「マジメにやんなさいよっ!」

二人の魔術師に睨まれたボクは、祭壇に供えられた生贄のように縮こまってしまった。
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