近未来判事「タクヤ」

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事件簿012 『火事息子』その2

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二人の両親、大河内夫婦は、25年前に小さな移動販売車1台でランチパックの販売を始めた。

夫の源一郎は、30歳を過ぎてリストラで職を失った。
移動販売は、再就職も見込めない中で、友人からのアドバイスで、なけなしの貯金を元に始めた商売だった。

『オンデマンド・ランチ』

メニューはチキン南蛮やハンバーグなど、どこにでもある定番料理だけ。
ただし、特別なサービスが売り物だった。

ここ数日の食事内容をネットで送っておくと、不足している栄養素を補えるサラダやスープを、その人に合わせて調整してくれるのだ。
もちろんカロリーや塩分なども計算して全体の量も調整する。

栄養士の資格を持っていた妻ミヤコと、料理が趣味だった源一郎に、ピッタリの共同作業だった。
だが、最初はなかなか売れなかった。
事前の注文が無ければ、ただのありきたりな移動弁当販売だ。

毎日、夫婦で売り歩いた。
手書きのチラシも配った。
夜中まで料理を仕込み、朝も早くから調理して、昼前から夕方まで走り回った。
休日も、イベントを探しては県内全域を移動した。

しかし、それだけ頑張っても、生活はギリギリの状態だった。

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