近未来判事「タクヤ」

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事件簿012 『火事息子』その14

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最初は、5年前から行方不明の弟には財産管理人を選任するはずだった。
あい子は、扱いずらい株や不動産を弟の分に回すつもりだったのだ。

どうせ、あと2年もすれば、失踪宣言して弟の分も処分できる。
贅沢が染みついてしまったあい子は、そう皮算用していたのだろう。

ところが、突然、裁判所に弟の宗二郎が現れた。
スキンヘッド、タトゥ、ピアス、見た目は別人になっていたが。

「状況が変わったので、まずご家族で話し合われてはどうですか?」

サエの言葉に、お互いが顔を見合わせたが、誰も反対はしなかった。

調停室を出ると、廊下に見覚えのある顔が待っていた。

「あれぇ?なんで孔明さんがここにいるの?」

「話せば長くなる。また今度な。」

あっけにとられているボクを置いて、大河内家の三人と孔明さんは、そそくさと裁判所を出て行った。
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