近未来判事「タクヤ」

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事件簿012 『火事息子』その15

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さて、こちらは300年前。

「実は、さっきの男は藤三郎さんでございます。」

「なっ!お、お前知っていたのか!?」

「いえ、私も先ほどまで知りませんでした。」

「あれが藤三郎・・・。いやいや。あいつは勘当したのだ。今は赤の他人。会う必要など無い!」

そう言い捨てて、奥に戻ろうとした伊勢屋に佐兵衛は詰め寄った。

「旦那様!赤の他人であればこそ、お手伝いをいただいて店の主人が礼もしないでは、道義に反するのではございませんか?」

「う、う~~~む。お前の言うとおりだ。他人なのだからな・・・。そう他人だ。わかった。お礼を言わせてもらいましょう。」

土間には、火消し半纏はんてんを着た藤三郎が所在なさげに立っていた。
腕組みしているのは、両腕の刺青が少しは気になるからだろう。

「伊勢屋でございます。このたびは誠にありがとうございました。」

「あーいや。たまたま向こうの屋根から佐兵衛・・・ば、番頭さんがお困りの様子が見えたので。」

お互いにギクシャクとしたあいさつを交わした。
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