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60.婚約者の贈り物
ジルダを目の前にして、カインは彼女の持つ優しい魔力を久しぶりに感じた気になった。
3日前も同じように目の前にいたのに、その時は相変わらず疎ましく感じていた。
だが、今日はどうだろうか。
この人はこんなに優しく温かい魔力をいつも自分に向けていたのかと自覚すると、カインは気まずさと心地よさをどう扱っていいか分からず、持て余していた。
これまでの態度が思い浮かばれて恥ずかしいし情けない。しかし、どこかでまだジルダを疎んじている自分がいる。
どこかで、「ジルダは自分を裏切った」という声が聞こえる気がするが、その声に抗いたい自分がいて、頭が混乱して考えがまとまらない。
日記の事やティン=クェンの事など聞きたい事が沢山あったが、まともにジルダの顔を見れない自分を隠したくて、手だけをジルダに預けて顔と体は横を向けていた。
「カイン様――」
ジルダに名を呼ばれて、カインは飛び上がりそうになった。
ジルダの声を久しぶりに聞いた気がした。
こんなに落ち着いた女性の声だっただろうか?もっと舌足らずな幼い話し方ではなかったか――
「カイン様の魔力が本日は安定していないようです。何かございましたか?」
カインの横顔を見つめながら、ジルダが問いかけた。
「いつも通りだ。何もない――」
ジルダの方を見ないようにして、混乱を悟られないようそっけなく答えてから、カインは後悔した。
しまった――日記の事を切り出す機会だったのに。
「そうですか――なるべく多めに魔力を吸収しておきますが、魔獣討伐は到着してすぐ行われるわけではありませんよね」
カインの対応の悪さには慣れているジルダは、特に気にする様子も見せずに答えた。
そして、部屋の隅に控えていた自分の侍女に目配せをすると、小さな包みを持ってこさせた。
「こちらを」
ジルダは包みから、カインの瞳によく似た青い親指の先ほどの大きさの宝石が付いた首飾りを取り出すと、カインに差し出した。
首飾りの鎖には繊細な細工があしらわれており、赤みを帯びた金の鎖はどことなくジルダの髪を思い浮かばせた。
「錬金術師に頼んで作ってもらったものです。――カイン様の魔力を安定させる効果があると思います」
「錬金術師――?」
カインの脳裏に、いつかジルダと親しげだったあの錬金術師の顔が浮かんだ。
「あの、何という名だったか、以前屋敷に連れてきたあの錬金術師か?」
カインの質問は的を射ない。また気に入らないと難癖をつける気かと、ジルダは小さく溜息をついた。
「ええ。マールはアバルト侯爵家の錬金術師で、以前から色々と相談に乗ってもらっています」
初耳だった。
いや、よく考えるとカインはジルダのことをほとんど知らない。
以前下男が言っていたか――僕の魔力を吸収するのは疲れる、と。
そんなことも、カインは知らなかった。
下男に接していたように、あの錬金術師にも、ジルダは親しく接しているのだろう。
あのナジームとかいう男も、ジルダには馴れ馴れしかった。
カインは思い返すと胸がむかむかしてきた。
「どうされましたか?」
ジルダがカインの顔を覗き込むと、カインはジルダの顔を見つめ返した。
昔は腫れぼったい目だったが、今では切れ長の綺麗な一重瞼だ。
社交界の人々はジルダを不器量だと笑うが、カインは一度もそう思ったことが無い。
ジルダを不器量だなんて思わないのは、自分だけだと思っていたのに、ラエル卿がジルダを美人だと言った。
あのナジームもだ。
「き……君は随分と異性に人気があるのだな」
「何をおっしゃっているのか分かりませんが、人気がおありなのはカイン様では?」
「だ――だが、僕はやたらめったら異性と親しくなんてしない」
何を言ってるんだろう。やたらめったらでなければいいとでも言いたいのだろうか。
ジルダは白けた気持ちでもう一度小さく溜息をついた。
「あのナジーム・アシャールもそうだ。君がもっと毅然とした態度でいれば、あんな風に馴れ馴れしくはならなかっただろう」
「左様ですか」
「あの時だって、僕が言わなければ君は曖昧な態度のままだっただろう」
あの時――夏を迎える夜会の時のことだろうが、ジルダはちゃんと断ったつもりでいたし、なんならカインが割り込んで最後まで話ができなかったのではないか。
ジルダはカインが何を言いたいのか分からない。
だが、このまま感情が乱れて魔力が溢れてはいけない。
ジルダは慎重に、握ったままの手からカインの魔力を読んだが、魔力はさっきよりも落ち着いていた。
吸収もいつもよりもしっかりと行ったし、これ以上カインの感情が乱れないうちにこの場を離れた方がよさそうだ。
ジルダは、差し出したままカインが受け取らないおかげで、行き場を失った宝石を握りなおすと女中に渡そうとした。
「待て。それをどうするんだ」
カインが焦ってジルダの手を握ったので、ジルダは驚いてカインを見た。
「カインさまがお受け取り下さらないので、持ち帰ろうかと」
「――受け取らないとは言っていない」
そう言うと、カインはジルダの手から青い宝石を奪うように取り上げると、そのまま自分の首に着けてみせた。
「君が作ってくれたんだろう?……その……婚約者からの贈り物だ。ありがたく、使わせていただく」
青い宝石はカインの瞳によく映えて、赤みのある金の鎖はその細工から光を乱反射させて、カインの美しい金色の髪を際立たせた。
ジルダは、まさかカインが素直に受け取るとは思わなかったため、呆気に取られてカインを見つめていた。
普段は決して表情を崩す事はないジルダのその表情を見て、カインはとても可笑しくて大笑いした。
「――すまない。いつも鉄面皮の君がそんな間抜けな顔をするとは思っても見なくて」
「間抜け――ですか」
「とても――」
カインが大笑いするのを見たのはいつぶりだろうか。
ジルダは、カインが笑っているのに驚きつつ、自分が笑われていることが少し悔しくて、ぷいと顔を背けた。
そして、すぐに元の無表情に戻ったが、恥ずかしいのか耳が赤くなっていた。
――ジルダはいつもこうだ。恥ずかしい時は耳が赤くなる。
自分が少しだけジルダのことを知っているのだと思うと、不思議と気分が良くなった。
「吸収の続きを。作業を開始されるまでにお時間があるのですから、もう少し吸収しておきます」
真面目な顔で自分の手を握るジルダの顔を、カインは見ることができなかった。
体ごと横を向けて、ジルダの視界に入らない反対の手でそっと、宝石を触った。
その宝石は、会叩く手優しいような気がした。
カインの出立にイレリアは見送りには来なかった。
魔力吸収を終えると、ジルダはすぐに侯爵邸を後にした。
いつもの事だったが、今日に限っては特にイレリアとの時間を取らせてあげようとの配慮だった。
しかし、その配慮が無駄に終わったことをジルダは知らなかった。
ジルダの帰り際にカインはようやく勇気を振り絞り、「この仕事から戻ったら話したいことがあるんだ。時間をいただけるだろうか」と伝える事ができた。
ジルダは黙って頷くと、美しい所作で礼をして獣車に乗り込み、侯爵邸を後にした。
その姿を見送りながら、カインは何故か、出発までジルダを引き留めたい衝動に駆られた。
だが、これまでの自分の言動を考えるとしてはいけない気がして、なんとか引き留めない事に成功したのだ。
帰りの獣車に揺られながらジルダは、帰りがけにカインが言ったことを思い出していた。
話したい事とは何だろう――もしかしたらイレリアとの結婚を侯爵が認めたのかもしれない。だから今日はあんなにいつもと違い上機嫌だったのではないか。
――それでもカイン様。あなたは私がいなくては生きていけないじゃないですか……
ジルダは計画を急がねばならないと思い直すと、御者に行先の変更を伝えた。
3日前も同じように目の前にいたのに、その時は相変わらず疎ましく感じていた。
だが、今日はどうだろうか。
この人はこんなに優しく温かい魔力をいつも自分に向けていたのかと自覚すると、カインは気まずさと心地よさをどう扱っていいか分からず、持て余していた。
これまでの態度が思い浮かばれて恥ずかしいし情けない。しかし、どこかでまだジルダを疎んじている自分がいる。
どこかで、「ジルダは自分を裏切った」という声が聞こえる気がするが、その声に抗いたい自分がいて、頭が混乱して考えがまとまらない。
日記の事やティン=クェンの事など聞きたい事が沢山あったが、まともにジルダの顔を見れない自分を隠したくて、手だけをジルダに預けて顔と体は横を向けていた。
「カイン様――」
ジルダに名を呼ばれて、カインは飛び上がりそうになった。
ジルダの声を久しぶりに聞いた気がした。
こんなに落ち着いた女性の声だっただろうか?もっと舌足らずな幼い話し方ではなかったか――
「カイン様の魔力が本日は安定していないようです。何かございましたか?」
カインの横顔を見つめながら、ジルダが問いかけた。
「いつも通りだ。何もない――」
ジルダの方を見ないようにして、混乱を悟られないようそっけなく答えてから、カインは後悔した。
しまった――日記の事を切り出す機会だったのに。
「そうですか――なるべく多めに魔力を吸収しておきますが、魔獣討伐は到着してすぐ行われるわけではありませんよね」
カインの対応の悪さには慣れているジルダは、特に気にする様子も見せずに答えた。
そして、部屋の隅に控えていた自分の侍女に目配せをすると、小さな包みを持ってこさせた。
「こちらを」
ジルダは包みから、カインの瞳によく似た青い親指の先ほどの大きさの宝石が付いた首飾りを取り出すと、カインに差し出した。
首飾りの鎖には繊細な細工があしらわれており、赤みを帯びた金の鎖はどことなくジルダの髪を思い浮かばせた。
「錬金術師に頼んで作ってもらったものです。――カイン様の魔力を安定させる効果があると思います」
「錬金術師――?」
カインの脳裏に、いつかジルダと親しげだったあの錬金術師の顔が浮かんだ。
「あの、何という名だったか、以前屋敷に連れてきたあの錬金術師か?」
カインの質問は的を射ない。また気に入らないと難癖をつける気かと、ジルダは小さく溜息をついた。
「ええ。マールはアバルト侯爵家の錬金術師で、以前から色々と相談に乗ってもらっています」
初耳だった。
いや、よく考えるとカインはジルダのことをほとんど知らない。
以前下男が言っていたか――僕の魔力を吸収するのは疲れる、と。
そんなことも、カインは知らなかった。
下男に接していたように、あの錬金術師にも、ジルダは親しく接しているのだろう。
あのナジームとかいう男も、ジルダには馴れ馴れしかった。
カインは思い返すと胸がむかむかしてきた。
「どうされましたか?」
ジルダがカインの顔を覗き込むと、カインはジルダの顔を見つめ返した。
昔は腫れぼったい目だったが、今では切れ長の綺麗な一重瞼だ。
社交界の人々はジルダを不器量だと笑うが、カインは一度もそう思ったことが無い。
ジルダを不器量だなんて思わないのは、自分だけだと思っていたのに、ラエル卿がジルダを美人だと言った。
あのナジームもだ。
「き……君は随分と異性に人気があるのだな」
「何をおっしゃっているのか分かりませんが、人気がおありなのはカイン様では?」
「だ――だが、僕はやたらめったら異性と親しくなんてしない」
何を言ってるんだろう。やたらめったらでなければいいとでも言いたいのだろうか。
ジルダは白けた気持ちでもう一度小さく溜息をついた。
「あのナジーム・アシャールもそうだ。君がもっと毅然とした態度でいれば、あんな風に馴れ馴れしくはならなかっただろう」
「左様ですか」
「あの時だって、僕が言わなければ君は曖昧な態度のままだっただろう」
あの時――夏を迎える夜会の時のことだろうが、ジルダはちゃんと断ったつもりでいたし、なんならカインが割り込んで最後まで話ができなかったのではないか。
ジルダはカインが何を言いたいのか分からない。
だが、このまま感情が乱れて魔力が溢れてはいけない。
ジルダは慎重に、握ったままの手からカインの魔力を読んだが、魔力はさっきよりも落ち着いていた。
吸収もいつもよりもしっかりと行ったし、これ以上カインの感情が乱れないうちにこの場を離れた方がよさそうだ。
ジルダは、差し出したままカインが受け取らないおかげで、行き場を失った宝石を握りなおすと女中に渡そうとした。
「待て。それをどうするんだ」
カインが焦ってジルダの手を握ったので、ジルダは驚いてカインを見た。
「カインさまがお受け取り下さらないので、持ち帰ろうかと」
「――受け取らないとは言っていない」
そう言うと、カインはジルダの手から青い宝石を奪うように取り上げると、そのまま自分の首に着けてみせた。
「君が作ってくれたんだろう?……その……婚約者からの贈り物だ。ありがたく、使わせていただく」
青い宝石はカインの瞳によく映えて、赤みのある金の鎖はその細工から光を乱反射させて、カインの美しい金色の髪を際立たせた。
ジルダは、まさかカインが素直に受け取るとは思わなかったため、呆気に取られてカインを見つめていた。
普段は決して表情を崩す事はないジルダのその表情を見て、カインはとても可笑しくて大笑いした。
「――すまない。いつも鉄面皮の君がそんな間抜けな顔をするとは思っても見なくて」
「間抜け――ですか」
「とても――」
カインが大笑いするのを見たのはいつぶりだろうか。
ジルダは、カインが笑っているのに驚きつつ、自分が笑われていることが少し悔しくて、ぷいと顔を背けた。
そして、すぐに元の無表情に戻ったが、恥ずかしいのか耳が赤くなっていた。
――ジルダはいつもこうだ。恥ずかしい時は耳が赤くなる。
自分が少しだけジルダのことを知っているのだと思うと、不思議と気分が良くなった。
「吸収の続きを。作業を開始されるまでにお時間があるのですから、もう少し吸収しておきます」
真面目な顔で自分の手を握るジルダの顔を、カインは見ることができなかった。
体ごと横を向けて、ジルダの視界に入らない反対の手でそっと、宝石を触った。
その宝石は、会叩く手優しいような気がした。
カインの出立にイレリアは見送りには来なかった。
魔力吸収を終えると、ジルダはすぐに侯爵邸を後にした。
いつもの事だったが、今日に限っては特にイレリアとの時間を取らせてあげようとの配慮だった。
しかし、その配慮が無駄に終わったことをジルダは知らなかった。
ジルダの帰り際にカインはようやく勇気を振り絞り、「この仕事から戻ったら話したいことがあるんだ。時間をいただけるだろうか」と伝える事ができた。
ジルダは黙って頷くと、美しい所作で礼をして獣車に乗り込み、侯爵邸を後にした。
その姿を見送りながら、カインは何故か、出発までジルダを引き留めたい衝動に駆られた。
だが、これまでの自分の言動を考えるとしてはいけない気がして、なんとか引き留めない事に成功したのだ。
帰りの獣車に揺られながらジルダは、帰りがけにカインが言ったことを思い出していた。
話したい事とは何だろう――もしかしたらイレリアとの結婚を侯爵が認めたのかもしれない。だから今日はあんなにいつもと違い上機嫌だったのではないか。
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