65 / 89
64.揚水ポンプ
しおりを挟む
イレリアを侯爵夫人の席まで案内すると、ロメオは「今日は女性だけの華やかな席ですから」と、爽やかに一礼して来た道を戻って行った。
その嫌味の無い洗練された言動に、招待された夫人たちは年甲斐もなくうっとりと溜息を漏らした。
茶会の話はロメオの恋人はまだ見つからないのか、いつ結婚するのかという話題から、いつしか昨日の事件の話へと移り変わって行った。
「イレリア様の名を騙って暴動を扇動するなんて――」
「イレリア様のお美しさに嫉妬した者の仕業ですわ」
「お可哀想なイレリア様――」
いつの間に詳細を知ったのか、我も我もと情報を出し合った後、貴婦人達は口々にイレリアを慰めた。
「ありがとうございます。皆様にそう言っていただけて、とても慰められますわ」
イレリアは侯爵夫人の隣に座って弱弱しく微笑んだ。
「名を騙り貶めるとは本当に卑怯な事ですわ」
アバルト侯爵夫人が冷たい声で言うと、貴婦人達も皆一同に頷いた。
「しかし一体誰が――」
「誰であろうと、私のような卑しい身分の人間を貶めたところで、利益を得る貴族なんておりませんわ」
誰かが不安げに声をもらしたのを聞いて、イレリアは悲しそうに口元を抑えた。
貴族同士であれば、敵対する相手の家名に傷をつけ、名誉を失墜させる事ができても、イレリアは貴族ではない。
エスクード侯爵家に後見を受けてはいるが、何かあれば後見を破棄すればよいだけの話で、イレリア一人が被害を被るだけだ。
弱々しく目を臥せると、改めて自分の立場が脆く弱いものである事を痛感して悔しさがこみ上げてきた。
「まぁ、――一人だけおられるではないですか」
フィッツバーグ子爵夫人が扇で口元を隠しながら愉快そうに言うと、その場の全員が一人の女性を思い浮かべた。
イレリアは、フィッツバーグ子爵夫人に口付けを贈りたいほど感謝した。
1日半の道のりを経て揚水ポンプに到着したカイン達は、休む暇もなく事前に送られている食料やスクロールなどの物資を確認していた。
「やあ、エスクード隊長どの」
聞き慣れない、しかし聞き覚えのある声に顔を上げると、赤い髪に浅黒い肌をした男が立っていた。
「ナジーム・アシャール……」
カインは思わず忌々しげに名を呼んだ。
「気軽にナジームと呼んでくれ。俺もカインと呼ばせてもらう」
「名呼びを許した覚えはない」
カインが即座に拒否の意思を示すと、ナジームは軽薄そうな微笑みを浮かべた。
「ナジーム!」
離れた場所で作業の確認をしていたラエル卿が、血相を変えて飛んできた。
「申し訳ありません隊長!……お前、隊長には近付くなってあれほど」
「ラエル卿」
カインのひと際冷たい声がラエル卿の耳を震わせた。
「君の関係者はなぜここにいるんだ」
「あ、はい……その」
「俺が自分で説明しよう」
ナジームはそう言って、ラエル卿を押し退けてカインの前に立った。
ジルダにしたような説明をし終えると、カインは不機嫌な顔でナジームを見た。
「お前――いや、君は私の婚約者に求婚した際、この国に来てもいいと言っていたが、それは嘘だったのか?」
カインの言葉に、ナジームは吹き出さずにはいられなかった。
「な――何がおかしい!」
「いや――なにも。ただ、あんたらは本当にお似合いだなって思っただけさ」
意味が分からず茫然としているカインを横目に、ナジームは楽しそうにラエル卿の肩を抱いて元来た方に歩き出した。
「ああ――そうだ」
何かを思い出したのか、ナジームはカインに振り返ると、ニヤリと笑ってみせた。
「今のあんた、嫌いじゃない」
「しかし相変わらず大きいねぇ」
揚水ポンプを見上げてティン=クェンが暢気な声を上げた。
轟々と音を立てて水を吸い上げるポンプは、なぜか魔物を寄せ付けるらしく、周囲には魔獣が集まっていた。
「結界がなかったらひとたまりもありませんね」
カルマイ卿は、結界の外からポンプの様子を窺うように歩き回る魔獣を見て震えた。
「君は今年から参加だったっけ」
ティン=クェンは年下だが、自分より少し背の高いカルマイ卿の背中に手を当て、魔獣が闊歩する森を見つめた。
「平時はハンター達が素材や魔石目当てに魔獣を狩りに来るんだけどね。今は繁殖期でね――数も増えるし凶暴さも増していて、ハンターでは追いつかないんだ」
「凶暴……」
ティン=クェンの手にカルマイ卿の緊張が伝わるのがわかった。
以前ゴブリンに襲撃された恐怖が尾を引いているのだろう。
「この森の周辺には人型はいないさ。奴らは知恵がある。ハンターがいる所には近づかない」
ティン=クェンの言葉に、安堵の笑みを見せたカルマイ卿だったが、彼の中ではひとつの疑問が渦巻いていた。――自分達が襲撃を受けたあの場所も、普段ならゴブリンなど出没しない場所だったはずた。
魔獣の討伐で遠征する時は、酷い時はテントすら貼れず野宿なんて時もあるが、この場所は幸いにも粗末ではあるが宿泊施設が用意されていた。
管理人がいる上に、年に一度魔道技術部隊が遠征に来るおかげだった。
騎士隊の多くは貴族の子息なのだが、粗末な寝床に誰も文句を言わないのは、遠征の際の劣悪な環境を一度でも経験しているからだろう。
土に穴を掘ってねぐらを作ったり、木の枝に体を縛り付けて眠った経験をすると、屋根と床のある場所というのは有難いものだった。
カインは隊長として個室を与えられているが、せいぜい狭い部屋で男同士抱き合って寝なくていいと言う程度の特権だった。
道中の野宿で狭いテントにダーシー卿と2人で並んで寝た時に、寝ぼけたダーシー卿に抱きしめられて、身動きが取れなくなった恐怖を思い出すと、個室と言うだけで幸せを噛み締める事ができた。
粗末な戸を叩く音がして、入ってきたのはティン=クェンだった。
「――カルマイ卿が……そうか」
ティン=クェンからカルマイ卿の話を聞いて、カインは考え込んだ。
結界を張り直している間は、カインは魔力を供給する為に魔道士に付き切りにならないといけない。結界が張り直されて途切れる瞬間の警戒は部下達が行わなければならないのだ。
ゴブリンのような人型は、人間がいる場所にはほぼ姿を現さない。しかし、あの襲撃の時のように不意打ちで現れないとも限らないのだ。
あの襲撃で一番重傷を負ったのはカルマイ卿だった。ジルダが来るのが遅れていれば、命はなかっただろう。
カインは胸元の青い宝石に手を当てた。
指先に温かさを感じるようだった。
「魔獣と対峙する時は防護の魔法陣の展開を忘れるな。奴らは一年で一番凶暴な時期だ。油断は死を意味すると思え」
翌朝、カインは部下達を前に声を張り上げた。
朝早くに近くの町に宿泊していた魔道士や治癒師達が合流した。当然だがジルダはいない。カインは分かりきっていた事だが、少し気分が落ち込むのを感じた。
しかし、今はやらねばならない事がある。
部下の命を守る事が最優先だ。毎年行っている事だが、油断は禁物だとカインは気持ちを引き締めた。
それが間違えてなかったと実感したのは、結果を掛け直す為、結界が途切れたわずか数分間の事だった。
その嫌味の無い洗練された言動に、招待された夫人たちは年甲斐もなくうっとりと溜息を漏らした。
茶会の話はロメオの恋人はまだ見つからないのか、いつ結婚するのかという話題から、いつしか昨日の事件の話へと移り変わって行った。
「イレリア様の名を騙って暴動を扇動するなんて――」
「イレリア様のお美しさに嫉妬した者の仕業ですわ」
「お可哀想なイレリア様――」
いつの間に詳細を知ったのか、我も我もと情報を出し合った後、貴婦人達は口々にイレリアを慰めた。
「ありがとうございます。皆様にそう言っていただけて、とても慰められますわ」
イレリアは侯爵夫人の隣に座って弱弱しく微笑んだ。
「名を騙り貶めるとは本当に卑怯な事ですわ」
アバルト侯爵夫人が冷たい声で言うと、貴婦人達も皆一同に頷いた。
「しかし一体誰が――」
「誰であろうと、私のような卑しい身分の人間を貶めたところで、利益を得る貴族なんておりませんわ」
誰かが不安げに声をもらしたのを聞いて、イレリアは悲しそうに口元を抑えた。
貴族同士であれば、敵対する相手の家名に傷をつけ、名誉を失墜させる事ができても、イレリアは貴族ではない。
エスクード侯爵家に後見を受けてはいるが、何かあれば後見を破棄すればよいだけの話で、イレリア一人が被害を被るだけだ。
弱々しく目を臥せると、改めて自分の立場が脆く弱いものである事を痛感して悔しさがこみ上げてきた。
「まぁ、――一人だけおられるではないですか」
フィッツバーグ子爵夫人が扇で口元を隠しながら愉快そうに言うと、その場の全員が一人の女性を思い浮かべた。
イレリアは、フィッツバーグ子爵夫人に口付けを贈りたいほど感謝した。
1日半の道のりを経て揚水ポンプに到着したカイン達は、休む暇もなく事前に送られている食料やスクロールなどの物資を確認していた。
「やあ、エスクード隊長どの」
聞き慣れない、しかし聞き覚えのある声に顔を上げると、赤い髪に浅黒い肌をした男が立っていた。
「ナジーム・アシャール……」
カインは思わず忌々しげに名を呼んだ。
「気軽にナジームと呼んでくれ。俺もカインと呼ばせてもらう」
「名呼びを許した覚えはない」
カインが即座に拒否の意思を示すと、ナジームは軽薄そうな微笑みを浮かべた。
「ナジーム!」
離れた場所で作業の確認をしていたラエル卿が、血相を変えて飛んできた。
「申し訳ありません隊長!……お前、隊長には近付くなってあれほど」
「ラエル卿」
カインのひと際冷たい声がラエル卿の耳を震わせた。
「君の関係者はなぜここにいるんだ」
「あ、はい……その」
「俺が自分で説明しよう」
ナジームはそう言って、ラエル卿を押し退けてカインの前に立った。
ジルダにしたような説明をし終えると、カインは不機嫌な顔でナジームを見た。
「お前――いや、君は私の婚約者に求婚した際、この国に来てもいいと言っていたが、それは嘘だったのか?」
カインの言葉に、ナジームは吹き出さずにはいられなかった。
「な――何がおかしい!」
「いや――なにも。ただ、あんたらは本当にお似合いだなって思っただけさ」
意味が分からず茫然としているカインを横目に、ナジームは楽しそうにラエル卿の肩を抱いて元来た方に歩き出した。
「ああ――そうだ」
何かを思い出したのか、ナジームはカインに振り返ると、ニヤリと笑ってみせた。
「今のあんた、嫌いじゃない」
「しかし相変わらず大きいねぇ」
揚水ポンプを見上げてティン=クェンが暢気な声を上げた。
轟々と音を立てて水を吸い上げるポンプは、なぜか魔物を寄せ付けるらしく、周囲には魔獣が集まっていた。
「結界がなかったらひとたまりもありませんね」
カルマイ卿は、結界の外からポンプの様子を窺うように歩き回る魔獣を見て震えた。
「君は今年から参加だったっけ」
ティン=クェンは年下だが、自分より少し背の高いカルマイ卿の背中に手を当て、魔獣が闊歩する森を見つめた。
「平時はハンター達が素材や魔石目当てに魔獣を狩りに来るんだけどね。今は繁殖期でね――数も増えるし凶暴さも増していて、ハンターでは追いつかないんだ」
「凶暴……」
ティン=クェンの手にカルマイ卿の緊張が伝わるのがわかった。
以前ゴブリンに襲撃された恐怖が尾を引いているのだろう。
「この森の周辺には人型はいないさ。奴らは知恵がある。ハンターがいる所には近づかない」
ティン=クェンの言葉に、安堵の笑みを見せたカルマイ卿だったが、彼の中ではひとつの疑問が渦巻いていた。――自分達が襲撃を受けたあの場所も、普段ならゴブリンなど出没しない場所だったはずた。
魔獣の討伐で遠征する時は、酷い時はテントすら貼れず野宿なんて時もあるが、この場所は幸いにも粗末ではあるが宿泊施設が用意されていた。
管理人がいる上に、年に一度魔道技術部隊が遠征に来るおかげだった。
騎士隊の多くは貴族の子息なのだが、粗末な寝床に誰も文句を言わないのは、遠征の際の劣悪な環境を一度でも経験しているからだろう。
土に穴を掘ってねぐらを作ったり、木の枝に体を縛り付けて眠った経験をすると、屋根と床のある場所というのは有難いものだった。
カインは隊長として個室を与えられているが、せいぜい狭い部屋で男同士抱き合って寝なくていいと言う程度の特権だった。
道中の野宿で狭いテントにダーシー卿と2人で並んで寝た時に、寝ぼけたダーシー卿に抱きしめられて、身動きが取れなくなった恐怖を思い出すと、個室と言うだけで幸せを噛み締める事ができた。
粗末な戸を叩く音がして、入ってきたのはティン=クェンだった。
「――カルマイ卿が……そうか」
ティン=クェンからカルマイ卿の話を聞いて、カインは考え込んだ。
結界を張り直している間は、カインは魔力を供給する為に魔道士に付き切りにならないといけない。結界が張り直されて途切れる瞬間の警戒は部下達が行わなければならないのだ。
ゴブリンのような人型は、人間がいる場所にはほぼ姿を現さない。しかし、あの襲撃の時のように不意打ちで現れないとも限らないのだ。
あの襲撃で一番重傷を負ったのはカルマイ卿だった。ジルダが来るのが遅れていれば、命はなかっただろう。
カインは胸元の青い宝石に手を当てた。
指先に温かさを感じるようだった。
「魔獣と対峙する時は防護の魔法陣の展開を忘れるな。奴らは一年で一番凶暴な時期だ。油断は死を意味すると思え」
翌朝、カインは部下達を前に声を張り上げた。
朝早くに近くの町に宿泊していた魔道士や治癒師達が合流した。当然だがジルダはいない。カインは分かりきっていた事だが、少し気分が落ち込むのを感じた。
しかし、今はやらねばならない事がある。
部下の命を守る事が最優先だ。毎年行っている事だが、油断は禁物だとカインは気持ちを引き締めた。
それが間違えてなかったと実感したのは、結果を掛け直す為、結界が途切れたわずか数分間の事だった。
228
あなたにおすすめの小説
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる