19 / 101
19話、姉。
しおりを挟む
シャワーが落ちてくる。
汗だくになった体を清めるためのものか、火照った体を鎮めるためのものか、私には判断がつかない。
ボディタオルにソープを落とし泡立てて、ため息をつく。
……やっちまった……。
行為も。心境も。
シャワーを浴びることで、この、どうしようもない気持ちを洗い流すことができればいいのに。
後悔は、今するものではない。
たぶん、もう少し時間が経てば、いろんな感情が湧き上がってくるはず。そのときに、後悔するかもしれないし、良かったと笑えるようになるかもしれない。
とにかく、今じゃない。
シャワーを止めるのを忘れていたせいで、湯で流されてボディタオルの泡がなくなってしまった。
……何をやっているんだか。
シャワーを止めて、再度泡立てる。洗おうとしたときに、ふと肩のあたりに赤い痕があるのを見つける。
慌てて湯気で曇った鏡を拭いて確認すると、ショウが残したキスマークが、お前はもう俺の所有物だと言わんばかりにあちこちで主張している。
それが、ショウの切ない独占欲のように思えて、私まで切なくなる。
初めて異物を受け入れた私のナカは、先ほどまでの行為を思い出したかのように、鈍い痛みを伴って、濡れる。
乱暴にされたわけじゃないのに、むしろ、優しくしてもらったはずなのに、痛い。
体も。心も。
泡でぜんぶ流れてしまえばいいのに、と思いながら、体に泡をまとっていく。
「姉ちゃん」
背後から声がして、飛び上がるほどびっくりした。
浴室の向こう側、脱衣所にショウの影が見えた。
ショウの声は、いつも以上に優しい。
「大丈夫? 痛くない?」
「う、うん、平気だけど、ちょっと痛い、かな」
「ごめん。優しくしたつもりだったんだけど、俺も余裕がなかったから」
余裕がなかったから、という一言だけで、奥が淡く疼く。
そんなに求めてくれていたのかと思うと、嬉しくなる。
本当に、姉失格だ。
「俺、気まぐれとか、遊びとかじゃなくて、本当に姉ちゃんのことが好きだよ」
扉越しの愛の言葉。
顔が見られなくて残念だけど、私も合わせる顔がないから、これでいいのかもしれない。
たぶん、私の顔は真っ赤だから。
「ずっと姉ちゃんのことが好きだったし、これからも好きでい続けられる自信があるよ」
ありがとう。
その言葉だけで十分嬉しいよ。
「姉ちゃんは? 俺のこと、どう思ってる? やっぱり、ただの弟?」
しょんぼりとした声。
あれ?
私の気持ち、ちゃんとショウに伝わってない?
「あ、あのね、ショウ。私も――」
口にした一瞬で、扉が開いた。
裸のショウがするりと浴室に入り込む。
そして、泡だらけの私の体を抱きしめて、キスをする。
「知ってる」
ショウの笑顔が目の前にあって、ほっとする。
「だから、顔見て、言って?」
前言撤回。
ほっとなんかできない。
ドキドキするだけだわ。
汗だくになった体を清めるためのものか、火照った体を鎮めるためのものか、私には判断がつかない。
ボディタオルにソープを落とし泡立てて、ため息をつく。
……やっちまった……。
行為も。心境も。
シャワーを浴びることで、この、どうしようもない気持ちを洗い流すことができればいいのに。
後悔は、今するものではない。
たぶん、もう少し時間が経てば、いろんな感情が湧き上がってくるはず。そのときに、後悔するかもしれないし、良かったと笑えるようになるかもしれない。
とにかく、今じゃない。
シャワーを止めるのを忘れていたせいで、湯で流されてボディタオルの泡がなくなってしまった。
……何をやっているんだか。
シャワーを止めて、再度泡立てる。洗おうとしたときに、ふと肩のあたりに赤い痕があるのを見つける。
慌てて湯気で曇った鏡を拭いて確認すると、ショウが残したキスマークが、お前はもう俺の所有物だと言わんばかりにあちこちで主張している。
それが、ショウの切ない独占欲のように思えて、私まで切なくなる。
初めて異物を受け入れた私のナカは、先ほどまでの行為を思い出したかのように、鈍い痛みを伴って、濡れる。
乱暴にされたわけじゃないのに、むしろ、優しくしてもらったはずなのに、痛い。
体も。心も。
泡でぜんぶ流れてしまえばいいのに、と思いながら、体に泡をまとっていく。
「姉ちゃん」
背後から声がして、飛び上がるほどびっくりした。
浴室の向こう側、脱衣所にショウの影が見えた。
ショウの声は、いつも以上に優しい。
「大丈夫? 痛くない?」
「う、うん、平気だけど、ちょっと痛い、かな」
「ごめん。優しくしたつもりだったんだけど、俺も余裕がなかったから」
余裕がなかったから、という一言だけで、奥が淡く疼く。
そんなに求めてくれていたのかと思うと、嬉しくなる。
本当に、姉失格だ。
「俺、気まぐれとか、遊びとかじゃなくて、本当に姉ちゃんのことが好きだよ」
扉越しの愛の言葉。
顔が見られなくて残念だけど、私も合わせる顔がないから、これでいいのかもしれない。
たぶん、私の顔は真っ赤だから。
「ずっと姉ちゃんのことが好きだったし、これからも好きでい続けられる自信があるよ」
ありがとう。
その言葉だけで十分嬉しいよ。
「姉ちゃんは? 俺のこと、どう思ってる? やっぱり、ただの弟?」
しょんぼりとした声。
あれ?
私の気持ち、ちゃんとショウに伝わってない?
「あ、あのね、ショウ。私も――」
口にした一瞬で、扉が開いた。
裸のショウがするりと浴室に入り込む。
そして、泡だらけの私の体を抱きしめて、キスをする。
「知ってる」
ショウの笑顔が目の前にあって、ほっとする。
「だから、顔見て、言って?」
前言撤回。
ほっとなんかできない。
ドキドキするだけだわ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる