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第二章 異質な神界
第七十八話 乙女ゲーム
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「報告、なのですが……何方か、『おとめげーむ』なるものについての知識を持っていませんでしょうか?」
ピンク頭にとことん嫌われて、嫌がらせ、らしきものを色々とされる中、淡々と調査を続けていた私達。今日もまた、報告のために人気のない教室に集まると、ロードさんが困ったような表情で問いかけてきました。
「「『乙女ゲーム』??」」
「なぁに、それ? なんだか、とっても素敵なもののような気がするわっ」
私達は、一応、お母様から乙女ゲームがどういうものなのか教えてもらっています。ただし、あの世界に縛られていた神のロードさんやエイリーンさんに関しては、そういった別世界の娯楽に関する知識はないらしく、『乙女ゲーム』が何なのか分かっていなさそうでした。
「『乙女ゲーム』がこの歪みと何か関係がある、とでも言うんですか?」
「そこまではまだ何とも……ですが、この世界の創世神様がいらっしゃったであろう場所へ、先日、ようやく侵入することに成功しまして、そこで、これを見つけたのです」
そうして、ロードさんが出してきたのは、真っ白な一冊のノート。そこには、神界の文字で、『乙女ゲームに関する考察』と書かれています。
「……もし、これの出処がそんな場所でなければ、くだらないと捨てていたかもしれませんね」
「確かに」
私とラルフの反応に、ロードさんは戸惑っていましたが、乙女ゲームがどんなものなのかを知っていれば、こういう反応があり得るものだということも理解できるはずです。
「それで? 内容は? 何が書かれてるのよ?」
「それが、私が開けるのはここだけでした」
そうして、ロードさんが開いてみせた場所に書かれていたのは、ただ一言。
「『乙女ゲームに呑まれる』ですか……」
「「「…………」」」
乙女ゲームを知らないロードさんやエイリーンさんはもちろんですが、私やラルフでも、この言葉の意味は理解できませんでした。
「フィー、まずは、乙女ゲームの説明をしてみよう」
「そうですね、ラルフ」
二人で考えるより、四人で考えられた方が、何か発見があるかもしれない。そう思って、私達は、乙女ゲームが架空の世界で主人公が恋愛を楽しむ遊び道具だという内容を説明します。
「なるほど、要するに、物語の筋を分岐させる条件をいくつも重ねて、物語の結末を見るというものですね」
「へぇ、ちょっと変わった恋愛小説ってところかしら?」
「実際、小説がゲームになることもあるらしいので、その認識で間違ってはいませんね」
そんな話をしていると、ふと、ラルフが呟きます。
「……『悪役令嬢』って、乙女ゲームに使われる言葉じゃなかったっけ……?」
その一言で、私は、面倒なピンク頭のことを思い出したのでした。
ピンク頭にとことん嫌われて、嫌がらせ、らしきものを色々とされる中、淡々と調査を続けていた私達。今日もまた、報告のために人気のない教室に集まると、ロードさんが困ったような表情で問いかけてきました。
「「『乙女ゲーム』??」」
「なぁに、それ? なんだか、とっても素敵なもののような気がするわっ」
私達は、一応、お母様から乙女ゲームがどういうものなのか教えてもらっています。ただし、あの世界に縛られていた神のロードさんやエイリーンさんに関しては、そういった別世界の娯楽に関する知識はないらしく、『乙女ゲーム』が何なのか分かっていなさそうでした。
「『乙女ゲーム』がこの歪みと何か関係がある、とでも言うんですか?」
「そこまではまだ何とも……ですが、この世界の創世神様がいらっしゃったであろう場所へ、先日、ようやく侵入することに成功しまして、そこで、これを見つけたのです」
そうして、ロードさんが出してきたのは、真っ白な一冊のノート。そこには、神界の文字で、『乙女ゲームに関する考察』と書かれています。
「……もし、これの出処がそんな場所でなければ、くだらないと捨てていたかもしれませんね」
「確かに」
私とラルフの反応に、ロードさんは戸惑っていましたが、乙女ゲームがどんなものなのかを知っていれば、こういう反応があり得るものだということも理解できるはずです。
「それで? 内容は? 何が書かれてるのよ?」
「それが、私が開けるのはここだけでした」
そうして、ロードさんが開いてみせた場所に書かれていたのは、ただ一言。
「『乙女ゲームに呑まれる』ですか……」
「「「…………」」」
乙女ゲームを知らないロードさんやエイリーンさんはもちろんですが、私やラルフでも、この言葉の意味は理解できませんでした。
「フィー、まずは、乙女ゲームの説明をしてみよう」
「そうですね、ラルフ」
二人で考えるより、四人で考えられた方が、何か発見があるかもしれない。そう思って、私達は、乙女ゲームが架空の世界で主人公が恋愛を楽しむ遊び道具だという内容を説明します。
「なるほど、要するに、物語の筋を分岐させる条件をいくつも重ねて、物語の結末を見るというものですね」
「へぇ、ちょっと変わった恋愛小説ってところかしら?」
「実際、小説がゲームになることもあるらしいので、その認識で間違ってはいませんね」
そんな話をしていると、ふと、ラルフが呟きます。
「……『悪役令嬢』って、乙女ゲームに使われる言葉じゃなかったっけ……?」
その一言で、私は、面倒なピンク頭のことを思い出したのでした。
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