私、竜人の国で寵妃にされました!?

星宮歌

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第五章 襲来

第九十四話 契約(アルム視点)

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「悪魔。ボクと契約内容を詰めようか」

「うんっ!」


 契約が切れたと喜ぶ悪魔に、ボクは新たな契約内容をまとめて、シェイラには少し部屋で休むように言い聞かせてから二人で外に出る。


「それでっ、僕はどんなことをすれば良いかな?」

「あぁ、それなんだが……家事が万能だというのは本当だろうな?」

「? うん、そうだけど……ちゃんと、戦闘能力もあるよ?」

「いや、ゆくゆくは、人材育成に力を入れてほしいところではあるが、今は、シェイラに求婚するために、家事を習いたい」

「へっ?」


 ポカンとした表情でこちらを見る悪魔。しかし、ボクは至って真面目だ。そんな表情で見られるいわれはない。


「何だ? 何か言いたいことでもあるのか?」

「え、えーと……いや、やっとそこまで進んだのかと、感慨深いものはあるけど……え? 竜王が、家事ができなきゃ結婚できないの?」

「……シェイラの保護者のような者達からの課題だ」

「……そ、そっか……」


 悪魔は、なぜかとても同情したような目で、ポンポンと肩を叩いてくる。


(……無性に、切り落としたい……)


 もちろん、そんなことをして契約しないなんてことになったら困るため、とりあえずはされるがままだ。


「いやぁ、あのまま何も進展がなかったら、本気でシェイラちゃんを落とそうかと思ってたけど、ちゃんと進展してたんだなっ。良かった良かった!」

「……随分と、ボク達のことを知っているようだな?」

「あっ、言ってなかったか。あのドライムっていうのは、僕の分身、みたいなものだったんだぁ」


 『ドライム』という名前を聞いて、ボクは納得すると同時に激しい警戒心を持つ。


「あっ、でも、シェイラちゃんが幸せになれるのは絶対、アンタとの結婚が必要だと思うからさ。協力するよ?」


 ただ、ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべてそう言う悪魔に、少しばかり毒気が抜かれる。


「契約内容は、ボクに家事を教えること、騎士団の人材育成のために尽力すること。それが大きな柱だ。細かい勤務内容や禁止事項は、今書き出そうと思うが、それで良いか?」

「うん、よろしくっ」


 とりあえず、コレは敵ではない。それを自分に言い聞かせながら、ボクは詳しく、漏れがないように契約内容を書き出していく。


(もう一人の悪魔についても対処しなければならないか……それと、ボクが死んだ後のコイツの処遇も、今、決めておくべきか……)


 契約内容をしっかりと書き終えたのは、あれから一時間以上が経過したところで、ボクは、その契約をもって、この悪魔と繋がることになるのだった。
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