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幼少期編
私、メリーさん
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とある復讐劇の最中……。
次々に使用人達が変なものを見たり、聞いたりしている中、私は、聞いてしまった。
『私、メリーさん。今、リーリス国の前に立っているの』
「えっ?」
部屋の掃除をしている時、突然、耳元で聞こえたそれに、私はビクビクしながら周囲を見渡すが、声の主は見当たらない。と、いうか、この部屋には私一人しかいないはずなのだ。
「き、気の、せい?」
周りがおかしくなっているせいで、幻聴でも聞こえたのだろうかと頭を振る。
「さ、さぁ、掃除、しなきゃっ」
大丈夫。何も問題はないと言い聞かせながら、私は掃除を再開しようとして……。
『私、メリーさん。今、リーリス国王都、マルスの門前に居るの』
明らかにおかしいその言葉に、私は今度こそ勢い良く振り返るが、やはり、そこには誰もいない。
ついでに、リーリス国の王都マルスとは、このアルテナ家のある場所でもある。
「近づいて、きてる……?」
いや、そんなわけないと、私はブンブンと首を振る。そもそも、こんなもの幻聴に違いないのだと、血の気の引いた顔で必死に思い込む。すると……。
『私、メリーさん。今、アルテナ家の前に居るの』
「ひっ」
その囁きに、思わず箒を落とす。
近づいて来ているという予想が確信に変わった瞬間だった。
『私、メリーさん。今、一階のエントランスに居るの』
一階エントランス。それを考えて、今の私の位置は三階だと意識する。
「に、逃げなきゃ」
何かは分からないが、このままこれを聞いているのは危険だ。そう考えて私は掃除道具もそのままにどうにか逃げようと走り出す。
「二階から、外に繋がる階段があるはずっ」
そう思った直後だった。
『私、メリーさん。今、あなたの部屋に居るの』
その囁きに、足が止まる。私の部屋は、二階にある部屋だ。これで、二階に下りることもできなくなった。
『私、メリーさん。今、あなたの日記を読んでいるの。『あぁっ、カミラ様っ、あなたは幾億と輝く星のごとくっ、いいえ、まさに流星のごとくっ』』
「いやぁぁぁぁぁぁあっ!!」
それは、とある劇団の役者への想いを綴った文章。それを不意打ちで読み上げられて、私は思わず悲鳴をあげる。
『私、メリーさん。今、あなたの裏帳簿を見ているの。流星劇団、楽しかった?』
「うわぁぁぁぁぁあっ!!」
今度は、横領の証拠を掴まれた。そして、その横領したお金で流星劇団に貢いでいたこともバレてしまった。私の精神ライフはほぼゼロだ。
『私、メリーさん。今、ついうっかりでカミラ様のサイン入りグッズを壊しちゃった』
「ぐはぁっ!」
これは、早く部屋に行って止めなければならない。そうでなければ、私が築いてきた何もかもが奪われてしまう。そう、思ったのに……。
『私、メリーさん。今、あなたの後ろに居るの』
その言葉に、私の頭は一気に冷える。
後ろから感じる息遣い。誰も居ないはずの廊下に、ナニカがそこに居るという異常。何もかもが、私の神経を乱し、心音を加速させる。
『私、メリーさん。今……アなタにふくシュうすルノ』
その直後、私は………………………………………。
これから数年後、『私、メリーさん』という都市伝説が生まれたとかなんとか……。
次々に使用人達が変なものを見たり、聞いたりしている中、私は、聞いてしまった。
『私、メリーさん。今、リーリス国の前に立っているの』
「えっ?」
部屋の掃除をしている時、突然、耳元で聞こえたそれに、私はビクビクしながら周囲を見渡すが、声の主は見当たらない。と、いうか、この部屋には私一人しかいないはずなのだ。
「き、気の、せい?」
周りがおかしくなっているせいで、幻聴でも聞こえたのだろうかと頭を振る。
「さ、さぁ、掃除、しなきゃっ」
大丈夫。何も問題はないと言い聞かせながら、私は掃除を再開しようとして……。
『私、メリーさん。今、リーリス国王都、マルスの門前に居るの』
明らかにおかしいその言葉に、私は今度こそ勢い良く振り返るが、やはり、そこには誰もいない。
ついでに、リーリス国の王都マルスとは、このアルテナ家のある場所でもある。
「近づいて、きてる……?」
いや、そんなわけないと、私はブンブンと首を振る。そもそも、こんなもの幻聴に違いないのだと、血の気の引いた顔で必死に思い込む。すると……。
『私、メリーさん。今、アルテナ家の前に居るの』
「ひっ」
その囁きに、思わず箒を落とす。
近づいて来ているという予想が確信に変わった瞬間だった。
『私、メリーさん。今、一階のエントランスに居るの』
一階エントランス。それを考えて、今の私の位置は三階だと意識する。
「に、逃げなきゃ」
何かは分からないが、このままこれを聞いているのは危険だ。そう考えて私は掃除道具もそのままにどうにか逃げようと走り出す。
「二階から、外に繋がる階段があるはずっ」
そう思った直後だった。
『私、メリーさん。今、あなたの部屋に居るの』
その囁きに、足が止まる。私の部屋は、二階にある部屋だ。これで、二階に下りることもできなくなった。
『私、メリーさん。今、あなたの日記を読んでいるの。『あぁっ、カミラ様っ、あなたは幾億と輝く星のごとくっ、いいえ、まさに流星のごとくっ』』
「いやぁぁぁぁぁぁあっ!!」
それは、とある劇団の役者への想いを綴った文章。それを不意打ちで読み上げられて、私は思わず悲鳴をあげる。
『私、メリーさん。今、あなたの裏帳簿を見ているの。流星劇団、楽しかった?』
「うわぁぁぁぁぁあっ!!」
今度は、横領の証拠を掴まれた。そして、その横領したお金で流星劇団に貢いでいたこともバレてしまった。私の精神ライフはほぼゼロだ。
『私、メリーさん。今、ついうっかりでカミラ様のサイン入りグッズを壊しちゃった』
「ぐはぁっ!」
これは、早く部屋に行って止めなければならない。そうでなければ、私が築いてきた何もかもが奪われてしまう。そう、思ったのに……。
『私、メリーさん。今、あなたの後ろに居るの』
その言葉に、私の頭は一気に冷える。
後ろから感じる息遣い。誰も居ないはずの廊下に、ナニカがそこに居るという異常。何もかもが、私の神経を乱し、心音を加速させる。
『私、メリーさん。今……アなタにふくシュうすルノ』
その直後、私は………………………………………。
これから数年後、『私、メリーさん』という都市伝説が生まれたとかなんとか……。
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