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第二章 第二フロア
*マジョ
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「い゛っ」
ガチャンッという音を後ろに聞きながら、俺は無様に顔面から床に落ちる。……扉の中の、床に……。
「うぅ……」
「ゴゲッ!」
俺は、鼻がヒリヒリとするのを感じながら体勢を立て直す。ゴンゲがなぜか華麗に着地しているのを一瞬、恨めしく思ったが、すぐにそれどころではないと思考を切り替える。
ここは、扉の中だ。早急に、冒険の書を確認して、対処しなければならない。しかし……冒険の書が、見当たらなかった。
「っ、どこに!」
肝心の冒険の書がない。前回の反省を活かせない。そんな予想もしていなかった事態が、俺の判断を鈍らせる。
今、警戒すべきものが、すぐそこにあるにも関わらず……。
「え……?」
何が起こったのか分からない。
それが、俺の、最初の感想だった。唐突に、左腕が軽くなった気がしたのだ。それはまるで、『何か』がゴッソリと取り除かれたかのように……。
「……あ?」
左腕の違和感を確かめるため、俺は、その左腕を持ち上げた……つもりだったが、視界に入るはずの腕がない。
まさか……。
最悪な想像と、それを裏づける激痛とが、俺の頭に信号として送られる。
「ぐっ、がぁぁあぁあぁぁあっ!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
神経の全てが焼けつくような痛み。それは、俺の左腕から……いや、左腕がくっついていたはずの、肩の断面から発せられていた。
ブワッと、脂汗が一気に額に生じ、視界が歪む。生暖かいものが滴り、石の床を汚す。
俺の左腕は、俺の認識が間に合わないうちに、斬り落とされていた。
脳を焼く痛みに、俺は絶叫を続ける。しかし、その合間に、ふと、不気味な声が響いた。
「キャハハハハッ!!」
小さな女の子の笑い声。それは、もしも公園や学校といった場所で聞いていたのならば、さほど気にならない、ただの楽しそうな声でしかない。が、この場所に……この、邪悪なモンスターがひしめくダンジョンに、幼い少女の笑い声が響くはずなどない。なぜなら、ここには……。
「キャハッ! キャハハハッ! キヒヒッ!」
笑い声はだんだんと低く、しわがれていく。苦痛に呻きながらも視線を巡らせた俺は、そいつの姿を、とうとう捉えた。
「キヒッキヒヒッ!」
『魔女』
それが、そいつを見た、俺の第一印象だ。
宙に浮くほうきの柄に腰掛け、黒いローブを身にまとう。深いシワが刻まれた顔に、真っ白なざんばら髪。大きなかぎ鼻に、黄ばんで、ところどころ抜け落ちた歯が口元に見える。濁った白一色の目玉を持つそいつは……もはや、恐ろしい魔女以外の何者でもない。
「俺の……う、で……」
しかし、そんな容姿のことよりも、俺は、その魔女がボールのように上に投げてもてあそぶソレを見て、絶望的な気持ちになる。
俺の腕。見慣れた革の手甲をはめたそれが、魔女の手の内にあった。あの魔女が、俺の腕を切断したに違いない。
そうは思うものの、あまりの痛みに、戦いの気力など湧かない。思考は靄がかかったようにフワフワとし、平衡感覚でさえ怪しい状況。初っぱなからこんな状態で、生き残れるなどとは、欠片も思えない。
もう、無理だ。ここで、俺は殺される。
そう、心が訴えたときだった。
「ゴンゲェギョッゴォオッ!!」
ゴンゲが、頼もしく俺の目の前に現れたのは。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴンゲが、ゴンゲが、わりとかっこいいポジションを独占している、だと!?
ギャグキャラ枠で書いていたゴンゲが、随分たくましくなったものです。
それでは、また!
ガチャンッという音を後ろに聞きながら、俺は無様に顔面から床に落ちる。……扉の中の、床に……。
「うぅ……」
「ゴゲッ!」
俺は、鼻がヒリヒリとするのを感じながら体勢を立て直す。ゴンゲがなぜか華麗に着地しているのを一瞬、恨めしく思ったが、すぐにそれどころではないと思考を切り替える。
ここは、扉の中だ。早急に、冒険の書を確認して、対処しなければならない。しかし……冒険の書が、見当たらなかった。
「っ、どこに!」
肝心の冒険の書がない。前回の反省を活かせない。そんな予想もしていなかった事態が、俺の判断を鈍らせる。
今、警戒すべきものが、すぐそこにあるにも関わらず……。
「え……?」
何が起こったのか分からない。
それが、俺の、最初の感想だった。唐突に、左腕が軽くなった気がしたのだ。それはまるで、『何か』がゴッソリと取り除かれたかのように……。
「……あ?」
左腕の違和感を確かめるため、俺は、その左腕を持ち上げた……つもりだったが、視界に入るはずの腕がない。
まさか……。
最悪な想像と、それを裏づける激痛とが、俺の頭に信号として送られる。
「ぐっ、がぁぁあぁあぁぁあっ!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
神経の全てが焼けつくような痛み。それは、俺の左腕から……いや、左腕がくっついていたはずの、肩の断面から発せられていた。
ブワッと、脂汗が一気に額に生じ、視界が歪む。生暖かいものが滴り、石の床を汚す。
俺の左腕は、俺の認識が間に合わないうちに、斬り落とされていた。
脳を焼く痛みに、俺は絶叫を続ける。しかし、その合間に、ふと、不気味な声が響いた。
「キャハハハハッ!!」
小さな女の子の笑い声。それは、もしも公園や学校といった場所で聞いていたのならば、さほど気にならない、ただの楽しそうな声でしかない。が、この場所に……この、邪悪なモンスターがひしめくダンジョンに、幼い少女の笑い声が響くはずなどない。なぜなら、ここには……。
「キャハッ! キャハハハッ! キヒヒッ!」
笑い声はだんだんと低く、しわがれていく。苦痛に呻きながらも視線を巡らせた俺は、そいつの姿を、とうとう捉えた。
「キヒッキヒヒッ!」
『魔女』
それが、そいつを見た、俺の第一印象だ。
宙に浮くほうきの柄に腰掛け、黒いローブを身にまとう。深いシワが刻まれた顔に、真っ白なざんばら髪。大きなかぎ鼻に、黄ばんで、ところどころ抜け落ちた歯が口元に見える。濁った白一色の目玉を持つそいつは……もはや、恐ろしい魔女以外の何者でもない。
「俺の……う、で……」
しかし、そんな容姿のことよりも、俺は、その魔女がボールのように上に投げてもてあそぶソレを見て、絶望的な気持ちになる。
俺の腕。見慣れた革の手甲をはめたそれが、魔女の手の内にあった。あの魔女が、俺の腕を切断したに違いない。
そうは思うものの、あまりの痛みに、戦いの気力など湧かない。思考は靄がかかったようにフワフワとし、平衡感覚でさえ怪しい状況。初っぱなからこんな状態で、生き残れるなどとは、欠片も思えない。
もう、無理だ。ここで、俺は殺される。
そう、心が訴えたときだった。
「ゴンゲェギョッゴォオッ!!」
ゴンゲが、頼もしく俺の目の前に現れたのは。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴンゲが、ゴンゲが、わりとかっこいいポジションを独占している、だと!?
ギャグキャラ枠で書いていたゴンゲが、随分たくましくなったものです。
それでは、また!
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