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第一章 幼少期編
第四十一話 前世の暴露
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『私、前世の記憶があるの』なんて言って、信じてくれる人はいったいどれだけいるだろうか。幼児の戯れ言としてあしらわれるか、頭がおかしくなったのかと心配されるかのどちらか、というのが、大抵の人間の反応だろうと、私は覚悟していた。……覚悟、していたのだが……。
「ふぅん、だから、ユミリアは色々と規格外だったんだね」
「ユミリア、すごい」
「おうっ、前世の記憶持ちとは初めて会うな」
「ユミリアお嬢様、素敵です」
誰がどのセリフを言ったのかという説明はいらないだろう。私に、異世界の前世の記憶があることを説明し、この世界がゲームの世界と酷似していることまで話せば、四人ともこんな反応を示した。
「……うしょだとか、おかちいとか、おもわにゃいにょ? (……嘘だとか、おかしいとか、思わないの?)」
「ユミリアがそんなことで嘘を吐くとか、思うわけないでしょ……そ、その……友達、だし?」
「ユミリアは嘘を吐いていない。目を見れば、分かる」
「まぁ、ユミリア様じゃなきゃ、信じなかっただろうが……ユミリア様だしなぁ」
「ユミリアお嬢様の言うことなら、どんなことでも信じますっ」
恐る恐る聞く私に、怯えていた自分がバカらしいと思えるほどの解答が返ってくる。
(まぁ、ローランは……後でちょっとお話、かな?)
そして、話は私が暴露したゲーム内容へと及んでいく。
「ふ、ふふふっ、ユミリアお嬢様を貶める奴らの名前、しかと覚えましたよ」
「ま、まぁ、その破滅の未来回避とやらに、手を貸してやらなくもないよ?」
「ぼく、協力するっ」
「……いや、この戦力なら、国を取れるんじゃね?」
メリー、まだ、彼らは何もしていないのだから、どこからか出した暗器をうっとり眺めないでほしい。セイは……通常運行と見せかけて、結構怒ってる? 鱗粉撒き散らすのは禁止だよ? 鋼は、単純に癒される……。ローラン……それは、言わないでほしかった……。そして、静かに殺気立つのはやめてほしい。
そんなこんなで、何やら私の不安は完全に杞憂となった前世の暴露。静かに怒りをあらわにする人達が……特に、メリーが怖いが、私はこれを収めることができるのか、とっても不安だ。ただ、私のために怒ってくれているという事実が嬉しいのも確かで、暴走さえしなければしばらくはこのまま眺めていても良いかなと思えてしまう。
「セイ様、星妖精の幻術を試す時が来ました。とりあえず、ユミリアお嬢様を害する輩をプチッとやってきませんか?」
「うん、それは良い考えだね。僕も、進化してからあまり力試しをしていないから、願ったりだよ」
「ぼく、そいつらの巣を壊すっ」
「おっ、なら俺は、証拠隠滅を担当するぞ」
(……うん、眺めてるの、ダメだわ)
この後、私は王族やら高位貴族やらを滅ぼしかねない四人を必死に説得して、何とか思い留まってもらうのだった。
「ふぅん、だから、ユミリアは色々と規格外だったんだね」
「ユミリア、すごい」
「おうっ、前世の記憶持ちとは初めて会うな」
「ユミリアお嬢様、素敵です」
誰がどのセリフを言ったのかという説明はいらないだろう。私に、異世界の前世の記憶があることを説明し、この世界がゲームの世界と酷似していることまで話せば、四人ともこんな反応を示した。
「……うしょだとか、おかちいとか、おもわにゃいにょ? (……嘘だとか、おかしいとか、思わないの?)」
「ユミリアがそんなことで嘘を吐くとか、思うわけないでしょ……そ、その……友達、だし?」
「ユミリアは嘘を吐いていない。目を見れば、分かる」
「まぁ、ユミリア様じゃなきゃ、信じなかっただろうが……ユミリア様だしなぁ」
「ユミリアお嬢様の言うことなら、どんなことでも信じますっ」
恐る恐る聞く私に、怯えていた自分がバカらしいと思えるほどの解答が返ってくる。
(まぁ、ローランは……後でちょっとお話、かな?)
そして、話は私が暴露したゲーム内容へと及んでいく。
「ふ、ふふふっ、ユミリアお嬢様を貶める奴らの名前、しかと覚えましたよ」
「ま、まぁ、その破滅の未来回避とやらに、手を貸してやらなくもないよ?」
「ぼく、協力するっ」
「……いや、この戦力なら、国を取れるんじゃね?」
メリー、まだ、彼らは何もしていないのだから、どこからか出した暗器をうっとり眺めないでほしい。セイは……通常運行と見せかけて、結構怒ってる? 鱗粉撒き散らすのは禁止だよ? 鋼は、単純に癒される……。ローラン……それは、言わないでほしかった……。そして、静かに殺気立つのはやめてほしい。
そんなこんなで、何やら私の不安は完全に杞憂となった前世の暴露。静かに怒りをあらわにする人達が……特に、メリーが怖いが、私はこれを収めることができるのか、とっても不安だ。ただ、私のために怒ってくれているという事実が嬉しいのも確かで、暴走さえしなければしばらくはこのまま眺めていても良いかなと思えてしまう。
「セイ様、星妖精の幻術を試す時が来ました。とりあえず、ユミリアお嬢様を害する輩をプチッとやってきませんか?」
「うん、それは良い考えだね。僕も、進化してからあまり力試しをしていないから、願ったりだよ」
「ぼく、そいつらの巣を壊すっ」
「おっ、なら俺は、証拠隠滅を担当するぞ」
(……うん、眺めてるの、ダメだわ)
この後、私は王族やら高位貴族やらを滅ぼしかねない四人を必死に説得して、何とか思い留まってもらうのだった。
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